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イスタ火山、絶弦を成すは王の牙編
裸の付き合いにも限度がある3*
しおりを挟む「ん゛っ、んむっ、ぅ、うぅう……っ!」
ばかばかばかラスター達が見てんのに何してんだよお前はこんなトコでなんでいきなりキスしてんだばか今そんな雰囲気じゃ無かったのにぃいい!
離せ離せと背後から俺を抱き上げているブラックの体を突っぱねるが、体を無理に捻られてキスをされているせいで、力があまり入らない。それに、泡やお湯のせいでつるつるしてしまい、ブラックの体に上手く手を当てられなくて滑ってしまう。
ブラックの体はごつごつして掴みやすそうなのに、つるつるしてるなら簡単に腕の中から逃げられるはずなのに、どうしてかブラックの腕は俺を捕えて離さない。
それに、口の中をずるずると啜るような音をたてられつつ舌で嬲られて、暴れれば暴れるほど頭に酸素が行かなくなって……。
「ふっ、ぅ、んぅう゛……っ、ぅ゛……っ」
視界が湯気で霞んできて、頭が茹だって来る。
そんなに長風呂なんてしてないはずなのに、息が苦しくて体の力が抜ける。
耳の奥にまで口の中で響く音に支配されてるみたいで、それがとても辛い。何よりキスをしてるのをクロウだけじゃなくラスター達にまで見られているんだと思うと、とても恥ずかしくて涙が出そうだった。
だって、こんな。
キスなんて、人前じゃしないものなのに。
ブラックと二人きりの時とか、えっちの時だけなのに、どうしてこんな時にこんな事するんだよ。恥ずかしい、こんなんじゃないのに、俺、やだ、ラスター達にこんなところ見せるのやだよ……!
「んん゛っ、ん、ん~~~~ん゛……!」
俺が抵抗する事で湯船が波打って、音が立つ。だけど、もう頭の中じゃ口の中から音が聞こえてるのか外から聞こえてるのか解らなくて。
舌が動いて俺の舌に絡んでくるたび、熱い唇が俺の口を塞いで動くたびに体がびくびくして、お腹の奥がきゅうきゅうと変に疼いて来る。それが股間にまで伝わってしまっていて、下半身にどくどくと血流が行っているのが煩わしくて堪らなかった。
これじゃ、本当にダメな事になっちまう……!
ブラックの舌使いにぼやけてくる意識を必死に叱咤しながら、俺は相手の肌に爪を立てて「離せ」と強く意思表示をした。すると。
「っ、はぷっ……はっ、はぁっ、は、は……ぁ……っ」
い、息が吸える。でも、もう体に力が入んない……。
「おっと。ふ、ふふ……ツカサ君、僕のキスにトロトロになっちゃったねぇ……」
なんか、目の前がぼやけてる。
ブラックの声が耳元でして、体がふわふわと浮いたと思ったら、背中にあったかい物が当たって来た。気付けば、俺の目の前には黒っぽい物体と金色のがみえて……。ああ、そうか、俺ブラックに寄りかかってるんだ……。
「っ……は……はぁ……」
背中に触れてるのがブラックの胸だって解る。
起伏が有って、なんだかしっとりしてて、むず痒い。
えっちの時に抱き締められるのと同じ感触だ。でも、えっちの時じゃないとこんな事にはならないんだとジワジワ考え始めると、頭がシラフに戻って来て。
目の前の黒いのと金色のがアドニスとラスターだってハッキリ解って来ると、俺は一気に体の熱が爆発したような感覚に襲われた。
「うあぁっ! やっ、やだっ、なにして……っ!」
「だって、コイツらが煩いんだもん。だからさあ、ツカサ君が僕のモノで、僕だけにしか出来ない事を沢山あるって教えてやらなくちゃって思って……」
「だ、だからって……っ!」
こんなの俺が恥ずかしいだけじゃないか、と言おうとした所で、ブラックが俺の顔を泡だらけの手で覆ってきやがった。
「ふぇ!?」
思わず似合わない変な声を出してしまったが、しかし鼻から上はブラックの大きな手にすっぽり覆われてしまっていて、俺はどうする事も出来ない。
なにより体がまだ自由に動かなくて、色んな所がドキドキしてて、こんな状態で体のどこかに触れられたらきっと変な声を出してしまう。そうなったら、ラスター達にどんな顔をすればいいのか解らない。そんなの絶対に嫌だった。だけど、ブラックはそんな俺の恐れなんて知りもしないで、俺を捕えているもう片方の手でゆっくりと俺の脇腹を撫で始めた。
「っ、ぃ……」
「なっ、なんだ? 何を……」
ラスターのちょっと焦ったような声がする。
でも目隠しされてるからよく判らない。どんな顔をしてるんだろう。俺がブラックとキスして驚いたのかな。それとも、嫌な顔でもしてるんだろうか。
だったら怖い。失望でもされてたらどうしよう。だって、こんな、こんな恥ずかしい事を目の前でやってたら、いくら俺に好意を持ってくれているラスターでも、嫌な気分になるかもしれない。だって、人前であんなキスしてポーッとしてるだなんて、そんなのきっとみっともなくて見られたもんじゃない。
そんな顔して、変な声出して、変な音出して、ラスターやアドニスに見せつけてたんだって思うと、恥ずかしくてお湯の中に潜ってしまいたくなった。
でもブラックは俺を離すことなく、それどころか目を覆った手の力を強めて来て。そのまま俺の頭を肩に固定すると、泡の下でゆっくりと俺のお腹を撫で始めた。
「んっ……ぃ、や……っ」
「お前らが知らないツカサ君の全部を、僕は知ってる。ココが弱いって事もな」
「ひあ゛ぁっ!?」
指がお湯と一緒に臍の中に押し入って来る。
お湯のせいで、指が緩慢な動きになって、一緒に流れて来たお湯がゆるゆると中を掻き回しいつも以上に重い感覚が襲ってくる。
その感覚が苦しくて思わず悶えると、ブラックは背後で楽しそうに笑った。
「あははっ、なあお前ら、僕が今どこを触ってるか解るか? ははっどうせ解らないだろ……!? これは、僕が! 僕が教えたんだ! 僕はお前らじゃ絶対に教えられない快感をツカサ君にたくさん教えられる……っ」
「ひぐっ、ぅ、うあ゛ぁっ、や゛、ぁ、あぁあ……!」
「どこが快楽だ、苦しそうではないか!」
抑えようと思っても、内臓を押されるような感覚が苦しくて声が出てしまう。
だけどブラックは臍のひだをくりくりと指で弄るのをやめてくれなくて、ラスターの言葉にも何も臆していないかのような嘲りを漏らした。
「へー。お前、これが苦しそうに見えるの? ははっ……熊公でもそうじゃないって解るのに、やっぱりクソ貴族ってのはこういう“悦ばせ方”も知らない木偶の坊なんだな。ククッ……ツカサ君のこと何にも知らない癖に、よく怒れる……」
なんか、酷い事言ってる。
そんな事を言うなってブラックを怒らなきゃいけないのに、目隠しされてるせいでお腹が苦しいのが余計に酷く感じてしまい、体が言う事を聞いてくれない。情けない股間の分身までもがヘソを掻き回される感覚に勘違いしだして、じわじわと熱を膨らませてしまっていた。
いやだ、このままじゃ酷い事になる。
というか、湯船でぶちまけちまったら絶対困る。
清掃する人になんて言い訳すりゃいいんだよ、こんなの絶対だめだって!
だけど、俺が必死に力を入れてブラックを諫めようとすると、隣からばしゃばしゃとお湯を掻きわけるような音が聞こえて来て――――
「ツカサ……はぁっ、は……だ、唾液が勿体ないぞ……」
「ひゃぅ!? ひっ、やっ、らに、舐めて……っ!?」
なっ、舐めてるっ、ほっぺなめてるの!? 息はぁはぁしてるのが掛かってるっ、なにこれっ、く、クロウ!?
何で舐めてるんだよっ、やだ、やめろってば、口の近くは駄目だってばぁ!
「おやまぁ……ツカサ君、ずいぶんといやらしい顔になってますね。少し触られて、頬を舐められただけでそんなに口を開けて頬を赤くしているなんて」
「っ!?」
アドニスの声が聞こえる。
や、やだ、俺そんな顔して……っ。
「おいクソ熊キスすんなよ。ツカサ君の唇にお前の唾液が付いたら殺すぞ」
「心得ている……というか、出来ればオレはこっちが欲しいんだが」
そう言いながら、クロウはずぼっと泡を突き抜けるような音を出す。
何をしているのかと思ったら、何だか急に俺の周りのお湯が変な方向に流れだしてきて……いきなり、俺の下腹部に何かが触れた。
「ひあぁあ!?」
「ツカサ……ああ、腹が熱くてひくひくしてるぞ……」
「ぃ、や……だめっ、た、頼むから、そこからもう、触んないで……っ」
臍に突っ込まれた指が優しく穴の中を撫でている内に、必死にクロウに懇願する。
だけどクロウは相変わらずハァハァ言って俺の頬や口元を舐めながら、下腹部の、その……ね、根元の所に触れないギリギリの位置で、俺の肌を撫でて来て。
根元を、俺の急所を避けて、足の付け根や内腿までゆっくり撫でて来る。
会陰のところまで避けて、足の付け根の内側の窪みの所でちろちろと太い指を動かされると、それだけでお湯が動いて俺の急所まで揺らしてしまう。
普段なら一生懸命耐えるだけで済むはずの事が、お湯の余波で耐えられなくなる。
それが恥ずかしくて、いやで、なによりこんな無様な姿をラスターとアドニスに真正面から見られているんだと思うと耐えられなかった。
だけど、そんな気持ちとは裏腹に、恥ずかしさゆえの体の興奮を俺の愚息は勝手に「性欲」だと勘違いして固くなっていってしまって。
我慢しようと思っても、どうすることも出来なかった。
「うっ、ぅ……ぃ、やだ……やだ、ってば、ぁ……! も、触るなよぉ……っ」
目隠しされてるから、周囲の事がなにも解らない。
だけど、どうしても視線や手の動き、お湯の流れや場の空気を感じてしまう。
ブラックの肌の感触や熱さだけじゃなく、頬に触れているクロウの舌や吐息も、目を隠しているせいで余計に敏感に感じてしまっていた。
恥ずかしさを勘違いして、股間がひくひくしてる。
俺のも、今まで何ともなかった会陰も、尻の所まで……触られれば触られるだけ、どうしようもなく震えて、きゅうっとして、ドキドキして。
そんなの、違うのに。こんな所でそんな事になっちゃいけないのに。
なのにどうしても、体はブラックとクロウに触られたら言う事を聞いてくれない。
それがどうしても悔しくて……。
「もっ……や、だ……やだ、ぁ……! 頼むから、も……勘弁、して……っ」
声が震えてる。情けない声を出しているのが自分でもわかる。
だけど、どうしようもない。ラスターとアドニスの様子を思うと体が焼けるように恥ずかしくて、気付けば目が熱に浮かされて涙でいっぱいになっていた。
「あは……ツカサ君、恥ずかしくて泣いちゃった……? 可愛い……可愛いよぉ」
「ツカサ……」
二人の低い声が耳に沁み込む。
それが体の芯を熱くして、ブラックが俺の胸に手を添えただけで、また鼓動が強くなってくる。クロウが濡れた俺の頬を舐めると、勝手にお腹の奥が疼いた。
「ぃ、ぁあ……や、ら」
「つ……ツカサが嫌がってるじゃないか、やめろ……」
ラスターの声が、震えている。
だけど俺が何かを思うよりも先に、ブラックが俺の顔を覆う手に力を籠めて、嘲るような笑い方をしながら声を漏らした。
「はぁ? そんな顔して良く言うよ。ツカサ君が可愛くていやらしい声を出しただけで欲情するくせして、やめろなんてどの口が言うんだか。お前だって、本当はツカサ君を押し倒して犯して自分の物にしたいんだろう?」
「っ……ゃ、いあぁ……!」
ブラックの手が、乳首を捏ねてくる。
泡が滑ってぬるぬると動くのがいつもとはまるで違う感触で、思わず変な高い声が出てしまった。でも、抑えようと思っても、ブラックが許してくれない。
クロウも俺の濡れた頬を舐めながら、俺のモノにいまだに嵌っているリングを指で左右に回して俺を追い詰めた。そんなことされたら、もう、我慢なんてできなくて。
「ひっ、ぅ、うあぁあっ、ぃや、あっ、やだっ、やぁああ……!」
「ほらスグに顔色が変わった。クズどもめ、ツカサ君のことを心配してるような顔をして興奮してるんだから、本当に救えない」
「お、俺は……」
「……」
「犯したいんだろ? この僕の手の中にあるツカサ君の乱れた顔が見たいんだろう? ははっ……はっ、ははは! 残念でした! ツカサ君が男に散々に犯されて乱れる姿は、僕だけのものだ!! お前らなんかに絶対みせるもんか……っ! ふふっ、ふははっ、でも声だけは聞かせてやるよ……ほら、大盤振る舞いだ!」
そう言いながら、ブラックは俺の乳首から手を離す。
喘がされすぎてて、何がどうなっているのか解らなくなってたけど……でも、俺の背を大きな手が押してきて浮かせたのが解った。
頭を肩に預けられて、俺はそのまま水面近くまで浮かされてブラックの立てた両膝に支えられる。そうすると体の所々が泡だらけの水面に出て来て、俺の勃ち上がったおちんちんも泡の中に……って、それやばいんじゃ。
「ひ、ぃ……っ!? なっ、や、いぁっ、やだ……!」
「大丈夫、ツカサ君の可愛いおちんちんは泡の中で見えてないから……。ほら熊公、食いついていいぞ」
「はぁっ、は……望むところだ……!」
えっ、ちょ……ちょっとまって、それって……。
だ、だめだってっ、そんなのしたら絶対に今より情けないことに……!
「やだ、やっ、やぁあ!」
「ツカサ……安心しろ……ちゃんと根元まで食ってやるからな……!」
だめだめだめっ、いやだっ、ラスターとアドニスが見てる、見てるんだって!
こんな事されるの見られたくない、いくら二人に色々された事が有るって言っても、えっちな事してるのを見られるのはまた別だろ!? これだけは見せたくないんだってば!
必死で「駄目」って言っているのに、クロウは構わずに移動して、俺の前に来る。
そうして泡をゆっくりと掻き分けて、俺のを露出させて……
「だめっ、クロウだっ、あ、あぁああ!」
思いきり食いつかれて、俺は声を上げてしまった。
「つ……ツカサ……」
「ふむ……」
二人の声が聞こえる。いやだ、こんなの絶対恥ずかしいって思われてる。
見たくない、声も聴きたくない。
「ははははっ、あはははは!」
ブラックの狂ったような笑い声がするのだけが唯一の救いで、俺はクロウに根元からじゅるじゅるとおちんちんを吸われて先端を嬲られるのに、ただ声を上げる。
耐えようって思ったのに、こんな状況が余計に俺の心を急かしたのか、俺は。
「~~~~~~……ッ!!」
歯を食いしばった瞬間に、太い指で扱かれながら思いきり吸われて、簡単に達してしまった…………。
「はははっ、はは……ツカサ君で興奮したって、お前らには何も許されない。僕だけが、ツカサ君をこれ以上の絶頂に導いてやれるんだ……! たかが数度会っただけのお前らになんて分かるもんか。ツカサ君は、僕のものだ……。僕だけが、ツカサ君を失神するくらい悦ばせてやれる……僕がツカサ君にしてやれる事は、お前ら以上にあるんだ。お前らには絶対に出来ない事がな……!」
体がびくびくする。ブラックが何かとんでもない事を言っているのだけはわかる。
だけど、出した直後でもう何も言えなくて、息をするしかない。
そんな俺の周りで息を呑むような音が聞こえたような気がしたが……すぐに、お湯が流れ込んでくる音に掻き消されてもう解らなくなってしまった。
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