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海洞ダンジョン、真砂に揺らぐは沙羅の夢編
13.少しずつ少しずつ1
しおりを挟む「ア゛……ァあ゛…………」
「っ……!」
動きが酷くゆったりとした、妙な出で立ちの男。
一瞬で相手の様相を認識してしまったことに血の気が引いたが、それでも俺は窓の近くで飛んでいるロクショウをひったくりどうにか窓から離れた。
なんとか体も動けるようになったようだ。だけど、離れたら離れたで“窓の外の男”の姿がより明確に見えてしまって、思わず体が震えてしまった。
いや、だって、窓の外の人ヘンなんですよ、絶対これ人間じゃないんですよ!
肌はコープスみたいに青紫だし所々が何か焦げ茶色に変色してるし、なにより体が妙にしっかりしてるくせに顔は頬がこけてて幽霊みたいに虚ろな表情だしいいい!
「いっ、ぃ、い」
心の中でたくさん叫んでいるのに、声が出ない。
ロクショウを抱えて退いた時の動きすら今の俺にはもう出来なかった。
そんな俺に、窓の外の男は白く濁った青カビのような瞳をぎろりと向けると――窓を、大きな掌でバン、と、ワザと音を立てて叩いて来た。
「うっ……!! っ、ッ……!!」
足が勝手に力が抜けて尻を床に強打する。逃げようとするけど立ち上がれなくて、俺はガクガクと揺れて体を支えきれない両手で必死にずりずりと後退した。
だけど、窓の外の男はそんな俺を追い詰めるように、更に窓を強く叩き続ける。
これ、絶対いつか割れる。
割れたらどうなる。どうなるんだ。
襲われるのか、喰われるのか、そ、そんなの嫌だ。助けを呼ばないと、助け、いや攻撃、攻撃なんて何をすれば。
「ギュゥウウー! シャーッ!! ギャウッ、グォオッ!」
「ッ……!」
ロクが威嚇している。相手を敵と見做したのか、小さな蛇の威嚇の声じゃなくて、本来の準飛竜の時の低く口を震わせるような声が小さな口から漏れ出ていた。
興奮して、変化の術が少し解けかかっているんだ。
そのことに気付き、一瞬冷静になった俺は、ロクを抱えたまま咄嗟に立ち上がり、躓きそうになりながらも扉に体当たりして部屋から転がり出た。
「ろっ、ロク落ち着いてっ、どーどー! 逃げた方が良いって!」
「ギャォオオッ!! ガウッ、グッ……グゥウ……」
ロクがとんでもない声で啼くたびに、俺だけじゃなく館の壁までビリビリしているような気がする。っていうか、マジでビリビリしてる。
だけどそのお蔭か、なにやら屋敷の中が騒がしくなっているようだった。
こ……これはもしかして怪我の功名……?
「ロク、しーっ……大丈夫、大丈夫だからもう」
「グ……ゥ……ぐぎゅっ、キュッ……キュゥー」
「よーしよしよし……」
頭や顎の下を撫でてロクを落ち着けようとすると、部屋の中からドンドンと言う音がさっきより強く聞こえて来て、思わず体がビクリと震える。
しかし、にわかに騒がしくなった廊下の向こう側を見て、俺は「この場には、自分達以外にも人が居るんだ」と感じられて、心が落ち着くような気がした。
とにかく、今は部屋から離れないと。
騒ぎが大きくなっている廊下の向こうの玄関ホールへと向かうために立ち上がると、部屋の中で何かが激しく割れるような音がした。
「――――ッ……!」
ばらばらと、金属が周囲に飛び散るような激しくも独特な音がする。
その鋭い音に再び体が硬直したが、固まっている暇はない。震えはじめる足を奮い立たせて、俺は“ガラスを踏む音”が聞こえない内に走り出した。
「っはっ……はぁっ……は……ッ」
「クキューッ」
まだ上手く動けない俺の事を見かねてか、ロクショウが服を引っ張ってくれる。
後ろ足とは比べ物にならないほどの小さな前足で、必死に俺の服のソデを掴んで引っ張ってくれるその姿に励まされつつ、俺は走った。
ううっ、背後から音が追って来ているような気がする。
どうにかしたいけど、今の俺じゃ曜術はムリだ。ガクガクしていてとてもじゃないけど集中できそうにない――――とか思っていたら、背後でドカンと音がした。
「ひぃっ!? とっ、扉を破ったぁ!?」
振り返ったそこには、扉を足蹴にしてこちらへと向かって来ようとしている、妙なコープスの姿が……ってそんな場合じゃないぃいい!
どうしようどうしよう、曜術なんて今の状態じゃ使えないしお助けしてくれる仲間達も今は手が離れてて召喚出来ないし武器なんて何も持ってないしいいい!
ああああこうなったら戦うしかない、戦うしかないのかっ。
いや、でも、このままだとこの館の人達に迷惑が掛かってしまう。
窓だって割れちゃってるし、こうなったらお俺がっ俺がナントカしないとおぉ。
「キューッ!!」
「うわっ、ロク!?」
振り返った俺の腕からすっぽ抜けたロクは、こちらへ向かって来ようとする謎の男に向かっていく。慌てて掴もうとしたが、ロクは大きく息を吸って体を膨らませると――――思いきり口を開けて、準飛竜の咆哮と共に一気に青い炎を吐き出した!
「ギャォオオオオ゛オ゛オ゛オ゛!!」
小さな蛇の可愛い声が準飛竜の獰猛な雄叫びに成るにつれて、一直線に口から吐き出された青い炎が導火線のように謎の男へと繋がって行く。
恐ろしい音を立てながら炎が男に一気に燃え移った途端、相手は悲鳴を上げた。
まるで、何かの獣のような恐ろしい声を……。
――――って、そういえば、アレって……人間じゃない……よな……?
もし人間だったらどうしよう。間違って攻撃してたらとんでもないのでは。
そう思ったけど、相手はぐずぐずに溶けたかと思うと、そのまま黒い霧になって……そこには最初から何もいなかったかのように、消え失せてしまった。
「グオッ……ォッ……ォギュッ、ギッ……キュッ、キュー」
敵が霧散したのを確認すると、ロクショウはすぐに炎を呑み込み、ゴホンゴホンと喉をうねらせて苦労しながら元の可愛い声に戻った。
パタパタと小さいコウモリ羽を動かして戻ってくるロクを抱きとめながら、俺は今一度“謎の男”がいた場所を見やる。でも、何度見ても違和感すら見当たらず……。
「…………マジで消えちゃった……のかな……」
「キュ~……」
なんだかよく解らないけど……やっぱりアレってコープスだったのか……?
いやでも、コープスにしたって、何か……ダンジョンで出会った奴とちょっと違うような気がするんだけど……でも、黒い霧になって消えたって事はそうなんだよな?
人間とか実態が有る奴なら、あんな風に消えたりはしないし……。
「うーん……とりあえず、危機は脱したのかな……?」
ロクのお蔭で今回は助かった、というのは確かだよな。
でも、一体さっきのコープスのような男はなんだったんだろうか。
その問いに答えが出ることなど無く、俺は一足遅れで駆け付けてくれた館の人達に心配されながらも、助けてくれたロクを撫でて労う事しか出来なかった。
――――その後、三十分ぐらいしてから帰って来たブラック達に、留守中起こった出来事を包み隠さず話したのだが……帰って来たのは労わりの言葉ではなく「なんてこった」というハチの巣を突いたがごとき騒ぎようだった。
ブラックとクロウは「こんな事なら離れなければ良かった」などと憤慨しながらワーワー言うし、ペコリア達もなんだかご立腹でピョンピョンしている。
だがもっと大変だったのは、イデッサさん達と館の人達だった。
特に、俺の話を聞いて一番青ざめていたのは、シムロの街を治める街長だ。
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街長さんの計らいで、頭がすっきりするハーブティーのような物を飲ませて貰ったが、しかし朝になったという安心感もあってか、眠気は冷めなかった。
それでも、昨日のことで色々と動かねばならない。
俺達は「とにかく、夜は外に出ないように。今日はゆっくり休んで下さい」と言われただけだったが、未だにレイドが行方不明であるイデッサさん達と街長は、朝食もそこそこに外へ出て行ってしまった。
レイドの捜索は自分達だけでやるから、気にするな……と言って。
……こうなってしまうと、俺達は手持無沙汰でしかなく。
「…………どうする? 一旦治療院に戻る?」
行くところも無くとりあえず外に出たところで、ブラックが呟いた。
朝の光に赤い髪が輝いているが、本人は眠たそうに欠伸をしている。クロウも口を大きく開けて獣のように顎を震わせていた。
……二人とも疲れてるんだなぁ……。まあ、夜中に走り回ったんだもんな。
ペコリア達も流石に疲れたのか、今日は自分の居場所に戻ってるし……。
恐怖の一夜だった俺よりも、夜中にレイドを探して走り回ったブラックやペコリア達の方が疲れているのは当然か。
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そう思って、俺はねぐらに戻る事に頷いた。
「それにしても……その、昨晩ツカサ君を襲ってきたって言う、“コープスに似ているモンスター”は何だったんだろうねぇ。変な症状になったヤツが逃げて、守りが手薄になった時を狙ったかのように出て来たし……なんか変だよねえ」
「うーん……。やっぱレイドが逃げたのと何か関係あんのかな」
相変わらずのレトロな煉瓦道を歩きながら言う俺に、ブラックは首を傾げる。
「さてねぇ……でも、無関係かと言われるとちょっと引っかかるよね」
「ムゥ……だが、ハラが減ってあんまり頭が回らん……」
よく判らない、と言いつつ、拗ねたような腹の音を鳴らすクロウに俺は苦笑した。
朝食を食べたけど、まだクロウは足りないようだ。
まあ、お上品な朝食だったもんな。
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金はあるんだし、今日ぐらいは豪勢に行っても良いか。
そう思って仏心を出すと、ブラックが甘えたような声で擦り寄って来た。
「ツカサくぅん、僕……お酒飲みたいなぁ……ちょっと高いお酒ぇ」
「…………あんまり飲むなよ」
明日は再び修行の為にダンジョンに潜るんだからな。
神妙な顔でそう言うと、ブラックは嬉しそうに笑って頷いた。
まったく、さっきまで緊張感のある展開だったってのに……気が抜けるなぁ。
…………でもまあ、そういう所がブラックらしいか。
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