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神殿都市アーゲイア、甲花捧ぐは寂睡の使徒編
31.たっぷり甘やかしてくれるよね?1*
しおりを挟む「で、でも……甘やかすって……どうすんの……」
ち、近い。なんか近いって。
そりゃその、お、俺達は、恋人……だけど……そうなんだけど、でもその恋人でも適切な距離ってもんがあるし、こ、こう言う雰囲気だとその、嫌でも意識しちゃうって言うか冷静に考えられなくなって困るって言うか……!
しかし、そう思えば思うほど、間近に有るブラックの顔や、自分の体を影で覆っているでっかくて男らしい体が気になってしまい、どんどん顔が熱くなっていく。
そんな判り易い自分が恥ずかしくて口を噤むと、ブラックは笑みを浮かべたままで一度体を起こすと、押し倒したままの俺を軽く跨いで腰をつき出して来た。
「……っ!」
その腰は、既に立派な山を作っていて、せっかくの品のいいスラックスをみっとも無く前に押し出し、はち切れんばかりに形を浮き上がらせている。
……ズボンって、そんな柔らかい素材でしたっけ……。
「ツカサ君……はぁっ……は……ま、まずは、僕のペニス……た~っぷり甘やかしてくれるよね……?」
ずいっと顔の近くまでそのピラミッドを近付けられて、思わず息を呑む。
そ、そう言えば、こういうの最近ほとんどしてなかった気がする……でもだって、俺も学校とかキュウマとのゲートの調整とか色々あったし、やっと落ち着けるかと思ったら事件が起こってドタバタしてて……その……ぶ……ブラックの下半身とは、ご無沙汰していたと言いますか……。
「ね……ツカサ君……ズボンくつろげてくれるよね……」
「うぐ……」
「甘やかしてくれるって約束……叶えてくれないの……?」
あからさまに悲しそうな顔をして、しょげたような声を漏らすブラック。
コンチクショウ、お前、ソレわざとだって俺分かってんだからな!?
しかし、いざ目の前に鋭角にテントを張ったズボンの合わせを突き付けられ、約束の事を持ち出されると……その……。
…………そりゃ、言ったけど。約束したけどさ。でもこんな急に……。
いや、に、逃げるなんて男らしくないんじゃないのか俺。
だってブラックを甘やかそうと思ったのは俺だし、それにブラックは一番頑張ってくれたんだし、その約束を反故にするってのは……。
「ツカサくぅん……」
う、うう……ううぅう…………。
ええいもうまどろっこしい! 男らしくないぞ俺!!
こ、こういうのはいつもの事なんだ、いい加減慣れるんだ!
こっここ恋人なんだから、フェラとか、お、俺だって出来ないと……。
「っ、ぅ……うごくなよ……!」
カッカする顔を堪えながら、今まで握っていた拳を開く。
俺が動いた途端嬉しそうに表情を変えるブラックにイラッとしないでもなかったが、構わずにズボンのベルトへと手を伸ばした。
ゆっくり、慎重に解こうとするが、なんだか手が軽く震えていて上手く行かない。
「ツカサ君早くぅ」
「うっ、うるしゃい!!」
ぐ、ぐうう噛んだっ。バカ! 俺の馬鹿野郎!
余計に恥ずかしくなってしまいつつ何とかベルトを外して、俺は……ズボンの留め具に触れた。ち、ちくしょう、なんでこうしっかりしてるんだよ留め具が!
「あ……つ、ツカサ君の指がズボン越しに解って僕たまんなくなっちゃうよぉ……」
「ああもうだから喋るなってば!」
はっ、外っ……はずれた!
この野郎、手間かけさせやがって!
何だかもう顔が熱すぎて段々ムカついてきたぞ。クソッ、こ、こっちは一生懸命にやってるってのに、ブラックの野郎ニヤニヤと見下ろしてきやがって。
俺だってやれるんだからな、あ、甘やかすんだからな!!
「あはぁっ……ツカサ君、あとは下着だけだよ……早くぅ……」
「ぐぅうう、い、今やるってば!」
ブラックのズボンを降ろして下着に目をやると、やはり尋常じゃないくらいに布を突っ張ったデカい何かがドンと現れる。
それだけじゃなくて、その……ちょ、ちょっと、濡れたような部分が……う、うううだあもうこうなりゃヤケだ! どうせ恥ずかしいんだからい、一気に……っ。
「あっ」
ブラックの下着に手を掛けて、勢いよく下着をずり降ろした。
と、その勢いに負けず劣らずの力強さでズボンからデカい何かが、ぼるんっと俺の目の前にぶれながら現れたではないか。
それが何かなんて、言いたくない。
だけど、ブラックは俺に現実を見せつけるかのように、血管が浮きガチガチに硬くなったソレを俺の鼻の先に近付けて来て軽く揺さぶる。
「う、ぅう……」
「えへ……ツカサ君が甘やかしてくれるって言うから、こんなになっちゃったよぉ……ほら、分かる……?」
ぐいっと近付けて来られると、熱気が伝わって来て思わず身じろいでしまう。
でもそれだけじゃなくて、その……あ、汗を掻いてるせいなのか……いつも以上に、えっと……その……ぅ、うううもうバカッ、アホブラック! こういうのしたいなら風呂入ってからしろよ!!
「っ、ぐ……」
「あは……僕の勃起ペニス……どうやって甘やかしてくれるの……?」
ハァハァと荒い息を漏らしながら、俺の鼻先にくっつけようとするブラック。
赤黒くて色々とヤバげなその巨大な物体に、思わず逃げ出しそうになったけど……でも、やるって決めたのは俺なワケで、そうなるともう……やるしかない。
「う……動くなよ……」
「うんっ」
うんっ、じゃねーよ。うんっ、じゃ!
体を起こしてブラックの股間の目の前に座る形になると、俺は手をぎこちなく上げゆっくりと大きなソレに添えた。
そうして、片手で上下に擦る。
「んっ……ん……ツカサ君、くすぐったいよぉ……」
「う、うるさい……」
掌よりも熱い、大人の性器。俺の貧相なブツとは比べ物にならない質量のソレは、我慢汁すらもまだ俺の手の動く範囲まで垂れて来ない。
裏と表で起伏を感じるし、横目に見える引き締まった体と見比べると、色彩が違い過ぎてなんだか別の物のように思えてくる。俺に生えてる物と一緒のはずなのに。
……そうなんだよなあ。
一緒のはずなのに、なんでこんなに熱くて、生々しいんだろ……。
エロ漫画とかで見慣れたモノのはずなのに、実際に見ると毎回「う……」となってしまう。くそ、お、俺だって大人になったらこんくらいデカくなる予定なんだから、コイツの大筒にビビってるヒマはないぞ。
でも、俺はと言うと、ゆるく扱くことしか出来なくて。
そんな風にまごまごしていると、ブラックが残念そうに腰を動かしてきた。
「ツカサ君、それじゃ全然感じないよ……たっぷり舐めて擦ってくれないと」
「うっ……」
輪っかを作った俺の手の中で、俺が扱くよりも強くブラックは腰を動かす。
ごしゅごしゅと手に触れる裏筋や血管に思わず体を震わせると、息を吸い込む最中にブラックのソレの濃いにおいを呑んでしまって、体が熱くなった。
今まで無意識に息を薄くしていたせいか、より強烈にニオイを感じてしまう。
それが、体の奥の何かをジワリと溶かして、段々と下腹部がおかしくなって。
気付きたくない衝動が、そんなワケは無いと思いながらもじわじわ強くなってきているような気がして堪らなかった。
だけど、ブラックは俺の事になど構わず、鼻の頭に我慢汁を押し付ける勢いで根元を俺の指の輪っかに押し付けながら、ずんずんと勢いよく腰を動かしてきやがる。
先端から出てくる汁はもう裏筋や様々な所に落ちているのに、俺が舐めないで済むほどの量は出してくれなかった。
く……くそぉ……人んちのシーツ汚すだけ汚して、こんな……っ。
「これじゃ、全然甘えられてないよぉ……。ねえツカサ君、僕のペニスをもっとたくさん甘やかしてよ……ねえ、ほらっ、亀頭にキスして?」
「ひっ!?」
ひときわ大きく腰を揺らしたブラックは、俺の手に腰を打ち付けてぐいっと俺の鼻の頭に先端をくっつけた。その感触に思わず体が退いてしまったが、ブラックは「ねぇ、ねぇってばあ」と甘ったれた声を出しながら、腰を再び近付けて来て。
に、逃げられない……。
でも、この……き、キスって……だって、こんな素面の状態でキスって……!
「ぅ……」
「やさしくキスして、僕のおちんちん甘やかして……? ね……ツカサ君……」
低く、渋い声。腹の奥を熱くして擽るような声が、俺に懐いて来る。
甘やかして、と子供みたいな事を大人の声で言いながら、ブラックは俺の目の前に興奮した事を隠しもしないブツを突き付け笑った。
……そんなの、普通は「嫌に決まってんだろ」と拒否するんだろうけど……。
でも、ここまで来るともう拒否する事も出来ない。
約束したんだって思いと、目の前でいきり立っている興奮を示したモノと、それを俺に対しての感情だと見せつけて来るブラックに「甘やかして」と言われると……体が勝手に熱くなってきて、足が、恥ずかしい疼きを抑えようと、勝手に閉じていってしまっていて……。
「ぅう……」
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「あぁ……ツカサ君、そうだよ……舌を突き出して、ゆっくり舐めて……」
嬉しそうで穏やかな声音のブラックに誘われるがままに、躊躇いも無くブラックの竿に舌をくっつけて這わせてしまっていた。
「ん……っ、く……」
顔が、遠い。無理な体勢を見て、ブラックが腰を進めて来る。
もう逃げられないほど近くにせり出してきてしまったペニスを、近場からチロチロと舐めて、ブラックの反応を見やる。熱に浮かされたとは言っても、そこまで露骨なコトなんて出来なくて、そこ以外に辿り着けない。
太腿でぎゅうっと自分のモノを挟んで耐えつつ、口で息をして舌の感触と視覚以外のモノを遠ざけようとするけど、ブラックはそれを許してくれない。
「ツカサ君……もっと、色んな所舐めて……? コスるのだって、ツカサ君の小さな手じゃ全然足りない……両手で根元からたくさん擦って、先端を甘やかしてよぉ」
「うぐ……っ」
「約束、でしょ?」
「うぅ……」
そう言われると、拒否しようが無い。
…………いや、俺は……本当は、そうやって強制されたいのかも知れない。
だって、命令して貰えば「自分の意志じゃない」と言い訳が出来るから。
我ながら卑怯だなと思う。だけど、久しぶりのフェラは俺には刺激的すぎて、虚勢を張る暇すら無くなってしまっていた。
「こ……こう……?」
両手に持ち替えて、二つの手で互い違いに根元から竿をまんべんなく扱きながら、舌を出し裏筋を優しく撫でるように舐めつつ全体を愛撫する。
「あっ……ぅ……っ、よ……良くなってきたよ……っ」
「んぐ……っふ……んん……っ」
唾液が流れて、我慢汁と混ざる。
舐めたくないのに、下から上に舐め上げた時に口の中に入ってしまって、その独特のしょっぱい感覚に下腹部がきゅうきゅうと疼く。俺まで股間が段々と熱くなってきて、堪えようとするのにもう布を突っ張るような嫌な感覚があった。
だけど、やめることなんて出来ない。
唾液なのかも判らない液体が苦しくて、思わず鼻で息を吸ってしまうと、ブラックのペニスの男臭さが一気に脳を刺激して来て喉が動いてしまう。
その濃いニオイに頭の芯がジンとして、下腹部がひくひくして来て、太腿で抑えていた俺のモノも堪え切れないくらいに布を押し上げてしまっていた。
恥ずかしい。こんな事で興奮してるなんて、どう考えたって男としてヘンだ。
そう思うけど、でも、俺は何度もブラックと……いやらしいことを、している。
体に残る淫らな記憶と、目や舌どころか五感全部でブラックのペニスをダイレクトに感じてしまったら、その“いやらしいこと”が俺を勝手に興奮させてしまう。
俺を、強引に「メス」にさせてしまうんだ。
それが我慢ならないのに、同時に俺をどうしようもなくヘンにしてしまって。
「ツカサ君、もっと……も、もっと甘やかして……っ」
「んぅう……っ」
呼吸が荒くなる。ブラックの興奮した声と共に、唾液か我慢汁かも判らない液体がだらだらと根元まで垂れて、俺は一層激しく手を動かした。
でもそれだけじゃ我慢出来なくて、ブラックの嬉しそうな声を聞くと、もっと……
もっと、ブラックに、喜んでほしくて――――
「ッ、あっ、あぁあっ!? つっ、つかさくっ、あっあぁあっい、イイっ、いいよぉっ……!」
「んっ、んぶっ……んん゛……っ!」
今まで舐めていただけのブラックの立派に主張した亀頭に吸い付き、ちゅっちゅっとキスをしてタッピングしたりしながら、まんべんなく舌で舐めて責め上げる。
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「あっあっ、あっぁあっ……! つっ、ツカサ君いいよっ、いっ、ぅあぁっ、くっ……うぐっ、ツカサ君っはっ、ハァッ、はっ、でっ、出ちゃう……っツカサ君のエッチなキスで精液我慢しきれなくて出ちゃうよ……っ!!」
「らひれ……っ、ぅぐっ、ん゛っ……へ……せぇ、えひ……らひ、ぇ……っ」
頭が、お腹が、恥ずかしい場所が全部じんじんする。
いい、良いから。おれ、甘やかしてあげるから。約束したんだから。
それしか考えられなくなって、ブラックの気持ちよさそうな感極まった声に、俺も何も考えられずにただただ我慢汁を膨れさせる鈴口を舌でぐりぐりと弄った。瞬間。
「うあぁあっ……! うっ、ぐぅう゛……ッ!!」
いつもとは違う、どこか驚いて焦ったような声が頭の上から聞こえて――――
俺の顔に、想像もしていないような量の熱い何かが勢いよくぶちまけられた。
「はぐっ……う゛……っ!?」
「あっ、あぁあ……あぁああ…………はっ、はぁっ、はぁ……あ、あぁ……」
ブラックの力んだような声が、ゆっくり収まって行く。
額から顎までたっぷりと俺の顔を濡らしたソレを手で拭うと、白い液体がドロリと手を伝って下へと落ちて行った。
…………あ……これ、って……せ……せいえき……。
「あぁ……ツカサ君に顔射しちゃった……ご、ごめん、今拭くからね……っ」
そう言いながらブラックは懐紙を探すけど、俺はというと未だに体の中を騒がせる妙な感覚が治まらない。それどころか、顔の覆う強烈な独特のニオイに……俺の股の間に付いている物が、もう抑えきれないほど勃ち上がってしまっていて……。
「ぅ……」
「あ、あったあった。さすがの僕も、自分の精液だらけの顔じゃあキスしづらいからさ……。へへ、ツカサ君……すごく良かったよ……」
「ん……んん……」
ガサガサと柔らかい紙で顔を拭われて、顔が痒くなる。
だけどブラックは気にせず紙を丸めて投げ捨てると、今度は俺の頬を大きな両手で包んで無理矢理に自分の方へと向かせてきた。
「あは……ツカサ君、顔が凄く赤くてトロンとしてる……。ツカサ君も、今ので興奮してくれたんだね……僕嬉しいよ……」
「そ……な……」
そんなこと、ない。
精一杯の虚勢を張ろうと思うけど、体は正直でどうしようもない。興奮している事は、俺自身が一番分かってしまっていた。
そんなこちらの様子に笑うと、ブラックは耳に顔を寄せて来る。
「ぅあっ……!」
唇が耳に触れて、ゆっくりと舌が耳朶をなぞる。
その感覚にゾクゾクして思わず体を震わせてしまった俺に、ブラックが囁いた。
「本番はこれからだよ……。もっと、もっと僕を甘やかしてね……?」
頭をとろけさせるような……大人の、低くて落ち着いた声。
熱い息が耳と首筋に掛かって、その僅かな刺激だけで再び足を閉じてしまった俺は……――――もう、「イヤだ」と見せかけの抵抗をする事すら出来なかった。
→
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