異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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裏世界ジャハナム、狂騒乱舞編

 二人きりでレッスンという言葉のいやらしさよ2※

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 そりゃ俺は従うって約束しましたよ。
 恥ずかしくならない為に、普通に教えてるみたいにやるからって説明も聞きましたよ。でもね、こうなると思わないじゃないですか。
 まさか、あの本番で着るエグい踊り子服でやれなんて、言われると思わないじゃないですかああああ。

 ちくしょーさっきちょっと絆されて損した、あの時ほだされて損した。
 やっぱこいつはロクでもないスケベ親父だあああ!!

「ツカサ君、ほらほら早く。あんまり遅いとあの熊が見に来るよ」
「ぐ……ぐううう……本当に踊りを教えるだけだろうな!!」
「それはもう」

 信用できない……でも、くそ、約束したのは俺なんだし……ああもう仕方ない!
 ぐだぐだ言ってても仕方ない、男らしくビシッと決めろ俺。
 なに、ただの踊りなんだ、早く終わらせちまえばいいんだ。

 そう思い込むことにして、俺は更衣室へと足早に向かった。
 もうこうなったら意地だ。着て、恥ずかしくない踊りとやらを速攻で覚えよう。
 服を脱ぎ、穿きたくなかったぱんつをついに手に取る。

 あー……ティーバック……。本当嫌だ。前の布面積も小さいし。
 体にぴったりと張り付く謎の素材の下着を装着し、俺はズボンを履く。まあこれ、ズボンとは言っても腰から足の付け根までの部分がばっさり切られてて、足にとどめておくには腰に巻くリングで吊らなきゃいけないんだけどね。

 ちなみに、このリングには腰を動かすとシャランと音が鳴るかざりと、ふんどしみたいに股間を隠す布が付いていのだ。
 そんで胸に布を巻き、両腕にも装飾の付いた飾りをつけ、頭に後ろにヴェールのついたティアラを被る。ああ、まんまアラビアンナイト。
 本番はイヤリングとか目尻に赤い化粧とかするらしい。勘弁してくれ。

 この格好、俺じゃなくて女の子が着てれば、悩殺間違いなしなんだけどなあ。
 げんなりしながらも、俺は更衣室を出る。レッスン部屋に戻ると、前方の鏡張りの壁に自分のみじめな姿が映って、今にも逃げ出してしまいたかった。

 うわあ。もう本当似合ってない。絶望的に似合ってない。
 だいたいこれ、髪の長い「ないすばでー」な女性の体に映える衣装だろ……。

 自分の奇体に青ざめつつ、俺は待ち構えていたブラックの元へと向かう。

「おまっとさんでした……」
「ふーん。その服、普通にしてたらあんまりやらしくないんだね。後ろはちょっとやらしいけど」
「ケツ丸出しだからな」

 案外反応が薄い。まあ、モロの女装だったナース服と比べると、まだこっちは男女兼用と言えなくもないからな。そう考えるとちょっと楽かも。
 ケツが丸見えな事を除けばな。

 いや待てよ、反応が薄いなら、案外普通に練習だけして終わる可能性もある。
 このオッサン結構ムードにこだわるタチだし、約束は守るからな。本当に教えてくれるだけなら、まだこの格好でも我慢できるかも。
 何だかんだで、ブラックにはまあ、見せたくない所も見せてるし……。

「よし、それじゃ始めようか。ツカサ君、この布を少し余らせる感じで両手に持って……そうそう、片方だけ腕輪に通して固定してね」

 ブラックの言うがままに布を持つと、ただの長い布がなんだか衣装の一部のようになった。なるほど、これはもしかして、布を使って踊るって事なのか。
 新体操のリボンを使う競技みたいな感じかな。

 理解したと言わんばかりにブラックを見ると、相手は人懐っこく微笑んで頷く。

「この布を使う踊りって、本当は東方の国のものなんだけどね……でも、ハーモニックの踊り子の衣装は布も多いし動きも激しいから、こっちでも行けるんじゃないかって思ってさ」
「そっか……そうだな、布が動けばそっちに目が行きやすくなるし、危なそうな時は隠すことだって出来るもんな」
「そういう事。これなら恥ずかしくないでしょ?」

 まさかコイツ、踊り子の話が出た時に最初からこれを考えてたのか。
 だとしたら、あの時トルベールのいう事をさらっと了承したのにも頷ける。
 ブラックはクロウが俺に引っ付つくだけで怒ってたんだ、俺がこんな格好で色んな奴が見てる所で踊るのに怒らない訳ない。だとすれば、踊る事だって怒るはず。普通に了承するわけがなかったのだ。

 うーむ、ハメられた気がしないでもないが、まあいいか。

 とりあえず、俺はブラックに布を使った踊り方を学ぶことにした。

 この踊り方は、東方にあるチェンホンという島国の踊りらしい。
 まだ本格的に踊りの練習をしていないので、ブラックには布がどうやったら上手に動くかとか、視線を誘導する布の広げ方を教えて貰った。

 しっかし、いつも思う事だけど……本当ブラックって博識だよな。
 冒険者だからって言うのも解るけど、普通こういう踊りなんて覚えてる物かな。花には詳しいってのも、ブラックの性格からすると正直意外過ぎる。
 曜術とかは解るんだけど、本当コイツの知識量ってナゾだ。

 これでハイスペックイケメンとかだったら、俺多分速攻で逃げてたな。ブラックが中年で良かった。まだ年齢差あるからって言い訳できるし……。

「あ、ツカサ君。ここはこうして、腰を上げた方が……」
「えっ……こ、こうか?」
「いや、そうじゃなくて……」

 ブラックが唐突にアドバイスを変えて、俺の腰を掴んでくる。
 なんと強引なと思ったが、鏡を見ると確かにポーズ的にはそちらの方が良さそうだったので、言う通りに腰を上げてやった。

「それで、こうやって……」

 熱く、じっとりとした手が、強引に腰を上下させ回す。
 いつの間にか俺の背後に体を滑り込ませていたブラックは、じっと俺の腰を見やった。

「うーん……なんかこう……僕的には興奮するんだけど、シラフだと色気が足りないよね。ツカサ君の動きって」
「一般人の男に色気のある動きとやらを求めるなよ」
「だって、相手を魅了するのに必要なんだろう? 本当は嫌だけど、やるならトコトン突き詰めてやらなきゃ行けないじゃないか。失敗したら目も当てられないだろう? ……ほら、こうすると良いんじゃない?」
「えっ……」

 ブラック両手が俺の腰を掴み、大きく回そうとして来る。
 フラフープみたいにやればいいのかな、と、鏡を時々見ながら確認してみるが、これといって色気が出たような気がしない。やっぱ俺自身だからかなあ。

 布で上手く踊りながら隠すのを想像しつつ腕を動かしていると、不意にブラックの手が少しだけ移動した様な気がした。

「……ブラック?」
「ねえ……そうじゃなくてさ、こういう動きしてよ」

 そう言いながら、俺の腰をぴったりと自分の体に付けてきた。
 ほぼ裸に近い俺の尻に、ブラックの服の感触が直接伝わってくる。思わずびくりと体を震わすと、相手は腰をくっつけたままで俺の体をゆっくりと動かし始めた。

 ブラックの股間に尻を擦りつけるように、腰がゆっくりと上下に揺らめく。どう考えても、これってセクハラでは。逃げようとするが、ブラックの手に縛められててどうにも抜け出せない。

 ぴったりとくっつかれていて振り返る事も出来ず、真正面の鏡に映る相手を睨み付けると、ブラックは心底楽しそうな間抜けな笑みに顔を歪めた。

「まあまあ、怒らないで。そもそもさあ、こんな服を着て踊るのって、相手の性欲を刺激する目的もあるんだろう? なら、相手を興奮させるような動きをしなきゃいけない。こういう動きをするのもアリだと思わないかい?」
「う……」

 まあ、確かに……そういう事なのかなあ。
 男として考えれば、確かにこういう服で踊る女性には興奮するし、彼女達が刺激的な振り付けをすれば、恥ずかしながら股間が痛くなる事も有る。
 それは、踊り子さんがえっちな雰囲気だからだ。

 ってことは、あの刺激的過ぎる十八禁世界が広がっているジャハナムの宴なんだから、相当色気のありそうな動きにしなきゃ鼻で笑われるかも知れない訳で。
 ……踊りを踊るのはいやだけど……鼻で笑われるのはもっと嫌だな。

「ねえ、ツカサ君……今から僕がツカサ君が更に色っぽくなる動きを教えてあげるから……鏡をじっと見てて……」
「はっ!? ちょ、ちょっとそれは」
「視なきゃ解らないだろ? 自分の姿は、どういう時が一番つややかなのか……君は知っておくべきだ。そしたら迂闊にそこら辺のクズに目を付けられる事も無い」

 う……こいつまだクロウの事を根に持ってやがる。
 鏡を見るのは嫌だと思ったが、良く考えると今は「ブラックのいう事に従う事」なんて約束を実行中の身だ。どっちにしろ、従わなきゃいけない。

 でも、鏡で自分の事を見るとか……。

「大丈夫……ここには僕とツカサ君しかいないんだ。何度も裸を見た仲だし、今更恥ずかしくなんてないだろう?」

 肩にちくちくする無精髭の顎を乗せ、ブラックは熱い息を首に吹きかけてくる。
 そりゃ、アンタには色々されてるけど、それが恥ずかしくないなんて訳がない。

 思わず持っていた布で鏡から自分の姿を遮断しようとしたが、見透かされていたようで布を奪われてしまった。もうあとは、ブラックに抱き留められて動けない俺しかいない。

「じゃあ、教えてあげるね」
「っ……」

 大きくてざらついた手が、前の方へと動き出す。
 何をするかと思ったら、足の付け根に手を置いて、足を開こうとして来た。

 半ば反射的に抵抗すると、耳を軽く食まれて体の力が抜ける。今まで動き回っていたせいで体が熱を持っていて、少し冷えたブラックの唇は、あまりにも刺激が強かった。
 体の自由を奪われたままに俺の脚がゆっくりと開かれる。少し大股に広げさせられた足を、するすると手が這い回る。付け根から内腿、垂れ下がった布の奥の肌にまで、武骨な長い指が侵入してきた。

「っ、ぁ……!」
「大丈夫……触らないから……」

 そう言いつつ、ブラックは俺のモノや尻ではなく、その間の何もない場所である蟻の門渡りという部分を弱く指で触れた。
 尻に行くにつれて布の面積が狭くなっている下着では、指を防ぎきれない。直接触られたかのような感触を覚えて、俺は思わず体を震わせた。

「ひぁっ……!?」
「前も後ろも、この服じゃどう触っても刺激が強すぎちゃうからね……。ほら、足の付け根からこうやってなぞるの、ゾクゾクしない?」
「っ、ぁ……あ……ま、まって……これ、嫌……っ」

 確かに背筋がゾクゾクする。肌が泡立って思いきり鳥肌が立った。
 だけど、嫌とか言うんじゃない。ただ、もどかしくて、どうにもならなくなる。

「ふふ、良かった……ツカサ君は敏感だから、ここも好きだと思ってたよ。ほら、体が動くだろう?」
「ば、か……! こ、こんなのっ、踊りとかんけぇな……っ」
「関係あるよ? ツカサ君、鏡見てご覧。すっごく可愛い顔してるよ」
「や、だ……見たくないっ……!」

 ばっきゃろー! こんな事されて鏡を見てなんて言われて、素直にみられるか!
 エロ漫画じゃありがちすぎて辟易してんだよ、ってか何で俺がそのシーンを再現しなきゃなんねーんだ。俺は自分の痴態なんて見たくねーわい!!

 顔を逸らす俺に、ブラックはまた笑いを漏らしつつ再び片手で腰を掴む。

「ねえ、ツカサ君。僕とセックスする時のこと、覚えてる?」
「っ、はぁ……!?」
「その時にさあ、僕のがツカサ君の中に入って掻き回すだろう? その時の腰の動きを思い出して……」

 ……は?
 一瞬言われた事がなんだかわからなかったが、一気に脳が理解して俺は自分の肩に乗っている顔をなんとかして睨み付ける。

「なっ、あ、あんた……っ、なにを……」
「逆らわないって言ったよね?」
「う……」

 ちくしょうこいつ、とんでもねえ事を言いやがる……。
 でも、やらないと解放されないんだろうなあ。俺ってばどうしてあの時すんなり約束しちゃったんだろう。そうだよな、ダンスレッスンなんてオッサンが好きそうなシチュエーション、ブラックが見逃すはずないよな……。

 自分のアホさ加減に泣きそうになりながらも、俺は諦めて開いた足を屈めた。
 ブラックにガンガン突かれてる時の動き……いやでも、俺その時はマジでほとんど記憶が飛んでるんだよな……。ただ気持ちよくて、頭がぼーっとしてて。

 ……うん? 気持ちいい?
 俺ってばやっぱり、気持ちいいと思ってたわけ……?

「…………」

 いきなり死にたくなったが、もうこれは仕方ないだろう。
 ケツを掘られて折れない人間はいない。きっとそうだ。そうなんだ。
 だから、これは自然の摂理だ。
 決して俺が自分からケツファックを喜んでるんじゃないぞ。

 いや深く考えるのはよそう。自分をいじめてはだめだ。
 とにかく、俺はほとんど結合時の事を思い出せない。
 それでどう動けと。

「解らない? しょうがないなあ……あのね、僕はいつも……こうしてツカサ君の中を味わってるんだよ」

 俺が動かない事に業を煮やしたのか、ブラックは俺の体を引き寄せ密着させる。尻の谷間に硬い物が当たって体が硬直したが、ブラックは構わずにそれを押し付けて来た。そうして、また俺の腰を良いように動かし始める。

「突き上げて……こうして、掻き回して……ね?」

 布の奥の所を片手で弄びながら、ブラックは俺の腰をぐいぐいと動かした。
 前に突き出して、そうして、足では無く腰を回して時折ぐっと上に押し上げる。

 その度にブラックの股間の熱が尻に強く食い込んできて、俺は歯を喰いしばって顔を歪めた。まるでこれから挿入されるような気がして、たまらなかったのだ。

「ツカサ君も思い出してきた? 前が大変なことになってるよ」
「っえ……!?」

 慌てて下を見て、俺は自分の節操のなさに更に顔の熱を上昇させてしまった。
 ただ股間を撫でられて、後ろからぐりぐりとされているだけなのに、俺の堪え性の無い分身はもう軽く膨らんでいる。いくら思春期だからと言おうが、これはもう、擁護のしようも無かった。

「下着は簡単に洗えるけど……布に染みたら困るね。ズボン脱いじゃおうか」
「あ、ぁ……ま、待って……それじゃ、俺……」
「恥ずかしければ恥ずかしい程、忘れないでしょ? さ、ツカサ君のいやらしい所全部見せちゃおうよ……」

 はぁはぁと荒い息を吐きながら、ブラックは腰の金具を外す。すると、ズボンも布も最早腰にわだかまっては居られなくて、すとんと下に落ちてしまった。
 冷たい空気が、一気に足にまとわりつく。

「ほらほら、ここ。僕が後ろから突き上げただけでもう濡れてるよ」

 そう言って、ブラックが下着の一番膨らんだ場所を指でツンツンとつつく。
 唐突で強い快楽は、俺の理性を大いに削るには十分だった。

「っあぁあ! や、やだっ、触んないで、ぇ」
「ツカサ君……僕とセックスする度に敏感になって行ってないかい? こうやってなぞるだけで、女の子みたいにシミをどんどん広げて行ってる」

 広い指の腹が、窮屈な布の中の俺のものをなぞる。
 その途中で弱い部分を強く擦っていくものだから、俺は反応せずにはいられない。気付けば先走りも小さな布をしとどに濡らしていて、俺の分身はいまにもはみ出してしまいそうなほどに膨らみ切っていた。

 ああ、こんな、もう……嫌だ……恥ずかしくて、たまらない……。

「いいね。ツカサ君……凄くいやらしくて可愛いよ……ほら、腰もこんなに動いて…………見てご覧、今とっても可愛い顔してるよ」
「え……」

 顎を囚われて、顔を固定される。
 ぼやけかけた頭でふっと前方を見ると、鏡に映った自分が見えた。

「ツカサ君、こういう顔を他の奴にしちゃだめだよ」
「っあ……」

 鏡に映るのは、目を逸らしたくなるほどの自分の姿。
 顔を真っ赤にして目を涙でとろんと潤ませて、辛そうに眉を顰めている。
 だけど、口は誘うように開いていて、なにより……女物の小さな下着を濡らして体を震わせている様は、どうしようもなく情けなくて、いやらしい姿としか言いようがなかった。

 これが、今の俺。
 ブラックにいつも見せてる、俺の姿なのか。

「ね……? 可愛くて……すぐ犯したくなっちゃうでしょ」

 耳元を熱い息でねぶられて、俺は目を細めた。
 じわじわと体の芯をなぶる熱が体を痙攣させていく。無意識に内股になる俺を背後で笑いながら、ブラックは首筋に舌を這わせた。

 舌を出して、こんな変態な格好をしている俺の首をちろちろと舐めている。
 それに一々反応してひくひくと体を動かす俺の姿は、あまりにも直視しがたい。
 だけど、そう思えば思う程、股間のシミは酷くなって行って。

「そう言えば……正気のままでやったことって、まだなかったよね?」
「ぅ、え……」
「この際だから、腰の動き……覚えて貰おうかな」

 そう言いながら、ブラックは後ろから手を回して、ぐっと俺を強くとらえる。
 逃がさないようにしながら、何をするかと思えば……何かを外す音がして、次に、俺の尻の谷間に熱くて硬い物がぐっと割り入って来た。
 あ、あ……これ、って。

「大丈夫……今日は直接塗ってるから……」

 はぁはぁと荒い息で、尻の谷間をブラックの太すぎる一物が移動する。
 そうして、目的の場所を探し当てると、俺の体を少し持ち上げてぐりっと先端で弄って来た。久しぶりの感覚に、俺は思わず声を上げる。

 ブラックはその情けない高い声に余計に興奮したのか、再び俺の腰をしっかりと掴んで、しとどに濡れたそれを受け入れさせるために、俺の腰を回した。
 鏡の中の俺が、内股で震えている。
 興奮しきった自身はもう下着からこぼれていて、はしたなく汁を垂らしていた。

 見たくない。こんなの、普通じゃない。
 そうは思うけど、でも、何故か目が離せなかった。

「視られたら、興奮する……?」
「ちが、ぁ……あぁあ……」
「ふふっ……まあ、そういう事にしておこうか……。力抜いてね、ツカサ君」
「っ……! あ゛っ、ぅ、あ、あぁあ゛……!!」

 ぐっと腰を落とされ、何度となくブラックの強直を飲み込んできた場所に、再びそれが押し入ってくる。覚悟はしていたはずなのに、それでも、大きくて体を圧迫するソレに慣れる事など出来ず、俺はひっひっと不格好な息を漏らす。

 だけど、体は最早意思を裏切って、その力強い存在を受け入れ始める。
 俺の驚きとは別の所で、体の内部が歓喜するように痺れて、じわじわとブラックの物を中へと誘い始めた。その動きに従って突き進む熱に擦りあげられ、俺は涙を流す。そうなってしまっては、もう、どうしようもなかった。

 鏡の中の俺が、背後のブラックに手を回して縋ろうとしている。
 体は相手の腕の中で縛られて、つま先立ちになって逃げる事も出来ない。
 ぐちゅ、ぐちゅ、と音がするたびに俺のモノから先走りが床に垂れて、その様子があまりにもいやらしくて俺は涙を流した。

「動くよ……っ」
「っあ、ぅああぁ……っ」

 二三度腰を上下に揺さぶられ、俺は身悶える。
 だが、それだけでは許されずに、腰を何度も回される。その度に内部の猛った物がまんべんなく体内を擦りまわして、俺は悲鳴を上げるように何度も口を開いた。

 突き上げられ、回されて、内部から俺の涎を垂らしたモノを刺激するように先端がぐりぐりと前立腺を押してくる。
 そんな事をされると、もう、意地も張っていられない。

「ひぁあっ、あっ、あ゛……ぅ、あ、あああぁ……!」
「人に……っ、いやらしいと思わせる、腰の動きはね……相手を挑発して……その相手のモノを銜え込む時の腰の動きが一番興奮するんだよ……ッ」

 覚えておくといい。
 そう言って、ブラックは放っておかれていた俺の自身をぐっと握り込んだ。

「っあぁああ! あっ、あぁあっ、も、もぉ……や、っ、うぁ、やぁあ……っ」
「さあ、もうこれで……いやらしい腰の動きは出来るようになったよね?」

 ばか。ばかばかばかこのクソ中年。
 出来るようになったかなじゃねーよ、こんな変態な事しやがって。
 これじゃ、踊りを踊る時に、アンタとえっちしたこと絶対思い出すじゃねーか。そんなの悪夢だろ、まだこの部屋使うんだぞ。明日から来づらくなるじゃねえか。

 何考えてるんだ。この変態。ド変態……!!

「だぇっ、も、もぉだ、めぇっ……! ブラッ、ク、もっ、ぁ……お、れ……!」
「鏡の方を向いて、しっかり見ておくんだよ……ッ!」

 ぼやけた頭のせいで、俺は素直に鏡の方を向く。
 その瞬間。

「っあ……ぁあああ……――――ッ!!」

 達する前に見た自分の姿は、とんでもない姿だった。
 あんな姿、誰にも見せられない。
 ……だけど、それに落ちこむ事も出来ず、俺はただ射精の快感に酔う事しか出来なかった。











 
※後で修正するかも…時間キツキツの状態で更新したせいだ
 すんません(;^ω^)
 
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