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王都シミラル、貴族の陰謀と旅立ち編
13.ヤンデレのおっさんは面倒くさい※
しおりを挟む※全部一話に詰めたので長く、その上ブラックがかなり気持ち悪いかもです…
すんません(;´・ω・`)
「ど、どうしてって……あんたこそどうしてヒルダさんと一緒にいるんだよ」
そう、そうだよ。本当にブラックなら、どうして貴族と一緒にいるんだ?
俺はロクが後を追って来てくれると思って、ブラックにロクを託した。もし本当にブラックだったら、ロクを連れてるはず。ヒルダさんと一緒にいる理由もない。
だけど、そんな俺の予想は相手が仮面を取った事で容易く裏切られた。
「答えられないの? 質問には質問で返しちゃいけないって、君のお婆さんは教えてくれなかったのかな」
抑揚のない低い声をぶつぶつと呟きながら、白い仮面をゆっくりと剥ぐ。
仮面に上げられていた前髪が落ち、ゆっくりと顔を上げた相手は……やっぱり、ブラックだった。でも、目の前の相手には無精髭もない。いつもみたいにヘラヘラもしていない。
俺がいつも見ていた姿とはまるで違う、どこかの伯爵みたいな綺麗な姿。
だけど、今のブラックは――――何故だか、とても怖くて。
「だって、その、アイツ今、命を狙われてて……っ」
「ああ、暗殺されかけてるんだよね……。知ってるよ。全部わかってる。ラスター・オレオールが勇者になるのを阻止するために暗殺が度々行われているんだって、僕も聞いたから」
知ってたのかよ。っていうかどこから聞いてきた?
もしかしてヒルダさんから聞いたのか。
聞いてて、ヒルダさんの所に潜り込んだってのか?
「知ってるなら、じゃあ……!」
止めさせろ、と、俺が言おうとしたら、顔のすぐ横の壁をバンと叩かれた。
息を呑んで縮み上がる俺に、ブラックは冷たい目をして顔を近付けてくる。
「だけど、だからってあんなに仲良くする必要はないよね。どうして隣にいたの? どうしてあいつの前で照れたりしたの? どうしてあいつのために一生懸命になるの。君は僕と旅に出るんだろう、どうしたの、どうしてあんな貴族なんかの隣で笑ってるの、もしかして好きになったの、あいつのこと、好きになったの?」
「は……? ち、ちが……」
「違わなくないよね。違わないよ。だってツカサ君あいつのために必死に周囲を見回してたじゃない。ラスターを心配したじゃない。ラスターの為になんだってやってたじゃないか。好きなの、ねえ好きなの。僕の気持ちも知らないで君はこの屋敷であんな男を好きに」
「違うっ、違うって! なんだよっ、あんた何言ってんだよ!」
訳解んない。なに、どうしたんだよ。
こんな鼻が引っ付くまで顔近付けて目をかっぴらいて、何言ってんだよこのオッサン。そんな事でラスターを好きになったと思うなんて、どう考えても情緒育ってなさすぎだろ。何でそんなこと思うんだよ。人の気も知らないで、なんでこんな勝手な事ばっかり……!
「ねえ抱かれたの、あいつに何回抱かれた? 君の体は抱き心地もいいし面白いくらい反応してくれるからあの男も面白がって何回も抱いたんだろう? 何度も何度も何度も抱いたんだろう? そうだよね、その時間はあったものね、僕はたった一度しか抱いてないのに、君のここに、一度しか」
「ヒッ……!」
いつの間にか伸びていたブラックの手が、俺の尻を鷲掴んだ。
思わず抵抗しようとしたけど、壁に押し付けられたままで動けない。目の前にはブラックの顔しか見えなくて、どこで何をされているのかも俺には判断が付かなかった。どこだ、どこなんだよここ。何でブラックは俺にこんなことしてるんだ。
混乱してきた頭を必死で働かせようとしてるのに、相手は俺に何か構いやしない。目の前にいるのに、まるで俺の事なんて見ていなかった。
「ねえ、うまく隠したと思ってる? 隠れてないよ……そのキスの痕」
「えっ……」
言われた途端、上着が剥がされた。
何が起こってるのか理解できない俺に構わず、ブラックはギラギラとした目をその部分へ向ける。ラスターがキスした、俺の首筋に。
「ほら、ほらごらんよ! ここに痕があるじゃないか! やっぱり寝たんだ、あの若造と寝たんだ!!」
「違っ、ちがう、寝てない! なんだよお前っ、さっきから何なんだよ!?」
「僕がこんなに、こんなに好きなのに、こんなに好きなのにこんなに好きなのにこんなに必死に探したのに君は……っ、駄目だよ逃がさない、絶対に……絶対に…………ッ!!」
上着が引きずりおろされて、中に着ていたシャツを手で思い切り引き裂かれる。目の前でボタンが跳んだのが見えたが、まるで現実感がなかった。
……俺は今、何をされてるんだ?
まだ頭が付いて行かなくて、目の前に変なブラックがいる事しか解らなくて、俺はただ怖くなって震えているしかなかった。
「お、おっさ……」
「ツカサ……君は僕の物だ……」
耳元で名前を呼ばれて、全身が総毛立つ。
そのまま、耳朶を強く噛まれた。
「っあ……!」
痛い。そう言おうとしたけど、そのまま唇が耳朶に伝って首筋まで降りてくる。そして、ある場所にまでやってくると、ブラックはそこに強く噛み付いた。
「痛ぁっ! やだっ、いたいって!」
「あいつの痕なんか全部消してやる……君は僕の物だ、僕だけの、僕だけの大事な人なんだ……!!」
訳の分からない事を言いながら、ブラックはさっき噛んだ場所――ラスターが痕を残した場所に、強く吸い付いた。ヒリヒリとした痛みを訴えていたそこを、唇と舌が濡らして刺激する。その感覚は、俺にとっては気味の悪いものでしかない。
刺激で体を震わせ、痛みに滲んだ涙をまき散らすと、ブラックは首に噛みついたまま息だけで笑った。まるで、俺が怯えるのが面白いと言っているかのように。
ムカつく、何考えてるんだこのクソオヤジ。
思いきり怒鳴って突き飛ばしてやりたかったのに、体は震えて動かない。俺の怒りの感情なんか知らないみたいに、俺の体はただブラックが触れる度に震える事しか出来なかった。
「どこを触られた……胸は触られたのか?」
「いたっ、ちょっ……」
「ここをこうして、指でされた? それともしゃぶられたのかい」
まだ立ち上がってもない乳首を強く指でつままれて、悲鳴を上げる暇もなくもう片方を口に含まれる。だけど、初めて触れられた時に感じたざりざりと肌を擦る感覚はなかった。ただ、ぬめる舌が乳首を立たせようとして刺激してくる。
ブラックに噛まれた場所がまだじんじんと痛くて、その痛みを促すように乳首を刺激されて、俺は訳が分からなくなってきて顔を両手で覆った。
なにこれ。なんだよ。なんなんだよ。
何度も何度も考えるけど、解らない。
ただ、ブラックに訳の解らない事を言われて、無理矢理服を剥かれて体を弄られている事しか解らなくて、それでもじわじわと刺激に侵されていく自分が怖くて、でも動く事も出来なくて……もう、どうしようもなかった。
嫌だ。こんなことされてるのに、体がおかしい。
ブラックの舌が、歯が、俺の乳首を弄るたびに体が勝手に熱くなっていく。二本の指で挟んで捏ねられると、痛いのに勝手に足が股間の熱に反応して内股になった。こんなこと、望んでないのに。
「ほら、乳首がもうこんなに元気になってる……これ、あの男にも見せたのかい」
「ば、か……っ! んな、こと……っ」
「へえ……? じゃあ、こっちはどうかな……触らせたの?」
意地悪な声でそう言って、ブラックは空いていた手を下へ降ろす。
そして、無遠慮に俺の股間にぐっと押し当てた。
「ひあぁっ!?」
「はは、もう半勃ちになってるじゃない。あいつにもこんな風になったの? ねえ、正直に言ってごらん。ほら」
服の上から指で陰嚢の部分を撫でられ、膨らみを掌でぐっと押し付けられる。
今まで人にそんな事なんてされた事なかったから、俺は思わず飛び上がらんばかりに体を震わせてしまった。だって、こんなの、ブラックだってやらなかったのに。なんで今になって。
「いぁっ、や……やだっ、そこ、やだぁっ……!」
「今、凄く驚いたよね? 初めて? ああ、そういえば僕……君のここをちゃんと愛撫してあげてなかったね……じゃあここは、触らせてないの?」
「もっ、っうぁ、も、おねがっ、やめ……」
「あの若造も、そのまま突っ込んだのかな。ツカサ君の体って本当においしいから……でもだめだよね、勢いに任せてそんなことしちゃ……」
自分の事を棚に上げていけしゃあしゃあと言うブラックに、俺は抗議の意味を込めて睨み付ける。けど、涙目になって熱くなった顔は大して動かない。
ブラックはそんな俺をうっとりとした顔で嬉しそうに見つめていたけど、すぐに視線を俺の股間へと下げる。散々揉まれたそこは、俺の感情とは裏腹に既に半勃ちの状態で膨れていた。
「少し揉まれただけで、もうこんなに感じちゃうんだ……」
「っ……ちが……だって、お前が……」
お前が触るからいけないんだろ。やわやわ揉まれて勃ち上がらないなんて、よっぽど精神力強いか不感症かのどっちかだ。化け物に揉まれたって上手けりゃ勃つんだ、俺が悪いんじゃない、ブラックが触るから。こいつが。
「ああ、また泣いた。可愛いね……その顔、あいつにも見せたの?」
「ばっばかっ、誰が泣いて……っ」
「自覚ないの? いけないなぁ……上も下もすぐに泣きだしちゃうようじゃ、この先いくら体が有っても足りないよ」
低くて熱のある声。
囁かれた訳でもないのにその声がやけに耳に残って、俺はまた顔を覆った。見たくない。ブラックの顔も、俺がどうなってるのかも見たくない。でも、見ようとしなかったら、ブラックの手や息遣いを強く感じるようになって辛くて。
何だよこれ、もう、嫌だ。
だけど、ブラックはやめてくれない。
「ねえ、ここどんな風に触られたの。こっちは?」
がくがくと震える俺の足から、ブラックはズボンと下着を引き抜く。
破かれたシャツ以外、俺にはもう、靴しか残っていない。
その段になってようやくここが狭い物置部屋だと気付いたけど、だからってどうしようもなかった。こんな状況じゃ、ブラックが怒って俺を壁に縫い付けてるまんまじゃ、逃げられない。
そんな俺の思いを読み取ったのか、それとも俺は無意識に怯える顔でもしていたのか、ブラックは俺を見つめて酷薄そうな笑みを浮かべた。
髭の剃り跡ひとつない綺麗に整った顔は、いつも見てるブラックよりもわずかに若く見える。どこかの貴族のような格好よさが有るけど、でも、俺にとってはこんなブラックなんてブラックじゃなかった。
怖い。いつも見てた顔なのに、まるで違う人みたいで。
「今から確かめてあげるね」
震える俺に楽しそうに言って、ブラックはゆっくりと屈む。
どこを見ようとしているのか解ってしまって、俺は閉じた足に力を込めた。
こんな恰好、女みたいだ。恥ずかしい。だけど、黙って見られるだけなんて耐えられない。思うたびに目から頬に涙が落ちて、やっぱり俺は泣いていたんだとようやく気付いた。
頬が熱い。涙が伝うたびに、自分の顔が真っ赤になってるんだと気付く。
きっと俺、今、ガキみたいな顔で泣いてるんだ。
なのにそんな俺をいじめるなんて、なんだよコイツ。本当、サイテー……。
「ほら、足を開いて」
ぱん、と腿を叩かれて、体がビクつく。
だけど頑なに足を閉じている俺に業を煮やしたのか、ブラックは強引に俺の足を開いた。わざと蟹股になるように開かれて、更に顔の熱が上がる。
閉じようと思っても、強く押さえつけられててどうしようもなかった。
何も言えない俺に、ブラックは面白そうに問いかけてくる。
「声も体も……ココも震えてるね。期待してるの?」
なにをだよ!! 馬鹿かお前は!
俺は、お前が怖いから……たぶん、きっと、怖いから、震えてる……だけで。
「こうされるのも初めてかな。昼間から人に隠れてこんな淫らな事してるなんて……貴族としてはそそる行為だと思ったんだけど」
「ば、か……!」
「恥ずかしい恰好させられて期待で震えてる君も、どうかと思うけどね」
「だっ……! だれがっ」
「だってほら、ここ」
そう言って、ブラックは勃ち上がりかけて震えている俺のモノを、ぺろりと舐め上げた。あまりの突拍子のなさと、そして初めてソコに感じたぬめる生暖かい感触に、悔しいけど俺は思い切り反応してしまった。
「ひぅっ」
「ほら、可愛い声が出た。軽く舐めたくらいでこんないやらしい声を出すんじゃあ、他の男になにかされても文句はいえないよね……」
再び昏くなっていくブラックの声に、また涙が溢れる。
だけど堪えようとすると乱暴に舌でなめ上げられて、俺は恥ずかしい恰好のままビクビクと悶えるしかなかった。
俺……ブラックの前で蟹股で足開いて、見せなくていいモン見せつけてる。ちゃんと触られてないのに、軽く舐められただけなのに、勝手に変な声が出るんだ。
体がおかしい。やだ、変だ。こんなの、絶対おかしいのに。
恥ずかしくて、死にそうなのに。
「ああ、もう元気になった……。こんなんじゃあ、ちゃんと弄ってあげたらすぐにイッちゃうんじゃないかな?」
「ふっ……ぅ……っ、ぅう……」
「ふふ、上も下も泣き通しだね……。とっても可愛いよ……ツカサ君……。でも、まだきちんと確認できてないんだ、我慢してね……」
涎を垂らして反り返る俺のモノを、ブラックは嬉しそうに見つめる。
だけどそれ以上何もしてくれなくて、俺は無意識に腰を揺らしてしまっていた。
してほしい、あの時みたいに大きな手で擦りあげて欲しいなんて……違う、思ってない。思ってないから。俺は辛いから出したいだけで、そんな、やらしいこと……。
「後ろ向いて、腰を突きだして……そう、良い子だね……」
低い優しい声が、背筋を撫でる。
それだけでまた体の中心が熱くなって、先走りを垂らして震えた。
解るのが嫌だ。声が優しくなってるからって、無意識に言うとおりにする自分にも腹が立つ。だけど、だからってどうすればいいんだよ。
逃げたらもっと酷い。今の状況は、ラスターに風呂場で迫られた時の比じゃないんだ。抵抗したら、きっと死ぬより酷い目に遭う。
ブラックは、俺が睨み付けても嬉しがる奴だ。嫌がっても興奮する奴なんだ。
だから、こいつが怒ってる時に、俺が逃げたりなんかしたら……――。
「久しぶりに見るなあ、ツカサ君の可愛いお尻」
「っぅ……く……」
「そうだね、恥ずかしいよね。期待して、こんなに色んな所から汁を零して、だけど君は恥ずかしくてたまらない……そして、そんな事実に、余計に興奮しちゃうんでしょう? 知ってるよ」
「ば、かぁ……」
「心が追いついてないんだ……可哀想だね、ツカサ君。……でも、僕も可哀想だ。そんないやらしい君の体を一々心配しなきゃならないんだから……」
するりと尻を撫でられる。だけど、男らしくて武骨な手は起伏が有って、滑らかにはいかない。さりさり移動すると細かな感覚の違いが如実に感じ取れて、思わず膝が曲がった。
「んっ、んぅ、う……ふぐっ、ぅ……」
「ねえツカサ君、知ってる? 回復薬ってね、便利な使い方が有るんだ」
「っぅ……ふ、ぇ……?」
唐突に、何言ってんだ?
鼻を鳴らして、俺はぎこちない仕草で後ろを振り返る。
壁に手をついて腰を曲げてる姿じゃキツかったけど、でも、ブラックは俺と目が合うと、それはそれは嬉しそうな顔でニィッと嗤った。
手には、俺が作った回復薬を持っている。
「勿体ないけど、こうして使うとね……」
封を破って、栓を抜く。
なにをするのかと見ていると、それを、俺の尻に垂らし始めた。
「なっ、ちょっと……! ひっ、ぁ……!」
僅かにとろみのついた液体が尻の谷間を伝って床に落ちる。
だけどどこかが光る事もなく、戸惑っている内に指が谷間に入り込んだ。
「っ、いっ」
「ナカも傷付きにくいし、血が出てもすぐに治るから……安心なんだ」
ぐり、と指を挿れられて、中に液体が入ってくる。
とろみが有るからか香油よりも存在を主張しながら流れ込んでくる薬に、俺は思い切り背を逸らした。けど、ブラックは片手で俺の肩を押さえつけて指を押し込んでくる。
「っあぁああっ!! ひぁあ゛っ、ああっ」
「光らないのが残念。ナカが充血してるか解らないものね」
指が内部を擦る。既にその感覚を忘れかけていた体は逆流する動きに慄き、苦しくて俺は思い切り悲鳴を上げた。
許してほしくてブラックを見るけど、でも、相手は冷たく笑うだけで。
「あまり大声を出すと、執事に聞こえるよ。ほら、足音が聞こえてこないかい」
「ぅえっ……」
いやだ、来てるのか?
こんな事してるの見られたら……その前に、怪しいって言ってた相手と一緒にいるのなんて見られたら、俺、ヤバいじゃんか……!
足音なんて聞こえなかったけど、慌てて口を押さえる。
ブラックはそんな俺に笑みを深めると、二本目の指を差し込んだ。
「んぅううっ!!」
「ねえ、ここ、ゆっくり探って貰った?」
「っう、ふぅ、っ、んぅうっ、うぐっ」
「ツカサ君は覚えてないかも知れないけど……ここにはね、信じられないくらい気持ちよくなれる部分があるんだ。……それこそ、前の刺激だけじゃもうイケなくなるくらいのね……」
知ってる。それ、知ってるよ。前立腺っていうんだよな。オナニーでやる人いるもんな。だけど俺にはそんな趣味は無い。
大体ヤローに掘られるなんて願い下げなんだ。
なのに、そんな場所開発されたら……。
「んっ、ぅあ、ぁああ……や、め……だめっぇ、触んっ、んんっな、で……!」
「そこ、今からいっぱい突いてあげるね。指だけじゃなくて、僕のモノでも……。僕のじゃないと、もう満足できないくらいに……」
「っあぁあ゛!」
ぐっと指を広げられたまま、引き抜かれる。
入り口から少し奥までだけをわざと弄り倒した指は離れ、広げられて濡れた穴が空気の冷たさを感じてほんの少し収縮した。
いやだ、どうなってんの俺の体。
なんでこんな、こんな事されて、萎えてないなんて……。
「う、そ……うそぉ……」
泣き声になってる情けない俺の呻きにすら、体は反応しない。
熱くて、変な感覚がして、奥まで入ってこなかった指がどうしてか強く記憶に残ってもどかしかった。開発なんてされたくないと思っているのに、なのに、バカになって来た頭はそればっかりで。
どうしても、腰が揺れて、たまらない。
「ココ、凄く物欲しそうだね……あの男にもこんな風にしたの」
「して、な……してないぃ……っ! うっ、ぐ……ぅえ……ぅ」
なんでこんな事言われなくちゃなんないんだ。
俺、泣いたのに。我慢しても、泣くらい嫌がったのに。
アンタの時だって泣かなかったのに、俺、泣くくらい嫌だったのに……!
「本当、君は泣き顔も可愛い……でも、やっぱり確かめてみなきゃね……。わざとちゃんと解さなかったから、慣れてないならきっと久しぶりで痛いと思うけど……我慢してね」
「や、だっ……っ……痛い、の、いやだ……ぁっ」
「痛くないなら、もっと痛くなるような事しちゃうかも知れないから……ね」
何をするかなんて聞きたくない。だけどもう、こいつはやる気なんだろう。
震える体で一生懸命振り返った相手は、いつの間にかズボンを寛げていて、赤黒く成長したそれを取り出している。どこもかしこも逞しくて凶器にしか見えないモノを、見せつけるように俺の尻に擦りつけた。
「さあ、挿れるよ」
まだ開いている俺の後孔に、先端がぐっと押し付けられる。
思わず息を呑もうとして、一足先に訪れた強い衝撃に俺は思い切り口を開けた。
「――――――ッ!!」
声が、出ない。
辛くて、苦しくて、圧迫されてる。痛みすら敵わない。脳が追いつかない。
痙攣する俺の体を熱くて太すぎるなにかが突き進んでいく。
逃げようと腰を引くけど、両手で押さえつけられていて腰は動かなかった。
「悲鳴、出さなかったね。えらいよ」
「っ……ァ…………あ゛っ……っか、はっ……」
「良かった……あの時と一緒だ……。君がもし誰かにこんなことされてたなら…………そいつのこと、ころしてたところだったよ」
抑揚のない、言葉。
一瞬息を止めた俺に、ブラックは遠慮なく根元まで熱い杭を突き刺した。
「ん゛ぅうううっ!!」
「はっ、ははっ……えらい、偉い……ちゃんと口も抑えて……っ……」
奥まで、入ってる。
熱くて大きい、ブラックのが。
あまりに広げられてるからきつくて、いっぱいいっぱいで、締め付けなくたってブラックのが脈打ってるのが分かる。必死に息を整えて慣れようとしたけど、何をどうすればいいのか解らない。脈打つのが分かるたび、深い所まで串刺しにされてるのが分かるたびに、俺はたまらなくて涙を流した。
「よかった……君はまだ僕の物だ……僕だけの……僕だけの……っ」
太腿に熱い肌が張り付いて来て、改めて自分の中を他人が犯していると言う事を思い知らされる。
その肌が離れ、ナカを引きずり出すかのように熱が動いたのを感じ、俺は顔を歪めて必死に自分の掌に齧りついた。だけど。
「ツカサ君……あのね、君の良い所……他の人より少し奥にあるんだよ……だからね……ッ……小さい奴じゃ、君は満足できないんだ……」
笑い混じりの辛そうな声で呟いて、ブラックは俺のナカにある奥まった場所に、思い切り先端を押し付けた。
「んん゛――ッ!? んっ、っうぁあっ、やっ、いぁっ、そこ押さな、で、だめっ、だめぇ!」
「しーっ、口抑えてないとダメだよ……あははっ……はっ、気持ちいいでしょ……今日は二人で一緒に気持ち良くなろうね……ッ」
他の奴とこんなことしても、満足出来なくなるように。
そう、耳元で囁かれて、俺はブラックに背後から抱きすくめられた。
後はもう、良く解らない。前立腺がどこにあるかを自覚させられてからは、もうそこをぐりぐりと先端の尖りで押されて擦られる感覚ばかりを感じて、俺は自分が何をしてるかもわからなくなっていた。
だって、なんだか変な気分で。
ずちゅずちゅと音を立てて勢いよく突き立てられる度に、何も考えられなくなって行って、口を押さえているかどうかすら自覚がない。
欲望を直接刺激されてるような感覚は凄まじくて、いつの間にか俺はがくがく震える足でなんとか踏ん張りながらも、浅ましく腰を揺らしていた。
気持ちいい。苦しい。辛い、だけど、もっと欲しい。
ブラックの吐息が肌を擽って、呻く声が耳を嬲って、俺の体を抱きとめる汗ばんだ手すら、触れただけでゾクゾクする。
だけど、またそそり立った俺のモノは放っておかれていて。
押し上げられるように突かれて悲鳴を押し殺す最中、俺はその辛さをどうにかしてほしくて、必死にブラックを振り返った。
もう涙で何が見えてるか解らない。顔が色んなもので濡れて、ぐしゃぐしゃで。
赤いうねった髪と綺麗な紫の瞳が辛うじて見える以外、もう、脳がちゃんと認識してくれなかった。
「んぅうっ、うぁっ、あ、あぁああ……! っ、う……さあっ、ぇ……おねがっ、ぶら……く、さわってぇ……っ!」
「っ、ハァ……ハッ……いい、よ……まだっ……クッ……なれて、ない……もんね……!」
嬉しそうな声がして、やっと、俺の勃ち上がったものに手が触れる。
ずっと待ち望んでいた、大きくてごつごつした、大人の手が。
「ふぁああっ……! ひあぁっ、や、あぁああっ、も、ぶらっく、もぉっ、おれ……っあぁあ!」
「つかさ……ッく……!」
ぐっと握られ、扱かれて、俺の体が震える。
その反射でナカを掻き回しているブラックのモノを締め付けると、ブラックは呻いた。そして、俺のナカで、熱い塊がぐっと高まったように脈打って。
ああ、これ。
「いっちゃっ、あっ、ぅあああ……!」
俺の中を勢いよく汚す飛沫の感触に、俺は頭が白くなった。
ブラックの熱い掌に閉じ込められた熱が、暴発する。
イッちゃったんだ、と自覚するまで、俺にはだいぶん時間が必要だった。
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