異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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神滅塔ホロロゲイオン、緑土成すは迷い子の慟哭編

3.機械姦とかじゃないだけまだマシかもしれない*

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 しかし……この状態でどうするってんだろう。

 どう考えてもきわどい設定のSMクラブ的な様相で俺は死にたいんですけど、そうじゃなくてこの状態でどうやって俺の中に溜めこんでいる(と思われる)大地の気を抽出すると言うのか。

 そもそも、俺に本当にそんな事が出来るんだろうか?

 確かに俺はじくじくとうずくような感覚にさいなまれているし、アドニスもちゃんと「導線」とやらにしている【寄生木やどりぎ】の設定をイメージしたんだろうけど……大地の気が俺の中に入っているかどうかは正直良く解らない。

 これで失敗して「貴様ァアア! 失敗作め、死ねぇえ!!」って事にはならんだろうけど、あのマッド眼鏡はそういう場合の対処を考えているんだろうか?

 そもそもの話、アドニスは未だに俺が“無尽蔵の気を蓄える事が出来る”と勘違いしているけど、俺の本来の能力は“無限に曜気を生み出せる”事と、その曜気を“他人に与える事が出来る”ってモノだし……似て非なる物なんだよなあ……。

 もしもその作用が神泉郷の気を弾いてたりしたら目も当てられない。
 ……いや、俺としては、弾いてて失敗してくれた方が良いんだけど……

 アドニスの『緑化計画』も、ここまでの経緯を考えると、どうもこの国の為にというだけではなさそうだし……なにより、このままではウィリー爺ちゃん達が解放されない。どうにかして妖精の国も救わないと……。

 そんな事を考えていると、下の方からガチャガチャと音が聞こえてきた。
 アドニスがこのガラス瓶を動かすための機械を作動させているらしい。レバーを引いたり何やらボタンをいくつか打ち込んでいるみたいだけど、どうするんだろう。
 俺は機械関係なんてまるでダメな赤点常習犯なので良く解らないが、ああいう事をしている人はどうして無駄に頭が良さそうに見えるのか。

 俺がパソコンでカチャカチャッターンとかやってもアホにしか見えないと言われたのになあ……おかしいなあ……。いやまあ、あの時はエロ単語を検索に入れてただけなのでアホとののしられても仕方は無いんだけど。

 過去の自分にちょっとゲンナリしていると、下からアドニスが話しかけて来た。

「ツカサ君、今から【寄生木やどりぎ】を変質させて“拡散”にします」
「か、拡散……?」
「簡単に言えば、蛇口をひねって水を出すようなものです。君の中に溜めこんだ大地の気アニマを逆流……いや、吸収して、その中に吐き出します。もし何か有ったらすぐに教えて下さい。君の体に負担を強いるつもりはありませんので」
「う、うん……解った……」

 マッドサイエンティストなくせに、こうして微妙にこっちを気遣って来るから、なんて言ったら良いのか解らなくなるんだよなあもう。
 アドニスからすれば「大事な材料をうっかり失っては大変」みたいな事を考えて喋ってるんだろうけど、それでも人間気遣われると弱いわけで。
 まあ、これはいやらしい目的でやってる訳じゃないんだし、不調を訴えればすぐやめてくれるって言うんだから、緊張せずに行こう。

 気合を入れて息を吸い、ぐっと頷く俺に、アドニスは了承したとばかりに頷くとまたブツブツと何かを呟き始めた。
 ああ、それにしてもアドニスの背後で拘束されているブラックの視線が痛い。

 心配してくれて……る……っぽいんだけど……なんだろう……妙に目がギラギラしている気がする……視線が上下に忙しなく動いている気がする……。
 ブラック、お前まさかこの状況で興奮してるんじゃ……。

「お、おいブラック」
「我が緑樹の力のことわりに従い、その力を示せ――――!」
「えっ……」

 な、なにっ、ちょっとまって早――――

「ッ、うぁ、あぁああ゛あ゛ぁッ!?」

 ひっ、な、なにこれっ、いままでのと違うっ……!!

 体が痙攣けいれんする。まるで神経を直接掴まれて蹂躙されているようで、息を吸う度に誰かに触られても居ないのに下半身が熱くなって、汗が噴き出してしまう。
 首筋が、あつい。
 いやだ……声が、出したくないのに、声がでてしまう……っ。

「ひっ、ぐっ、も、やぇっ、と、めて……っ!!」
「おおおおい、お前ツカサ君に何をしてるんだ!!」
「何って、ツカサ君の体内から大地の気を吸いだしてるだけですよ……どうやら、貴方達が普段交尾でそう言う事をやっていたせいか、私の【寄生木やどりぎ】が無理矢理に吸収を行っても同じ現象が起こってしまうみたいですね」
「お、起こってしまうみたいってお前……!!」

 ど、どうでもいい話は良いからとめてっ、これ止めろよぉ!!

 我慢出来ずに暴れまくるが、手枷と足枷が邪魔で許してくれない。
 ああもう、こんなんじゃ股間が大変な事になるっ、隠せなくなっちゃうってば!

「おっ……おねがっ、も……っ!!」
「大丈夫ですよツカサ君、快楽は異常ではありませんから。……しかし、困りましたね……思ったよりも大地の気の放出量が少ない……。まだ足元に水たまりすら出来てないし、これは失敗か? いや……」
「そ、っいうの、いいから……ッ!!」

 なにブラックの方見てんだっ、おい!

 頼むからもう勘弁してくれと必死に強烈な刺激に耐えていたら、何を思ったのかアドニスはとんでも無い事を言い出した。

「もしや、交尾の時の快楽がないと放出量が増えない……? やはり神経だけではなく、肉体的な快楽も重要なのですね。分かりました、ツカサ君、今からちゃんと気持ちよくしてあげますから安心して下さい」
「はっ……は、ぇ……!?」

 なに、き、気持ちよくってなに!?

 何訳の分からない事を言って……っておい、呪文唱えるな、何やってんだ!
 あとブラックこっち見るな、お前なんか目が怪しい、妖しいんだけどお!!

「さあ、思う存分絶頂して下さい」

 ブラックに気を取られている内に、アドニスが楽しそうに声を投げかけて来る。
 その嫌な予感しかしない言葉に青ざめて周囲を確認すると――

 背後から、うぞりと嫌な音を立てながら……たくましい木の枝が数本這い出てきた。

「ヒッ……!?」

 どの木の枝も、触手のように自在に動いている。っていうかコレ触手だ。
 木の枝型の触手だああああ!!

「やっ、やだっ、やだ、もうおしまいっおしまいだってばアドニス!!」
「そんな訳には行きません。せめて絶頂してくれないと記録が取れないでしょう」
「記録って……そ、そんなの聞いてないぃいい!」

 慌てて身をよじるが、拘束された俺が対して抵抗できるはずも無い。
 それに、木の枝状の触手は一つ一つが細い枝を束ねて出来ているようで、形状が三つ編み状になっている上に、先端が荒い目のブラシのようになっていた。

 全然嬉しくないが、これまでいくつかの触手に襲われてきた俺でも、こんな変な触手は見た事が無い。よくよく考えてみれば、今までの触手は生き物の一部として機能していた訳で、こんな風に「いかにも加工しました」な感じの触手は見た事もなく……いや、見た事あったら嫌だけど、とにかくこれは範囲外だった。

 というか……今のこの神経を揺さぶられまくって敏感になってる状態で、こんな変な触手に弄ばれたら、絶対ロクな事にならない……っ。

「あ、アドニス、嫌だ……頼むから……っ」

 目の前でブラシ状の先端を見せつけるようにうねうねと動く触手の群れに、恐怖で涙が浮かんでくる。もういっそ泣き落としでも良いから許してほしいと思って、情けない表情でアドニスに懇願したが……相手の反応は、酷い物だった。

「ふふ……君は本当に良い顔をしてくれますね……。そんなに嫌がられると、私もそんな気が無いのについ虐めたくなってしまうじゃないですか」
「~~~~~っ!!」

 こ、こいつ、やっぱりSだ……ドS野郎だ……!!

 なんで本気で嫌がってる俺を見て興奮してんだよ!
 ちくしょう、こいつはもう……て言うかブラックお前も興奮しまくってギラギラしてんじゃねえよ! そろいもそろってこの大人どもはああああ!

「その枝は怖い物じゃありませんよ。今からやる事だって、君があの小汚い中年としている“気持ちいいコト”と同じなんですから、大丈夫。痛い事なんてしません」
「い、痛い事なんてもっとされたくな……っ、ひぁっ!?」

 へそをなんか、もしゃって、もしゃってされた!?

 何が起こったんだと臍を見ると、触手の一つが臍にぴったりと張り付き、ブラシのような先端で臍の穴をこしょこしょとくすぐりはじめたのだ。
 そんな事をされて、くすぐったがりの俺が我慢できるはずも無く。

「っあははっ! ひっ、ひあぁあっはっ、ふあっあ、ひぐっ、ひっ、ぃっ、はっ、はぅう……!」

 くすぐったいのに股間が熱くなって、口から笑い声と高い声が交互に出てうまく息が継げない。苦しくて思わず喉を曝すと、警戒が解けた俺に一気に襲い掛かるようにして、触手達が体に張り付いてきた。

 両方の乳首や、わき腹、少し浮かせて股間を隠している足の内腿に張り付いて、俺の呼吸をどんどん奪っていく。
 それだけでも辛いと言うのに、最後の一つは何を思ったのか、俺の背後に回って無理矢理項の所からベッドと体の隙間に入り込んできた。

「ひぁあ゛っ!? や゛っ、ぁ゛っあぁあ゛! らぇっ、せっ、せらかっはっ、はぅ゛っ、う、やぇっ、やぁあああ゛!」

 ブラシで臍と乳首をぐりぐりと擦られているその反対側で、もう一つのブラシが背筋を伝って俺の尻の谷間へと入って行く。
 その強い弾力がある固い毛先がぐいぐいと窄まりに入りながら移動していく感触に、俺は耐え切れなくて泣きじゃくりながら首を振った。

 だけど触手は一向に攻める手を緩めてくれず、ずるずると会陰を通って俺の陰嚢いんのうの裏へ到達する。何をするのかと思ったら、そのままぐんと前に伸びて来て、俺の半勃ちのモノの先端を執拗に擦りあげて来た。

 そんな事されて、耐えられるはずがない。

 弾力のある沢山の毛先でしゃかしゃかと擦られる感触は未知のもの過ぎて、俺は思わず隠していた足を動かしてしまう。何とかして背後から悪戯をして来る触手だけでも遠ざけようとするけど、足枷がじゃらじゃらと鳴るだけで足が届かない。

「い゛っ、ひぐっ、ぃ、う、いあぁあ゛あ……っ! も、や゛らっ、やっ、ぃああっ!! もっ、おねがっ、こぇっ、こすらら゛ぃえぇっ……!!」

 逃げようとしても、手枷と腰を固定する器具のせいで逃げられない。
 足でブラシを挟もうにも乳首の先を回転しながら弄ってくるブラシや、へその中にぐいぐいと押し入って来てうごめくブラシが下半身をビクビクさせて、もう足を上げる事すら敵わない。恥ずかしい所をブラックとアドニスに見られていると言うのに、俺はどうする事も出来ず泣きながら喘ぐしかなかった。

 なのに、目の前のあいつらは、俺をじっと見つめているだけで。
 アドニスは楽しそうに俺を見上げて、ブラックは……。

「う、ぁ゛っあぁあ゛あっ、ぃあっいやらぁあ……っ! やら、みらぃれ……!」

 ブラックは――手足を拘束されていると言うのに、俺を凝視して……コートを着ていても解るくらいに、股間を脹れあがらせていて。

 恋人がそんな反応をするくらい、今の自分の姿はみっともないものなのだと思い知らされると、どうしようもなく恥ずかしさが込み上げて来て、俺は泣きながら首を振った。

 もう、限界が近い。こんな事で、こんな変なブラシみたいなのでもてあそばれて、イッちゃいそうになってるなんて。ブラックとアドニスに全部見られて、酷い喘ぎ声も聞かれてるって言うのに、俺は……!

「みらいれっ、ぃ、い゛っじゃうっ、も、やらっ、や゛っやあぁあ゛ああ゛ぁっ!!」
「ふ、ふふ……そうですか……いいでしょう、イきなさいツカサ君……!!」

 下からアドニスの声が聞こえる。
 もう何が何だかわからなくて、俺は激しい快楽に暴れた。足を動かすと、下からばしゃばしゃと音がして、それが卑猥な音に聞こえて目を強くつぶる。

 目の前の相手が見えなければ、少しは恥ずかしさが消えるかもしれない。
 だけど、ブラックやアドニスが俺に向ける視線の強さは消すことが出来なくて、どうすれば良いのか解らなくて、俺は嗚咽を漏らし限界が近い体を震わせた。

「ひぐっ、ぃぐっいっぢゃう、ぃ、あ、あぁああ゛ぁ……っ!!」

 そう言った刹那、俺のおちんちんを弄んでいた触手が絡みついて、先端にじゅっと音を立てて吸い付いてくる。
 その刺激に耐え切れず、俺はそのまま射精してしまった。

「~~~~~――――……ッ!!」

 どくどくと出た物が、暖かくも冷たくもない不思議な物に吸収されていく。
 痙攣しながらその感覚に酔っていた俺は、いつの間にか腰の辺りにまで上がって来ていた温かい何かに気付いて、荒い呼吸を繰り返しながら下を見た。

「はっ……はぁっ、は……は、ぁ…………こ……こぇ…………」

 これ……なんだ…………。
 きんいろで、なんか、しゅわしゅわしてて……なんだ、これ……。

 おれ、いつの間にこんな液体に腰まで浸かって…………。

「ふ、ははっ、そうですか、やはりそうでしたか……しかし君は本当に素晴らしいですねえ……! 一度でこれ程の量の大地の気アニマを濃縮できるとは……!!」

 あに、ま…………?

 まさか、これ、やっぱり本当に……大地の気、だったのか……。

 でもどうして、いつの間にこんなに……。










 
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