異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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巡礼路デリシア街道、神には至らぬ神の道編

  鬼の居る間に2

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   ◆


 えらい服装でトリハダが立ちそうだったので、すぐに囲炉裏いろりに【フレイム】で火をともし、俺はひとまず簡単なスープを作る事にした。
 スープだったらブラック達も食べられるだろうし、コトコト煮込んでいれば具材に味が染み込んで美味しくなる。

 ……とはいえ、この世界だと調味料も満足に使えないので、素材のダシか塩胡椒こしょうのどっちかしか使えないんだけど。
 蜂蜜はちみつもあまり使い過ぎると独特のクドさが出るから、使い所が難しい。

 そんな事を思いつつ、俺は【リオート・リング】の入口付近ふきん(そこら辺だと冷蔵庫的な温度になっている)に置いていた半生の干し肉と野菜を取り出し、釣りなわを上へ下へと調節しながら鍋を掻き回していた。

 ニワトリ頭目のクックは、そんな俺の手際てぎわに対して初見の生き物を見るかのように注目していたのだが、スープや俺の調理器具などは気になるようで、俺が遅い昼飯を作っている間は黙ってじっとしていた。
 なんだか凄く食べたそうな感じもするが、すすめたらコイツの事だから断りそうだ。
 こういう居丈高な奴ってプライドも高いからなぁ。ま、俺を村に滞在させてくれたのは長老さんだし、コイツに無理に勧めることもなかろう。何より、俺はブラック達に薬をがせたことをまだ怒ってるんだからな。

 いくら後遺症が無いとはいえ、話も聞かずにそく拘束こうそくなんて本当にありえん。
 おかげでオッサン達はずっと酷い二日酔いみたいな状態で苦しんでんだからな。
 誤解とは言え、このニワトリ野郎は人の話も聞かずにやっていまだに反省の色も無いんだから、こっちだって怒ってたっていいはずだ。
 これでブラック達の体調がまだ悪いなら本当に怒るんだからなもう。

 ――――そんな事を思いつつ、俺はスープの味を見た。

「…………よし、こんぐらいかな」

 少し塩気と胡椒が効き過ぎているような気もするが、気付けとしてはこれでいい。
 なにより高所となれば体が冷えるし、味覚が低下する……とかなんとか聞いた事があるので、このくらいの刺激があった方が良いだろう。
 まあ、この世界で俺の世界の常識が通じるのかは謎だが、うまいからいいのだ。

 ペコリア達にも食べさせたかったけど、再度訪問したブーブックさんが言うには「我のヒナ達が気に入ってしまったので、出来るだけ一緒にいさせてくれ」とのことで、おりからは出して貰えたみたいだけど返してはくれなかった。
 まあ……子供たちが気に入ったと言うなら仕方ないし、ペコリア達も嫌がってないんなら別に良いんだけど……でもさびしい。

 それに、今回のスープは濃い味なのであげなくて良かったとは思うけど、それでも俺の料理で喜んでくれるもふもふわたあめちゃん達を見られないのはつらいっ。
 はあ、同じモフモフとはいえ、ココにいるのはでっかいオスニワトリだしなあ。

「なんだ、何を見てる」
「何でも無いっす」

 長老さんは思う存分モフモフしたいと思うが、こんにゃろには全然思わん。
 というか、俺の婆ちゃんの田舎で飼ってる雄鶏おんどりのがよっぽど可愛い。しかも賢いんだよな。俺のてのひらにエサを撒いたって絶対突かないで綺麗に食べてくれるし。雌鶏めんどりは言わずもがなちょっと丸っこくてかわいい。

 まったくもってこのデカいニワトリ鳥人とは別ものだな! うむ!
 とかなんとか思ってもう一度ニワトリ……いやクック頭目とうもくを見やると。

「…………えっと、あの」
「なんだ。俺の顔になにふぁついひぇるかっ」

 いやその、口が半開きになってよだれがめっちゃ出てるんですが……。
 もしかして腹減ってるのか?
 でもアンタさっきめっちゃ俺の事見下してただろ、ソレでそんな顔見せるの。
 …………しかし、そこまで喰いたいというんなら……うーん……。

「……ちょっと食べます?」
「コケッ!! なっ、なんだきゅふにっ! 俺は別に……いや、お前がどうしてもと言うのならばまあ仕方ないがっなっ!」

 あーはいはい、男のツンデレはらないんですよ。
 欲しいと言うのなら素直にあげましょう。そんなに「腹が減ってますよ」と態度でしめすの奴の前で食べるほど、俺も鬼ではないからな。
 ちょっと納得は行かないけど、まあ良かろう。
 意地悪をせずに具もちゃんと入れて差し出すと、クックはおわんを素直に受け取り、ズッと音を立てて一口すすったが――――動きを止めて、おわんゆかに置いた。

「ム……」
「な、なんだよ、不味まずいってのか?」
「ああ、いや、すまん。不味いというわけではないんだが……」

 そう言って何やらソワソワしたと思ったら、急に扉の無い入り口から飛び出して、すぐに何かを持って戻ってきた。
 アレは……なんか緑色の紙切れ……いやあつさが違う。もしかして葉っぱの破片はへん
 それにしてもデカすぎるんだが、もしかして【セウの樹】の葉っぱの一部なのか。

 目を丸くして見ていると、クックは葉っぱを細かく千切ると椀の中に入れて、ぐるぐると掻き回した。ゲッ、なんかスープが薄茶色になってくんだが。
 思わず顔を歪めた俺に、クックは申し訳なさそうにトサカを少しヘタれさせた。

「す、すまん……別にお前の飯汁が悪いと言うわけでは無いんだが、俺達鳥人族は、昔から【セウの樹】の葉を飯に使っているからな。コレがないと落ち着かないんだ」
「そ……そういうことか……」

 一瞬気分を悪くしてしまったが、謝られるほど我慢出来なかったなら仕方ない。
 俺達で言う所のミソや醤油しょうゆみたいな感じなんだろうか。
 そりゃ俺だって、かなう事ならこのスープにも醤油味を足したいし、こと有るごとに日本の調味料をコッチに持ち出せないだろうかと夢だって見るさ。俺にとって、みそ味や醤油味、それに加えて照り焼きなんかの甘辛さは故郷の味なんだから。
 鳥人にとって、それがセウの樹の葉っぱなのだろう。

 日常的に食べているなら、つい「ちょい足し」したって仕方がないよな。
 メシの途中で退席したのはちょっとムカッと来たけど、許してやろう。

 そんな寛大かんだいな気持ちでクックを見ていたが、俺のその気持ちが伝わったのか、相手は依然いぜんとして申し訳なさそうな顔をしながらも残った葉っぱを差し出してきた。

「……お前も食べるか」
「えっ、俺も葉っぱ食べていいの?」
「ケナシには若芽の方が好ましいというが、食べられないワケではない。神聖な葉のあじが理解出来るかどうか知らんが、俺が特別に許してやる」
「こ、こんの……いやまあ、じゃあいただきます」

 毎度毎度気にさわる奴だなと思いつつも、俺はとりあえず葉っぱを細かく千切ちぎって、スープの中に入れてみた。指で分けている時に何やら覚えがあるような独特な香りがしたが、よくわからず葉が入ったスープをかき混ぜてみる。
 すると、色が出始めたのか俺の椀の中も薄茶色に染まった。

「…………」

 見た目は……なんか、だし汁みたいに見える。ニオイもなんか……とにかく、味を見てみよう。そう思い軽くすすってみると。
 …………あれ。なんかやっぱ覚えがあるような味がするぞ。
 葉っぱのエグみや草っぽい香りが強く残るけど、その奥の方に何か俺が知っている味があるような。だけど、葉っぱの青臭さが強くてあまり分からない。

 もしかしたら、若芽が成長しきって葉になってしまうと、植物の青臭さやエグみが強くなってしまって本来の味が隠れてしまうのかも知れない。
 鳥人達はれている……というか、このエグみと青臭さを旨味うまみに感じる体質っぽいから、気にしてないどころか美味しく感じるんだろうけど……うーん、何かしい。ものすっごくしい感じがするぞこの味は……!

「……お前、ケナシのくせに普通に喰えるんだな」

 人間に近い目をした相手が、こちらを見つめて来る。
 好みに味付けしたスープは美味しかったのか、おわんからくちばしを離さないままだ。
 その様子に不覚にも笑ってしまいながらも、俺は肩をすくめてみせた。

「なんか知ってるような感じもする味だしね。若芽ってのも食べてみたいけど」
「フン、ケナシはくちも軟弱だからな。まあ良い、そのくらいの土産みやげはくれてやる」
「えっ……お土産みやげくれるの?」

 思っても見ない言葉に聞き返すと、相手は目を丸くしたが……やがて、何故か急に首回りの羽毛をブワッとふくらませ、トサカまで立てて俺から背を向けた。
 がむしゃらにスープをすすっているが、一体何なんだアンタらは。
 つーかその態度本当にナニ。鳥肌が立ったって解釈でいいの?
 そろそろ泣くぞ俺。

 エグみに耐えてスープを飲みつつ眉根を寄せていると、背後で何かが動いた。

「ん……」

 ブラックの声だ。起きたのだろうかと振り返るが、相手は具合の悪そうな青い顔で今も布団に転がっている。髪の毛が顔に張り付いていて、前も見えない有様ありさまだ。
 あーあー……でも苦しいんだから当然だよな。
 おわんを置いてブラックに近付き、汗ばんだ顔から丁寧ていねいに前髪をけてやる。
 と、苦悶くもんの表情で目を閉じていたブラックは「うぅん」とうなった。

 ……そういえば、唇がカサカサだ。
 考えてみれば水もロクに飲んでないんだよな。やべえ、水いるじゃん。
 俺ってばなんで気付かなかったんだろう。

「むっ、なんだどうした」

 背後で一々問いかけて来るクックを手で制して、俺は慌てて土間の水瓶みずがめから柄杓ひしゃくで水をすくい、ブラックの所に舞い戻った。これもブーブックさん達が置いて行ってくれたんだけど、早く飲ませておけば良かった。

「ブラック」

 動かして大丈夫かな。
 でも、たぶんこの状態じゃ起き上がれないよな。
 だったらもう仕方ないと思い、俺はブラック達の枕元に移動し、自分のひざに相手の頭を乗せた。赤くてもじゃもじゃした髪が素足にくすぐったいが、我慢して柄杓ひしゃくに指を突っ込みブラックの唇に水を含ませてやる。

「ん……ん゛ん゛ぅ゛……」

 オッサン独特のうなり声。だけど、何度も水を含ませるとうっすら目を開く。
 うるんだ菫色すみれいろの瞳が俺を見上げて、気弱そうに顔が歪んだ。

「づがざぐぅう……ぎお゛ぢあ゛う゛ひおぉ……」
「ん、そうだな、気持ち悪いな……水まだいるか?」

 少しでも良くなるようにひたいから頭を優しく撫でつつ聞くと、ブラックは目を細めたが「いらない」と言うように本当に少しだけ首を横に振る。
 頭が動く事が酷くキツいのだろう。
 そうしていると、横からクロウのうなり声も聞こえてきた。ブラックにつられて少し目が覚めたらしい。ブラックの頭は一旦いったんまくらあずけて、今度はクロウの頭を出来るだけ優しくひざに乗せてやり、同じように指で水を含めさせた。

 こちらも相当気分が悪いのか、喉奥のどおくの不可思議な部分で獣のようにうなりながら、俺に撫でられる事でなんとかそれが大声になるのを抑えている感じだった。
 ……泥酔ってレベルじゃねえなぁ……そもそもこの二人って酒豪だから、二日酔いみたいな状態になった事も無かっただろうし……本当に今キツいんだろうなぁ……。

「づがじゃぐぅぅ……みず……」
「あっ……はいはい、起き上がれるか? 飲ませてやるから待ってろよ」

 さっきの水で少しでも飲みたくなってくれたのかな。
 クロウの気分が悪くならないように慎重しんちょうまくらへと頭を戻してやり、俺は空のおわんを持って再び水瓶みずがめに飛んでいくと、たっぷり水をんですぐさま舞い戻った。

「本当メスってのはどこの奴も世話好きだな」
「うるさいっ、これはアンタらのせいなんだからな!」

 そして俺が片乳やら生足やら出てるのもあんたらのせいなんだからな。
 なんで布が片方だけなんだよ。普通、着物みたいに二つ使わない?
 片方の肩だけに一枚の布かけるだけって逆に邪魔だろ。部族らしいっちゃあらしいけど、布が作れるんなら頭から被れる穴を開けて貫頭衣かんとういにして欲しかった。

 まあ、鳥人的には片乳が出るだの生足が出るだの関係なかったんでしょうけども、おかげで俺は素肌で他人の服の布地を感じてるんだぞ。
 空気のすずしさも相まってぞわぞわするわ。違う意味で乳首つってのこれ。

 ホント勘弁かんべんして欲しいわ……などと思いつつも、俺は頑張ってブラックの上半身を自分に立て掛けるように持ち上げて、横からおわんの水を飲ませた。
 だけど、本当に気分が悪いのかブラックは飲み水を口に入れながらこぼしてしまう。

「うぅう……ごめ……」
「良いから。それより水へんな所に入らなかった? 大丈夫?」
「う゛ん……」

 デカい体の背後から必死に手を回して、前を布でいてやる。
 冒険者の服だから防水性は多少あるだろうけど、だからって濡らしといて平気ってワケでも無いからな。ブラックの顔もいてやらねば。
 そう思い、いつも以上にヒゲが伸びている無精髭ぶしょうひげだらけの顔をぬぐってやっていると――――不意に、ブラックが体を重苦しげに動かして反転させてきた。

「ぶ、ブラック……それだとけない……」
「うぐ……づがざぐ……うぅ……」

 汗と汚れでぺったりした赤い髪が、素肌の部分に触れて来る。
 苦しそうな暑い息がかって来てえた体がゾクゾクと反射的に動いたが、だからと言ってブラックを急にはががす事など出来るはずもない。
 で、でも……せめて布で隠れてる方の胸に顔をくっつけてくれないかな……。

「ブラック……」
「はぐ、ぅ……づ……づがしゃぐ……ん、んん……」
「っ……」

 ブラックの手が、心もとない布をつかむ。
 すると肩にかけていただけの布が歪み、肌が更に露出してしまった。だけど、今のブラックには何も言えないし……。
 どうすりゃいいんだろうと迷っていると。

「ほ、し…………う゛……う゛ぅ……ほし、ぃ……」
「え……」

 何が欲しいのか。苦しげな声に、そう聞こうと思ったと同時。
 ブラックの顔が動いて、丸出しになっていた俺の乳首を口に含んだ。

「うあぁっ!?」
「ぬぉっ!?」

 今まで寒さでちょっと勃起していた乳首を急に生暖なまあたたかい口に含まれて、思わず変な甲高かんだかい声が出てしまった。……っていうか横、横にニワトリがいるんだけどおい!
 やめろ、と軽くブラックの肩をつかむが、相手はビクともしない。
 それどころか、緩慢かんまんな動きで俺の乳首を舐めはじめた。

「やっ……っ、く……ばっ、か……やめろ、って……」

 弱っていてよだれを抑制も出来ないのか、ブラックの舌がいつもとは違う雑な動きで俺の乳首を舐め回すたび、くちゅくちゅと嫌な音が聞こえる。
 それを必死に抑えようとするのに、ブラックは飴でも舐めているかのように、俺の乳首を執拗しつように舐め回してゆるく唇で吸い付いて来て。

 そんなこと、さ……されたら……っ。

「っ、ぁう……や……やめろ、って、ブラッ、ク……!」
「はふ……ぅ……ん、ぐ……んん……っ」

 聞かれてるんだって、すぐそこに第三者いるんだってば!!
 なんで気付かずに俺の乳首しゃぶってんだお前えええ!
 ……い、いや、ブラックは病人同然なんだ。前後不覚の二日酔い状態なんだ。そのせいで混乱しているのかも知れない。怒っちゃ駄目だ。
 それより、こんな恥ずかしい所を他人に見せるワケにはいかない。

「く、クック……あの……っ、外に、頼むから、外に出てて……っ」

 恥ずかしさで顔が熱くなり、相手を見られなくなりつつ必死に頼む。
 だが、帰って来た返答はおのれの耳をうたがう物だった。

「なにを言う、お、俺はお前達を監視するんだぞ。ここで見逃したら。お前達が元気になって逃げるかも知れんだろ!」
「ええぇええ!?」
「づがざ……」
「ヒッ」

 な、なんかまた声が聞こえた、なんか這いずって来る音が聞こえてきたああ!
 待って、どう考えてもおかしいでしょ、なんでこの状況で俺は乳首吸われてんの、なんで人に見られながらこんな事になってんのおおお!!













 
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