異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

文字の大きさ
上 下
134 / 952
海洞ダンジョン、真砂に揺らぐは沙羅の夢編

28.腐竜の生贄1

しおりを挟む
 
 
 だけど、俺が思った事が本当に正解だとするなら、ここに連れて来られた時に夢で聞いた「師匠」の声は、カーデ師匠のものだってことになる。

 認めたくなくて思い出すけど……どうも、声が似ていたような気もしてしまう。
 そう考え始めると、どうしようもなく疑念が湧いて来てしまった。

 だって、材料が有り過ぎるんだ。
 あの荒れ果てて放置されていた薬草畑の場所を知っていたのも、師匠とブランティが作った畑だったからってコトになるし……ところどころで不思議だなと思った言動だって……過去に居た弟子――――ブランティさんのことがあったから、そういう風な言い方をしてたんだって思うと、色々とスッキリしてしまう。

 ……だけど、カーデ師匠はブランティの師匠だったという証拠を直接見せつけられても、俺は納得出来なくて理不尽な衝動が込み上げて仕方なかった。

 ――――いや、納得したくなかったんだ。
 だって、もし本当に、師匠がブランティの師匠だったとしたら……あの二人の仲を引き裂いたのは、間違いなく師匠だ。師匠がクレーシャさんの親と結託けったくして、あんな事を画策かくさくしてしまったから、二人の気持ちがこじれてクレーシャさんが人間をやめる原因になってしまったんだ。

 それって、間違いなく「悪い事」じゃないか。
 良かれと思ってした事だって、相手をしかる気持ちでやった善意の行為だって、結末がバッドエンドになってしまえば、もうそれは「原因」でしかない。
 どれだけ言いつくろっても…………最悪の結果を招いてしまったという事実は、変える事が出来ないんだ。

 頑張って「そうじゃない、きっと理由があったんだよ」と思い込もうとしても……あの夢を……いや、あの「過去の記憶」を見てしまった後では、師匠をかばう言葉すら思いつかなかった。

 なにより、先程さきほどまで俺を熱心に見ていたブランティが、今度はカーデ師匠に激しい怒りを向けているのを見れば、どう相手を擁護ようごしようと思っても何も考えつかない。
 ただ、二人の姿を見ているしかなかった。

『お、前のせいデ……クレーシャが死んダ……僕は、愛しイ人ヲ失った……!!』
「許せ……許してくれブランティ」
『許ぜる゛がァアアア゛ア゛!! お前のセイ゛ッ、ぃ゛ッア゛ッア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!』

 溶けかけた顔が、下顎したあごを胸の下まで開く。
 目も口も真っ黒につぶして怨霊のようになったブランティは、恐ろしい声で叫びながら首をガクガクと動かし、体をふくらませた。

 思わず「あっ」と口を開けた俺達の目の前で、その体は黒が散る禍々しい紫の炎に包まれて二倍にも三倍にも膨れ上がり、空を目指すように縦に伸び始める。
 ……これは一体……何が起こってるんだ?

 透けた黒鱗が浮かび、首が伸びて巨大化した顔は馬のように細くとがり、巨大な目玉がぎょろりと回転して現れる。そのおぞましい目が発する光に照らされた、腐りかけの龍のような体は、徐々に肉を増し、透明さが失せるそのさなかに――――

「あっ!!」

 のどの部分から腹へとなにか……いや、俺が見た事のある男の姿が落ちて、完全に体は皮膚で覆われてしまった。

「今の……」
「レイドとかいうヤツだな。生きてたのか」

 ブラックが言うのに、クロウが余計なひと言を付け加える。いや、俺だって今まで気が動転しててレイドのコトを忘れてたから、強くは言えないんだけど……。
 だけど、これでハッキリした。というか、まだ人の形が残ってて良かった。レイドは、まだ生きている可能性がある。早く助けてやらねば。

 しかし、俺の喜びとは裏腹に、ブランティは大きな口を開けて牙をいた。
 もう、人だったころの面影はない。
 体が所々ちて、まるで出来そこないの龍のような姿になったブランティは、今や言葉すら発する事も出来ず、空気を震わせるような声を上げて叫んだ。

 何を言っているのかすらもう理解出来ない。
 なら、もう、たおすしかないのか。

「……この場合、人族からモンスターに変化した……でいいのか?」
「ムゥ、それにしては腐ったような不味まずい臭いしかしなかったがな。人族の美味そうなニオイとはほど遠いような気が」
「だーもーお前らもうちょっとまじめにやってくれよ頼むからあ!!」

 今すげー緊迫してんですけどっ、俺も俺で結構色々動揺してるんですけど!?
 なんでアンタらそう他人事みたいに話を……いや他人事か!
 このオッサンども、ブランティとクレーシャさんの話なんて一ミリも興味ねーし、師匠が原因だったってのも正直どうでもいい事だもんなー! あーちくしょー!!

「ブランティ……お前……そんな……!」

 俺が勝手に憤っているのを余所に、師匠がふらふらと立ち上がる。
 そんな師匠を飛び出た目でぎろりと睨み付けたブランティは、大きく口を開けて、のどの部分を目に見えるほどに膨らませ……――――って、これまさか……!

「師匠逃げて! 師匠!!」
「あっ、ツカサ君!」

 気が抜けていたブラックの腕を振り解いて走り寄るが、師匠は動いてくれない。
 ただ、異形になってしまった弟子を見上げて手を伸ばすだけで、逃げようともしてくれなかった。……駄目だ。このままじゃ、ヘタすると師匠が死んでしまう。

 そう思って必死に駆け寄る俺だったが。

「んもぉお……ツカサ君の八方美人! あんなクソジジイ放っておけばいいのにっ」

 横から急にそう聞こえたと思うと、俺の体が腰から急に浮き上がった。
 いや、これはそうではない。ブラックに抱え上げられたんだ。
 しかし何かを言うひまも無くブラックは駆け出すと、俺の数倍速い足ですぐさま師匠の所に辿たどき、そのまま師匠のローブの首根っこをつかんでその場から飛び退く。

 刹那、師匠が居た所に形容しがたい吐き出すような音が聞こえて、その一帯の床に黄味が強い黄土色の液体がぶちまけられた。

「うえぇっ!?」

 振り返った俺の目に、地面に広がったおかしな液体が煙を立てているのが見える。数秒も置かずそれらが地面を溶かすように地中にめり込んで行ったのを見て、アレは【溶解液】なのだと一瞬で理解した。

 あの場所に居たら、師匠は一瞬で溶かされていただろう。
 そう思うとゾッとせざるをえなくて、俺は震えてしまった。

「チッ、重いなジジイのくせに……オラッいつまでもほうけてんじゃねえよ!」

 俺以外の奴には乱暴な口調になりがちなブラックが、師匠を放り出す。
 どしん、と尻餅をついたカーデ師匠は、未だに何が起こっているのか解っていないようだった。さもありなん、今のはホント数秒のことだったし……。

「ねえツカサ君~、もう面倒だからあの腐れ龍みたいなの倒して良い? どうせ首んトコを切れば死ぬだろうし、サクッとやっちゃっていいよね?」

 さっきとは違い、俺を優しく降ろしながら鬱陶うっとうしげに言うブラックに、待ってくれと言おうと思ったのだが、師匠が俺の言葉をさえぎった。

「やめろ!! アレはワシの弟子だ、殺してはならん!!」

 老人とは思えない俊敏さで立ち上がりブラックに突っかかるが、ブラックは冷めた目で師匠を見ながら冷静にしわだらけの手をはらった。

「アレが、人族の弟子に見えるって? 頭おかしいんじゃないのお前。それに、師匠なのに殺されかけてるし……アイツからすりゃもう師匠とすら思ってないだろ」
「だ、だが……しかし、私は……私は、アイツにあやまらねば……っ」
を? どうせ謝ったって今更遅いだろ。それに、謝って許される事だったら、アイツもバケモノになんて変化しなかったんじゃないのか? お前の自己満足で謝罪したとして、許される保証でもあるのか。謝罪で全てが治まると思ってるのか?」
「っ…………それ、は……」

 師匠は、言いよどむ。
 確かにブラックが言う通り、謝ったって許されない事はある。
 それが取り返しのつかない事であればあるほど、発端ほったんの相手が何をしようが怒りに油をそそぐことにしかならないのだ。

 なにより……理性を失ってしまったような相手では、もう……。

「だ、だけどブラック。まだ何か、ブランティをしずめる手段があるかも……」
「ツカサ君もお人好しだなぁ……僕達にそんな手間のかかる事する理由がある? 前も、その前もそうだったけどさ、結局僕達は傍観者なんだよ? 別に関わらなくていーじゃないか!」
「う……うぅ……」

 そう言われると、ぐうの音も出ない。
 確かに、今回の事は俺に直接的に関係は無いことだ。
 師匠に教わっていて、ブランティにクレーシャと間違われた。それ以外で俺が関係する点なんてどこにもない。ブラックが面倒臭がるのも仕方がないことだった。

「っていうか、今回もツカサ君は拉致されたじゃないか。僕凄く心配したんだよ!? だから、もう余計な事に関わらずに殺そうよ。もうたくさんだ。ツカサ君だって僕を心配させたくないでしょ……? ね……?」
「で……でも……」

 それでも、助けられる手段が有るかも知れないじゃないか。
 ……そう言いたかったけど、ブラックのうざったそうなあきれ顔を見ていると、俺のワガママのように思えて言えなかった。

 確かに、ブラック達や現在のシムロの住人達からしてみれば……第三者の迷惑な火の粉をかぶったに過ぎないワケだし……今ここでたおしてしまえば、シカマビトを必死で押さえている警備兵の人達やシカマビトの呪いにかかった冒険者達も救える。

 すべてが大団円で終わるじゃないか。
 俺達が、今ここでブランティを斃さない理由なんて何もないんだ。

 でも……ブランティの気持ちや、師匠との禍根を思うと、どうしても俺はこのまま彼を斃す事に頷けなかった。それが、俺のワガママなのは分かっていたけど。

「さ、ツカサ君も解ったよね? じゃあちゃっちゃと殺して帰ろうか」

 無言になったのを「受け入れたのだ」と思ったらしいブラックは、俺の肩を軽めに叩いて、再び銀光を散らす剣を抜いた。
 こうなってしまうと、もう止められないのか。
 そうほぞむと……すぐそばで、自分の物ではない泣き声が聞こえた。

「私が……私が……嘘を……嘘をつかなければ…………」
「師匠……」

 泣き声を含んだ声音に振り返ると、師匠は再び地面にひざをついてうつむいていた。
 深く後悔して、土下座でもしかねないような姿だ。
 しかし、師匠はそんな自分の姿に構わず独白を続けた。

「優秀な弟子を、性別に負けぬ立派なその姿を評価した己の自尊心を、私は失いたくなかった……笑われるのを恐れた……私は、結局自分のために……っ」

 そういえば……過去の記憶でも、同じような事を師匠は言っていた。
 もしかして、ブランティさんって……俺と同じ「メス」なのか?

 メスって確か、オスよりも曜気を使うのが苦手クソとか何とか言ってたっけ。そのせいで、学ぶ事に関してはちょっと下に見られるみたいな話があったような。
 そうすると……師匠が俺を最初に煙たがったのも、それにしては俺に対して優秀だとか色々目を掛けてくれたのも……ブランティさんのことがあったからなのか?

 だから、俺に対して今まであんな風に、寂しそうな目をしてたのか……。
 ……カーデ師匠は、俺の中にブランティさんを見てたんだな……。

「おい、オレを置いて行くな。あとコイツもだ」
「っ、く、クロウ。あっ、ロク!!」

 ゆっくりとこちらを向き始める「腐れ龍」となったブランティの首下を恐れもせずに走って来て、クロウは俺にロクショウを手渡してくれた。
 ブラックに抱き締められて分かれてしまってたんだっけ。ああごめんよロク、一人ぼっちにしちゃって……!

 抱き締めるが、そんな場合でないのは俺も知っている。
 どうにかしなきゃ。ブラックとクロウが完全にブランティを倒してしまったら、彼も師匠も救われない。なにより、このままではいけないのだと……俺の中の言い知れない「何か」が、ずっと訴えて我慢が出来なかった。

 でも、俺に何が出来るってんだ。
 ブランティは毒に犯されているワケじゃないから、俺の血を撒いたって効果なんぞ無い。攻撃をしても、彼を斃してしまうだけでなんの解決にもならないのだ。

 俺の未熟な拘束も今となっては使えない。唯一効果が有りそうな回復薬も、この場に居るブラックとクロウのぶんだけでは全身にかからないだろう。
 そもそも、呪いを掛けられた本体はレイドだ。あの腐れ龍の体の中にいては、薬が届かない可能性もある。そもそも、効果だって怪しいものだ。

 ダンジョンのボスに、俺の回復薬が通用すると思えない。
 よしんば通用するとしても、それだって完全に浄化できるわけじゃないはずだ。

 なにか。何かないのか。
 あの人を斃して消滅させるんじゃ無く、せめて、せめて苦しまない方法は。
 そう思い、無意識にクロウの背中を見て――――俺は、今まで抱いていた既知感の正体を一気に思い出し、大きな声を上げた。

「あーっ!!」
「なっ、なにツカサ君ビックリしたなぁ!」

 俺の声に振り返ったブラックとクロウに、俺は慌てて近寄る。
 そうして、必死に二人の上着のすそを引いた。

「呪いっ、呪い解く方法あった! 思い出した!!」
「え?」
「ブラック、クロウ、頼む。俺を、回復薬と一緒に、あの腐れ龍の体の中に思いっきりぶち込んでくれ!!」

 回復薬の力と、もう一つ。

 かつて【呪い】に掛かったクロウを助けたあの術……
 【アクア・ドロウ】があれば、ブランティを浄化できるかもしれない。












 
しおりを挟む
感想 1,046

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

処理中です...