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海洞ダンジョン、真砂に揺らぐは沙羅の夢編
10.大概片方は事の動きに気付いていない*
しおりを挟む※性描写っていうか排尿プレイみたいな事してるのでご注意を
最後にちょっとだけ別視点
◆
「…………そ、外で待ってて良いから」
「何言ってんのさ、ツカサ君まだ自分の足で動くのも覚束無い状態でしょ? そんな状態でおしっこなんかしたら、周りに飛び散ったり自分にかかっちゃうよ」
「ぐうう」
こんなに広い屋敷だというのに、トイレは男女一個ずつしかない。
だからこそ、俺は運んで来てくれたブラックに「外で待ってて」と言ったのだが、相手は何が何でも一緒に入ろうと思っているのか、一向に退く気配がないようだ。
……いや、うん、ブラックの言う事ももっともだと思う。
だって、さっきブラックに「放流~」とかいって降ろされた時、俺「はふん」とか変な声を出しながら膝から崩れ落ちたからな。地面と額でごっつんこだったからな。
そりゃあ心配されたって仕方ないとは思うし、ブラックの言う通り他人の家を汚さないためにも介助して貰った方が良いとは俺も思うんだけど。
でも、でもさ、プライドってもんがあんじゃん、恥ってもんがあんじゃん!
ブラックにゃ恥ずかしい所も沢山見られちゃってるけど、でもさ、あの、トイレの中ですることって普通他人に見せないじゃん!
公衆トイレでしょんべんする時は確かに他人に見られるけど、隣で一緒にちんちん出してるオッサンと、俺の排尿を見ながら支えるオッサンじゃ場合が違うって!
絶対ヤダ、ブラックだけには絶対やだ!
こんなんだったらクロウにでも頼めばよかったううう。
「ほらぁ、ツカサ君たら意地張ってないで……早くしないと漏れちゃうよぉ?」
「ひぐっ!?」
ちょっ、ヤダ、なに下腹部擦ってんだお前!
そ、そんな、手ぇ全体で撫でて軽く押されたら、が、我慢が……っ。
あああ……く、くそっ、こうなったらもう背に腹は代えられない。
このオッサンといる限り逃亡は絶対に不可能なんだ、さっさと済ませちゃった方が心身ともに負担が無いだろう。
「ねー、ツカサ君どうするの?」
「わかった、分かったからソコさするな……っ。し、仕方ない……介助を……お願いする……。でも絶対ヘンなことすんなよ、絶対だからな!」
「はいは~い」
「だから腹こすんなって!!」
いい加減に腹を刺激する行為はやめろ、と手を叩くが、ブラックはどこ吹く風で俺を脇から抱えながらトイレに突入してしまった。
うう、やっぱり狭い。相変わらず洋式便器だけど、周囲は古めかしいながらも綺麗に掃除されていて、塵一つ見当たらない。きっとメイドさんや使用人さんが毎日ピカピカにしてくれているのだろう。
やはり、こんなに綺麗な場所を汚すワケには……いや待てよ。洋式便器だったら、立ちションしなくても良いんじゃないのか?
これなら俺でも頑張れるし、ブラックの手を借りなくたっていいかも知れない。外で待ってて貰って、終わったら呼べばいいじゃないか。そうだそうしよう。
「ぶ、ブラック、座らせて貰えたらもう大丈夫だから、あの、俺……」
「なーに言ってんのツカサ君、ほらほらズボン脱ごうねぇ」
「ヒッ!? ばっ、ばかっやだって!」
手を必死に抑えようとするが、ブラックは強引に指を動かし俺のズボンのベルトを解いてしまう。せめて降ろす所くらいは自分の意志でやろうと思ったんだが、それも敵わず下着ごとずり降ろされてしまった。
「わあああっ」
「んもー、煩いよツカサ君。ほら、おしっこするんでしょ? 便器跨いで」
「ちょっばかっうあぁっ」
無理矢理足を開かされて、背後から腰を突き出される。
自分の急所が目の前により明確に曝け出された事に息を呑んでしまったが、その隙を狙ってブラックはあろうことか、俺のブツを手で握り込んできた。
「ほうら、ツカサ君……僕がちゃぁんと握っててあげるから、安心して出して?」
言いながら、大きな手が丸ごと包んできてやわやわと揉みしだいてくる。
既に尿意を我慢するところまで来ていたというのに、時折指先で擽られながら先端を気まぐれに掌で擦られると、刺激が体を震わせて我慢が効かなくなってくる。
なにより、この状況で勃起でもさせられたら、どう考えても悲惨だった。
「ばかっ、やだっやだってばっ……くっ、うぅっ、いっ、いま、いじる、な……っ!」
「だってツカサ君が大人しく僕に身を任せてくれないからぁ」
「わっわかったっぁっ、わかっらからぁっ!」
頼むから揉むな、擦るな。もうヤバいんだって、色々駄目なんだって!
このままだと勃つし溢れるし良い事無い、一個も良い事ないんだってばあ!
頼むからやめてくれと必死で降参を宣言すると――背後のオッサンは何やら気味の悪い笑い声を漏らし、再び俺の腰を背後から押して突き出させようとして来た。
「じゃあ、今からおしっこしようね」
「…………」
こうなってしまっては、もうどうしようもない。
上着を自分でたくし上げるように命令されても、早く終わる為だと言う通りにしか出来なかった。ううう……チクショウ、筋肉痛でさえなかったら拒否してるのに。
「そうじゃないでしょツカサ君。ほら、もっと首の所までシャツあげて」
「ええ!? そ、そんなとこまでする必要……」
「もし僕がツカサ君の体を急に離して、体勢が崩れちゃったらどうするのさ。周りに零したおしっこ自分で拭く?」
「うぐ……わ、わかった、分かったよ……」
確かに、今の状態で急に支えを外されたら俺は立っていられるかどうか解らない。
例えブラックの要望が理不尽であろうとも、やって早く終わらせないと……。
ぐうう、チクショウ、終わったら覚えてろよ。
「あ~、ツカサ君の乳首だっ。ふふっ……さっきおちんちん弄られたせいで、乳首が先に勃っちゃったね……そんなに感じちゃった?」
「んなワケねーだろ、寒かったからこうなっただけだ! もう良いから、さっさとしてくれよ……っ」
「も~、ツカサ君たら意地っ張りなんだから……。おちんちんは子供のまんま小さいのに態度は大きいなんて、人は見かけによらないよねぇ」
「いいからっ!」
早くしてくれと喚くように言うと、ブラックは俺の肩越しに顔を出して耳に唇をぐっとくっつけてきた。う、うう、生温くてカサついた感触がくすぐったい。ヒゲが顎の付け根に刺さってチクチクする……体が落ち着かない。
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でも……こ、こんな風にされたら……出るモンも出ないって言うか……。
「ツカサ君、おしっこ上手くでないの? だったら……ほらっ、これでどう?」
「うぐっ!? やっあ゛ッ、やめっ、お、おなか押さな゛……ぇ゛っ」
囲う腕を下腹部まで降ろしたブラックが、自分の体に擦り付けるようにしてぐっぐっと力をこめて押してくる。その刺激と苦しさに再び尿意が込み上げて来て、俺は我慢が出来なくなる前に唇で耳を食んでいるブラックに訴えた。
「もっ、出るっ、出るから見んなっ……!」
「んふ~? おしっこなんて今更じゃない。ほらほらっ、恋人の僕がもっと手伝ってあげるから、遠慮なく気持ち良くなっていいんだよ……?」
そう言いながら、ブラックは耳の起伏を舐め上げるように、湿った舌をねっとりと這わせてきて。いつもならもっと我慢出来たはずなのに、度重なるブラックの手からの刺激に切羽詰っていた俺は……――――
「ひぐっ、う……っ! んんん゛……っ!!」
ついに、我慢出来ずにちょっとだけ漏らしてしまった。
「あはっ、出たね~。でも勢いないなぁ……我慢してる? 良いんだよツカサ君……僕はツカサ君の全部が大好きなんだから、遠慮しないで……」
「ふあっ、やっあっあうぅっ」
耳に入って来た生温い舌が、穴を探るように動いている。
思わず体が揺れそうになって止めるが、ブラックはそんな俺の様子に低い声で笑い俺にまた囁いて来て。
「もう出ちゃったんだから、今更我慢する事ないじゃないか……それとも、ツカサ君はおしっこを我慢して感じちゃう子なのかな? そういえば、乳首もさっきからビンビンに勃起しちゃってるしなぁ……乳首もおちんちんも小さいくせに、ホントツカサ君たら淫乱なんだから」
「ちっ、ちがっ……」
そんなバカなことがあるか。
俺は、強引に弄られて刺激されているから体が反応しているだけで、絶対にそんな性癖なんてない。つーかそんなんだったら普通にションベン出来ないだろ!
ああもうっ、何でこうなっちゃうんだよ。
結局ブラックに良いようにされてるじゃないか。こんなんじゃ駄目だ。
一度体勢を立て直そうと自分の急所に流れてくる勢いを抑えようとしたが、何故かブラックの指はソレを感じ取ったらしく、俺が内腿に力を込めて我慢しようとしたのを狙ってゆっくりと根元から擦り上げてきやがった。
「やっ……!? うあっ、やっば、かっ、ばかっ、そん、ぁっ」
「ツカサ君が強情だからいけないんだよ? ほら、さっさと見られながら恥ずかしい格好でおしっこしてよ。ツカサ君の役目でしょ」
「そんっ、ぁ、役目っ、あってたまるかぁっ……~~~~ッ!」
強く突っ込もうとしたのに、擦られ、再び耳を食まれて唸り声になってしまう。
堪えたせいで声が妙に甲高くなり、それが余計に羞恥を煽った。だけど、もう抑え込まれて散々刺激された体は尿意を我慢出来なくなっていて。
「ほら、ツカサ君……乳首もい~っぱい触ってあげるからさ、おしっこで気持ち良くなる練習しよ……? 僕だけにしか出来ない事、たくさんしてあげるから……っ」
「やだっ、なにそれやらっあっ、ぅんんっ、んっくっ、んうぅ……ッ!!」
有無を言わさず捕えている方の腕の手が無遠慮に乳首を指で摘まんでくる。
それだけでも体が跳ねたのに、ブラックは執拗に指の腹で乳首をこねて、俺のものを持った手は空いた指で先端の裏をくすぐってきた。
そんなこと、されたら。そんな風にされたら、もう……っ。
「ほら……ツカサ君の体って、僕が触ったらおしっこでも気持ち良くなれるんだよ。ねえ、だからさ、もっと一緒にいよ……一緒に気持ちいいことしようよぉ……っ」
「やだっ、やだやぁっやらぁあっ……!」
「ほら……っ」
低く痺れた声が、耳をじんじんと揺らす。
その熱くて強い揺れが、お腹の奥にまで伝わって来て。ブラックの指が強引に湧き立たせた刺激を引き抜こうとして来て。
その、勢いにもう我慢出来ず、俺は。
「あぁあああ……ッ! あぁああ~~~っ……!」
乳首を引っ張られて、裏っ側を撫で回されて、耳を舌で犯されて――――我慢の糸が千切れた俺は、なす術もなく体内の熱を吐き出してしまっていた。
「あ~っ、出た出た。ツカサ君、ほら、気持ち良いねぇ……」
「うぐっ、ぅっ、ひぐぅう……っ」
じょぼぼぼ、なんて、言葉にしても下品な音が聞こえる。
とんでもないことをしてるのに、されているのに、いつもの「出して気持ち良い」という感覚が抑えられない。そんな気持ちを更に上乗せするように、俺に触れているブラックの指が熱を伝えて来た。
――どう考えたって、こんなのおかしい。
こんなことを覚えてしまったら、普通にしょんべんなんて出来なくなる。
二度とやりたくないと思うのに、恥ずかしくて死にそうだと思うのに、ブラックの嬉しそうな下卑た笑い声と刺激が、だんだん忘れられなくなっていく。
絶対にこんなのおかしいのに、拒否しなきゃ行けないのに……ブラックが俺の体に触れているんだと思うと、もう気持ち良さしか感じられなくなってしまっていた。
「大丈夫かしら……坊ちゃま……」
憂いを帯びた女性の声が、深く眠っている青年に向けられる。
その思いを汲み取ったかのように、また別の方面から、少し頼りなげな青年の声がこちらに放り投げられた。
「大丈夫ですよイデッサ様。レイド様は我々より体力が有る、今時珍しい方ではないですか。きっと目を覚まして下さいますよ」
「だけど……貴方も街長の話を聞いたでしょう? もし万が一呪いだったとしたら」
憂う“イデッサ”という女性の声に、再び気弱そうな男は声を投げる。
「呪いなんて非現実的ですよ。そんなの古い迷信でしょう? ゴーストを幽霊と見間違えたワケじゃあるまいし、古い考えに固執するのは……おっと」
「誰が古いですって?」
「いいえ、あの、なんでも……」
先程までは自信たっぷりに語っていたと言うのに、また気弱になってしまった。
――――そうだ。この声は知っている。
自分の従者たち……いや、今は、旅を同じくする仲間の声だ。
そう知っているのに、何故自分は動く事も話す事も出来ないのだろう。
いや、そもそも自分は誰なのだろうか。
…………。
そういえば……イデッサとは、誰だ。
この気弱な青年の声は誰なのだろうか?
自分は……――――
私は……――――
――――――だった、はず。
「…………れ、いど様……? あっ、レイド様!?」
天井が、見える。
目が、見える。
女が、見える。
ちがう。
“これ”ではない。
「レイド様?」
“これ”ではない。
「ど、どうしたんです」
“これ”でもない。
違う。違うのだ。
だとしたら、どこに。
「レ……――――」
わたしは、誰だ。
→
※またもや遅れてしまって申し訳ない…(;´Д`)
次も*展開です。おっさんがお口ご奉仕をおねだりしてますアァ…
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