異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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アタラクシア遺跡、妄執の牢獄編

23.コイツに惚れたのが運の尽き※

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 宿に着いて、部屋に入って。何をするかと思えばすぐに抱き着かれて、物を置くヒマもなく強く深いキスで口を塞がれた。

 剣は重いわ何か言う前に強引に事におよばれたわで俺は思わず拒否しようとしたのだが、顎を手で固定されて、口内を舌で念入りに蹂躙じゅうりんされてしまっては、最早足腰が立たない。

 簡単に流される俺もどうかと思うけど、ブラックにむさぼられるようにキスをされると、酸素不足も有ってどうしても体が言う事を聞かなくなってしまうらしい。

 そんな俺をブラックは抱き締めたまま、ぽいぽいと荷物をそこらへんに放って、俺をベッドへと連れて行った。性急だな、とか性春まっしぐらのガキかよ、とか色々頭をよぎったが、そんな風に強引になるくらいにこんな事をしたかったのだという結論に至れば、俺は顔の熱を上げずにはいられなかった。
 い、今更だけど、何か凄くむず痒い。

 恋人だし、ちゃんと相手の気持ちに応えなきゃとは思ったけど、でもそんな風に直情的に自分を想っているのだと知ると、俺はどうにもリアクションしてやれなくて、顔をユデダコにするくらいしかないのだ。
 だって、その、ブラックはそのくらい俺に欲情してる訳で。

 もし俺も普通に彼女を作れていたら、こんな風になったんだろうか……と考えたけど、やっぱ俺にはこんな事は恥ずかしくて出来ない。

 人の服を荒々しくはぎ取ってベッドに寝かせて、し掛かる。

 そんな事が出来るのは、よっぽど自分に自信がある人間だけだろう。俺だったら「笑われちゃうかな」とか「怖がらせるかな」って思って出来ないのに。なのに、ブラックはそんな事なんて関係ないとでもいうように、襟を開けてベッドの上の俺に近付いて来て。

「ツカサ君……ヤり過ぎちゃったら、ごめんね」

 低くて、耳を擽るような大人の声で囁く。
 光に淡く輝く赤い髪と、宝石みたいな菫色の瞳。だらしなく無精髭を生やしてたって、やっぱり悔しいくらいに相手は格好良くて。
 俺はそんな相手を好きになって、恋人になったんだと改めて確認すると、心臓が痛いくらいに高鳴った。

 ううう……な、なんか認めたら余計に恥ずかしくなった気がする……。

 だけど、ブラックはもうエンジンが掛かってしまっていて、俺の羞恥心なんてお構いもせずに首筋にゆるく噛みついてきた。

「んっ……!」
「あは……ねえ見てツカサ君。赤い痕がくっきり付いたよ……って、見えないか」

 そりゃそうだよ。自分の首なんて鏡が無きゃみえねえ。
 ってコイツ、キスマークとかそんなベタな……。

「こういうのって、自分の物だって感じがするよね……もっとつけたいな」
「ちょっ、ばか、あっ」

 ざらついた感触が首筋から降りて、鎖骨に少し痛い感覚が与えられる。
 そのまま右胸に降りて、また真っ赤な痕をつけられた。
 煩いくらいに脈打ってる所にキスマークだなんて、まるで心臓まで自分の物だと主張されているようだ。その事が背筋にゾクリとした感覚を与えた。

 悪寒とも快楽ともつかない衝撃は肌を一気に粟立たせて、ブラックはそんな俺に笑うと、ぷつぷつと肌が浮き上がって主張している腕を取り、手首から滑るように唇と舌を押し付けて来た。

「やっ、あんた……なん、で……」
「鳥肌って、こうして温かいものに触れたらおさまるよね?」

 それはそうだけど、でも、アンタの意図はそういうモンじゃないだろ。
 毛穴の浮き上がった肌を舐めて、俺をもっと追い詰めたくてそうしてるんだ。
 解っているのに、二の腕の部分まで舌が来ると、くすぐったくて俺は思わず足をぎゅっと閉じてしまった。

「ふふ……くすぐったい? 違うよね。気持ちいいんだよね、ツカサ君。だって、くすぐったいだけなら、こんな風に我慢して足を閉じるなんてことないもの」

 嬉しそうな声で呟いて、ブラック空いていた方の手を俺の太腿ふとももの間に突っ込む。
 無遠慮に両足が合わさった部分に他人の手が入って来た事に、俺は思わずびくりと震えてしまった。だけど、ブラックは差し入れた手をそのまま動かさず、ただやわらかな腿の部分を指で触って楽しむだけで。
 股間に近い所にわざと手を入れたのに、ちっとも触れてこようとはしなかった。

「ブラック……っ」
「うん? どうしたの?」

 触るか触らないかどっちかにしろよ、と睨むが、相手は俺の焦れを解っているのにその手を動かそうとしない。ああそうだよな、コイツはそういう奴だよ。
 変な所ばっかり触って、それを「イイ」って思わせる風に開発してしまって、俺をそういう行為をしなきゃ満足できない体にしやがるんだ。
 こんな事してるだけでも、俺にはいっぱいいっぱいなのに。

 そう思って涙目で睨みつける俺に、相手は朗らかに笑って頭を掻いた。

「ごめんごめん。反応してくれるのが嬉しくってつい……。でも、そうだね、今日は無理させちゃうかもしれないから……先に気持ちよくなって貰おうかな」
「えっ……」

 き、気持ちよくってまさか……。
 ヤバい、と口端をひくつかせる俺に、ブラックは微笑みを浮かべながら――片手でまだ熱を持つくらいだった俺のモノを握り込み、開いた方の手と口で、胸を弄り始めたのだ。そんな事をされたら、気持ちよくなるどころか。

「ま、まって、しなくていいっ気持ちよくしなくていいからっ、あ、あぁあっ!」
「しなくていいって言うワリには、乳首はしっかり立ってるし……ほら、こっちだってもういやらしい音を立て始めてるけどなぁ?」

 わざとらしい声で言いながら、ブラックは俺の自身を扱きたて硬くして、同時に大きな音を立てて右の乳首に吸い付いた。もう片方の手は、ずっと左の乳首を指で挟んで捏ね繰り回していて、三つの突起を激しく弄られてしまった俺は、身も背も無く悶えて膝を立て体をくねらせた。

「やっ、あ、ふあぁあ……も、むね、やっ、ぁ……あ……!」
「ツカサ君は気持ちよくなれる所がたくさんあって羨ましいなあ。乳首なんてもう女みたいに感じちゃうし……こっちも、おちんちんを扱くのと一緒に出し入れされたら堪らないんだろう?」

 荒い息を漏らしながら胸から離れ、ブラックは手を下へと移動させる。
 唾液に塗れた乳首が空気に冷やされる感覚に身を捩っていると、ブラックは欲情した笑みを浮かべながら、指をそこ……へその穴にぐりっと押し込んだ。

「っあ゛ぁあ!」

 襲ってくるのは、内臓を押されたような、下腹部に直接届くような圧迫感。
 たっぷりと唾液を垂らされて、ちゅくちゅくと穴を指で擦りあげられながら犯される。その動きと同時に欲望の中心を弄られると圧迫感が言い知れない感覚に書き換えられて、俺はブラックにしがみ付いて体を震わせた。

「くるしっ、や、それっ、も、やめて……っ!」
「苦しいって、ホント? ツカサ君のおちんちんはこんなに先走りがあふれまくってるのに、嘘ついたらダメだよ」
「もっ、馬鹿っ、その単語使うのやめろって!!」

 なんか子供だとバカにされてるみたいだし、余計に恥ずかしいんだよ!!
 つーかアンタの歳でおちんちんとか言われると、俺が言ったんじゃないのに俺の方が居たたまれなくなるからやめて欲しい。
 だけど、ブラックはやめるどころか喜色満面で俺に顔を近付けて来て。

「恥ずかしい? そんな事ないよ、だってたかが性器の名前なんだから。僕はただツカサ君の可愛いコレにはおちんちんって名前が似合うなあって思ってるだけだし……ツカサ君はエッチな事を考えてるから恥ずかしくなるんだよ」
「んっ、ぅあっ、あぁあ……っ、そ、んな……っ」
「違わないよ。ツカサ君は僕にいやらしい事をされるって思ってるから恥ずかしいんだ。だってほら……こんなに勃起して、お尻の穴にまで汁を垂らしてるのに……興奮してない訳ないだろう?」
「ぅ……くぅう……っ」

 ずぼずぼと腹の奥まで指でほじくられ、責めるようにいきり立ったモノの先端の穴を指の腹で執拗に弄られる。下腹部に集まる耐え難い熱と刺激に腰を揺らす俺は、どう理由を付けようが、興奮しているとしか言いようがなかった。
 でも、そんな酷い事言われて、ハイそうですなんて言える訳も無くて。

「っ、も……やだぁ……っ」

 涙声で、喘ぐ合間にそう言うのが精一杯だった。

「あはは……ツカサ君、泣いちゃったね……やりすぎたかな。でもね、ツカサ君が可愛いのが悪いんだよ……? 僕のこういう所を嫌わずに、恥ずかしがってばっかりだから……僕も調子に乗っちゃうんだ……」

 そう言いながらブラックは俺の頬に軽くキスをして、放って置かれていた乳首を口に含む。だけど戯れるかのように弱く吸うだけで、強い刺激は与えなかった。
 胸から下には泣きたくなるくらいの激しい感覚が絶え間なく送られてくるのに、その合間に軽い刺激が来る。でも、それは下半身の刺激に負けるでもなく、むしろ下ばかりを意識する俺を動揺させるほどだった。

「あっ、ぅあ、あぁあっ……! やめっぁあぁっ、ぅあぁあ……!」

 ちゅっちゅっと吸われて、その度に声が上擦って跳ねる。
 胸も、臍も、あそこもぐちゃぐちゃに愛撫されて、頭が茹だって段々と何も考えられなくなっていく。切羽詰まった下腹部の熱がもう出てしまいそうで、後一押しされるともう達してしまいそうなほど高まっていた。

「ブラッ、ク、もっ、だめっ、もぉ……っ!」
「イきそう? いいよ……ホラ、出しなよ……!」

 強く言われ、同時に臍の最奥まで指が捻じ込まれて自身を擦りあげられる。
 その衝撃に耐えきれず、俺は腰を浮かせて思いきり射精してしまった。

「~~~~ッ!! ぁっ、あぁあ……っ、ぅ……」

 腰が、太腿が痙攣けいれんする。
 快楽を一気に放出したことで、俺の頭が冷静になろうと熱を下げ始めるが――ブラックは、俺が正気に戻る事を許さなかった。

「ツカサ君、まだでしょ。気持ちよくなってないよ?」

 そう言って萎えかけたモノを強く握り込み、先端を痛いくらいにぐりぐりと弄りながら思いきり扱き始めた。イッた直後にそんな事をされるなんて、初めてで。
 あまりにも突然の感覚に、俺はって悲鳴を上げた。

「っあぁああ!? ひっ、ぁっあぁああ゛っ! ま、ぇ、まって、いったあとっ、も、だめっ、だめぇえ……!!」
「ダメじゃないでしょ……ッ!? はははっ、ほら、気持ちいいって言いなよ! おちんちん気持ちいいって……!」

 放出したばかりで敏感になっている体を、無理矢理に高められる。
 もはや抵抗も出来ないほどに急激に追い詰められた俺は、苦しいまでの快楽から逃れたくて、ブラックに言われたように高い声を上げていた。

「っ、あぁああっ、あ、ち、おちんちん、きもち、いい……っ! 気持ちいぃよぉ……!」
「ははははっ! つっツカサ君っはっ、はぁっ……はぁっ……可愛い、可愛すぎるよ……! ああっ、君はどうしてこんなに僕を興奮させるんだ……っ」
「っあぁあ、っあ、ぅああああ……!!」

 耐え切れずに、二度目の射精を迎える。
 だけどブラックはそのまま止めずに、精液塗れの手で扱き続けた。
 立て続けに二度も無理矢理イかされて、冷静になる暇も与えられず頭の中が掻き回される。気持ちいいのが辛くなってきて、俺は泣きながら叫んだ。

 自分でだって、こんなに立て続けにオナニーした事はない。それに、他人にこうも強引にやられるなんて、とても考えられなくて。
 恥ずかしくて、辛くて、もどかしくて、俺はブラックにしがみ付き首を振った。

「もっやめぇっ、や、あぁっ、あぁああ……も、いぁっ、いいっ、からぁ……!」
「だって、まだたくさん気持ちよくなってないよ……? 僕はこれからツカサ君を犯そうと思ってるのに、それじゃ釣り合わないよ。だって、ツカサ君はお尻を使うのにまだ抵抗があるんでしょ……? なら、こっちで」
「ぅあぁああ……もっ、も、やだぁっ、おしりでいぃっ、っああ! いい、からっ……! ぶら、っく、いれてっ、ブラックの、ちんちん入れてぇ……!」

 俺が尻を掘られるのを嫌がってるのを、今ここで持ち出してくるのかよ。
 ああ分かってる、これは俺の自尊心を切り崩そうとしてるんだ。それで、俺が「尻を犯されても良い」って言ってしまう状況を作りたかったに違いない。

 そうすれば、言い訳できる。どんなにやり過ぎても、俺が怒れないから。
 大人のくせに、ずるいんだよ。バカ、卑怯者、おたんこなす。
 だけど、嫌いになんてなれない。こんなにプライドをズタズタにされてるのに、必死に俺を抱こうとする情けない年上の男の心情を思うと、どうしてか嫌だと思う気持ちが失せてしまっていた。

 本当に、ずるい。
 アンタを好きになったら、もう、嫌だとも思えなくなるなんて。

「い……いいんだね……? もう、我慢しないよ……?」

 熱い息を吐きながらわずかに上擦った声を出すブラックに、俺は必死に頷く。
 それを了承と見取ったのか、ブラックはいつも以上に赤くなった俺の性器から手を離し、足を掴んで俺の体を軽く折り曲げた。

 普段は隠されている場所を、足を大きく広げて曝される。
 その行為が恥ずかしくない訳はないが、思考が蕩けていた俺は恥ずかしがる余裕すらなくなっていて、ただブラックが後孔を見つめる姿を体を僅かによじらせながらぼうっと眺めていた。

「もう精液でびしょびしょになってるから……濡らさなくても大丈夫かな」

 ねっとりと指を舐めて、ブラックは濡れそぼって閉じた後孔に指を押し付ける。
 もうそれだけでたまらなくて、俺は体を震わせた。

「あはは、ツカサ君も待ち遠しい……?」

 ぬるりと指が入ってくる。
 だけどその感覚はもう痛くもなく物足りなくも有って、俺は無意識にブラックに縋るような視線を向けていた。相手もそれが「もっと」という意味だと理解したのか、さほど慣らしもせずに二本目と三本目を一気に突き立てて来た。

「っあぁああ……!!」
「ふふ……っ、ツカサ君……お尻を弄られるのが好きになっちゃったね……」
「んっ、ぅうっ……ぅっく……ぅあぁあ……! そ、こっ、も、やぁあっ、ひろげなっ、ぃえ……!」
「広げなきゃ、入らないよ? ツカサ君が本当に欲しいモノは、この指よりも、もっともっと大きいんだから……そうだよね?」

 ああ、そうだ。そうだった。
 いくら悶えようと、指で快楽を得ようと、俺が慣らされてしまった最大の快楽には遠く及ばない。
 それを知っているから俺は残った理性を散らす事が出来ず、ただただブラックを涙が溢れた目で見上げているんだ。

 俺は、もう、慣らされてしまっているから。
 ブラックの持つものが与えてくれる、凄まじい快楽に。

「ぶらっ、くぅ……っ」
「うん……もう、良いかな……ホラ……ツカサ君が可愛い事ばかりしてくれるから、今日はいつも以上に興奮してこうなっちゃったよ……」

 服を脱いで、ズボンを降ろし、ブラックは怒張した自分の物を俺に見せつける。
 いつものブラックのソレも信じられないくらい大きいが、今回はそれよりも膨張し、血管を浮き上がらせてぴくぴくと動いていた。

 赤黒く狂気とも思える形の怒張は、待ち望むものに興奮してだらだらと先走りを流している。俺と同じ、いやそれ以上の反応に、俺は体の奥がじわりと濡れてくるような衝動を感じて眉根を寄せた。

「ああ……いいね、その顔……。僕のペニスを見て、恥じらって期待する顔をしたツカサ君の表情だけでイけそうだ……」

 でも、やっぱり繋がって果てたいよね。
 そう言ったと同時――ブラックは、緩急も付けずにいきなり奥までその熱く硬い欲望を突き立てて来た。

「あ゛ッ――――っっ!! ぁあぁ……っ、ぅ、~~~~……!!」
「っは、はは……っ! こ、声……でなくなるの……っ、久しぶり、だね……っ」

 一気に押し込まれたモノを反射的に締め付けたせいか、ブラックは息も絶え絶えに声を漏らす。その声は掠れていて、俺に欲情しているのを嫌と言うほど耳に伝えてきた。でも、それがどうしてか、嬉しいような気もして。

「動くよ……っ」
「っ、あ、ぅああぁ……! く、ぁあああ……っ、ぅ、ひぁあ……!!」

 内臓を引っ張られるような、押し付け擦られるられるような、耐え難い感覚。
 教え込まれた快楽は芽吹いて、前立腺をごりごりと先端で突かれると俺はあられもない恰好のままで足を痙攣させた。
 お腹の中がいっぱいになって、ぎちぎちに広げられて、何も考えられないくらいに強烈な快楽を与えられる。何度も味わって来たその衝撃に、俺はただ翻弄されて泣きながら喘いだ。

「ツカサ君っ……だ、っ……出すよ……!」
「あぅっ、あぁああ……! やっ、あっ、うあっ、あっあぁああ!」

 早いのか、遅いのか。それすらもう分からない。
 ブラックの体が一瞬硬直し震えると同時に、体内に熱い物が勢いよく叩きつけられるのを感じて、俺は反射的に搾り取るようにブラックの物を締め付けていた。
 ああ、終わったのだろうか。
 そう思って、まだ自分が半勃ちである事に少し不安を覚えていたのだが……
 事は、まだ終わらなかった。

「っ、ぁ……は……はぁ……。ああ……ごめんね……まだツカサ君はイってないんだよね……。でも、大丈夫だよ……今日は我慢しないから……」
「ふぇ……」

 ど、どういう事……?

 少しだけ意識がはっきりしてきたのに、意味が解らない。
 俺が目を瞬かせていると、ブラックは俺のナカにブツを収めたまま、うっすらと汗の浮かんだ顔で微笑んだ。

「ほら……ナカでまた大きくなってるの分かるかな?」
「ぇ……あっ、あれ……!? な、なんでっ、あんた……」
「動くよ……!」
「まっ、っああぁ!? ぃあっ、あ、まっぇ、やっ、あ、ひぁああ!」

 精液をそそがれたせいで、動きがスムーズになっている。
 擦り立てられてじんじんしている体内を再び満たしていく熱い塊に、俺は必死に首を振った。確かに、確かに俺は達してないけど、でも間髪入れずに二回戦って。
 そんなのされたら、俺……。

「っ、あははっ、つ、ツカサ君、おちんちん勃ってるよ!」
「もっ、だぇっ、やあぁあっ、そんなっ、したらや、あっあぁああ……!!」

 二度目の激しい抽挿に耐え切れなくて、俺は勝手に達してしまう。
 だけどその精液はもう白さが薄れていて、勢いすらなかった。だらだらと垂れて俺の腹の上に落ちる液体を嬉しそうに眺めながら、ブラックは俺を揺さぶり倒す。

 顔を赤面させて、汗を垂らして、だらしなく口を開いて荒い息を漏らしながら、一生懸命に俺を貪って嬉しそうに快楽に酔っている。

「ツカサ、く……ツカサ君……っ、あ、ぁああっ、きもちいっ、気持ちいい、よ……っ」

 よだれが垂れて、俺の胸の上を伝ってシーツに落ちる。
 俺だって汗だくて涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃだけど、でも、ブラックのそんな風にとろけた顔なんて今まで見た事なくて。
 その大人らしくない、緩み切った顔が、快楽で頭がバカになった俺には愛おしくてたまらなかった。

「らぇ、もっ、らめぇっ……! 気持ちい、くてっ、バカになっあ、あぅう……!!」
「っく……ぅっ、っは……ば、バカになってよ……ツカサ君……僕のことだけっ、考える、バカになって……!!」

 荒い息と堪えるような喘ぎ声のはざまで、泣きそうな声で言葉が吐き出される。
 そのまま抱き締められ、俺はブラックに抱え上げられるように体を起こされた。
 座るブラックに下から突き上げられて、力すら失っていた俺はブラックにすがって抱き着き、さらに最奥へと進んでくる熱塊にすすり泣いた。

「っあぁあ゛あ……!! ふかっ……や、あっ、も、っあぁあ、ぅああぁ……!」
「ツカサ君、ツカサくっ……ぅ、っ……――!」

 深く入った軛を締め付けられて、ブラックが首を反らして喉を動かす。
 それを横目で見ながら、俺はブラックの肩口に顔を埋めて体を痙攣させた。
 ――また、あの熱い欲望が体内を満たしていく。

「っ、ぁ……あ、ぁあぁ…………っ」

 どくん、どくんと何度も繰り返して体内に吐き出された精液に、俺は目を細めて耐える。どろりと移動する液体は、いつもならそんな事にならないのに……結合部から漏れて太腿を伝い、シーツへと落ちて行った。

「はぁっ……はっ…………はぁ……」

 息が、整わない。
 ブラックにもたれ掛かったままで息をするが、相手も俺の荒い呼吸に呼応するかのように胸を上下させていた。……ブラックも、凄く興奮してたんだ。
 そう思うと、ぼやけた頭でも何だか気恥ずかしいような嬉しいような感情を覚えて、俺はブラックの肩に頭を預けたまま、暫しその息を堪能していた。

 事後に甘い事をしたくなるのって、こういう事なんだろうか。
 イマイチよく分からなかったけど、今なら少し分かる気がする。

 そう思って、俺は目を閉じようとした……のだが。

「はぁー……。よし、落ち着いた。……ツカサ君、今度はこの状態で行こうか」
「…………は?」
「だってまだ僕スッキリしてないんだもん。だから……良いよね? 我慢しなくていいって言ったのは、ツカサ君だし」

 ……えっと。
 ま、待ってくれないかな? あの、どう考えてもおかしくないかな?
 なんでこのおじさん、俺より年上なのに、またビンビンになってるのかな?
 どうしてグイグイ体内を広げて、中の精液押し出してるのかな?

 体力お化けだ体力お化けだと言ってはいたけど、抜かずの三発が現実に存在するなんて俺は聞いてませんよ。っていうか、予想してませんでしたよ。
 あの、まって。これ以上されたら俺本当にバカになるって。
 ケツも頭もバカになるってば。

「ぶ、ブラック、あの」
「さあ……ツカサ君の穴から溢れるくらい、精液を注いであげるからね……」

 ………………。

「だ、だめっ、だめぇえっ、これ以上はバカになっちゃう、やだっ、やだぁ!」
「んんんっ、頭が回ってないツカサ君もものすっごく可愛いなあ……!」
「あぁあぁっ、やっ、おっきくっ、っあ、うぅ、動かさないでっ、駄目だってば、ばかぁっ!!」
「ツカサ君にののしられたら、余計に興奮してきちゃったよ……!」

 わーんちくしょうばかばかこの性欲おばけー!!

 明日の朝には俺は枯れてるんじゃないかと言う恐ろしい予想が頭をよぎったが……ブラックがナカで動き出すと、それ以上何も考えられなくなって俺はただただ喘いで悶えるしかなかったのであった。

 ……やっぱ、コイツの事好きになるんじゃなかった…………。














※次は港町での軽めのお話編になります!
 ベランデルン編に入る時に言っておりましたあの人とかあの人とか出たり
 挿れはしないけどまあそう言う事になったりしますのでよろしくお願いします…

 ……受け愛されって……いいよネ…!( ^)o(^ )
 
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