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海洞ダンジョン、真砂に揺らぐは沙羅の夢編
23.幻影と幻影と幻惑1
しおりを挟む「ああ、怒ってるんだね。本当にすまないことをしてしまった……。でも、もう安心して良いんだよ。僕は、もう離れたりなんかしない。ずっと一緒にいるからね」
ワケの解らない事を言いながら、相手は俺の両肩に手を置く。
赤みが強い赤銅色の髪をした背の高い相手は、少し輪郭がどろどろとしていたが、そんな事など気にせず俺に笑いかけていた。
いや……あの……アナタどなたですか……。
つーか輪郭溶けてますよ。なんか肌色の滴がポタポタしてますよ。人間かどうかは置いといて、なんかこう……あの……顔は大丈夫なんですか。
ガタイの良い体だし、顔が多少溶けていようが気にしないってことなのかな。
いや、そもそも、最初に俺の耳に聞こえてたのってレイドの声だよな。
それなのに、急にこの人の声になって、コープスが居たはずの場所には謎のこの男が現れてて……何が何だか分からない。
もしかして、あのコープスが進化して人族になったとでも言うのか?
それとも、呪いが解けた……ワケじゃないか。何かこの男、目がヘンだもんな。俺に対して何か言っているとは思えないほど視線が合っていない。
もしかしたら、この人は今もダンジョンのボスに操られた状態なのかもしれない。
それで、俺に対して代理で何かを喋っているのかも……。
だとすると、俺をここまで拉致したのは話を聞いて貰うためなのか?
でも何で俺なんだろう。目立った武器とか持ってなかったからなのかな。
まさか俺が弱そうだったからとか……いや、違う、そんなことはないハズだ。
強さってのは内面から滲み出るものだからな。断じて違うはず。うむ。
「あなたが帰って来てくれるのを、ずっと……ずっと、待っていたんだ……。さあ、早く、僕達の家へと帰ろうじゃないか」
「えっ、ええっ!?」
色々考えていると、相手は俺の片手を強引に掴んで引っ張ってきた。
ロクを落としそうになって慌てて片方で抱え直したが、しかし相手は俺の行動など気にもせず、どこぞへと歩き出した。
「おっ、おい、ちょっと!」
結構な力で引っ張られて、踏ん張って留まる事も出来ない。
このどっくんどっくん言ってる生肉ダンジョンからしてヤバい雰囲気なのに、ここで更に別の場所に連れていかれたら、どうなるか分かったもんじゃない。
ロクショウを隠せても居ないってのに、どうすりゃいいんだ。
こんな場所にロクを隠したら、生々しい肉の壁に取り込まれそうだし……ぐうう、連れて行くしかないのか。ていうか付いて行くしかないのか。
攻撃するっていう手も有るんだけど、この状態で抵抗したって逆上されそうだな。なにより、相手が操られているかも知れない以上、下手に反撃できない。
俺の聞き間違いかもしれないけど、レイドだってどこかに居るのかも知れないし、相手が紳士的な内は俺も大人しくしておいた方が良いよな。力で敵わない相手なんだから、隙を見極めないと。
俺だって、何度も迂闊に攫われてるワケじゃないぞ。
誰の手も借りず、自分一人で逃げられるようにって考えるぐらいには、成長してるんだからな。こうなったらなんとしてでもブラック達に連絡を取りつけてやる。
そんな決心をしながら引き摺られていると――謎の爽やか大柄男は、引き千切れた巨大な白蛇に近付いて行く。どうやら、蛇の体の後ろに俺を連れて行こうとしているようだ。そこに、俺に見せたい何かが有るのかな。
「…………にしても……デカいヘビだな……」
見上げると、デカいビルにも見えるほどの巨体である白蛇だが……しかし、なんでこんな風に地面に突き刺さってるんだろう。
これって……死んでるんだよな?
周囲の肉壁は元気にビクビクと動いてるけど、蛇のだらんと垂れた肉の内側は全く動いてないし。それに、体のすぐ傍を通っても生きてる感じがしない。
……俺はロクやペコリアと一緒に居るから分かるけど、生物ってやっぱり近付けば「寝ている」か「死んでいる」かが直感で判断出来るもんなんだ。
パッと見分かんないかも知れないけど、見ていれば誰だって必ず気付く。
それだけ、生き物の死体っていうのは生きている状態と違っている。
動物は毛皮が有るから人間より判断が難しいけど、それでも……生きている以上は、どこかしらが動いているはずなんだ。
それなのに、この巨体の白蛇にはそんな気配が少しも見られない。
…………もし、この蛇の体が昔倒されたと言う【麗しの君】だとしたら……今、俺を強引に連行しているこの男は誰が操っていると言うんだろう。
確実にこの体は死んでいるのに、魂だけは生きているというのだろうか。
それとも、このダンジョンの肉壁が示すように、かの【麗しの君】はダンジョンに姿を変えて今も生き続けていると言う事なのかな。
でも、それなら自分の無残な死体をここに残しておく意味が解らない。
誰かを操ってまで達成したいという「意志」があるのなら、自分の死体を体の中に銅像のごとく置いておくのも嫌なんじゃないかなと思うんだけど……。
でも、たった一つの事しか考えられない状態なら、気にしないもんなのかな。
うーん……モンスターになった人間って初めて聞くから、よく分かんないぞ。
出来れば話し合いで解決するくらい理性的な感じなら嬉しいんだけど……しかし、俺を思いっきり殴ったところからして、加減の出来ない相手っぽいからなぁ……。
そんな事を考えていると、目の前の相手が不意に俺の事を呼んだ。
――――予想もしていなかった、呼び名で。
「さあ、こっちだクレーシャ」
「……え?」
白蛇の巨体の真裏に到着し、少し離れた場所に在る肉壁を男は指差す。
その嬉しそうな声と言葉に思わず顔を上げた俺だったが、相手はこっちのことなどお構いなしに、再び俺を引き連れて壁へ歩き出した。
だけど、思っても見なかった言葉に俺は上手く反応が出来ない。
目の前で肉の壁が蠢き、急に「入口」が現れても、目を白黒させるだけで抵抗する間も無く中へと案内されてしまった。
いや、だって、今この人……俺のこと、クレーシャ、って。
「あ……あの……」
緊張で声が絞られるが、相手は俺の様子など気にもせずに肉の壁の中の薄暗い通路を迷いもなく歩いて行く。妙に明るいが、それすら最早どうでもいい。
今の俺は、一気に入り込んできた情報を取り込むので精一杯だった。
だけど、唾を呑み込んで、相手の後頭部を見上げる。
そうして、覚悟を決めたような緊張感に苛まれながら俺は相手に声を掛けた。
「ぶ……ブラン、ティ」
すると。
相手は俺の方を振り返った。
「なんだい、クレーシャ」
「――――!!」
ああ、そうだ。やっぱりそうなんだ。
この人がブランティ。やっぱりアレはただの夢じゃ無かった。あの儚げな青年が、モンスターの【麗しの君】と化してしまったクレーシャだった。
そしてこの人が……かつて、ダンジョンの主が愛していた人なんだ。
だけど、どうして。とうの昔に死んでしまった人が、なんでここに居るんだ。
「どうしたんだい、クレーシャ? もしかして、気分でも……」
「あっ、いや……ええと……」
心配そうな顔でこちらを見るブランティという青年に、俺は口ごもってしまう。
それを相手は「気分が悪い」と勘違いしたようで、焦ったように眉を下げた。
「ああ、そうだよね。君にはこんな場所は似合わない。早くあの場所に行こう」
そう言って、さっきよりも強い力で俺の手を引き歩き始める。
速度を上げて早足になった相手は、やはり今までコープスだった存在だとはとても思えない。明らかに違う存在だ。
けれど、相手が本当に「ブランティ」という人だとしたら……これって、操られていると言う事になるんだろうか。そもそも、この人は本当に「ブランティ」なのか?
人を【シカマビト】に変化させてしまうダンジョンの主の事だから、もしかするとこのブランティは、本当のあの人じゃないのかも知れない。
……だとすると……――――そこまで考えて、俺はピンと来た。
そうだ!
レイド、レイドだよ!!
あの時、レイドの声は確かに俺の耳に届いていた。でも、あのグロい生肉空間にはコープスしか居なかったんだ。とすると、あの声が出せたのは俺を連れて来たアイツだけという事になる。いや、あれはコープスでは無く【シカマビト】だったんだ。
っていうか、呪いで【シカマビト】になったレイドだったんだよ!
侵食度によって徐々に様相が変化するのなら、レイドの形からコープスの形に変化していたって何もおかしくはない。きっと、レイドはダンジョンの主――【麗しの君】であるクレーシャさんに完全に操られていて、このブランティの姿に変えられてしまったんだ。さっきまで輪郭がアイスみたいに溶けていたのはそのせいだろう。
つまり、このブランティは偽物。
その正体は、操られて姿を変えたレイドなのだ。
……となると……あれっ、レイドって今物凄くヤバい状態なんじゃ……。
うわどうしよう、せっかくレイドを発見出来たのに、完全に操られている状態じゃ【呪い】とか解けないんじゃないのか。今は回復薬も持ってないし、そもそもここは肉の壁の中……攻撃しようにも、抵抗したら肉に潰されかねない。
俺は死なないから何とかなるかも知れないけど、最悪の場合ロクショウとレイドが死んでしまう。俺は嫌だぞそんな「ローマ字でアキラと書く映画」みたいな展開は。
グロいのがイヤという前に、人が死ぬのはごめんだってば。
ああでも気付いてしまった以上、一刻も早くレイドを解放しないと……!
でも、どうすりゃいいんだ!?
仮に【麗しの君】の目的が達成されたら、レイドだけじゃなく呪いに取り込まれて【シカマビト】になってしまった人達がどうなるか分からんぞ。
ダンジョンにある【核】を砕けば全てが解決する、とカーデ師匠は言ってたけど、なんかそれだけじゃ済まない悪寒がしてたまらない。
……これ……【核】を破壊するだけで、全てが終わるのかな?
ここまで侵食されてしまっていたら……最悪、レイドも死んでしまうのでは……。
「…………」
や、ヤバいじゃん!!
うわっ、これ、何とかしてブラック達を止めに行かなきゃ駄目なんじゃないの。
このままダンジョンコア倒しちゃったら、死人出ちゃうぞ!?
ちくしょう、こうなったら何とかして逃げてブラック達と合流しないと。
せっかくレイドを見つけたのに、死んでしまったら元の木阿弥だ。
ああでもどうやってこの剛腕から抜け出したらぁああ……。
「ほら、見えてきたよクレーシャ」
あああ何か前方にまた光が見えてきたぁああ。
どうしよう、このまま進んでもいいのかな。大丈夫なのかな。
段々と不安になって来て、外に出たくない気持ちが湧いて来たが……しかし、目の前の男を助けるには、ダンジョンのどこかしらに出なければならないのだ。
こうなったら四の五の言ってらんないぞ。どうにかして隙を見て逃げないと。
大丈夫、俺ならやれる。なんたって俺はチート能力者だ!
絶対に脱出してブラック達と合流してやるんだ、頑張れ俺っ!
自分を心の中で激しく鼓舞しつつ、片手で抱いているロクのことを気にしながら――俺と「ブランティ」のレイドは、肉壁の通路から外に足を踏み入れた。
「っ……!?」
途端、光が視界を焼く。
思わず目を細めたが、唐突に頬に触れて来たそよ風に、俺は目を見開いた。
「さあ、着いたよクレーシャ……」
「ブランティ」のレイドが俺を招く、その向こう側。
そこには――――
「シムロの……街……?」
そう。潮風と太陽の光に輝く、色鮮やかなシムロの街が広がっていたのだ。
少し遠くに青い水平線が見える、シムロの街が。
「えっ……え……!?」
ちょっ……ちょっと待って。
ここ、ダンジョンだよな。まだダンジョンなんだよな?
なのにどうして海や太陽があるんだ。ちゃんと潮風が吹いてるんだ。
いや待て、落ち着くんだ俺。普通に考えたら、これは幻覚だろ。ダンジョンの肉壁から直で到達できる場所なんて、どう考えても現実じゃない。
ここは幻覚だ。まだダンジョンのどこかの階層の一部なんだ。
だけど、だったらどうしてこんな……平和で、モンスターの気配も無いんだ?
「ここ、ダンジョンなんじゃ……」
思わず言葉を零してしまった俺に、ブランティは笑った。
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「嫌だなぁ、家に帰るって言っただろう? まずは、話そう。たくさん話そう。僕達が、今まで話せなかったことをいっぱい……それから、約束を果たそうじゃないか」
…………これって、話したいってことなのかな……。
でも、もしかしたらコレでダンジョン核の居場所が分かるかも知れない。
なんとか話を聞き出してからブラックを探したって、無駄じゃないよな。
それに……ここなら、ロクショウを逃がす隙だって作れそうだし。
――よし、こうなったら当たって砕けろだ。なんとか情報をもぎ取ってやるぞ。
そう決心し、俺はブランティに誘導されながら幻影のシムロの街を進む事にした。
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