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海洞ダンジョン、真砂に揺らぐは沙羅の夢編
18.これは一体なんなんだ
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「ふえぇ~っ、ツカサ君と離れ離れになるの寂しいよぉお~」
「わーっ、だから一々抱き着くなってばお前はー!!」
翌朝、日が昇ってから、ブラック達は出発する事になった。
何かの移動手段を使って首都の警備兵達が駆けつけてくれたらしく、師匠の防壁を解いた後は炎の防壁で守ってくれる事になったとのことで……まあ、それは良いんだけども……何でお前は出発する時までそうなんだよっ。
他の人も見てるんですけどっ、人前で抱き着こうとしないでほしいんですけど!!
せっかく防壁の前まで見送りに来たってのに、見送る気が無くなるぞおい!
「そこまでにしておけ、早く行かないと早く帰って来れなくなるぞ」
言いながら、籠手をぎゅうぎゅうと縛って戦闘準備完了のクロウが窘める。
ロクもキュゥキュゥと頷いて睨んでいたので、ブラックは渋々と言った様子で俺から腕を離した。ふぅ、ホントにお前はもう……。
ともかく、ブラック達は師匠とイデッサさん達と一緒にこれから討伐に出るんだ。
周囲には警備兵しかいないし、俺だけでもちゃんと見送ってやんないと。
ああでも心配だ、ちゃんとメシも持たせたし、回復薬も残ってるの全部かき集めて師匠やホーディーさんに託したけど、なにか忘れているような気がして不安になる。
大丈夫かなとブラックの顔を見上げると、相手は嬉しそうに笑った。
「そんな不安な顔しないで、大丈夫だからさ。それともツカサ君は僕が誰かに倒されちゃうとか思ってるの?」
「いや、それは無いと思うけど……」
「じゃあ大人しく待ってて。それと……」
「ん?」
口の傍に手を当てながら近付いてくる相手に、内緒話でもあるんだろうかと反射的に耳を見せると、ブラックは吐息が吹きかかるほど近くまで顔を近付けて囁いた。
「帰って来たら、い~っぱい恋人セックス出来るように準備しててね? 約束だよ」
「んな゛っ……!?」
な、な、何をお前は……っ!!
思わず口が硬直してしまい、熱が一気に上がった事で何も言えなくなってしまうが、ブラックは上機嫌で俺から離れて行ってしまった。
こっ、この野郎、帰ってきたら何が何でもやる気だな!?
…………い、いや……でも……ブラック達は頑張ってるんだし、俺は何も出来ないんだし……そのくらい……した方が良いのかな……ブラックだって、やりたくもない事を頑張ってくれるんだから、労う奴が居た方が……しかし……う、うぅ……。
「では、行って来るぞい」
「はえっ!? はっ、はい! みんな、気を付けて……!」
色々と考えていたらとうとう出発の時間が来てしまった。
ブラック達が植物の壁のすぐ傍に移動すると、警備兵が三人ほど出て来て、何事かを唱え始める。すると、彼らの周囲に綺麗な赤い光が散って、ブラック達の姿を遮るように高い炎の壁が姿を現した。
「おお……」
上の方を見やると炎の壁には山型になった所が三つ見えるが、もしかしたら一人で負担しないように、術を切り分けているんだろうか。
それか、誰か一人が倒れても他の二人でカバーできるようにしてるのかも?
なんにせよ、その事を考えるとカーデ師匠の強固な植物の壁はとんでもなく高度な術なのだなと思い知らされて、なんだかちょっと悔しくなった。
くそう……。俺もチート能力で師匠みたいに壁は造れるはずなのに、どうしてこうも実力の差を感じてしまうんだろう。俺の中に、確固たる何かが無いせいなのかな。
自分の力を確かに信じられるような、そんな証拠みたいなモノが……。
……修行や努力って、そういうモヤモヤを埋める役割もあるのかもしれない。
自分が頑張ったから、この結果が得られた。
そういうのがないと、誰だって自分の力に不安になってしまうのかもな。
「…………俺も頑張んないとな……」
炎の壁の向こうにそびえたっていた植物の壁が消えるのを見て、軽く息を吐くと、何とも言えない思いを抱えつつロクショウと一緒に旧治療院へと戻った。
なにが出来るか、と言うのは今の俺には見当がつかないけど、待つことぐらいしか出来ないと思う。だから、それまで自分自身の研鑽を続けよう。
……まあ、ブラックとクロウなら、マジで一日で何とかしちゃうだろうし。
なんだかんだ、アイツら真面目な約束だけは破った事無いしな……。スケベな約束だと守った試しがないけど……。
ゴホン。ともかく、俺も修行。頑張って修行だ!
クロウや師匠には休めって言われたけど、どうせみんなが帰って来たら全員で休むんだから、俺だって努力だけはしておかないと。
そう思い、師匠に作って貰っていた木の人形相手に拘束の練習を始めた。
診察室にデンと置いてあるけど、夜中に見ると怖くて驚いてしまうので、使わない時は布で隠してしまってんだよな……いやだって夜動いてたら怖いじゃん……等身大の人形とか……かんべんしてください。
「キュッキュッ! キュー!」
ああ、俺の可愛い相棒のロクショウが、横でちっちゃくて可愛い前足を上げながら応援してくれている!
こんなもん頑張らない方が無理でしょってことで、俺は二つの術を組み合わせた術――複合曜術の【グロウ・レイン】を使い、時間と体力が許す限り拘束を続けた。
だけど、それだけじゃないぞ。
時折、俺のチート能力である【黒曜の使者】の力で蔓や蔦を出して、こまめに確認する事もやった。……正直な話、やっぱり俺の心の弱さが出てしまっているのか、前に使っていた時より威力が無いような気がしたけど……それでも、普通の術と同程度には使えると分かって、ちょっとホッとした。
いざとなったら、この能力でもなんとかなる。
でも、やっぱり全力を出して対抗できなきゃ駄目だよな……。
だいたい、混乱してたら曜術どころかチート能力も使えなくなっちゃうんだし。
「ハァッ……はぁ……テンパッた時の頼みの綱は呪符だけど……使いこなせるかなぁコレ……」
修行を一段落して床に座ると、ロクショウがすかさず傍に飛んで来てくれる。
一人じゃないよと言ってくれているようで嬉しくて、俺はハァハァ言いながらロクの頭を優しく指で撫でてやった。あっ、いや、興奮とかじゃないからな。このハァハァは、修行のせいで息が上がってるだけだからな!
「ふぅー…………どうせなら、ちょっと試してみようかな……」
バッグの中から呪符をまとめた包みを取り出して、俺はお札のように呪符を出し、ペラペラと指でめくってみる。
お札と同じぐらいの柔らかさの紙は、わりとしっかりとしていて平気で掴める。
呪符って漫画とかだと柔らかい感じに思えたけど、この触りやすさはいいなあ。
それに、なんてったって、ベージュ色の長方形のおふだに、ラメ入りっぽい感じでキラキラと光るインクで紋様が描かれているのが格好良い。
マジで陰陽師の呪符みたいで、持っているだけでニヤニヤしてしまう。
「ふ、ふふふ……ど、どうやって使おうかな」
「キュゥ~?」
「えへへ、ロクも気になるか?」
「キュッ!」
小さな背中のコウモリ羽でパタパタと俺の肩に乗って来たロクに言うと、嬉しそうに返事をしてくれる。げへへ、そんな可愛く返事されたら仕方ないですなぁ。
ちょっと疲れたし、休憩がてら試してみよう。
そう思い、俺は台所の勝手口の方に移動した。
……万が一、家の中で暴走したりってこともあり得るからな。そんな事になったら家が壊れかねないし、師匠にもガミガミいわれそうでイヤすぎる。
「よし、ここなら多少被害が出ても、台所がオシャカになるだけだろう」
「ゥキュキュ?」
あ、この世界にはオシャカって言葉がないんだっけか。
ともかく、一枚は試してみないとな~……でも、なんの術を使おう?
「えーっと……一応、五属性の呪符を一枚ずつ買って来たけど……そういえば、金の属性の攻撃術って知らないな……。なんの術だろコレ」
呪符は、曜気があって意識さえはっきりしていれば、簡単に発動する。
ということは、詠唱もイメージも要らないってことだ。金の属性の曜術を知らない俺でも発動くらいは出来るだろうけど……よく考えると、何が出るのか未知数だ。
ブラックは炎と金の術を使う【月の曜術師】――二つ以上の属性を持つ曜術師は、月と日という二つの名に分けられているのだ――だけど、俺が見たのは金属を操って形を変える術ぐらいで、他の術はサッパリだ。
そもそも、金の曜術師って木の曜術師と同様に戦いには不向きだって言われてるけど……呪符があるって事は、一応戦うための術は使えるって事なんだよな?
だとすると、なんの術なんだろう。
「とにかく使ってみるか……。ロク、危ないかもしんないから離れててな」
「キュー」
とにかく、使ってみるしかない。
俺は周囲に人の気配が無いのを何度も確認すると、息を吸って――呪符の紙束から、光が散っている白い紋様が描かれた札を取り出した。
そういえば、札に描かれているのは文字のような文様だが……これも【曜術紋】の一つなのだろうか。だとすると、師匠が言っていた事がちょっと分かるのかな。
ドキドキしつつ、俺は三メートルほど離れた所に小枝を突き刺して、それを目標に設定し、呪符を人差し指と中指の間に挟んだ。
ふ、ふふふ、伝統的ジャパニーズウィザードスタイルだ……。呪符を使うキャラは、大体こういう感じで挟んでたもんな、俺はよく覚えてるぜ。
挟んで、ちょっと斜めに足開いて立って、腰を捻って正面を向くんだ。
呪符をもってこうやってポーズするのをいっぱい見たこと有るんだ俺は!
「む、むふふ、なんかちょっと……ふへへっ……」
自分のポーズが「ごっこ遊び」みたいで恥ずかしいのは分かっているが、やっぱり魔法が使えるってのはワクワクしてしまうものなんだ。呪符使いだなんて、いかにも中二病を満足させる題材で、思わず顔がニヤニヤしてしまう。
でも仕方ないんだ、俺だって陰陽師みたいなのやってみたいんだ。
格好良く呪符をシュバッとかして、キメたりしちゃったりしてみたいんだ!
そんな風にクールに攻撃してしまう自分を想像して、自分の子供っぽさにぞわぞわするような興奮するような妙な感覚を覚えつつ、俺は両頬を熱くしながら小枝をニヤついて見つめた。
「よっ、よぉしやるぞ……金の曜気、金の曜気……っ」
白い光を想像しながら俺は呪符に触れる二つの指に力を込める。
すると、呪符は俺の指からの曜気を感じたのか、白く眩しい光に包まれていって。
…………えっと……この後どうすりゃいいんだ?
投げたら良いのかな。とりあえず、小枝の方に投げ付けてみるか。
「…………はぁっ!」
「破ッ」だか「ハッ」だか判らないが、とにかく気合を入れた声を発して、小枝の方へと呪符を投げつけるようして飛ばす。
と、その瞬間。
「うえぇ!?」
いきなり俺の腹に巻き付いているベルトの金具がぐにゃりと動いた感覚がすると、その金具が信じられないくらいに伸びて――――小枝に突き刺さった。
「え゛っ」
なっ、なにこれ。
ベルトの金具が急に尖って伸びて、小枝にギュンて……えっ、これ、もしかして、金属を操って相手を攻撃する術ってこと……?
ていうか威力弱いってなんだったんですか、どう見ても凶悪じゃんこれー!!
「なんだこっ、うわっ、うわああ!」
なんだこれ、と言おうとしたら、小枝を突き刺したままの金具が戻ってきた。
その勢いに思わずその場に尻餅をついたが、金具が戻った事で解放された小枝が顔にべちーんとぶち当たって来て、今度こそ俺は地面に倒れた。
「ぐええっ」
「キュッ! キュゥウ!!」
ロクの慌てたような声がするが、立てなくて目の前がぐるぐるする。
曜術を普通に使った時の倦怠感や脱力感なんかは無かったが、これは多分、単純に攻撃した時の衝撃が強すぎて俺がノビてしまったんだろう。
ううむ、これはちょっと考えながら使わないといけないかも……。
術の威力自体が弱くても、攻撃の手段によっては使ったこっちが反動を受けるかも知れないんだもんな……でも、呪符の使い方は分かったぞ。
それに、曜気に関しては俺の不安や修行不足は関係なく出せるみたいだし、ここを足掛かりにして努力していけば、俺だって師匠に認めて貰えるかも。
術が使えなくても、考えればやれる事は色々あるもんだ。
「よぉーし、なんか元気出て来たぞ。ロク、ちょっと早いけどお昼にしよっか」
「キュー!」
よろよろと立ち上がり、ロクをだっこして、昼食を食べようかと踵を返した。
と――――
「あ゛がっ」
なんだ、この声。
自分の口から変な声が出た。いや、頭が何か衝撃を受けて、揺れているような……違う、痛い、これ、なんだ。頭の後ろが痛い。
「キューッ!! キュゥウー!」
ロクが激しく啼いている。だけど、俺は何故か体が言う事を聞かず、視界が地面にぶつかりに行くように傾ぐのを見た。
でも、どうしようも、出来ない。
凄まじく後頭部が痛くて目が霞む、意識が薄くなる。
このままだと、地面に激突して――――
「――…………」
そこまで考えて、真っ暗になった。
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