異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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謡弦村アルフェイオ、陽虹を招くは漆黒の王編

20.優しくすればそのくらい※

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   ◆



 いい宿を取ろう――と言われたが、交通の要所でも無いこの町では「良い宿」ってのも割とつつましい様相だ。

 でも部屋は安宿よりは広くて清潔だし、ベッドも干し草を詰め込んだマットレスなどでなく、異世界にありがちな謎技術で作られた、スプリングでも入っているような弾力のあるマットレスになっている。
 以前、色々有って最高級の宿に泊めて貰った事があるが、そのお宿のベッドよりも普段使い出来るような気安さが感じられた。

 でもシーツも掛布団も綺麗できっちりしてるし、何より部屋がちゃんとしている。

 壁は壊れたり隙間が空いていたり汚れていたりしてない、ちゃんとした壁だ。木板そのままで作られた壁ではなく、しっかりと補強されて壁紙まで張ってある。
 部屋の調度品も机と椅子だけでなく、水差しなどの「あれば嬉しい」備品が当然のように置かれていた。何より、物凄く小さいが洗面所とバスタブまである!

 汚水処理に問題があるのかトイレだけは別のようだったが、それでも風呂が有ると言うのは何よりも嬉しい。特に、その……ブラックみたいな奴と一緒にいる時は。

「んもう、お風呂入らなくたっていいって言ったのにぃ」

 カワイコぶったような口調でそんな事を言いながら、ブラックは俺の手首をつかんで、大きなベッドに半ば放り投げるようにして乗せ上げる。
 弾力に少し体が浮き上がったが、俺の動きなど関係なしにブラックはかって来た。先に入れと口煩くちうるさく言ったので、ブラックもちゃんと汗を流している。だからか、水分を含んだ赤い髪がいつもより鮮やかに見えて、思わず胸が苦しくなった。
 ……なんでかなんて、考えたくも無いけど。

 そんな自分が妙に恥ずかしくなって目をそらすが、相手が既に上半身裸で、普段は見せないハダカを見せつけているのが視界に入って来て、目のやり場がなくなる。
 ほとんどがブラックの体で覆われてるのは目の毒だ。
 でもそんな事を言い出せるワケもなく、俺は恥ずかしさを抑え込みながら、枕に頭を預けてしかめっ面で不満みたいな事を言うくらいしか出来なかった。

「ま、まだ髪乾いてないんだけど……」

 ベッドに体を投げ出した状態で不機嫌っぽく言ってみるが、視界の端で動いている赤い髪は「ふふっ」と忍び笑いに揺れるだけだ。
 そのうち、視界に陰が掛かって近付いてくる気配が在った。

 こんな時ばっかり相手の動きを感じるなんて、本当に嫌になる。なんで恥ずかしい時に限ってブラックの挙動がよく分かるようになるんだろう。何度えっちしたって、それが理解出来なくて余計に恥ずかしくなってしまう。

 無意識にこぶしにぎってしまったが、俺のことなんてお構いなしにブラックはほおにキスをしてきた。それも、俺がイヤと言うほど感覚を感じるように、時間をかけて。

「っ……!」
「どうせすぐに熱くなって汗だくになるんだから、どうでもいいよ。それよりさ……ちゃんとセックスしてくれるって約束だよ? ほら、こっち向いて……」
「う……」

 まくらと顔の間に、少しざらついた熱い皮膚ひふの手が滑りこんでくる。
 ブラックの手が大きいせいか、重い頭は簡単に正面を向かされてしまい、俺は相手と対面させられてしまった。

「ツカサ君」
「~~~~っ……!」

 間近にあるブラックのニヤけ面と裸の上半身を見て、急激に体の熱が上がる。
 剃れって言った無精髭も剃ってないし、締まりのない顔で嬉しそうにニヤニヤしてるし、体は引き締まってるけど、その……イケメンのツルツルな体とかじゃない。

 普通に考えたら、憧れはすれど男の俺がドギマギする要素なんて何一つないのに、ブラックに嬉しそうに名前を呼ばれたら、近付かれたら、キスをされたら……な、なんか凄くドキドキして、顔が熱くて逃げ出したくなってしまう。

「あは……可愛い……。好きだよツカサ君……好き……」

 いつもの事なのに、恋人になってからも長いこと旅をして来たのに、今も慣れずに居たたまれなくなってしまうのが情けない。ブラックに何度も「好き」と言われながらキスをされると、体が勝手に反応してしまう。

 声を出すのだって我慢しようと思うのに、口だけじゃなく首筋や開いた胸元にキスをされたら、どうしても「んっ」とか気持ち悪い声が漏れやがる。
 毎回男らしくしようと思うのに、今までずっとブラックに「声を出して」と言われ続けたせいなのか、最近は自分でも変な声が抑えられなくて困ってしまっていた。

 そう、全部ブラックのせいだ。
 ブラックのせいなのに……今は、なじることすら出来ない。

「酷いコトしないから、寝間着ねまき開けていい? いいよね」
「自己完結するぐらいなら訊くな!」
「ツカサ君、真っ赤で可愛い~! えへへ、僕のために綺麗にしてくれた体は、どうなってるのかな~?」
「ッ……い、いつもと変わんないって……」

 着替えるのも勿体もったいないので、脱衣所に置いてあった安い生地のバスローブっぽい物を着ていたのだが、当然中身は何も着けていないので紐を解かれると素っ裸になってしまう。……だ、だって、絶対すぐこうなると思ってたし……きっ期待してたワケじゃないぞ、仕方なくだからな本当に!

 だから、恥を忍んであえて俺は裸にバスローブを着用していたんだけど、ブラックはスケベ心で目がくらんでいるのか、自分の良いように解釈し始める。

「あぁ……下も穿いてなかったの……? ふへへ……お、お風呂入ったから、色んな所が色付いてて可愛いね……ツカサ君の体って、男の子なのにホント柔らかそうで、触りたくなって我慢できないよ……っ」
「んっ……ぅう……っ」

 大きく前を広げられて、体が丸見えになってしまう。
 だけど「約束」の手前逃げられない俺は、ブラックの手が下腹部に触れるのをこばむ事が出来なかった。いつもなら拒んでるけど、その、約束したし……ぶ……ブラックも、善処するって、優しくするっていったし……。

 あっ、それだけじゃないぞ。
 恋人だし、俺だっていつかは慣れて、お、大人のえっちっていうか、ブラックが喜ぶ事が出来るようにならないとなっては思ってるから、その……こ、こういう優しい感じだったら、我慢するって言うか恋人だから俺も男らしく受け入れるぞっていうか……と、とにかく恥ずかしいけど我慢しようってことだ!

 だから、ブラックの指に下腹部を軽く指で押されても、声を我慢しようと思ったんだけど、俺がぐるぐる考えている間にブラックの手は上へと移動していた。

「お風呂上りだから、乳首も普通の時より鮮やかな色だね……あはっ……はっ、はぁっハァ……ひ、久しぶりのツカサ君の乳首……っ」
「なっ、何が久しぶり……っ!」
「だって、ちゃんとした恋人セックスは数日ぶりじゃないか。僕、ツカサ君がコッチに帰って来るまで、ず~っとツカサ君のこと待ってたんだからね……?」

 上目遣いでそんな戯言を言いながら、ブラックは俺の乳首の周りを指でくるくると撫で始める。直接触られたワケでもないのに、至近距離で息を感じながらそんな事をされると、体が嫌でも反応してしまう。

 我慢しようと思っているのに、口からもどかしげな声が漏れそうだった。
 そんな俺を更に煽るように、ブラックは菫色すみれいろの目を笑みに歪めながら、硬い爪の先で右の乳首をつついてくる。

「う、や……やだ、それ……っ」
「え~? ツカサ君てば乳首触るのいつも喜んでるでしょ? 僕が触れたらすぐ乳首をビンビンにして“もっと触って”って体で示すじゃない。ほら、こうやって……」

 いつの間にか、ブラックの体が俺に密着している。
 体が大柄過ぎて太腿ふとももの部分にまで乗り上げられているから、足で相手を退しりぞけることすらも出来ない。中年にしては引き締まり過ぎているブラックのたくましい体が肌に触れているのは、何だかとても辛かった。

 だって、冒険者だから筋肉もついてるし、大人だから男らしい毛とか生えてるし、そ……それが、体に触れて、凄くぞわぞわするっていうか……。

「あは……ほら、ツカサ君のちっちゃな可愛い乳首がぷくって勃ち上がって来たよ? ホント可愛いなぁ……おっ、思わず食べたくなっちゃうよ……!」
「っえ、なっ何言って……やっ、だめ、っうぁっ、んっ、んぅう!」

 欲情した声で俺の変化を実況したと思ったら、ブラックは唐突に放置されていた左の方にしゃぶりついて来て、同時に右の乳首を指の腹を合わせてきゅっと引っ張ってきやがった。

 思わず声が出てしまい、つい拒否しようとするがブラックはやめてくれない。
 ちゅくちゅくと恥ずかしい水音を立てながら舌で乳首を舐めて吸い上げ、指の方は擦りながらきゅっきゅっと頻繁ひんぱんに引っ張り上げて来る。

 それだけでも辛いのに、ブラックの体は緩く上下に動き素肌を擦って来て。

「あっ、あぁあっ! やっ、だっ、だめっ、そんなことしたらダメ、だっぇ……!」

 下腹部が擦られて、股の間の物が軽く引っ張られるような感覚を覚える。
 それだけでも恥ずかしいのに、ブラックのやけに盛り上がった股間が俺の足で更に興奮しようとぐいぐい擦り付いて来る。

 まるで、体全体を擦られているみたいだ。
 胸の刺激だけでも辛いのに、そのブラックの体の動きが発情期の獣みたいに「早く自分も熱を発散したい」とでも言っているようで、その無意識に俺を求めているような行動に、何故か余計に羞恥心をあおられてしまう。

 だって、俺は女じゃない。本当なら、そうやって欲望をぶつけられるんじゃなく、好きな子にぶつける側だったんだ。なのにこんな風に欲情されるなんて、いまだに理解が追いつかない。ありえないと心の中で思ってしまう。

 こうして素直に「抱きたい」と示されるたびに、男としての自尊心がうずいたり恥ずかしくて仕方なくなるのもしょっちゅうで、自分の気味の悪い甲高い声も情けなくて泣きたくなるぐらいだった。

 でも……ブラックに「好き」と言われ態度で示されると……嬉しくも、あって。
 恋人なんだなって思うと、体がつい反応してしまって。

 そんな自分がまた恥ずかしいんだけど、何だか拒否なんて出来なかった。
 特に、こんな風に珍しく勢いでヤろうとしてこない時とか……。
 …………だから、その……。

「うん……? あっ……んもーツカサ君たら~、ヤダヤダって言いながらも、可愛いおちんちんもしっかり反応してるじゃない! あーもー可愛いなあもううう!」
「んんん゛っ!?」

 体が一気にずり上がって来て、口を塞ぐようにキスをされる。
 さっきは軽く触れるだけだったのに、今度は強引に唇を割り入って来て、生暖かい舌がぬるんと入って来た。その事に驚く間もなく、俺は口の中を蹂躙される。

 鼻で息をしようとするけど上手く出来ない。その間に縮こまった舌を絡め取られて弄ばれたり、角度を変えてもっと深く貪られて段々と息が苦しくなってくる。
 けれど、キスだけでそんな有様の俺を、ブラックは更に追い立てるようにして乳首を指で引っ張ったり押し潰したりねたりして、下腹部に熱が溜まってしまう。

 我慢しているつもりだったのに、いつの間にか俺はブラックの腹に触れるくらいに、情けない分身を勃起させてしまっていた。

「んっ、んぶっ……はっ、はぁっ、は……はぁっ……」
「ぷはぁっ……あ、あはっ、つ、ツカサ君のおちんちん完全に勃っちゃったね……! あぁ……本当、何度見ても可愛い子供ちんちんでたまんない……っ」
「っ、は……ぁ……あ……や、ら……っ」

 一旦体が離れたと思ったら、足を広げられてその間に体を挟みこまれる。
 ブラックに恥部を曝け出した格好になった事に気付いて思わず体がカッと熱くなるが、相手はそんな俺の事など気にもせず、足を持って俺の体を軽く浮かせると、股間にゆっくりと顔を近付けて来た。

「ハァッ、ハッ、ははっ……つ、ツカサ君の可愛いおちんちん、た、食べちゃってもイイよね……いっ、いぃよねぇっ」
「ぅ、あ、ちょっ……ちょっとまっ」
「いただきま~すっ」

 ぱくっとくわえこまれた瞬間。生暖かい空間とぬめる何かが急所に絡みついて来て、俺は思わず悲鳴を上げてしまった。

「っあぁあ……! やっ、あっ、あぁあっふぁっや、ま、まっぇ、それ、やぁ、あ……!」

 やだ、急にされたら声が抑えられない。
 久しぶりに口でされるのは、キツい。ブラックは数日の事だけど、俺は一週間近くも間が開いてたような物なのだ。それなのに、急に激しくソコを舐め上げられて吸い付かれたら、敏感になり過ぎてどうしようもなくなる。

 我慢しようと口を手で塞ぐが、それを抗議するようにブラックに吸い上げられると、腰がビクビクと動いて高い声も勝手に漏れてしまった。

 恥ずかしい。解ってるけど、急所をこんな風に激しくされたら俺なんてすぐに音を上げちまうって俺自身理解してるんだけど、それでも他人に追い詰められると、もう自分の体が自分じゃないみたいで、恥ずかしくて泣きたくなる。

 凄く気持ち良くて、体が「もっとして」って言ってるみたいに反応してしまって、いつもの自分じゃなくなる感覚が辛い。

 ブラックにフェラされてるんだと感じるたびに、一人で自慰をする時と違う、胸がドキドキしてしまうような“言い知れない温かさ”が込み上げて来て、恥ずかしいのに気持ち良さが倍増してその波に呑まれそうになる。
 キスのせいで頭がぼうっとしているからか、いつも以上に快楽に流されて、もう俺のモノは限界を迎えていた。

「やぇっえっ、ぃ、うっぅあぁあ、あぁあああ……!」

 イッちゃう。イキたい。あられもない欲望が頭の中に浮かんできて、それ以上の事を考えられなくなる。でも恥ずかしさは消えなくて、思わずブラックの綺麗な赤髪を両手でつかんだ、と、同時。
 根元を指で擦り上げながら先端を思いっきり吸い上げられて――俺は、我慢する暇もなくブラックの口に射精してしまった。

「ぅっ、あっ、ぁあっ、あぁあっあ、ぁ……っ!」

 小刻みに声が出るたびに出てしまう。
 そんな自分の無様さが恥ずかしくて、顔が痛いくらいに熱くなった。
 気が付けば視界は涙でにじんでいたみたいで、余計に自分が情けない。

「んはっ……。あ゛ー……あはっ、ほらみてツカサ君、まだ濃いのが出るねっ。これなら今日は沢山ツカサ君のえっちな射精が見れそう……」
「う……うぅ……ばかぁ……っ」

 何言ってんだお前は。なんでそんなこと言うんだ。
 さすがに耐え切れなくて睨むが、そんな俺にブラックは笑うと、俺の足を自分の肩に乗せて腰を浮かせ、慣れた素振りで手に出した精液を俺の尻に持って行った。

「…………ぅ……」
「一回目は優しく……や、やさしくっ、するね……っ」

 そうは言うけど、ブラックの顔は「優しい」とはほど遠い。
 目はガン開きで菫色の瞳孔が丸見えだし、口だってだらしなく開いて荒い息をハァハァと漏らしている。よせば良いのに、よだれまで垂らして獣のように興奮していた。
 これから自分が気持ち良くなる事を想像しているのか、知らないけど。

「…………」
「ぃっ、い、入れるよぉっ」
「っ、う゛ぅ……!」

 精液を塗りたくられたすぼまりに、ゆっくりと指が入る。
 太い指は内側から入った所を探り軽く抜き差しをすると、時間をかけて無遠慮に奥へと入って行く。その感覚は今も慣れなかったけど、でも俺はこらえた。

 そのうち、指が二本三本と増えて内部が広がり、苦しくなってくる。
 いつもの事だけど、でもやっぱり辛い。こうでもしなければブラックのモノを長いこと受け入れられないのは解ってるけど、やっぱりそんな事をされるための場所じゃない所を探られるのは、凄くキツかった。

 なのに、ブラックの野郎は興奮している表情を全然変えなくて。
 少しは顔でも引き締めればいいのに、よだれを垂らしてエロ漫画のモブおじさんみたいな顔を直そうともしない。それどころか、自分が入れる瞬間が近付くと悪化していくみたいだった。普通なら、百年の恋も冷める顔だ。変態としか言いようがない。

 だけど。

「も、もぉ良いよねっほぐしたし良いよね! はぁ、はぁっ、はぁあっ……っ! い、挿れるよっツカサ君、ほらっ僕のペニス挿れるよ……!」
「っ、も……ほ、報告せんでいいっ……!!」

 がちゃがちゃとうるさくベルトを外し、ブラックは完全に勃ち上がった自分のイチモツを見せつけて来る。その大きさは規格外としか言いようが無くて、赤黒い凶器でしかないソレをブラックは俺の尻に押し付けた。

「つ、ツカサ君っ、っ、あ……あぁあ……っ」
「ん゛っ……! う゛、ぁ……あ゛……!!」

 慣らしたとはいえ、それでもブラックのモノは大き過ぎて、体が引き裂かれそうな感覚を覚える。シーツをつかみ必死で耐えるけど、体が強張って少し入ったソレを絞めつけてしまい、中々先に進まなかった。

 なのに、ブラックはそれを構わずどんどん押し進んでくる。
 内部が擦り上げられ逆流する感覚に思わず俺は引きった悲鳴を上げたが、それでもブラックは挿入をやめなかった。

 汗が一気に噴き上がって、涙が流れ出る。
 優しくしてはくれているけど、でもやっぱりブラックのは大きすぎて、理性が残ってる状態で受け入れるには巨大すぎた。
 それでも、俺の体は既にブラックを何度も受け入れているわけで……俺が苦しんでいても、いつの間にか大部分は入ってしまっていた。

「はっ……はぁあ……っ。ツカサ君のナカ、ほんとキツくてあったかくて、ペニスに絡みついて来るの最高……。もうこれだけで射精しちゃいそう……っ」
「う゛、ぅうう……っ」
「あは、ごめんごめん……ほら、動くからツカサ君も僕のコト気持ち良くして?」
「うあ゛ぁあっ! ひっぐ、う゛ぅ゛ッ、う゛ぁぁぁあっ、や、あっ、あぁあ……!!」

 内臓を引き摺り出されるような感覚と、内部をぎちぎちに埋められる感覚が交互に襲ってくる。いつもそれに涙が勝手にあふれて来るけど、ブラックはやめてくれない。
 それどころか俺をもっと泣かせようと、前立腺や入って来た所を執拗しつように擦って来て気持ち良くさせようとしてくる。

 でも、何度も何度も揺さぶられて、抽挿される間にキスをされながら抱き締められると、体が再び熱くなってくる。

「はぁっ、は、ツカサ君……っ、ツカサくんん……っ、ぁ、あぁあ……っ」
「んっ、う゛、ぅうっあっ、あぁあっひあっぁ、や、あ、あぁあぁ!」

 ブラックの気持ち良さそうな声が耳に届くたびに、体が熱くなって突き上げられる事に、甲高い声が出始めてしまう。だけどもう、そうなると、俺も自分がどうなっているのか解らなくなってきて。

 気持ち良いのと、ブラックに抱き締められて満たされたような気持ちになるので、頭がバカになってるみたいで、みっともなく喘いで腰を揺らしていた。

「うぁっ、あ、あぁあっ、いっ……いくよっ、ツカサ君、出すよぉっ……!」
「っあぁあ゛! ぅ、あ゛、あぁああ゛あ゛、ぁうっ、う、ぁああ……――――!」

 深く突き上げられて、体が痙攣けいれんし……いつのまにか、また射精してしまう。
 その衝動にぎゅうっと中を絞めつけたと同時、俺を抱き締めていたブラックの体が震えて、ナカで何かが吐き出された。

「ッ、ぁ……あぁ~……あ……はぁっ、はぁあ……きもっち、いい……っ」
「っ……っ、は……はぁっ、は……」
「ツカサ君……あぁ……好き、好きだよぉ……っ」

 まだ体が動かない俺の顔を無理矢理動かして、ブラックはキスをしてくる。
 頭はぼーっとしてたけど、意識はハッキリしていてまだ気絶してない。ブラックに抱き締められるのもキスもはっきりと感じてしまって、何だかむずがゆかった。

 い、いつもは恥ずかしい事を言われて、物凄く責め立てられるからな……それで、すぐ気絶しちゃうわけで……。
 でも前は何をされても気絶してたよな。意外と俺も成長してる……のかな。

 ま、まあ……ブラックが気持ち良かったら良いんだけど……その……俺も、結局のところ気持ち良かったわけだし……。

「ツカサ君、もっかい……もっかいしよ……? いいよね、恋人だもんね……っ」
「んっ……ちょっ、ちょっと……っ、待って、ま、まだ……」

 イッたばっかりで、体がちょっとまだヘンなんだ。
 少しだけ待って欲しいとブラックを振り返るが、既に俺のナカに入ってしまってるブラックは、おあずけを喰らった犬のような顔をして目を潤ませて来た。

「だめ? ツカサ君、僕と恋人エッチしたくないの? 二回目だめなの……?」

 オッサンのくせに、顔だけはちゃんと格好いいくせに、だらしない無精髭をくっつけたまま、ウルウルと菫色すみれいろの綺麗な目を揺らして同情を引こうとしやがる。
 まったくもって大人のやる事じゃ無い。っていうか、それを言うならそもそも俺を犯してやがる今の状態が普通のおっさんのする事じゃない。

 どう考えてもおかしいのに。
 ……でも……そんな顔、されると……。

「…………や、やくそく……だしな……」

 まあ、仕方ない……よな。約束してた訳だし……。
 で、でも俺がヤりたいとかじゃないんだからな。今日は優しくしてくれたし、まだちゃんと意識も有るから、まあもう一回ぐらい良いかなって思っただけで……

「っあぁあ!? やっ、なっ、なかっなにっ!?」
「はっ、はぁああツカサ君たらもうっそっそんなに僕の事をあおって! もっ、もう、これはお仕置きするしかないよねっ、恋人を淫らに誘っちゃう悪い子には肉棒制裁して、ちゃんと教え込まなきゃだめだよねっ!」
「ちょっ、あ゛っ、やらっ、う、うごかなっあっあぁああ!」

 待て待て待てなんでそうなるんだ、どこでスイッチ入ったんだお前はー!!

 突っ込みたいけど、ナカで動かれてしまうともうどうにも出来ない。
 抗議をしようとしたけど、もう制圧されている俺には無理な話だった。













※かなり遅れてしまい申し訳ないです…(;´Д`)
 
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