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謡弦村アルフェイオ、陽虹を招くは漆黒の王編
16.戦う事は信じる事
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ムアン・イストゥルム。
かつてアルフェイオで生きていた彼女は、村長の娘であり勇敢な戦士だった。
霧の揺り籠の中で長い歳月の安寧を享受した代償か、力を失いもはや土を生かす事すら出来ぬほどの「ただの人」と化したポートスの民の中で、彼女は久方ぶりに神の御業を受け継ぐ巫子として生まれ、戦士として外敵と戦い続けてきた。
ポートスの民が信仰した女神・イスゼルと繋がる力を失わせる呪い犬を退け、神の帳と言う霧の壁の中で悪しき獣達を狩り、その姿を敵の血に染める事で穏やかな村の暮らしを長く守って来てくれていたのである。
実際、ムアンの力は村人には及びもつかない物だった。
その力は岩を易々と支配するほどで、彼女が留守にする間も、彼女の力で作られた岩壁さえあれば、村人達は安心して霧の中で暮らせたと言う。
彼女が居れば、行商の為に霧の中を歩く事も簡単な事のように思えた。
敵を簡単に屠るだけでなく、特殊な力によって鉄壁の守りも実現する。
まさに、向かうところ敵なしの戦士だったのだ。
そして何より、彼女は頭が良かった。
現在の獣馬の取引も、街とのつながりを作ったのも彼女の功績であり、若い彼女の手腕を見て村人達は口々に「次の長はムアンに決まりだな」と頷いていたのだ。
だが、そんな彼女は突如として消える事になる。
その惨たらしい死にざまを見たのは、当時まだ見習いとして付き従っていた女戦士アレイスだけではあったが……彼女は“呪い犬”の一匹に不意を突かれて、共に崖へと落ちて行ってしまったのである。
ポートスの民ならば避けて通れるはずだった、地面の割れ目のような深い崖に。
――――偉大な戦士を失った村は大いに悲しみ、葬式は三日三晩続いた。
だがそこで、思わぬ話が持ち上がったのだ。
「ムアンが死んだのは、行商の帰りだ」
「ああそうだ。最初から草原人と関わりを持たなければこうならなかった」
「我らの大事な仲間が死んだのは、外と関わったせいだ」
「ならば我らはここにいよう。ここで朽ちて死んで行こう」
「ムアンが開いた外への扉を、再び霧で閉じるのだ」
誰も、反論する者はいなかった。子供たちですらも。
そうして村は再び霧に閉ざされ、やがて戦士以外の者が外に出る事はなくなった。
「……ムアン姉さんは、アタシがヘマをして呪い犬に齧りつかれそうになったのを、命懸けで阻止してくれたんだよ。……だけど、アタシを庇ったせいで大地の割れ目に落ちてしまった…………それがまさか、もう一度会えるなんてね……」
そう言いながら、アレイスさんは俺の服の帯をしっかりと締め金の飾りを垂らす。
オサバアの家の一室で、美女と二人きり……なんて言うとご褒美のようにも思えるが、今の状況では喜んでも居られない。
なにせ……この家の主であるオサバアは、愛娘の亡骸を再度葬る事になったのだ。二度も愛する人を失うなんて、きっと凄く辛い事だろう。
分かるからこそ、アレイスさんと二人きりだと喜ぶ気にはなれなかった。
それに……今の俺は、またもやあの妙にヒラヒラしたサリーっぽい民族衣装を着せられているのだから。もちろん、アレイスさんに。
真っ赤に染まってしまった服の代わりに着せられたのは、先ほどの服装とよく似ている白装束だ。しかし、布の胸にかける部分には金の刺繍がしてあり、しゃらしゃらと鳴る金の飾りと相まって凄く高級な衣装に思えてくる。
そのことに少し気後れすると、彼女は苦笑交じりの表情で笑った。
「さ、昔話はもう終わりだ。それより……申し訳ないね、本当ならオサバアが着付けをする所だったんだけど……みんな手一杯だし、ギルナダはあの通りメスの扱い方も知らないガキだからさ」
そう言いながら、アレイスさんは巻いた帯に小さな丸い金の板が幾つも釣られた金の鎖を垂らす。これも動けば音が鳴る仕組みだ。恐らく、踊る時に必要なのだろう。
……そう。踊るのだ。俺が。メスとして、今からあの舞台で。
………………凄く抵抗があるが、しかし仕方がないだろう。
これしか“神の帳”を復活させる方法がないんだからさ。
ああでも不安だ。運動音痴の俺にちゃんと出来るんだろうか。短い時間で教わった踊りは、かなり難しそうな物だったけど……でも、根性で踊るしかない。そうでないと、今モンスターと戦っている村の人達やブラックに示しがつかないのだから。
なんだか妙な事になってしまったが、俺がやるしかないんだ。
メス扱いされるのは正直勘弁してほしいが、そんな事言ってる場合じゃないしな。やれるかどうかは解らないけど、村の人を助けられるならやってやるさ。
そんなわけで、今は一旦休憩になっているアレイスさんに着付けして貰ってるワケだけど……村一番の女戦士さんに手伝って貰ってるのは、なんとも恥ずかしいな。
しかしメスの扱い方だなんて……アレイスさんってば大人の女なんだなあ。
こんなに強いアレイスさんが、幼い頃はムアンさんに守って貰ってたなんて、なんだか信じられない。彼女がさっき話してくれた事も、遠い昔話みたいだった。
……だけど、アレイスさんのどこか辛そうな表情を見ていると、それは紛れもない真実であり、彼女の中では今も忘れられない出来事なのだと分かる。
アレイスさんは直接ムアンさんの死にざまを見た訳ではないが、嘆き悲しんでいるオサバアの姿と骨になったムアンさんを見れば、辛くなりもするだろう。
だけど、彼女は必死に耐えている。この村一番の戦士として。
そんな彼女を憐れむのは、彼女にとっては失礼な事なのかも知れない。
彼女は女性だけど、メンタル的には俺達とそう変わらないような気がする。この村を守る戦士として、弱気な所を見せないように今も耐えているんだ。
ムアンさんの事もだけど、モンスターの撃退を人に任せて自分がほんの少しの休憩をしている事すらも、彼女にとっては辛いことに違いない。
だけど、ここで自分を押し通せば、村の人達に迷惑が掛かる。それに、今必死で戦ってくれている人達にも申し訳が立たない。
だからこそ、黙って俺の着付けをしてくれているのだろう。
その気持ちはきっと……家を守る事で大切な人の帰りを待とうとする女性的な強さより、俺達のように直情的で、自分の身を賭して危険に立ち向かおうとする男性的な強さによるものだ。
だからこそ、同じ男として彼女を露骨に慰めるような事は言えなかった。
でも、言えることはあるよな。
「……アレイスさんのお蔭で、俺、ちゃんと着付け出来ました」
「ツカサ……」
「俺も、一生懸命頑張ります。だから……全部終わったら、帰って来たムアンさんの弔いをしましょう」
ただそう言うと、アレイスさんは俺の意図を読み取ってくれたのか、少しだけ気弱さを含んだ表情で笑ってくれた。
「……ツカサがこの村の奴だったら、間違いなく放っておかなかったんだけどな」
「え……」
「さあ、行こうか。もうこれ以外には特別な準備は無いんだ。毎年、収穫した作物を社に供えて、あの舞台で村一番のメスが踊るのがいつもの決まりだった。だから、気負わなくて良い。ただ、心を籠めて踊ってくれ」
言いながら、アレイスさんは俺の手を引いてあの社へと歩き出した。
……が、俺はと言うと家を出ても坂を登っていても、さきほど言われた言葉を反芻して気もそぞろになってしまっていて。
い、いやだって、今なんて言った。
アレイスさん「放っておかなかった」って言ったよね!?
それどういう意味、もっもっもしかして俺のことを……!?
だとしたら俺ってばついに春来ちゃった!? モテ期来ちゃったぁ!?
へ、へへ、ウヘヘ、こ、困ったなあ俺ってば異世界でモテちゃうだなんて、本来はアッチの世界でモテた方が良いんだけどなあ。まあでも全然悪くないけどね!
いやむしろこちらでモテ期が始まって、あっちでもモテるとか有るのでは?
はぁあそうなったら俺マジでハーレムじゃないの、最高では!?
「ツカサ、おいツカサ、着いたぞ」
「ハッ!! す、すみませんおっとヨダレが」
いかんいかん、美女に好かれたかもしれない可能性につい舞い上がってしまった。
冷静になるんだ俺。そもそもさっきの話の流れからすると、これは「戦友として、一緒に居て欲しかった」みたいな意味かも知れないじゃないか。
それはそれで最高なんだが、いや、そうでなく。
だから、不埒な想像をしてはいけないのだ。そもそも今はみんなが次々と来る悪いモンスターを退ける為に戦っている最中なのに、舞い上がってなんていられない。
俺もやるべきことをやらなければ。気合を入れろ俺っ。
そんな事を何度も言い聞かせつつ、パンパンと頬を叩いて俺は前を見た。
いつの間にか、目の前には円形の真っ白な舞台がある。その向こう側に七つの柱と中央に扉が開いた小さな社が有り――その背後には、青空と……先程倒した呪い犬の血の跡だけがべったりと広がっていた。
「ツカサくーん!」
「ツカサ!」
ん、なんか坂の下から声が登ってくる。
振り返ると、そこには藍鉄に乗ったブラックと、徒歩で来たギルナダが居た。二人とも今までモンスターと戦っていたのか、服のそこかしこに血液が付着している。
怪我は無いみたいだけど、一瞬心配してしまうような有様だった。
やっぱそのぐらい酷い戦いなのかな……。
「アー姉、ここはオラ達が守るから下に」
「ああ分かった。頼んだよ! じゃあね、ツカサ」
あ、ああ。アレイスさん行っちゃう……でも仕方ないか。
俺も頑張るって決めたんだから、ちゃんとやらないとな!
「はぁ……ツカサ君なにその衣装すっごくやらしい……なに、花嫁衣裳? 素足とか完全に誘ってるよね!?」
「何を言ってんだお前は」
「ツカサ、この盗賊は放っといて早く舞台上がれ」
思わず突っ込んでしまったが、そうだった。ありがとうギルナダ。
俺は舞台に腰かけて足の裏と手の土を払うと、舞台の中央に移動した。
目の前には、供えられた収穫物を受け入れるように扉を開いている社が見える。
その中には――なにか、鏡のような物が見えた。そういえば、ムアンさんが「これは女神の加護などではない」と言ってたけど……もしかして、あの鏡のようなモノが“神の帳”を発生させていたと言う事なんだろうか。
もしアレが曜具――この世界で言う魔法の力が宿った道具――と同じように、何かの術を籠められているのだとすれば、ムアンさんの言葉にも納得が行く。
ムアンさんは、あの“神の帳”と呼ばれる霧の壁が、この社に安置されている鏡によって引き起こされている現象だとどこかで知った。そしてそれを強く記憶して生きていたんだろう。だから、崖から落ちてどうにかなった時……彼女の頭の中には、その重要な情報しか残らなかったのかも知れない。
こう考えれば、彼女が普通の状態ではなかった事の説明が付くが……でも、本当にそれだけなんだろうか。それだけじゃ納得できない事も有る。
何かに操られているような感じと言われれば、そうも見えたし……それに……聞き取る事は出来なかったけど、あの最後の言葉……。
――――邪悪は、放たれた。
あの言葉が何故か妙に引っかかっていて、すんなり納得できないというか……。
「ツカサ君、準備出来てるー!?」
「っ!」
ブラックの声が、急に俺を思考の海から引き戻す。
そっ、そうだった。今は考えている場合じゃない。とにかく、神の帳を復活させるために、頑張って踊らなければ。運動音痴だけど俺だってダンスは出来るんだ。
前にも一度女装して踊った事があるんだから、今回だってきっと出来る。
気合を入れて、その場に姿勢良く立つ。
そうして、踊り出そうと足を一歩軽く上げたと、同時。
「ギャアァアアア!!」
「グアァアァアア!!」
崖から、またもやワケの解らない姿形をした異形が数体飛び出してきた。
ひ、ひぃいっ、そうだまだ戦闘中だった、神の帳を復活させないと、モンスターに襲われ放題だったんだったー!!
で、でも負けないぞ。こいつらの相手をしてくれる人はちゃんとここに居る。
だから俺は真剣に踊れば良いんだ。戦ってくれる人達を信じて。
「――――……行くぞ……!」
一歩軽く上げた素足を、地面に落とす。
そうして、踊りは始まった。
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