198 / 952
交易都市ラクシズ、綺麗な花には棘がある編
5.不安を消す薬
しおりを挟む◆
回復薬の作り方は、誰でも作れるぐらいに簡単だ。
だけど、一般人が作る薬と木の曜術師が作るものでは、まるで効果が違う。
木属性の曜術師ではない人が調合しても、曜術師が作った薬の効果と比べると数段落ちると言われている。俺はその「一般人が作ったほうの薬」を知らないんだけど、ブラックが言うには「木の曜術師なら鼻をほじりながら作っても完璧な薬が出来る」らしいので、やっぱりそこはゲームと同じく「職業適性」が働いているんだと思う。
当然、木属性を含む【日の曜術師】である俺の薬も、多少はその恩恵にあずかっているのだと思うが……しかし、俺の薬は市販のモノとはワケが違った。
なんと、俺の回復薬は市販の薬など比べ物にならないくらい回復してしまうのだ。
……まあ、多少、職業やチート能力の【黒曜の使者】の力が働いているのかも知れないが、しかしコレは別にスキルに胡坐をかいて発揮した力じゃないんだぞ。
俺が良い素材を選んで丁寧に調合しているからこそ、こんな効果になるんだ。
いや、自惚れとかじゃないからな。俺も最初は「チートのお蔭かな……」なんて、少し心配していたんだけど、世界最高の薬師サマに「この薬効はお前の実力だ」って認めて貰ったし、俺の師匠である【薬神老師】のカーデ師匠にだって太鼓判を押して貰ったんだからな。今はもうそれを疑ったりはしていない。
だからこそ、俺は今もこうして変わらず丁寧に心を籠めて回復薬を作っている。
数少ない俺の実力の産物だし……簡単な物だからこそ、ちゃんと作らなきゃな。
「ふー……。それにしても、到着してすぐに回復薬だなんてなぁ」
用意して貰った材料を再度混ぜつつ、俺はテーブルの上の液体をじっと見る。
オッサン二人に後ろから見られていると気が散るので、寝室に陣取って一人で薬を調合しているのだが……こんな風に薬を作るのも久しぶりだ。
だけど手を抜いてはいられないと思い、俺は更に気合を入れて材料をすり鉢の中でゴリゴリと念入りに潰して混ぜた。
外に行って採って来て貰った、新鮮なモギ(ヨモギっぽい植物)の若葉と、ロエル(中身がアロエみたいにぷるんぷるんの植物)の根元。
それに、ロコン(とうもろこしに似た植物)のヒゲを焦げないように軽く炒った物と、ファンタジーではおなじみの聖水を混ぜて、おいしくなあれと真心を籠め半透明の綺麗なコバルトブルーの液体を作り上げる。
たったそれだけの事だが、術者が思いを注ぐように木の曜気を含めたり、こうして丁寧に調合する事で、素晴らしい薬効が生まれるのだ。
それを、たかがお気持ちなどと侮ってはいけない。この世界では「たったそれだけのこと」が薬にとって重要なのだから。
木の曜術師として教鞭をとっていたカーデ師匠も、それを徹底していた。
一つ一つは「なんだそんなことか」という簡単な行動だが、その行動を怠けずに誠心誠意続ける気持ちが大事なんだって。
だから俺も、今までよりもいっそう心を籠めているのである。
そうでなければカーデ師匠に顔向けできないからな。
それに俺、まだ修行中の身だし。
……などと考えながらゴリゴリすり鉢の中で混ぜていると――金色の光に包まれた液体が、綺麗なコバルトブルーに変化した。
「よし、今日も完璧っ」
いそいそとビンを用意して、濾しながら液体だけを瓶詰めしてしっかり封をする。
これで回復薬は出来上がったけど……。
「女将さんてば、何に使う気なんだろうな? 二本だけ欲しいなんて、店に売りたい訳じゃなさそうだけど……」
ブラックから聞いた話では、高品質の回復薬をどこかに届けなきゃ行けないとかで、とても困っていたらしい。だから俺達から「帰ってくるよ」との連絡を受けて、喜んでいたという事らしいのだが……肝心の「なぜ必要なのか」が分からない。
回復薬ってことは、多分だれかが使うんだよな……?
しかもすぐに欲しいってことは、かなり切羽詰った案件のはずだ。
もしかして、また娼姫のお姉さまの誰かが怪我でもしちゃったのかな。
それなら、お、俺が直接手渡しに行っちゃってもいいと思うんだけどな!
ふへへ、そしたらまたお姉さま達にくんづほぐれつの大歓迎……っ。
「ツカサくーん、薬出来たー?」
「チッ、良い夢見てたところにオッサンの声が……」
「ツカサくーん?」
「はいはい! 出来てますよっと!」
でえいちくしょう邪魔しやがって。
内心ぶつぶつと恨み言を言いながら部屋を出ると、リビングのテーブルにぐでんと体を乗せているブラックがいた。クロウはと言うと、そわそわと窓の近くで周囲の音を探るように耳を動かしている。
「なに、どしたの?」
ブラックはともかく、クロウが外を気にしているなんてよっぽどだ。
どうしたんだろうかと思いつつテーブルに近付くと、クロウも俺に近寄り背後からぎゅうっと抱き締めて来た。何か不安な事があるのだろうか。
不思議に思って見上げると、相手は少しだけ口をへの字に曲げた。
「外から変な音がするぞ」
「ヘンな音?」
よっぽど聞き慣れない音だったのか、クロウはきゅぅんと熊耳を伏せる。
あざとすぎだが、それでもやっぱり可愛い物は可愛くて思わずウッとなってしまう俺に、クロウは抱き着いたまま俺の頭に顔を擦りつけて来た。
「きゅいいい……みたいな、虫が出すような変な音がするぞ。ああいう音を出す虫のモンスターは、刺されると凄く痛いし肉がえぐられるからイヤだ」
「えぇ……エグぅ……。なにそのモンスター、どこ産なの……」
「いやツカサ君、音の方を気にしようよ。金属音みたいなの」
ハッ、そうだった。
俺が気付くと、ブラックは不機嫌そうな顔をして立ち上がり、クロウの腕の中から俺を引き摺り出して今度は自分の方へと寄せて来た。おい嫉妬はみっともないぞ。
「にしても金属音って何? 工事してるの?」
「こんな場所を工事するのに金属音が聞こえるなんて聞いた事無いよ。僕には聞こえないから、少なくとも【湖の馬亭】周辺で聞こえている音じゃないみたいだよ」
「じゃあマジでモンスター……?」
「そんなの居ても僕らより先に番兵や門の近くの人が気付くでしょ」
うーむ、それもそうか……。じゃあ一体、クロウが聞いた音は何なんだろう?
よく分からなくて首をかしげるが、そうしていても仕方がない。
ひとまずその音の事は置いておくとして、俺はテーブルに出来たてホヤホヤの薬を二瓶置いた。大体250ミリリットル程度の大きさの瓶だが、このくらいの量があると重傷もケロリと治ってしまう。俺の薬なら全回復かな。へへへ。
ま、それはともかく。
「で……この薬はどうすんの? 女将さんに渡すの?」
自分に抱き着いているブラックを見上げると、相手は素直に頷く。
「うん。受付に居るから持って来てくれって。だからさ、今日は外で食事しようよ」
「外? 別にいいけど……蛮人街で平和にメシ食える場所なんてあるっけ」
「ないこたないかな。まあツカサ君の料理には遠く及ばないけどね」
「ぐ、ぐう……」
だからアンタはそう言う事を恥ずかしげも無く言うんじゃないよ。
思わず言葉に詰まってしまったが、ブラックの提案にクロウも賛成しているのか、さっきの発言など気にせずコクコクと頷いていた。
変だな、いつもなら俺のメシが食いたいって騒ぎまくるくせに……。いや、今日は馬車で色々やってくれやがったから、その反省の意味も込めて提案してるのかな。
まあ、確かにへろへろにはされたけど今日は珍しく俺も元気だし、そのお蔭で薬も調合できたし……そんなに気をつかわなくて良いんだけどな。
でも、こういう時に気遣いを無にするのもちょっと味気ないよな。
ここで「大丈夫!」とか言ったら調子に乗らせてまたヤられるかもだし。
「ねっ、ツカサ君。外に食べていこっ、今日は僕のおごりだからさ~」
「まあ当然だな」
「うるせえな黙ってろ駄熊。お前の食事代は貸しに加算するからな」
「ぐぅ」
もーまたクロウにばっかりそんな意地悪言う……。
まあでも「お前だけ食わせない」とか言わないあたり、やっぱりブラックもクロウの事は大事な友達だと思ってるんだろうけども。
でも、ただ「おごる」なんてシャクだから、つい悪態ついちゃうのかもな。
そう思うとちょっと和んでしまって、俺はついクスっと笑ってしまった。
「な、なにツカサ君笑って~!」
「いやだって……ふふ……いや、なんでもないっ」
「ムゥ?」
「なーんか怪しいなぁ…………いま変なこと考えてなかった?」
覗きこんでくる訝しげな顔のブラックに、俺は口を手で押さえて首を振る。
いやいや考えてません。考えてませんってば。凝視しないで下さいよ。
近付いて来るオッサンの顔をどうにか手で退けていたが……ようやく諦めたのか、ブラックは再び体勢を元に戻すと俺を抱えたまま玄関まで歩き出した。
「ま、いっか! ごはん食べたらさ、今日は一緒に寝ようねぇツカサ君~」
「オレも寝たいぞツカサ」
「いやアンタらね、ベッドの狭さ思い出して下さいよマジで」
オッサン二人に挟まれて狭いベッドで寝たら押し潰されるぞ俺は。
お前らな、自分の体がどんだけ厚みあるのか自覚してくれよ頼むから。
あと外に出たらこの腕解除してくれ。さすがに外でイチャつくのは無理!
つーかお姉さま達に見られたらどーすんだっ。
バカップルとか思われたくないぞ俺は!
必死こいてブラックの腕から離れようとしつつも、玄関のドアを開けて再びまだ日が高い外へと出て来ると――。
「ああ、ちょうど出来たみたいだね」
外に立っていたのは、お菓子の家の魔女みたいなキツめの顔だけど……その中身は凄く優しい女将さんだった。
「女将さん! ちょうど良かった~。はいコレ、回復薬」
「ああ、すまないねえ……! これでひとまずは持ちこたえられるかね……」
そう言いながらホッとしたように息を吐く女将さんに、俺は聞いてみる。
「あの……ところで、どうして回復薬が必要なんですか? 誰か怪我を……?」
「いや、そうじゃないんだ。ただ……ちょっと、イロツキん所と揉めてね。それ関係で、薬が必要だったんだよ。まあでも、ちゃちな事だから気にしないでおくれ」
「は、はい……」
「出かけるんだろう? アンタとそこの獣人サンは、ちゃんとローブを被って行きなよ。娼館の玄関のところに掛けといたからね」
そう言うと、女将さんはそそくさと娼館の方に戻ってしまった。
……なんかさびしい……。前に帰って来た時は、丸一日一緒に居てくれたのに。
「ふーん……? なんかあるみたいだねぇ」
「回復薬が必要ということは、何者かの襲撃があるのか?」
「そうとも限らないよ。そんなことが起こるんなら、僕らはともかくツカサ君をこの場所に泊めないだろうさ。……ま、僕らには関係なさそうだからいいけどね」
ブラックとクロウが話している内容が耳に入るが、俺の目は女将さんの焦っているような背中から動かす事が出来ない。
……本当に、なにも心配ないなら良いんだけど……。
そんな事を思いながら、俺は女将さんの背中が消えるまでずっと見つめていた。
→
※アイテムの簡単な説明(詳しくは第一部で)
【モギ】
→ヨモギのような葉っぱを茂らせる低木(実は草の塊。幹は茎で緑色)。
葉っぱの特徴も似ており、葉の裏面は当然ながら白い。
味もほぼヨモギなので、日本人としては扱いやすい薬草。
傷口に貼るだけでもそれなりに化膿止めになったりする。
多種多様なものの材料として使われる。当然食べられる。
【ロエル】
→先端にイネ科の葉のような二枚の幅広で少し厚めの葉を広げる
タケノコのように根元が太く、色は根元が白で細い先端に行くにつれて緑。
大きい物は成人男性の胸元ほどまで成長し、タケノコのように皮をはぐと
中にはゼリー状の組織が詰まっている。(先端に行くほど固くなる)
火傷や傷にその中身を塗ると効果的。青臭いが食べられる。
【ロコン】
→トウモロコシのような植物。ライクネス国民のごはん。
普通のトウモロコシとは違い、ヒゲの根元の方から可食部分を包む葉が
出ているのだが、これは実は葉ではなく収穫時期になると放射状に開く
花の部分であり、収穫すると花びら二枚を残してこれで実の部分を包み
各所に出荷される。花の部分は収穫すると緑色になり葉のようになる。
ヒゲと呼ばれる花芯の部分は、炒める事で薬効が生まれる。
【バメリ】
→第一部・第二部でも登場して居ない植物。椿に似た花。
【聖水】
→ライクネス王国の国教【ナトラ教】の教会で作られている聖なる液体。
アンデッドや不浄な物に効果があり、調合にも使用される。
魔よけの効果も有るので、悪魔やモンスターを退けたり悪夢を退けたり
冠婚葬祭で景気づけに使用される事も一般的である。
ナトラ教の総本山にのみ育つ【マドゥーカ】という美しい花を使用する為、
他の教会ではこれを作成する事が出来ない。
教徒たちは「ご喜捨」という形で金銭を得ているが、協議に従って決して
法外な値段では売り出さないので、そのお蔭で普及している。
20
お気に入りに追加
1,010
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です


性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる