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竜呑郷バルサス、煌めく勇者の願いごと編
1.本来ならば嬉しいことだけど
しおりを挟む窓の外の日差しが、薄くい乳白色のカーテンを通って部屋に差し込んでくる。
段々と夏も近付いて来て、空にはでっかくて大きな雲がモクモクと浮かぶ事が多くなった。日差しも温かいどころか肌を刺すみたいで、外での運動はちょっとキツい。
このぶんだと、父方の婆ちゃんの田舎も今年の夏は熱いんだろうなぁ。
今年は婆ちゃんの田舎に里帰りが出来るんだろうかと思いつつ、再度空を見て――俺は、ハァと一つ溜息を吐いた。
「教室行きたくないぃ……」
清潔な白い壁が眩しい保健室の隅で、俺は自主学習用の机に突っ伏す。
だがしかし、行かねばなるまい。朝の会(俺の学校には、一日の行事予定とか連絡事項だとかを聞く時間が有る。あと色々めんどくさい一日一人の発表とかが有るが、正直やめて欲しい)で担任の先生が俺の事を説明するだろうし、そもそもその担任が俺をここまで迎えに来るのだ。
いっそのこと学校を休めば良かったんだろうが、色んな人に助けられている現状では逃げるワケにも行かないし、仕方なく俺はここで地獄の待ち時間を過ごしていた。
「あぁあ……」
幸いなのは、保健室にはいつでも先生がいるというのではない所だ。
朝は職員室とかにいたりするんで、俺が保健室の先生(養護教諭とか言うらしい)と顔を合わせるのは本当に数時間程度なんだよなぁ。だもんで、こうやって俺はうだうだする事が出来るし、不真面目ながらも勉強が出来ている。……いやしてますよ、ほんとにしてますよ。漫画持って来てないです本当です。
ともかく、俺はこの保健室でここ数日ずっと勉強していたのである。
……まあ、俺ってばこの世界では「二週間くらい行方不明になっていたけど、急に帰って来た神隠し事件の当事者」なわけだし、こういう措置になるのも仕方ないんだけど……こんなに大事になるなんて思っちゃいなかったよ。
「なんか……戻ってきた時より妙に騒ぎがデカくなってる気がするんだけど」
――――実を言うと、俺は数日前までは教室でちゃんと授業をしていた。
失踪事件から復帰したお蔭か女子の視線も厳しいモノではなくなり、興味の対象としてジロジロ見られるようになったり、他のクラスや学年からも人が野次馬しに来て客寄せパンダみたいになっていたのだが……それでも、まだ耐えられないほどでは無かったのだ。……まあ、辟易してたけど。
しかし、数日前から妙に様子がおかしくなった。
人の噂も七十五日と言う話だったし、人も減り始めたかなあなんて安心していたというのに、何故かまた俺を見に来る奴らが増え始めたのである。
しかも今度は、ロッカーに預けずこっそり持っていたスマホを片手に。
…………それがまた何か事件になったらしく、俺は直接知らされていないのだが、色々とマズいと言う事で一時的に保健室に避難する事になったのである。
そうしてまた……ここ二日間くらいは、完全に保健室通いだ。
「何があったのか知りたいけど、俺今スマホはアニメとかしか見れないしなぁ」
元々SNSなんてやってないし、俺のダチもそう言うのは興味が無かったから、連絡を取り合う時はスマホの電話とメール機能しか使っていないのだが、それでも両親が俺の事を心配してかネットやニュースを見せたくないと制限を掛けて、今では企業が配信している月額の動画サイトぐらいしか見られなくなってしまっていた。
……まあ、元々スマホでゲームとかしてないし不便ではないんだけど。
でも、ここまで徹底されると逆に何が起こっているのかが気になってしまい、ここ数日はモヤモヤとした日々を送っていた。
しかし今日は「なんとかして教室に戻すから」と言う担任教師の約束の日なのだ。
何が有ろうが、自分は再び授業に復帰できるだろう。
俺が何も知らない内に解決してるんなら、それで良いのかもしれないけど……。
「……でも、何が起こったかぐらいは教えてくれたっていいのになぁ……」
たぶん、聞いたら俺がショックを受けるだろうと思ったから伏せてくれているんだろうし、その気遣いはありがたい。……けど、やっぱり俺だって保健室に隔離された理由くらいは知っておきたい。
自分にも落ち度が有ったとすれば寝覚めが悪いし、知らないままだとまたもや失敗を繰り返してしまうかもしれない。
「うーん……でもなあ、俺別に学校で変な事してないしな……」
今日も朝からご迷惑をおかけしつつ悪友の自家用車で通学させて貰ったので、町の人や他の生徒には接触してないし、帰りもそんな感じで他人との接触がない。
よく喋ってるのは数人の悪友と保健室の先生くらいで、担任の先生とだって最近はあんまり話してなかった。
いや、そもそもつるんでるヤツ以外と話す事なんてそうそうないけど、でもこっちの世界に帰って来てからはそれが顕著になってしまっているというか……。
前までは、それなりに他の奴らとも話していたのに、今は休み時間になったら俺はダチに囲まれてクラスメートとも話してない有様なのだ。
ありがたいことだけど……深く考えたらめっちゃ過保護にされてるな俺。
つーか、ここまで守られているとなると逆に申し訳なくなってくるぞ。しかしどうすればこの騒ぎが収まるのかも解らない俺は、ただ大人しくしているしかなかった。
ヘタに動いて余計に迷惑を掛けたらマジで申し訳ないしな……。
「はぁ……でも、このままで良いのかなぁ……」
逃げ回るのは男らしくないけど、でも俺が積極的にクラスメートに話しに行ったら、色んな人に迷惑を掛けるかもしれない。なにより、別に良い事でもなんでもない事で注目されてヒソヒソされている奴に話し掛けられたら、そいつが困るかもだし。
しかしこのままじゃ迷惑の掛けっぱなしだしなぁ……なんて思っていると。
「潜祇くん、みんなには注意しておいたから……そろそろ教室に行こうか」
ガラガラと保健室のドアを開ける音が聞こえて、若い女の先生が入って来た。
肩上でカットしたストレートのブラウンヘアが眩しい、ちと地味目な先生。彼女は俺のクラスの副担任をしている富羽先生だ。俺達はとみちゃん先生と言っている。
他のクラスの女の先生より花は無いし正直男子の人気ランキングは低いが、オタクな俺達にも優しくしてくれるとみちゃん先生は好きだ。恋愛感情ではないが。
まあでも……優しくされたらさすがにドキッとはするけどな! 可愛いしな!
「潜祇君?」
「あーっすみません! 行きますすぐ行きます!」
カバンを持ってばたばたと部屋を出ると、とみちゃん先生は丁寧にドアを閉めて、俺に優しく話しかけて来た。
「待たせちゃってごめんね、潜祇君。もう朝の会は終わったはずだから、こっそりと後ろから授業に参加しようか」
「あ、いえ……俺の方こそすんません」
廊下を歩き、二年生の教室が有る階まで階段を上る。
ごめんねとは言われたけど、謝るのは俺の方だ。振り回されてるのは先生達だって一緒だろうし、元はと言えば俺が不慮の事故で異世界に飛ばされなかったら済んだ話なんだから。とは言え、そんな事を言えば頭がおかしいと言われるので、今はただ謝ったり感謝したりすることしか出来ないんだけど……。
はぁ、なんでこう俺ってば……教えてくれる人に迷惑かけちまうんだろうなぁ。
カーデ師匠の時だってそうだったのに、こっちの世界じゃ先生全員だもんな。それにダチとかシベの運転手さんとか、あっちの世界よりも迷惑かけちゃってるし。
これも俺が未熟なせいなのかなぁ……。
思わず溜息を吐きそうになって、なんとか飲み込み肩を落とす。
そんな俺の隣で、少し背の低いとみちゃん先生が不意に話しかけて来た。
「潜祇君には申し訳ないけど、今日からは席を一番後ろの窓側にしてるわ。周りには貴方と仲が良い尾井川君とセミナーティー君、それにあと、今年の頭に転校してきた野蕗君も移動させておいたから……安心してね」
「え……良いんですか?」
振り向くと、とみちゃん先生は少し困ったような笑い顔で人差し指を立てた。
「特別よ。騒ぎが収まるまでですからね。……だけど……本当の解決にはなってないし、そんな事をしても気休めにしかならないかもしれないけど」
「ハッキリ言うっすね」
「嘘ついてもどうにもならないでしょ。担任の礫島先生は言うなって言うけど、潜祇君は本当の事のほうが知りたいって言うだろうし。だから、正直に言う事にしたの」
それはありがたい。俺もちょうど今何がどうなっているのか知りたかった所だ。
とみちゃん先生に礼を言う俺に、彼女は苦笑を深めて肩を竦めた。
「貴方も私達の大事な生徒の一人なんだから、それくらい当然でしょう。……でもね、私達も学校もこんな事件は初めてだから、本当に対応が遅れてて対策なんて完璧とは言えないの。だから、もしかしたら……また、貴方が傷つくかもしれない」
「…………」
「けど、私と礫島先生はそのままにしておくつもりはないわ。貴方が苦しいと思った時は、遠慮なく先生に相談しに来てね。いたらない先生かも知れないけど……それでも出来るだけの事はするから」
そんなの、疑ったことなんてない。いたらない事なんてないよ。
礫島はともかく、とみちゃん先生は俺がハブられていた時も、教室にいる時や廊下で会う時に何かと気に掛けてくれた。本来ならば先生は俺みたいな不真面目な生徒を怒る立場だから、直接俺に何かをしてくれたわけじゃ無いけど……でも、とみちゃん先生だけは、今みたいに俺に話しかけてくれていたりしたんだ。
俺にとっては、感謝すべき先生だ。
そう思い頷くと、先生は笑ってくれた。地味だけどホッとする愛嬌のある顔だ。
「先生、ありがとうございます。……でもあの、結局俺がこうなったのって、今回は何が原因なんですか?」
「それ聞く……?」
「いやだって気になるし……俺今ニュースも何も見れないんで、一応気を付けておくことを知っとかなきゃなって……」
そう言うと、とみちゃん先生は少し悩んだようだったが……少し廊下を進んで教室から見えない場所に移動すると、俺にちょいちょいと手招きをする。
足音を立てないようにそっと近付くと、先生は口に手を当てて小さく声を出した。
「……私達も正確には知らないんだけど……。貴方を盗撮しようとしていた子を職員室に呼んで話を聞いたら……どうやら、ネットで貴方の色んな場面の動画が欲しいって言う人がいたらしいの」
「えっ!?」
思っても見ない言葉に目を丸くすると、先生も不可解そうな顔をしつつ頷く。
「今まで数人、買い取って貰った人がいるって話らしいんだけど……でも、その人のSNSアカウントは今はもう消えていて、動画も一応調査会社で調べて貰ったんだけど一致する物は流出してなかったらしくて……」
「…………あの……それ……どういう……」
「ね……なんだか不気味よね……。だから、先生達も気が気じゃなくて……。貴方は大変な目に遭ったから凄く心配だし……あ、でも、もう盗撮は大丈夫だからね」
そこは心配しないでねと真剣な顔で言う先生に、俺はとりあえずうなづく。
ちょっと背筋が寒くなってしまったが、少なくとも学校で対策してくれると言うのなら、俺に出来る事は何もない。真面目に授業を受けるだけだ。
まあ真面目に受けた試しなんてないけど……それはともかく。
「じゃあ俺は今まで通りにしていればいいんですね?」
「ええ。……事件の事が薄れるまでもう少しかかると思うけど……」
「大丈夫です。ダチもいるし、なんとかやってみますよ」
色んな事が起きてお世話して貰ってる俺だけど、だからこそこういう時には不安だとか言いたくない。先生みたいな人達にこれ以上気を使わせたくないからな。
今の俺に出来る事は、元気で居て大人しくしていることだ。
そう決心して、とみちゃん先生にニカッと笑ってみせると、相手は心底ほっとしたように微笑んだ。……やっぱり、心配させてしまってるんだなぁ。
出来れば、今日からは前みたいな平和な生活が送れればいいんだけど……。
――――そうは思うが、俺はもう異世界を知らなかった頃の俺には戻れない。
失踪を無かった事には出来ないし、他の奴らの認識も元に戻りようがないのだ。
そう思うと何だか急に遠くへ来てしまったような感じがして、俺は無意識にシャツの中に隠れている指輪の首飾りを握り締めてしまっていた。
「…………つまんない」
「こら、ブラック。ちゃんと話を聞きなさい」
豪華な調度品が所狭しと敷き詰められた、どこぞの応接室。
その椅子に腰かけて本音を零すブラックに、隣に座った美しい老女――――シアンが、険しい顔をしながら軽く叱った。
一見親子のようなやり取りだが、一方は三十も半ばを過ぎて久しい中年男であり、親のように叱った彼女も人族にしては長すぎる耳を持っているため、見れば見るほど親と子の関係には見えない。
しかし、ブラックとシアンの間には、母親と息子の絆にも似たものが確かにある。
その結びつきを自覚させてくれたのは――誰でも無い、ブラックの左手に光る婚約指輪の片割れを送った愛しい少年なのだが……今は、その姿はここになかった。
(あ~~つまんないつまんないつまんないぃ、ツカサ君はやく帰ってきてよぉ。何で僕がシアンと熊公と三人で、いけすかないクソ貴族の話を聞かなきゃなんないのぉ)
頭の中で何度も繰り返しながら、ブラックは酷く退屈だと足を揺らす。
そのいらつきは最近めっきり吸う機会も無くなっていた煙草が欲しくなるほどで、ツカサがこの世界にいない事が、前よりもずっとブラックを苛立たせていた。
しかし、その苛立ちはテーブルの真向かいに座る男も同じようで。
「つまらない、は、こちらの台詞だ。何故この麗しく完璧な俺が、お前のような三下で薄汚い塵芥と同類の中年相手に説明をせねばならんのだ」
そう言いながら、いけ好かない声の主は何かの紙束をじっと眺めて溜息を吐く。
キラキラと輝くクセ一つ無い長い金の髪をこれみよがしに見せつけ、男性的な美を煮詰めたような顔をした、ブラックとは対極にある青年。
頭のおかしい自画自賛を決して忘れないその青年は、翠の瞳でじろりとブラックを睨みつけながらその紙束を一枚めくった。
(ああクソ本当に鬱陶しい。なんでコイツがここにいるんだろう)
ブラックはそう思いながら、いらついた足を小刻みに揺らす。
ここに愛しい婚約者が居れば「過剰反応しすぎだ」と言われるのかも知れないが、こうなるのは仕方のない事だった。
何故なら、目の前にいる美青年は――――ブラックの可愛い婚約者であるツカサに横恋慕をして、一度は攫ったこともある憎たらしい存在なのだから。
許されるのならここで腕の一本でも斬り捨てたい相手だが、今回はシアンと一緒に居るのでそれも出来ない。なにより、国……ライクネス王国からの招集とあっては、ブラックも迂闊に暴れる事は出来なかった。
ここで暴れて一国を敵に回す事になるくらいなら、耐えた方がましである。
しかしその我慢がこれほど辛いものだったとはと思っていると、らちがあかないと判断したらしいシアンが話を進めて来た。
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問いかけると、相手は紙束を読むのをやめてその場に置いた。
翠の瞳がこちらを見やる。
「……詳しい事は国王陛下が説明して下さるが、簡単に言うと……ある場所への同行を頼みたいのだ。そこのクズと、出来れば我が妻になる予定のツカサも一緒に」
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何故なら、目の前にいる眉目秀麗なこの男は――――
この世界で唯一【勇者】という称号を持っている、いけ好かない貴族なのだから。
→
※今年もたくさんお世話になりました…!
第二部も始まり、読んで下さる方も増えてとても嬉しい一年でした!
長い長い話について来て下さる読者さん、今年もありがとうございました…!
新しく読んで下さった読者さん、見つけて下さってありがとうございます!
来年も、自分も楽しく読者さんにも楽しく読んで頂けるよう頑張って行きますので
よろしくお願い致します!漫画も小説もがんばるぞ\\└('ω')┘//
ではでは、今年も読んで下さってありがとうございました~!
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