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最果村ベルカシェット、永遠の絆を紡ぐ物編
28.歓喜※
しおりを挟む(ツカサ君……もしかして、元に戻ったの……?)
そう考えて思わず喜びそうになったブラックだったが、しかし楽観視はできない。“支配”の力がどれほどの物で、どこまでツカサを縛っているのか分からないからだ。
ここで手放したら、隙を突かれて逃げてしまうかも知れない。ツカサが本当に元に戻ったと確信が得られるまでは、このまま合体して居よう。そう決めて、ブラックはツカサに呼びかけながら腰を小刻みに動かした。
「ツカサ君っ、思い出したのツカサ君っ」
「ぅあぁっ!? ひあっやっあ゛っ、らにっ、こぇっ、えっぅ、やっ、やぁあっ!?」
何が起こっているのか解らないのか、ツカサは目を見開いて背を反らしている。
ペニスを出し入れする度にぶちゅぶちゅと淫らな音が漏れるほどに精液を出され、ナカを慣らされてしまったからか、ツカサは堪えようと頑張っているのに可愛く高い声を上げて喉を震わせていた。
だが、その声は先程と明らかに違う。
今小屋の中に響いているツカサの喘ぎ声は、ブラックがベッドの上で何度も聞いていた、甘くとろけるような嬌声だった。
「らっ、ぇっ、やぇえっ、ぶらっ、ぅ、もっ、とめっぇっ、ぅ、ぅうう゛~……っ!」
ブラックの硬く張り詰めたペニスが余す所なくナカを擦り上げるせいで、ツカサは話したくても話せない。それが嫌なのか、ツカサはぐずるように呻いて布をぎゅっと掴み、顔を布に押し付けた。
「あはっ、はっ、はぁあ……っ、ま、待ってて、ツカサ君っ……もっ、すぐ、すぐに射精するから……っ」
「ぅう゛ぅう゛……っ!」
腰を掴んで好き勝手に揺らしているせいか、布に押し付けられているツカサの幼いおちんちんも爆発寸前なようだ。震える尻を眺めながら、ブラックはツカサの熟れた穴を限界まで広げるようにペニスを突きいれた。
「ツカサ君っ、うっ、ふぁ……ツカサ君出るよぉ…っ!」
「い゛ぅうう゛っ、ぁ゛ッ、あぁあ゛ぁ゛あ゛……!!」
喉を限界まで開いて、声を上げる。それと同時にツカサの腰が震え居心地のいい肉穴が強く締め付けて来て、ブラックは幾度目かの射精感に酔いしれた。
(はぁあ……! あっ……あぁ~……やっぱりツカサ君のナカは最高だよぉ……)
最近まで全くセックスをしていなかったお蔭で、ツカサの穴はまた処女穴に戻っている。それに加えて、このいやらしい体は長期間誰にも触れられていなかったのだ。故に、ツカサの体はブラックとの性交を覚えていても初々しく戸惑ってしまい、これほどまでに刺激の強い締め付けを披露してくれたのだろう。
まったく、ツカサはどこもかしこも自分好みに出来ている。
「はぁっ、はっ……はぁ……はぁ、ぁ……っ」
精液が体内に吐き出された事で達したのか、ツカサは細かく震えてひくひくと腰を動かしている。見れば、股間を押し付けた布の部分はしとどに濡れており、久しぶりの快楽に肌は汗ばんで背筋からは汗の玉が流れ落ちて行った。
(あは……ツカサ君の背中、やらしいなぁ……)
思わず舐めたい衝動に駆られたが、繋がったままで自分よりも小さな体を舐め回すのは少し辛い。ペニスを抜くべきか汗を舐めるのを諦めるべきかと考えていると、やっと息が整って来たのか、ツカサの首がこちらを振り向こうと布の上を動いた。
だが、疲れて首が回らないようだ。
「あっ、こっち見たいの? 仕方ないなぁツカサ君は」
「は……はへ……?」
「こうしたら見えるよねっ」
そう言いながら、ブラックは弛緩するツカサの肩を掴んで――そのまま引き上げ、今度は自分が藁の上に掛けられた布にどんと座り込んだ。
ツカサを自分の胡坐の上に座らせて、ペニスで串刺しをするかのように。
「うあ゛ぁああっ!?」
ぶちゅぶちゅとまた淫猥な水音がして、より深く繋がった事に驚いたのか、今まで力が入っていなかったツカサの体が一気に硬直し、再びブラックのペニスを締め付けてくる。その内壁の蠢く感覚の素晴らしさと言ったら、あまりにも良過ぎて再び勃起してしまいそうだった。
「あぁあ……ツカサ君だめだよぉ……! そんなに締め付けてこしょこしょされたら、僕のペニスがまた硬くなっちゃう……っ」
「ひっ、ぃ゛っ……いっ、ぁ、あ゛ぁっ、あ゛……ッ!!」
とても心地良くて実際また軽く勃起してしまったが、これではらちが明かない。
仕方なくブラックは動くのを止め、ツカサの体を自分の体に寄り掛からせると、彼が快楽に慣れるまで辛抱強く待つ事にした。
「落ち着いて……ほら、僕も動かさないから……」
「あ゛……ぅ……ぅ、あ……あっ……は……はぁっ……はぁ……」
内部が圧迫されて苦しいのだろうが、人と言うのは苦しさにもいずれ慣れてしまう素晴らしい生き物だ。当然ツカサもその例にもれず、こんな体位ではあるが、徐々に落ち着きを取り戻していった。
それにしても、久しぶりのツカサのナカは本当に気持ちが良い。
(あ゛~……ツカサ君の中、本当気持ち良い……。いつかは精液をたっぷり入れて、ツカサ君のこのぷにぷにのお腹を妊娠したみたいに膨らませてあげたいなぁ)
出来ない訳ではないが、かなり時間が掛かりそうだ。
今の状況に全く関係ない不埒な事を考えていると、やっとツカサが虚ろな目ながらもブラックに視線を向けて来てくれた。
「ぅ、ぁ……ブラッ、ク……俺……らに、して……」
「ツカサ君……記憶、取り戻した?」
今の台詞では、まだツカサが元に戻ったのかどうか解らない。
顔を覗き込みながら聞くと、ツカサは眉根を寄せる。
「きおく、って……なに……なんで、おれ……こ、な……とこで……」
「……こんな所でって……何も覚えてないの?」
そう言うと、真紅と琥珀色が混ざった瞳の色が蠢き、真紅が濃くなる。
「ぅ……。あ……あぁ……そ、っか……おれ……レッドの…………」
その言葉にイラッとして無意識に腰を動かすと、今度は琥珀色が濃くなる。
「んぅう゛っ……! っ、く……ぁ……あれ…………。レッ、ド……れっど……? なん、で、俺……れっぉに…………俺、崖から…………」
「……!」
「崖……落ちて…………あ……あぁ……ガス、トン……さん……とこ、から……」
「そ、そうだよ。そうだよツカサ君。ねえ、僕の事も解るよね?」
言われて、ツカサはブラックの顔を見ると……――――
うまく動かない顔で、微笑んでくれた。
「ブラッ、ク…………やっと……あえ、た……」
やっと、会えた。
そう、自分達は、やっと再会できた。
あの小僧に記憶を封じられて言いなりになっていたツカサではない、自分を愛してくれていた、本物のツカサと……今やっと、再会する事が出来たのだ。
「ツカサ、くん……ツカサ君っ、ツカサくんんんん……!!」
「やっ、ぁっ!? ぃ、あっ、ちょっ、うごかっらっやっあ゛っ、あぁああ!!」
嬉しくて思わず突き上げると、ナカがきゅうきゅうと締まって、ツカサが良い声で啼く。これだ。これが、いつものツカサなのだ。
たまらずツカサの口を塞ぎ、その柔らかい唇に吸い付きながら抜かずに尻肉を突き上げるように腰を動かすと、ツカサは甘い声を何度も漏らしながら、ブラックの膝の上で可愛いおちんちんからぴゅるぴゅると精液を吐きだした。
その反動で、また肉壁がブラックのペニスを心地良く締め上げる。
(ああっ、も、もぉ……気持ち良過ぎるよぉ……ッ)
ツカサの口を塞いだままで、強烈な快感に酔い、そして。
「んっ……! ん……――――!」
結合した隙間から漏れる程の精液を、ツカサの体内にぶちまけた。
(あっ……ぅ……)
やはり、何度味わっても飽きるという事が無い。
これが愛する者とのセックスなのだ。
その悦楽にたっぷりと浸りながら、ブラックは何度もツカサとキスをして――――やっと、人心地ついた。
「はぁっ、は……はぁ、ぁ……は……っ」
「んぁあ……ツカサ君とのキスも久しぶりで嬉しいよぉ……」
ちゅ、とわざとらしく音を立てながら瑞々しく柔らかな唇を食むと、ツカサは顔を更に赤らめて、不機嫌そうに顔を顰めた。
「ば……っ、か……」
はぁはぁと息を荒げているからか、罵倒の声もたどたどしい。
それも、久しぶりに見た光景だった。
「あぁ……ああぁあ……ツカサ君……ツカサ君だぁ……っ」
「んっ……や……っ、も、ダメ……するなって……っ!」
「解ってるよぉ、今日はもうやめるから……でも、イチャイチャは良いよね? して良いよねっ? ねっ、ねっ!」
ブラックがダダをこねて食い下がると、ツカサはすぐに目を泳がせて、耳まで真っ赤になりながら口をもごもごと動かす。
こちらの子供っぽいオネダリに弱いのも、いつものツカサだった。
(あぁ……本当に……本当にツカサ君が戻って来てくれたんだぁ……)
涙が出そうなほどに嬉しいが、しかし今は正直セックスの続きがしたい。
ツカサは「これ以上ダメ」と言ったが、話を進めれば最後の一発くらいはヤらせてくれるのではなかろうか。何せ、ツカサは自分に甘いのだから。
そんな事を思いつつ、ブラックはとりあえずツカサが落ち付くのを待って、ペニスを抜き後始末をする事にした。
正気に戻ったツカサには「なんでこんな所でヤるんだよ!」と怒られてしまったが、そんな所もツカサらしいのだと思えば、むしろ嬉しくて堪らなかった。
そう、ツカサはこうでなければ。こうやって生娘のように恥ずかしがりブラックを怒ってくれるのが、ツカサの可愛い所の一つなのだから。
「えへ、えへへへへぇ……」
「お前……久しぶりに会ったらなんか更に気持ち悪くなってない……?」
「ツカサ君酷いっ! 気持ち悪いだなんて!」
「じゃあお前は自分の事を格好いいと思ってんのか?」
「え? 格好良くない?」
「…………もうこの話題はやめようか」
否定も肯定もしない所が実に彼らしい。
そんなツカサにニコニコしながら、ブラックは彼の体を丁寧に処理してやった。
少し悪戯をしてまた泣かせてしまったが、それも長い間触れられなかった欲求不満から来る物なので、許して欲しいと思う。まあ、ツカサならばブラックが涙目で訴えかけるような顔を向ければすぐに許してくれるので、別段不都合は無かったが。
……そんなワケでお互いに一息つき、囲炉裏に火を焚いて布や髪を乾かしながら、ブラックは改めて今までの事を簡単にツカサに話して聞かせた。
彼は最初、自分が記憶を失っていた事に驚いていたが、しかし真紅の瞳に抗うように混ざり込んだ琥珀色の瞳のお蔭か、ガストンという男の事やレッドとギアルギン、いやクロッコに出会った事まではぼんやり思い出せたようだった。
だが、その後がなんとも不思議で。
「……じゃあ、ツカサ君にはまだ“支配”されてる時の気持ちが残ってるって事?」
今までの話を簡単にまとめると、ツカサはコクリと頷く。
しかし彼自身も自分の中の変化を奇妙だと思っているのか、どことなく今ブラックに聞かせてくれた事が納得できないというような顔をしていた。
自分の話に自分自身が納得できないなんて事があるなんて、本当に不思議だ。
しかし、彼の存在自体が摩訶不思議を体現したようなものなのだ。それが起こったという事は、ツカサが話した事も現実でしかないのだろう。
そんな事を考えながら隣に座っているツカサを見ると、彼は視線を彷徨わせつつ、ぽつりと言葉を吐きだした。
「意識は、完全に戻ってるんだと思う。……だけど……何て言うのかな……俺もちょっと解んないんだけど、俺の中に“レッドを恋人と信じてる気持ち”があって……うーん……俺は俺なのに、なんだろうこれ……。セーブデータ……いやこれはむしろ回想モード……?」
「よくわかんないけど、ツカサ君自身はそれが間違いって解ってるんだよね?」
「うん……。でも、これが“支配”って奴なんだな……初めて実感したけど、ここまで俺自身の心が訳わかんなくなっちまうなんて……何か、凄く怖い……かな……」
怖い、と素直に言い切れないその意地っ張りな心が愛おしい。
彼がまだ真紅の瞳だった頃と同じように肩を抱いて引き寄せると、今度はブラックの思う通りに寄り掛かり、容易く胸に頭を預けてくれた。
(ああ……ツカサ君……)
恋人と思って疑わない、その純粋な心。
甘える事を恥ずかしいと思うくせに、ブラックが望めばこんな風に素直に体を預けてしまう可愛らしい甘さを見せてくれる。
ブラックが求めていた物が、やっと帰って来たのだ。
「とにかく……こうなっちまったら、どうにかしてレッドを納得させないと……。今すぐに逃げるってのも無理なんだろ? ブラッ……な、なに。何見つめてんの」
真剣に考えていたのか、ブラックが微笑みながら見つめているのにやっと気付いて顔を真っ赤にするツカサ。またブラックの顔に惚れ直してしまったのだろう。
そんな彼を見ながら、ブラックは肩を抱いていた手をツカサの前に回した。
「ね、ツカサ君……これ、何だか判る?」
そう言って見せつけるのは、自分の指に嵌る琥珀色の指輪だ。
ツカサはそれを見て一瞬悲しそうな顔をしたが、しかしブラックが“指輪の位置”について何とも思っていない事に気付くと、また耳まで真っ赤になって……小さな声でボソボソと呟いた。
「お…………俺、達の…………こんやく……ゆびわ……」
やはり、ツカサは忘れてなどいなかったのだ。自分達の絆を。
その事が嬉しくて、ブラックは再び体を焼きそうになる衝動を堪えながら、ツカサの髪に顔を埋めて優しくキスをしたのだった。
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