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帝都ノーヴェポーチカ、神の見捨てし理想郷編
22.貴方がすきなものは1
しおりを挟む翌日、俺とブラックは朝から街に出ていた。
もちろん用事があるからなのだが、ブラックと二人っきりで行動すると言うのは昨日不機嫌だったブラックのご機嫌取りという意味もある。
クロウもそのご機嫌取りは大事だと思ってくれたのか、昨晩この事を話したら「行ってくるといい。だが、寂しいから夕方には帰って来てくれ」とか可愛い事を言いながら二人っきりの外出を認めてくれたので、今回はクロウには留守番をしてもらっている。
悪い気もしたけど、まあ、そんなに長く外出する訳じゃないしな。お詫びとして、クロウにはお菓子を買って行ってあげよう。
そんな事を思いながら街を歩いていると、ブラックが面倒くさそうに頭を掻きながら灰色の空を見上げた。
「しかし……困った事になったねえ。薬は特殊、熊公の父親のことは不明、それに加えてツカサ君が黒髪だってことをゲルトって奴に知られてしまうとは」
「うぅ……申し訳ございません」
……昨日、戻ってきた俺は、触手に搾り取られた事以外を二人に話したのだが、その話の殆どが残念なお知らせだった。
回復薬の事はまあいい。まだ希望がある。
だけど、クロウの父親の事が解らないって事や……俺がいつの間にか帽子を被り忘れていた事は、悪いニュースとしか言いようがない。
特に黒髪バレだ。そこがアカン。
誠に情けない事だが、俺は触手に襲われた時に帽子を紛失しており、その事に気付かずゲルトことアドニスさんにずーっと黒髪を見せてしまっていたのである。
気付かなかった俺も悪いが、最後の最後まで指摘しなかったアドニスさんも人が悪い。「そういえば……ツカサさんは黒髪なんですね」って話が終わった後に言うんだもんなあ……。
相手は何も気にしてない感じだったけど、でも本当冷や汗モンだよ。もし相手が黒髪狩りをしている人の関係者だったら、変な事になってただろうし。
いや、ブラックとクロウに説明する時も冷や汗かいたけどさ。
何故帽子が脱げたかは誤魔化しておいたし、アドニスさんも「帽子を被っていたから、最初は気付きませんでしたよーあははー」なノリだったので、危険はないと思いたいが……しかし、俺の不注意で厄介な事が厄介な人に知られてしまったのは弁解のしようがない。
このうえ触手で三度もイかされたなんて正直に言えば、恐らく俺は今日ここに立っていないだろう。ああ怖い。本当に怖い。
「にしても……転んで帽子を手放すなんて、本当にツカサ君はドジっ子だなあ……。心配過ぎて、本当にツカサ君から離れられなくなっちゃうよ」
「あ、あれは不可抗力っ……不可抗力だから……っ!」
「ホントカナー」
「ホントダヨー……ってオメーさては俺の事からかってやがるな……」
『帽子が脱げちゃった事件』は昨日散々突かれまくった話題だってのに、飽きもせず今日もこんな事を言って来るなんて、本当にこのオッサンは意地悪だ。
からかうなと睨みあげると、ブラックは朗らかに笑って小さく手を上げた。
「あはは、ごめんごめん。でも困ってるのは本当だよ? だって、僕が居ない時に何かあったらって思うと、心臓が止まりそうになるんだもん」
「それは……ごめん……そうならないように気を付ける」
俺が自分で物事を解決できる大人であれば問題は無いんだろうが、残念ながら俺はバイトなどでしか社会に出た事がない。
大人になれば回避能力も身に付くのかも知れないが、そんなスキルも体力も無い俺には、ブラックやクロウに助けて貰う事しか出来なかった。それを理解しているから、素直に謝ったのだが……何だか雲行きが怪しくなってきた。
「大体さあ、ただでさえ今は二人っきりの時間が少ないのに、この上どんどん時間が削られて行くんだろう? そんなの僕、耐えられそうにないよ。いつ誰がツカサ君を攫おうとするか解らないってのに……本当にツカサ君を連れて誰も居ない山奥の城にでも永劫引き籠ろうかな……はは……」
「や……やめてー……」
笑ってるのに目が本気なんですけど、やめてこっち見ないで。
俺を連れてって、絶対に俺強制的に拉致される奴ですよねそれ。昨今流行っていると噂のソフト拉致監禁って奴ですよね。百歩譲って監禁は致し方なしとしても、アンタ籠ったら延々とやらしい事するだろ絶対。
俺は嫌だぞそんな性奴隷みたいな生活。
でも今は強く拒否できない……ああドジった俺の馬鹿……。
「まあ、それは色々終わってから考えるとして……今日の用事はなんだっけ」
「そ、そうだな! えっと今日は……手紙を頼みに行って、ロサードやボーレニカさんへのお礼の品物を買って届けに行く予定だ」
「なんか所帯じみてるね」
指折り数えて確認していた俺に、ブラックが呆れたように言う。
おまっ……本当人付き合いに関してはスキルゼロだなあもう。
「あのなあ、お世話になった人にはちゃんと礼をしなきゃだろ! 俺の婆ちゃんは持ちつ持たれつが大事なんだって言ってたぞ。お互いに感謝の気持ちを持つ事で、絆が生まれるんだって。だったら、この世界じゃ尚更こういう小さな繋がりも大事にした方が良いだろ?」
「またお婆さんの話ー? 好きだねえツカサ君……」
「だって俺婆ちゃんっ子だし。それに凄い物を褒めて何が悪い」
俺が実践できてるかどうかは微妙だが、婆ちゃんはそうやって集落の人達に頼りにされてたんだから、やっておいて損はないだろう。
父さんだって取引先に土産を持って行くって母さんに用意させてたし、これってビジネスマナーって奴なんだよな? よくわかんないけど。
まあ仲良くしたい人にはフレンドリーに接するってのは当たり前だよな!
「たまには僕も褒めて欲しいんだけどなあ……」
「……それはちょっと」
「えーっ、なんでー! 良いじゃない僕だって大人だよ格好いいおじさんだよっ、褒めるところ沢山あるでしょツカサ君!」
「その態度がもう褒める気なくさせるんだよ!! ったくもー、バカなこと言ってないで先に手紙受付して貰いに行くぞ。お礼回りはその後だ」
「はーい……」
分かりやすく頬を膨らませて不満だと訴えながらも、用事を早く済ませるためにブラックは不承不承と言った様子で答える。
子供かとツッコミたくなったがぐっと堪えて、俺達は手紙を専門で輸送している「手紙屋」へと向かう事にした。
手紙屋は店舗こそ小さいが、馬車が通る街には必ず一店舗は存在し、手紙だけを受け付けてくれる。手紙だけである理由は、輸送する手段が争馬種……ディオメデだから。基本的に一つの方角に付き一頭の扱いなので、多量の手紙を輸送するだけで精一杯なのだ。
でも、このシステムのお蔭で「配達人」のように人手不足で荷物が届かないなんて事にならず、手紙だけは確実に届くようになっているので、俺としては助かっている。まあ、ノーヴェポーチカの配達人は数が足りているらしく、配達拒否なんて事にはなっていないみたいだけど……。
まあ、荷物を送る予定がないから俺にはあまり関係がない事だな。
街の中央部を目指して下らない事を喋りながら暫し歩いていると、目的の小さな店が見えてきた。手紙屋はいつも人が多いので、列に並んで待たねば。
俺とブラックは列の最後尾に並ぶと、バッグから手紙を取り出した。
「こっちが湖の馬亭の女将さん達にだろ、んでこれがトルベールと赤の大元のお姉さまへの感謝の手紙、それとグローゼルさんへの術式機械弓とヴリトラの経過報告に……アレク達への手紙……数えると結構あるな」
「随分と手紙の量が増えたね」
「そうだなぁ……。しかも、それぞれ違う所に行く手紙だもんな。本当は他の人にも送りたいけど、俺あんまり文章考えるの得意じゃないからさ。これで限界」
水に濡れても平気なように半透明の油紙でくるまれた封筒には、ちゃんと宛先が書いてある。その一つ一つを見て、俺は目を細めた。
「……みんな元気かな」
手紙は俺から送る事しか出来ない。俺達の事情を知っている人や、シアンさんと面識のある人、それにアレク達のようにその後が心配な人達には「世界協定支部のシアン宛で」と伝えているが、俺の帰る家になってくれた湖の馬亭の女将さん達には未だに伝えられていない。
シミラルは今どうなっているんだろう。
ラーミンさんとリタリアさん仲良くやってるかな。
再び手紙を出すと色々考えてしまって、なんだかしんみりした気分になる。
そんな俺の心情を知ってか、ブラックは俺の肩を優しく叩いた。
「……きっと元気だよ。あの女将が病気になっている所なんて、想像できる?」
おどけた口調でそう言われて、俺は思わず笑った。
そうだな、あの女将さんだったら風邪の精霊だってぶっとばしそうだ。
「女将さんには悪いけど……俺もちょっと想像出来ない」
「でしょ。……まあ、今回の事が全部終わったら会いに行けばいいじゃない」
「そうだな……俺の事もひと段落ついたし」
真相は解らないけど、とりあえず俺の能力は人の為に使える物で、今の感じで使っていれば暴走する事は無いという事は解ったし……少し帰るくらいならきっと大丈夫だよな。
そう思うと何だか楽しくなってきて、俺は手紙屋さんにお金を払って手紙を頼むと、意気揚々と次の目的地へ向かった。
今度はお土産だ。ボーレニカさんとロサードと、それからクロウ。
前者二人には酒だが、クロウには先程も言ったようにお菓子を買う事にする。
適当な酒屋に立ち寄り、店員さんに勧められた酒を持ってボーレニカさんの所に行くと、彼は申し訳ないやら恐縮するやらで、腰を屈めて頭をボリボリと掻いていた。どうやら久しぶりに贈り物を貰ったらしい。
この世界ってそんなに贈り物しないんすか……と思ったが、喜んで貰えたんだから結果オーライだ。ボーレニカさんには奢って貰った事に加えて、ブラック達にリュビー財団の情報を教えて貰くれたと言う恩も有ったので、せめてものお礼をしておかないとな。
しかし、酒を持って行った時に「なんだおめえ、そっちと付き合ってたのかよ」と驚きの事を言われたのは頂けない。そっちって。
いやまあクロウのがヒゲ整えてるし若いですけど、ブラックは酒場で俺を剥いた凶悪中年ですけど、そう言われると俺にもダメージがくるのでやめて。
「まあ、ある意味ぴったりではあるけどな。過激なオッサンの抑え役と、ちょいとヌけてる子供の守り役だ。互いに補ってていいじゃねーか」
なんて言ってたけど、褒めても遅いですよボーレニカさん。つーかコレ褒めてるのかな? 貶してない? 大丈夫?
困った時は何とかしてやるから気軽に来い、と言ってくれたのは嬉しかったが、よほどの時以外には頼らないようにしよう。うん。
ボーレニカさんは嫌いではないが、からかわれるのはもう嫌です。
とっととお暇して、次はロサードの居る『雪の赤兎亭』へと向かう事にする。
名前からして何か凄く行きたくなかったが、お礼の品を買ったので仕方ない。
下民街の宿屋が密集した区域に入り、目当ての宿を見つけると、俺はロサードが居るかどうかを尋ねた。
会えるとばかり思っていたのだが、残念ながら今は留守にしているらしい。
仕方がないので、宿の亭主に言伝を頼み、お土産を預けることにした。考えてみれば相手は忙しい商人なんだから、会えなくたって仕方がないよな。
……てなわけで、俺達の用事は驚くほど素早く終わってしまった。
「…………これからどうしようか」
下民街を歩いていて見つけた公園に立ち寄って、二人でベンチに腰掛ける。
そこそこ広い公園には、球を蹴ったり謎の遊具で遊んでいる子供達が居て、中々に活気づいている。……まあ、下民街なので、飲んだくれて突っ伏してるオッサンとかカップルとか教育に悪い物が沢山あるけど、それはそれとして。
隣で深く息を吐くブラックに問いかけられて、俺も息を吐くように唸った。
「うーん……夕方まではちょっと時間があるなあ……別に帰っても良いんだけど、帰ったって特にやることはないしなあ」
「セッ」
「睡眠をとるくらいしか出来ないなー。そうだよなー、ブラック」
「…………そうだね」
言わせねーぞ。お前俺が最近どんだけ体を酷使されてると思ってるんだ。
昨日も触手に酷い目に遭わされたってのに、この上お前とえっちしたら、もう俺死ぬぞ。絶対に枯れるぞ。やめて、俺のミルクタンクの残量はゼロよ。
でもこんな事言えないけどな。触手の事が絶対バレるし。
……他の話題、そうだ、他の話題を探そう。
「えーっと……ああ、そういえばクロウにお菓子買って行くけどさ、アンタも何か欲しい物とかある?」
「お菓子? いやー……別に」
「そういやブラックってお菓子あんまり食べないよな」
喫茶店で俺と一緒に甘い物を摘まんでいたから、嫌いってワケじゃないんだろうけど……苦手なのかな。つーか、そう言えば俺ブラックの好みって知らないな。
白パンが好きなのは知ってるけど、それ以外だと数える程度しかないや。
マヨネーズと、濃い味付けと、お酒とおつまみ。その程度しか解んない。
この人基本的になんでもパクパク食べるからなあ。
そう思って少し首を傾げる俺に、ブラックは目を瞬かせる。
「ん、そうかな? 僕はこの国に来て結構食べたなあって思ってたけど……ああ、苦手って訳じゃないよ。でも、熊公みたいに喜ぶほどではないって感じかな」
「そうなのか……なあ、俺、良く考えたらアンタの好物ちゃんと聞いた事ないんだけど……どういうのが好みなんだ?」
「え? そんなのツカ」
「食べ物、口に入れて食べる物の事だぞコラ。白パンとか酒とか好きだろ?」
「んん……食べ物かぁ……確かに白パンは好きだけど」
「それ以外ってなんかないの?」
俺が詰め寄ると、ブラックはちょっと嬉しそうな顔をしたが、しかしよほど自分の好物という物が思い浮かばないのか、すぐに顔を歪めて腕を組む。
「うーん……そう言われてみるとなあ……」
「料理とか、お菓子とか……」
「煙草は昔よく吸っていたけど、隠遁生活してたらほとんど吸わなくなったし……強いて言うなら、ツカサ君が作った料理かなあ」
「えっ……」
思わず固まる俺に、ブラックは幸せそうに笑って肩を寄せて来る。
今度は俺が目を瞬かせる側になってしまったが、相手は気にせずに俺の手の上に大きな手を重ねてきた。
「だってさ、ツカサ君が作ってくれる料理って……僕が今まで食べて来た物よりずっと美味しいものばかりなんだもん。それに、ツカサ君が僕の為に作ってくれたって思うと凄く嬉しくてさ。だから……僕に好物があるとすれば、それはツカサ君の料理だと思う。白パンや酒は美味しいけど、ただそれだけだし」
「そ、そんなこと言って……酒に目がないくせに……」
俺は忘れてないぞ、ブラックとクロウが俺をハブって酒を飲んでいたのを。
それってつまり好物って事だろ。麻薬のような嗜好品に俺の簡単料理が勝てる訳がないじゃないか。芋丸めて団子作るしか能がないんだぞ俺は。
顔が熱くなったのを感じて離れようとするが、しかしブラックは俺の手を掴んで離してくれない。
それどころか俺を引き寄せて、菫色の綺麗な瞳でじいっと俺を見つめた。
「そりゃまあ、酒は嗜好品だからね。……でも、ツカサ君の作ったご飯やお菓子は嗜好品じゃないだろう? 生きるために必要な、大事な食事だ」
「う……うぅ……」
「だからね、僕は……ツカサ君の料理が好きだよ。もちろん、全部ね」
「…………そ、そう、かよ……」
こういうの、苦手だ。
まっすぐに見つめられると、何を言っていいか解らなくなる。
恥ずかしくて、居た堪れなくて仕方なくて、逃げたくなってしまう。ブラックは俺の恋人だと認めているのに、こんな風に真剣に好きだと言われてしまうと、どうしても言葉が閊えてしまった。
男なら、ちゃんと応えてやるべきなのに。
「ね、ツカサ君。そろそろ僕ツカサ君の手料理が食べたくなってきたなあ」
「…………俺の、料理……?」
「うん。簡単な物で良いから。……ね?」
料理。
そう言えば料理は、愛情表現の一つだと聞いた事がある。
……ブラックに何か作ってやったら、俺も少しは落ち着いて話が出来るかな。
恋人だっていうんなら、本当は……公園でイチャついている人達みたいに、もっと自分から近付いて行かないといけないんだろうし。
こんなんじゃ、いつまで経っても何も変わらないよな……。俺だって、ちゃんとブラックが安心出来るように態度で示さないと。
じゃなけりゃ、いつか本当に監禁されちゃうだろうし。
「分かった。……じゃあ、買い物して帰るか」
「うん!」
立ち上がった俺の手を、ブラックが自然に握る。
しかし、不思議と俺はそれを振りほどこうと言う気になる事も無く……
少しだけならいいかと思い、その手を握り返した。
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