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海洞ダンジョン、真砂に揺らぐは沙羅の夢編
27.誰か嘘だと言ってくれ
しおりを挟む「ブラック……」
呟いた瞬間、背中の向こう側から何かがこっちに飛んで来て、瞬きをする暇もなくブラックは剣を抜いてその「何か」を叩き落とした。
金属音の後にゴトッとか言う重い音が聞こえ、恐る恐るその音がした場所を見やると……なんと、俺の頭より二回りほどデカい石の塊のような物がそこに……いや、どこから出て来たんですかこんなの。ブランティが投げたのか!?
つーかブラックの剣とか色々大丈夫なのか!?
その剣……ヴリトラは、せっかく美人鍛冶師お姉さんに造って貰ったのに!
……ご、ゴホン。いや、そうではない。
大丈夫なのかと見上げた横顔は、至極不機嫌そうな顔をしている。だが、ブラックは剣を一度水平にした左手の甲に剣の柄を乗せて、何かを誓うように切っ先を空へと向けた。刹那、ブラックの体の周囲にふわりと紅蓮の炎のような光が立ち昇り剣へと吸い込まれていく。
「炎の光輪よ、風を纏いて天に舞い上がれ――【ディノ・パイラフレイム】!」
一気にブラックを包む紅の光が噴き上がり、宝剣・ヴリトラの刀身に接する柄部分に嵌め込まれているルビーのような宝玉が、同色の光に呑み込まれて怪しい煌めきを含んだと、同時。
ブランティが立っていたはずの場所に、空へ届かんばかりの大きな炎の柱が轟音を立てて出現した。
「うっ……うぉお……っ!」
これは間違いなくブラックの曜術だ。ブラックは【月の曜術師】で、炎と金の属性の曜術が使えるので、間違いない……んだけども……なにこの威力。ヴリトラに曜気を流して術を発動するとこんなになるの。ちょっと待って俺知らないんだけどこれ!
思わず目を丸くしたが、ブラックは何かを言うヒマも与えず俺に振り返ると、肩をガクガクと揺さぶって来た。お、おいやめろ。吐く。吐くってば。
「あーもーまたツカサ君たら怪我してぇええ! 何で僕の居ない時に限ってそんな風に頑張っちゃうかなあもおおおおおお!」
「うっ、うげげっうごごごご」
揺らすな揺らすなってば死ぬっ、今ここで吐いても良いのかお前は!
やめろとマントを掴むが、相手は俺の事など気にせずまくし立てて来る。
「僕心配したんだからね!? 指輪が光って反応してたから、ツカサ君に何かあったんだって思って、急いでここまで来たんだから! ツカサ君のバカバカ!」
「うげごっ、なんじゃその彼女みたいな言い草は!」
「僕彼氏だもん!」
「だもんじゃねえ! おっ、俺だって頑張ってたんだからな!」
どんだけ善戦したと思ってんだ、と睨むと、ブラックは疑わしげに眼を細める。
「え~、ほんとぉ……? ツカサ君にああいうのを退ける力なんてあったっけ?」
「だーっ! お前はあなんでそう毎回俺をみくびりやがるっ」
「まぁツカサ君が強姦されてないなら別に良いんだけどさ。でも、こんな傷作られると、すっごく不快だなぁ……もう……」
そう言いながら、ブラックは傷だらけで血が滲む俺の手を取って――――何をするかと思ったら、なんとその腕の傷をべろんと舐めたではないか。
ちょっ、お、お前なにやってんだオイ!
「何で舐めるっ!?」
「だって勿体ないんだもん……あっ、やっぱツカサ君の血おいしいや……」
「吸血鬼みたいなこと言うなーっ! 敵っ、今まだ敵の前っ!!」
アホな事を言ってないで戦闘態勢になれと俺はギャンギャン言うが、ブラックは炎で相手を取り囲んだ事で完全に安心しているのか、それともハナからブランティには興味の欠片も無いのか、俺の腕をペロペロと舐めまくってくる。
「んー……」
「っ、ばか……! バカってばっ、もっ……やめろってばあ……ッ!!」
ただでさえ痛いのに、ひりひりしてんのに、舐められて気持ち良いわけがない。
ぬめる生暖かい舌が傷口の少し深い所に触れるだけで、痛みが鈍く腕を刺すみたいなのに、舌がデカいせいで傷の周辺まで撫でてるみたいで体が勝手に震えてしまう。痛いのに、な、なんか……なんかもうコレやだ、やだってば!
「ムッ、ブラックずるいぞ! ツカサの美味い汁を独り占めにして!」
「うえぇっ!? クロウ!?」
今まで気配なんて微塵も感じなかったのに、急に強い声をかけられて体がビクッと跳ねてしまう。ただでさえションベンをチビりそうなのに、なんて事をするんだ。
しかし声の方を振り向く前にデカい影が俺を覆って来て、空いていた片方の腕は、筋骨隆々の褐色肌な手にがっしり拘束されてしまった。
そうして、今度は少しざりざりした舌が、ブラックより長いストロークで傷を……ってお前らやめろバカ! あほっ、おたんちん、ばかばかバカカバ!!
「やめろバカーっ! おたんこなすっ、スットコドッコイ!! 今はそんな場合じゃないだろ!? 前見ろ前、ブランティが術蹴破って出て来たらどーすんだよ! ボスだぞアレはっ、一筋縄じゃいかないヤツなんだぞ!?」
「えぇー、ツカサ君僕の曜術が効かないって思ってるのぉ……? そんなに侮られるなんて、僕悲しくなっちゃう……ツカサ君のせいだよっ」
「ムゥ……ブラックは時々間抜けだから仕方ないなツカサ」
「んだとコラクソ駄熊六つに縦裂きして殺すぞ」
そんな裂けるチーズみたいな殺し方想像させないで。
つーか仲間割れしてる場合か。
「あのなお前ら、あそこに居るのはボス……いや、このダンジョンの本当の主……」
つまり、クレーシャさんがモンスターに変化した姿である【麗しの君】ではなく、何らかの原因でダンジョンの【核】たる主人になってしまった、旅をしていた弟子――ブランティなんだ――と、言おうとしたところで、再び炎の中から怨霊の叫び声が聞こえた。
「ひぇえっ!!」
「……んん? まだ消滅してなかったのか……しぶといモンスターだな」
「ツカサ、ダンジョンの本当の主と言っていたが、どういうことだ?」
こういう時にはキチンと話を聞いてくれるのがクロウなんだよな。
心底こういう真面目な仲間が居て良かったと感謝しつつ、俺は手短にさっき説明しようとした事を二人に伝えた。
「だから、あの人はクレーシャさんの恋人のブランティさんで……」
そう言って、ふと怨霊の声の最中に誰かの足音を聞いた気がして、その音の方向に顔を向けると……そこには、カーデ師匠が呆然としたような顔で立っていた。
いや、つい今しがたこの場所に辿り着いて、立ち止まってるんだ。
だけど、どうしてそんな風に瞠目して固まっているんだろう。
相手の不可解な状態に眉根を寄せた俺に、カーデ師匠は正気に戻ったように僅かに震えると、真剣な顔をして俺の方へと早足で歩み寄って来た。
そうして、驚いたままの俺の肩を掴み、またもやガクガクと揺さぶられる。
だけど師匠のその様子は、ブラックとは違って切羽詰ったような必死さがあった。
「おい、ど……どういうことだ……ツカサ、答えろ、こたえんかいツカサ!」
「わっわっあっだ、だからあのっそのっっ」
「だークソジジイ!! ツカサ君から離れろ鬱陶しいなあ!!」
またもや吐き気を覚え始めた所で、ブラックが俺を引き剥がしてくれる。
その代わり完全に抱き締められてしまったが、まあいい。
いまは師匠の態度が豹変したことの方が重要だと相手を見やると、師匠も第三者に諌められてやっと少し冷静になったのか、息を荒げながら拳を握りしめていた。
だけど、動揺の色は隠せていない。
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なんか……いつもの師匠と、違う。俺に意地悪しながらも優しくしてくれた師匠と、今の見た事も無い表情をしている師匠は、何故か全くの別人のように見えた。
「し……師匠……」
なんだか酷く心配で心細くなって問いかけると、相手は歯を喰いしばるように口を動かすと、息を深く吐きもう一度俺の方へ視線を向けて来た。
冷静になろう、と、努力している。だけど、出来ていない。
そのことに、俺は眉間に困惑の皺を寄せたが……師匠は俺の表情を見ても、いつもの師匠に戻ってはくれなかった。
「ツカサ……今の話は、本当なのか。本当に……ブランティと、言ったのか」
口調が、いつもの師匠の口調じゃない。
だけどそこで口を噤む事も出来ず、俺はただ頷いた。
「彼は、ブランティと言ってました。それに……俺、聞いたんです。コープス達は、彼が自分の体を作ろうとした時に出来た『できそこない』で、この古いシムロの街を作ったのだって……クレーシャさんと一緒に住むため……」
だと、言っていた。
そう言おうとしたところで――――カーデ師匠が、強く地面を踏みつけた。
「ッ!?」
老人らしからぬ強い音を立てた踏み鳴らしに思わずびくつくと、ブラックが俺の体をギュッと抱き締めてくれる。だけど、師匠は正直に話した俺を憎むかのような目で睨みつけて来ていて。まるで、敵みたいに俺を見ていて……。
「し……師匠……?」
呼ぶが、相手は元の顔に戻ってくれない。
まるで誰かに乗っ取られたかのように、態度が変わってしまっていた。
「嘘だ……嘘を言え……!!」
「ししょ……」
「アイツがそんな事を言うものか!! アイツは被害者だ、あの馬鹿な男に騙されて道半ばで挫折しようとしておったのだぞ!? そんなのは妄想だ、あの薄汚い詐欺師が誑かしておるんだ、そんなはずはない、嘘だ、嘘だァッ!!」
「師匠……?!」
乱暴に振られた手で空を切り、カーデ師匠は俺に訴えるように怒鳴る。
だけど、俺はそれに何も返せない。自分に向けられてる怒声のはずなのに、何故か俺の向こうの「誰か」に投げられているような気がして、反応できなかったんだ。
けれど、師匠は俺を睨むのをやめてくれない。
俺の言葉を嘘だと断じようとしている。
ブラックは、クロウは、信じてくれたのに。俺は嘘なんて言ってないのに。
どうして師匠はそんな事を言うんだろう。あんなに、俺を信じてくれていたのに。
大事な人に睨まれるのは、憎まれるのは、嘘つきだと言われるのは、つらい。
俺、師匠になにかしたのかな。知らずに傷つけて怒らせたんだろうか。
だけど何が悪かったのか解らない。
「師匠、おれ……違う……嘘なんて言ってない……言ってないです……!」
思わず泣きそうな声が出てしまい、俺は顔を引き締めて口を手で塞ぐ。
しかし俺の情けない言葉に師匠は再びハッとして、気まずそうに下唇を噛んだ。
「ッ……。ち、違う、違うんじゃツカサ……。ぅ……す、すまんかった。お前は悪くない。だから、そんな顔をしないでくれ……頼む…………」
師匠が手を伸ばして近付いて来る。
さっきとは違う、いつもの師匠が弱ったような感じになったのに心配になって、俺は鼻をすすりながらブラックの腕を解こうとしたのだが――――。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
また濁声の混ざる恐ろしい慟哭が聞こえたと思った瞬間、ブラックが作った炎の柱が飛び散り、天を向いて溶けかけた顎を思いきり開いている怨霊が現れた。
「――――!!」
また溶けている。だけど、その体を覆う禍々しい光はさっきより強くなっていて、見ているだけでも鳥肌が止まらないほどの衝撃を覚えた。
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だけど、相手が力を増していて……さっきより悪い状態になってるのはわかる。
ていうか、ブラックの術を破られたなんてどうしたらいいんだよ。
「ぅ……っ」
思わず、解きかけて触れていたままのブラックの腕を掴むが……相手が、影のように真っ黒くなって滲んだ目の部分で俺を見て来たのを感じて、力が弱まってしまう。
怖い。本能的な恐怖が湧き起こって来て動けなくなったが、ブランティは再び俺の方へと来ようとしているのか、一歩足を動かしたようだった。
「チッ……どうやらツカサ君の言うように、かなり強いみたいだな……」
「拳が効くかどうかも怪しい。まあ、なんにせよ、斃さねばならんが」
俺を庇い背中に隠しながら、ブラックは剣を抜き、クロウは己の掌を拳でぱしんと打って気合を入れて見せる。それだけで、少し俺は安堵してしまった。
悔しいけど、二人がいてくれると……怖さが、薄れる。
それがどれほど恥ずかしくて、だけど嬉しい事なのかを思うと、俺はなんだか言い知れぬ感情が湧いて来て拳を握ってしまった。
だけど、そんな俺の安堵とは裏腹に、師匠は。
「…………嘘だ……」
また呆然としたような声を漏らしながら、今度はブランティの方へ歩み出る。
近付くと危ない、と俺の体も動いたけど、師匠は構わずもう一歩進んでしまった。
そうして、何故か震えながらブランティを見て――――叫んだ。
「ブランティ!! 何故だ、何故お前がダンジョンの主になど……! 嘘だ、嘘だと言ってくれブランティ!!」
――――まるで、あの人を知っているかのような、台詞。
思わず目を見開いた俺達を余所に、ブランティがゆっくりと師匠の方を向いた。
そうして。
『…………オ、まエハ…………ァ……あぁあ……あぁあ゛あ゛あ゛……!』
声が徐々に元に戻って行く。だけど、その溶けたような姿は元に戻らず、相手は口を大きく開いて雄叫びを上げると、カーデ師匠を溶けた指で強く差した。
『許さない……お前の、せいで……お前のせいでぇええええ!!』
再び胸の下まで溶けた顎を垂らし怨霊そのままの顔で叫ぶブランティに、師匠は何を思ったのか、その場に膝をついてしまった。
「お前のせいで、って……」
自分で呟いてみるけど、意味が解らない。
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「まさか……師匠が、ブランティさんの師匠だったのか……?」
そうだとすれば、カーデ師匠があれほど動揺したのも納得できる。
だけど、その現実は……俺にとっては、呑み込む事が出来なかった。
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