異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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廃荘ティブル、幸福と地獄の境界線編

 初めは優しくゆっくりと2※

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「ツカサ君、いつもみたいにしていい?」

 音を立てながら軽いキスを何度もしてくるブラックが、不意にそう言う。
 何度目かも判らない口への接触に声が途切れながら、俺は問い返した。

「んっ……いつもの、って……」
「それはぁ……ここにむしゃぶりついて……ここを通って……」

 ブラックの指が、ゆっくりと俺の胸へと落ちて、両方の乳首をつんつんと突く。その感触に口をギュッと占めた俺に、ブラックはへそきわの所に触れた。
 それだけで、腹の奥がきゅうっと収縮するような感覚がする。

 自分でも嫌になるぐらい、馬鹿正直な体だ。
 こんな事ぐらいで反応するなんてどうかしてる。けど、ブラックの言葉が次にどこを指すのか分かってしまっている俺は、内腿うちももに余計な力を入れてしまい無駄に股間を刺激する事ぐらいしか出来なかった。

「ん~? ツカサ君もしかして期待しちゃってる? 僕の指がツカサ君のおちんちんをツンツンするの、期待しちゃってるのかな?」
「っ……」

 そんなの、今更だ。けれどそう言われたら、本当に自分が期待していたみたいで、酷く恥ずかしくなってくる。閉じた足の間のモノが動いたような気がして、俺はたまらず足を摺り寄せてしまった。

「あは、応えられないってことは、期待してるって事だよねっ! んもぉ、ツカサ君たらイヤイヤ言うくせに、僕とのセックスが大好きなんだから困っちゃうよ」
「べっ、別に……」
「好きじゃない? 僕はツカサ君とのセックスが一番好きなんだけどなぁ~。素直に言えば、ツカサ君の可愛いおちんちんを目一杯弄って……」
「っ、ぁ……っ!」

 太腿の合わせ目を、指がなぞる。
 思わず声を出してしまった俺を見てニヤニヤしながら、ブラックは股間のすぐそばまで指を持って来て、軽く押し込んだり抜いたりを繰り返した。
 ぎりぎり俺のモノに触れない程度の距離で、しかし、敏感な内腿の間にしっかりと食い込んでくる。素っ裸で直接ブラックの指を感じていると、イヤでも股間にヤバい熱が集まるのを感じてしまって。

「たくさんしゃぶって、気持ち良くしてあげるんだけどなぁ……。そのあとに、ドロドロになったツカサ君のお尻の穴を、失神するまで僕のペニスで犯してあげる……。ねぇツカサ君、本当に……セックス、いや?」
「う……ぅう……う……」

 恥ずかしい。けど、このままじゃいけないのは解ってる。
 ブラックに協力するって言ったし、約束もあるし、これは……可能性を、探るための大事なことだし……。

「ツカサ君?」
「……いや、じゃ……ないから…………して……」

 頑張って、言葉を吐きだす。
 いつもながら、どうしようもなく自分で自分が恥ずかしい。

 こんなこと、俺が言ってもキモいだけだ。男ならビシッと言えばいいのに、そんな事すら出来ない自分が情けない。この醜態をブラックに見られていると思うと、恥ずかしくて我慢ならなくなる。

 だけど、ブラックはそんな俺を見て、嬉しそうに笑っていた。
 デレデレとして、まるきりスケベオヤジな顔だ。おおよそ、顔が整った大人の男がする表情じゃない。だけど、そんな事なんて気にせず、よだれでも垂らしそうなほどに口を緩ませて、ブラックは再び俺にキスをして来た。

「ツカサ君っ、んむ……そんな可愛い顔でそんな事言われたら、僕我慢出来なくなっちゃうよ……。すぐにでもペニスを突き入れて犯しちゃいそう……」
「んっ、ぅ……んん……っ」

 直球な感想を言いながら、ブラックは俺の口を何度もふさぐ。
 舌で唇を舐めたり、口の中を縦横無尽に動き回って、俺の正気を奪うように水音を立てながら責め立てた。

 たかがキスなのに、ブラックに舌を吸われるとどうしても頭がぼやける。いつまで経っても慣れないのが恥ずかしくて、無意識にシーツを握ってしまうが、それすらも相手には見られていたのか鼻息で笑われてしまった。
 悔しいけど、今は罵倒の言葉すら出てこない。
 それどころか角度を変える度に唾液だえきが口の端から漏れて……やっと解放される頃には、互いの口を唾液の橋が繋ぐほどとろかされてしまっていた。

「はぁっ……は……はぁ……っ」
「はっ……ははっ……ツカサ君、顔真っ赤で目がうるんでて、可愛い……っ! こうやってベッドで長いキスをするのも、久しぶりだよねぇ……」

 そういえば、そうだ。
 ベッドで行う事は何もかも久しぶりだな。

 本当なら、あの時……ディルムでこの胸に下がる指輪を貰った後に、ブラックとベッドでこうするはずだったんだよな。
 だけど、あの後すぐに色々あって、クロッコ達に強襲されて……ブラックは左腕を失い、俺は……今見ても本当に見るに堪えない体になってしまった。

 ……別に、火傷の痕が体のいたるところに広がっていたって、悲しくは無い。
 俺がこうなることを望んだんだから、傷だらけになったのは仕方のない事だ。
 けれども、本当ならもっと綺麗な体でベッドの上に居たんだろうなと思うと……
 なんだか酷く、悲しかった。

「どしたのツカサ君」
「あ……いや……なんでもない……」

 ブラックは気にしていないと言ってくれたけど、でも、俺自身が俺の価値の低下を許せない。ブラックがいくら「これで良い」と言ってくれても……ブラックが好きだと言ってくれた物を俺が消し去ってしまったんだと思うとくやしくて、自分自身に怒りが湧いて来て、どうしようもないいきどおりで胸がいっぱいになった。

 ……だって、普通なら、ブラックみたいに言ってくれる奴なんていないんだ。
 メス扱いで変な褒め方をされるけど、でも、ブラックは今のままの俺を好きだって言ってくれる。筋肉も無くて背も足りない格好悪い俺を、肯定してくれたんだ。
 なのに、触り心地が悪いところを、沢山作ってしまった。

 今更それを思い出して、俺は何だか泣きたくなる。改めて裸の自分を見下ろすと、みじめ以外の何物でも無くて……酷く憂鬱になってしまった。

 これが戦ってできた傷なら、俺だってほこれただろう。
 けれどこれは、俺が力不足だったから出来てしまった傷だ。正々堂々戦ってできた傷じゃない。誇れもしない物が一生残るなんてと、俺の男としてのプライドがこの傷を許してくれなかったのだ。

「なんだかよく判らないけど……悲しい顔しないでツカサ君。僕が今からたくさん愛してあげるから……」
「あっ……」

 気付いているのか居ないのか、ブラックは落ちこんだ俺を励ますかのように、低く響く声で優しく呟く。だけど指はもう胸元に触れていて、軽く乳首を触っていた。
 思わず肌を緊張させると、相手は笑って体をずらす。
 そうして、これ見よがしに口を開いて舌で乳首の先端を舐めようとして――

「…………あえ? ツカサ君、なんか火傷の痕薄くなってない?」
「え?」

 そんなバカな。そう思って軽く上半身を起こし、左腕や体の火傷を確かめる。
 と……確かに先程まで酷い有様だった体の傷痕が、薄くなっている気がした。
 見るも無残な状態だった左腕ですら、痕が薄まって……いや、これ、どういう事?

「……今更、黒曜の使者の能力が発動したのか……?」

 嬉しいけど……なんで今、回復が始まったんだろう。
 よく解らなくて首を傾げる俺に、ブラックもフムと声を漏らしてじっと薄くなっていく火傷の痕をながめていた。

「もしかしたら……あのクソガキの意志が薄まったから……かなあ」
「意志って……どういうこと?」
「ああいや、曜術って基本的に“意志”に左右されるだろう? 相手を害したいと思うから、攻撃力が生まれる訳で。……だから、その『お前を殺す』という意思が強ければ強いほど、負う傷だって深くなるし呪いのように痕が残ったりもするんだ。まあ、大抵の怪我は回復薬で治っちゃうけどね。でも、今回の相手はグリモアだ」
「つまり……グリモアの力で倍化された感情が乗っていたから、俺の火傷はなかなか治らなかったって事なの?」

 まとめると、ブラックは満足げに頷いてくれた。
 良かった、正解だったか。

「それもあるし、そもそも黒曜の使者はグリモアの攻撃をモロに喰らうからね。あの小僧の強烈な【嫉妬】の念が呪いのようになって、ツカサ君の体に影響を与えてたんだろう。……けど、今のアイツは『ツカサ君を攻撃する』という意志が無くなった。だから、念も薄まって治り始めたんじゃないかな」
「なるほど……。ていうか怖いな曜術! 殺す意志が強くて深いほど、相手が深手を負うとかヤバすぎるんだけど……」

 【嫉妬】なのか執着だったのか俺は判断が付かないが、激しくて執念深い感情が有って、それが持続し続ければ相手に深い傷を残す事が出来るなんて……物凄い世界だ。いや、曜術はイメージで発生する魔法なんだから、傷の度合いが感情で左右されたって何もおかしくは無いんだけどさ。
 でも、本当不思議だよなあ……傷の深さですら一定じゃないなんて。

「まあ、何だかんだ意志が物を言うからねえ。……でも、こんな風に回復薬も効果が無いっぽい傷は滅多にあるもんじゃないから安心していいよ。それより、ツカサ君の体が元に戻って良かったぁ~! これで気兼ねなくセックス出来るね!!」
「んんっ!?」

 また変な所に会話が着地した、と思ったら、ブラックは俺を押し倒して再び乳首に顔を近付けていた。その素早さに面食らった俺は、なす術もなく大きな口にパクッと食まれる乳首を見ているしかなかった。

「んふっ、ふ、ツカサ君の乳首……柔らかくておいひぃ~」
「っ、や……ばかっ、んなことっ言うな……!」

 吸い付きながら舌で転がされて、勃起するのを促される。
 その間に指はもう片方をくすぐって更に俺を追いたてた。それだけでもつらいってのに、ブラックは時折指を離して、へその方まで弄ってきやがる。

 穴の形を確かめるようにくるくると指を動かし時折指で抜き差しされると、苦しさと刺激で体が動いてしまう。乳首を吸われるだけでも俺にとってはキツいのに、臍を更に刺激されると、最早どうしようもなかった。

「や、だ、やっ、あ、あぁ……ぅ、あ゛、あ……!」
「あは……ツカサ君の乳首立って来たねっ。もうそろそろこっちも良いかな~?」
「うぁあ゛っ!? やっ、ぃ、いまっ、だめ……!」

 今まで臍を探っていた指が、一気に太腿ふとももの間に入って俺の分身を握る。
 節操のない乳首と違って半勃ちだったソレは、ブラックに乳首を吸われながら指で軽く扱かれただけで、簡単に立ち上がってしまって……っておい! バカ、俺の息子の馬鹿野郎っ、なんでこういう時にお前は待ちの姿勢も取れないんだよっ!!

「ん~、一回軽くイッちゃおっか。今日は潤滑液も無いしね」

 ブラックが乳首を口に含んだまま、もごもごと口を動かす。
 そのたびにヒゲが肌に触ってチクチクと刺激し、ブラックの手が俺を追い立てる。
 いつもと違って上下に擦られているだけなのに、今の俺ときたらその簡単な刺激にすら上擦った情けない声を上げてしまって。

「ひあぁっ!? らぇっ、やっ、やらっあっあぁあっやあぁ、あっあぁあああ……!!」

 気が付けば、ブラックの言う通りに射精してしまっていた……。

 …………ああ、あぁあ、情けない……。

「は~、本当ツカサ君の精液って慎ましい量だねえ。ちっちゃな子供おちんちんでも一生懸命頑張ってるのにねぇ」
「う、うぅ……っ。ば、かぁ……っ」

 馬鹿、馬鹿馬鹿、そんなこと言うなよ。バカにしてんのかお前は。
 せっかく俺だって頑張って普通にえっちしようって思ってんのに、どうしてお前は常に俺を辱めようとするんだよ。何なんだ、性癖か、お前の性癖なのかこれは。

 恋人同士って言うんなら、その、もうちょっとだな……!

「んふふ……本当ツカサ君の『ばか』って可愛い……。あぁ……久しぶりのベッドの上でのセックスだから、僕もう興奮しちゃってたまんないよ……! ねえ、ツカサ君。もう良いよね、大丈夫だよね?」

 俺が何か言う前に、ブラックは片手で軽々と俺の体を持ち上げ折り曲げる。
 そうすると、恥ずかしい場所がブラックに丸見えになって……う、ちょっ、ちょっと、この格好を明るい時間からやるのはちょっと……!

「ブラック、これヤだ……っ!」
「でも、セックスはこれが正常位だよ? ツカサ君のお尻もおちんちんも見えるのが、普通の体位なんだ。嫌がってちゃあ普通の恋人セックス出来ないよ?」
「う、うぅう……」

 だけど、その、腹の上からすくい取られた精液を、尻に塗りたくられる様を見るのは……なんかこう……い、居たたまれない。
 ああぁ、だ、唾液足さないで、っていうか見せつけるように上から唾液垂らすな!
 アホかお前は、なんでそんな風に一々俺をあおるんだよ、いい加減にしろ!!

「ブラック、それ、やめ……っ」
「え? もういい? じゃあ指挿れちゃうねっ」
「うあ゛ぁあッ!! やっ、あ゛っあぐっぅ、うぅう……!!」

 指一本だけなのに、妙に辛い。
 腹の奥が探られる感覚も久しぶりのような感じがして、奥に入れ込まれると異物感が強まり、俺は指を締め付けずにはいられなかった。

「んん~、ツカサ君のお尻、また処女に戻っちゃってるなぁ。やっぱり毎日抱いて、僕好みに調教し続けるしかないのかな。ツカサ君だって、指がすんなり入って気持ち良くなれるほうが良いよね?」
「ひっぐっ、ぅ、あ゛ッあぁあっ、あ、う゛……うぅ、う゛……ッ」
「曜気も貰うんだから、これから毎日調教しなきゃなぁ」

 二本目が入って、それだけでも穴が広がる感覚にひきつるのに、すぐさま三本目を入れられて、中を滅茶苦茶に掻き混ぜられる。
 シーツを強く握り締めて耐えるけど、気まぐれに前立腺の部分を触られてしまうと体は簡単に反応してしまって……気が付けば俺は、はしたない声を出しながら萎えていたはずのモノを元気に勃ち上がらせてしまっていた。

 これは、生理現象だ。男だったら仕方がない事なんだ。
 そうは思っても、こんな屈辱的な格好で股を開いて、自分のナカに指が入って行く所を見せつけられているなんて、とてもじゃないが我慢出来なかった。
 だけど、これが正しい恋人同士のえっちだとブラックに言われると、どうしようも無い。女なら、こんな風に全てが見えるようにして体を曲げなくたって良いんだろうに、残念ながら男である俺はこうするしかない。

 穴を三本の指で広げられて、息を吹きかけられニヤニヤ笑われても、その様を見せつけられるしかないのだ。
 その事がどうしようもなく恥ずかしくて、頭をぼうっとさせて、もう、何もかもがナカを探られる感覚で塗り潰されていって……。

「ツカサ君……もう、良いよね? コレ、挿れて良いよね……っ」

 はぁはぁと荒い息を吐きながら、大きくて赤黒いペニスを見せつけて来るブラックに、俺は拒否の言葉すらも言えなくなってしまっていた。

「っ……ぁ……」
「挿れるよ……っ、あぁっ、もう、我慢できない……っ!」

 軽く開いたソコに、ブラックのモノの先端が押し当てられる。
 次にどうなるか。解ってしまっていた俺は、思わず体を緊張させたが――力強く体内に侵入してくる太くて大きなソレには、勝てなかった。

「っ――――!! ッ、あ゛ッあぁっ……ぐっ、ぅ、うぅう゛、うう゛…………ッ!!」
「はっ、あ……あ、う゛……ッ! つ、かさ、君……ッ、すっ、ご……キツいッ……もうちょい、緩めて……!」

 あまりの圧迫感と異物感に、体が痙攣して固まる。
 声も出せず口を開いたままる俺に、ブラックも苦しそうな声をかけた。
 だけど、力が抜けない。ひっひっと情けない息を漏らした俺を見かねてか、相手は俺の少し萎えたおちんちんと掴み、軽くしごいた。
 途端、腰がびくんと動き、甘い感覚が痛みを凌駕りょうがして一気に襲ってくる。その隙に、ブラックは一気にナカへ己を突っ込んできやがった。

「あ゛ッ、が……!!」
「はぁっ、はっはぁあ……ッ。つ、ツカサ君のナカ……本当、キツキツで柔らかくて熱くて、最高だよぉ……っ! もう一日中、ツカサ君のナカにいたい……」
「ぅ……あ゛……あ、ぅ……」
「でも、今日は普通の恋人セックスだもんね……食事もまだだし、最初は軽く一発で済ませようね……!」
「――――っ!?」

 軽く引き抜かれた、と、思った瞬間、勢いよく貫かれて体が浮き上がる。
 あまりのことにのどさらしてしまったが、ブラックは俺に構わずに何度も何度もナカを大きなペニスで犯した。

「あっ、あぁっ、はぁっ、はっ……! つ、ツカサ君っ……ツカサ君、ツカサくん、つかさくんん……っ!」
「ひぐっぅっうあ゛ぁっ、あぅうっ、ぅ、あっ、や、あっあぁあっあぁああ……!」

 お腹が、苦しい。苦しいけどじんじんして、いい所に当たる度に放置されたおちんちんまで気持ち良くなって仕方がない。
 隙間なく埋め込まれたと思ったらすぐに引き抜かれて、また穿たれる。
 その全てに体が反応してしまって、もう、声が出てるんだか出てないんだか分からなくなって。知っているはずの感覚なのに、翻弄されてどうにも出来なかった。

「ツカサ君、つかさくっ……ぅっ、あぁあっ……! い、良いよっ、もっ、ぼ、僕いっちゃう……!」

 ブラックに覆い被さられて、深く貫かれる。
 もう、そうなると俺も……――――

「ッ…………――――!」

 頭の芯まで痺れる感覚に、目の前が真っ白になってしまった。













 


※描写プレイともにわりと軽めですが、
 たくさんセクハラするのでむしろ本番はこれからなので最初はライトに
 
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