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世界協定カスタリア、世界の果てと儚き願い編
狂愛※
しおりを挟む「っ……くっ……」
くぐもった声を漏らして、吐精の快感に酔う。
蛙の肝袋を押し潰すような無様な音が漏れて、ベッドにぱたぱたと白濁が落ちた。
「はっ……は、ぃ……ひ、ぐ……う、ぅ、うう……」
こちらに尻を突き出して枕に頭を預けているツカサの口からは、声にすらならない呻きが漏れている。最早顎や舌を動かす事すら辛いのか、呻き声すら語彙のない、獣のような喘ぎになっていた。
(まあ、そりゃそうか。五回も中出ししたんだもんね)
抜かずに五回、我ながらいつも以上の盛りっぷりだ。しかし先程の天にも昇る心地になった出来事を思い返せば、そんな風になるのも仕方のない事だった。
(ふ……ふふ……ツカサ君、ついに……ついに、全部僕の物になってくれたんだ)
思い出すだけで心が躍る。体の中から欲望が這い上がってきて、今出したばかりだというのに、また猛ってくる。
目の前でひくひくと体を震わせ弛緩している愛しい恋人の姿を見れば、その乱暴に穢されたかのような哀れな姿により一層性欲が煽られた。
「あ゛~……きもちいぃ……。ツカサ君、今何回目か解る……?」
精液の出し残しが無いように腰を動かしてナカを擦れば、ツカサは啜り泣くような声を漏らして眉根を寄せる。散々に体内を犯されたせいか、頬は紅潮し喉を開けるために口を半開きにして、涎を逃している。泣き腫らした眼は虚ろになりかけていて、ブラックの所業に我を見失っているようだった。
可哀想に。
「好きにして」と言ったばっかりに、拒否も出来ずにこんなに貪られて。
そうは思うが、いや、そう思うからこそ余計に熱が沸きあがってくる。
ゆっくりとペニスをナカで動かして腸壁を擦る度に、ツカサはひぐひぐと哀れな声で泣く。気まぐれに奥へと突き立ててやれば「やぅう゛……!」と掠れていても可愛らしい甲高い啼き声を聞かせてくれた。
だが、決して「もう嫌だ」とは言わない。
最早意識も途切れる寸前だろうに、それでもブラックを受け入れようとして、拒否をするような言葉は一度も吐かなかった。
(あぁ……ツカサ君……最高だよ、いつもなら嫌がるのに、僕の事そんなに大事に思って、必死で耐えて…………ふっ、ふふ……だから君って子は……)
本当に、可愛そうになるくらい可愛くて愛おしい。
「ほら……ツカサ君、何回目かな……?」
「ひぐっ、ぅ、うぁ゛ぁあ゛……っ、あ、あぁあ゛……な、ひゃ……あ、ぃ……」
「ん~? 七回? あはは……っ、可愛いなぁ……そんなに僕とセックスしたいの? はっ、ははっ、あははははは! 残念、五回だよ! ほらっ、もっとちゃんと僕のペニスを感じて!!」
ツカサの小さな体に覆い被さって、浅ましい犬のように最奥まで突き立てる。
引き抜く度にぶちゅぶちゅとツカサのナカに溜まっていた精液があふれ出て、その感覚が酷く苦しいのか、ツカサは歯を食いしばって枕に顔を押し付けた。
(可愛い……可愛い、可愛いよ、ツカサ君、可愛い……っ。僕の事だけを一生懸命に考えて、本当はもう辛いだろうに必死に声を堪えて、僕の事を受け入れて……!)
ツカサは初心がゆえに、好色な癖に実際の性行為に対しては驚くほど奥手だ。
抱けば、目を合わせるだけで恥じらい頬を赤くする。自尊心が邪魔をするのか、股を開く事さえ何度やっても慣れようとしない。
だが、ブラックが望みさえすればツカサはそんな自尊心すら抑えて、真っ赤な顔をしながら股を開いて誘ってくれるのだ。
ブラックにだけ。
誰でも無い。この、酷い男たった一人だけに……――
「あっ、あ、ぅ……はぁっ、は……す……好きだよ……ツカサ君……愛してる……」
「ぃ、う゛っ、ひぐっ、う、ぁ゛っ、あぁあっあ……!!」
「ツカサ君もスキって言って……ね……?」
言いながら深く突き上げると、ツカサは目を見開いてがくがくと痙攣する。
一気に体を穿たれた事がツカサの意識を一瞬飛ばしてしまったのか、目がぐるりと上を向いて体が緊張し、戻るのに数秒かかっていた。
こんなツカサの顔は見た事が無い。
意識が混濁していてもなお、頑張ってブラックを愉しませてくれる。
本当にこの素晴らしい恋人が、自分の物で良かった。
「ほらっ、ツカサ君、新しい言葉も教えてあげるからもっと……もっと僕とセックスしよ、七回も、それ以上もさぁ……!!」
腰を引き寄せていた手を柔らかな胸へと移動させ、今まで触れずにいた乳首を指の腹できゅっと摘まんで弄る。
「ひぐっ、ぃっ、いぁあ゛っ、そぇっ、ひっ、しぁあっあ゛、あぁあ゛……!!」
「ほら……乳首ぐりぐりされてイッちゃうって言って……!」
「ぃ゛っ、ひっ……ひ、ひゃうっ、ちくぃ、ち……ちくびっいっ、ぐっ、いぅぅう゛……!!」
びくびくと体が動き、だいぶ緩くなってきたツカサの尻穴が精一杯に締まる。
ブラックの言う通りに達したものの、その体では何度も射精するにはまだ辛かったのか、もうツカサの可愛い陰茎からは薄らと白色が混じった液体しか出て来ないようだ。それを拭い取って鼻先に近付けてやると、ツカサは混濁した意識であっても必死に首を振って嫌だと拒否をした。
ブラックの精液は嫌がらずに体の中にため込む癖に、自分の精液はどんな状態であっても「イヤ」らしい。なのに、こんな状態でもブラックを嫌がる事はない。
顔から色んなものを垂れ流し、声も甲高く掠れ、目さえも自分の思い通りにならず上を向いて痙攣する状態であっても。それでも、最後まで「いや」とは言わないで、ブラックの欲望を満たそうとしてくれる。
それこそがツカサの献身と愛なのだ。
ブラックがこれほどまでに激しくツカサを愛しても、彼は応えてくれる。
大人げない我儘をぶつけたとしても、嫌わずにブラックを受け入れてくれる。
喧嘩をしても、離れていても、気遣ってくれる。
何より、ブラックの歪んだ愛を理解して――――
ここまで受け入れて、愛してくれた。
「好きだ……好きだよ、ツカサ君っ、すき……すき、ぃ……っ……!」
奥まで突きこむと震えながらも再び締まり、思わずまた放ってしまう。
その感触に過敏に反応して、ツカサもまた達したようだった。
「あ゛っ、ぁ……はっ、ひぁ……あ゛……あぁ、あ゛……ッ」
ツカサはブラック以上に達して、出す物すら尽きている。
だが出す物が無くとも女のように内にある感覚で達する事を覚えた体は、限界だと訴える局部とは裏腹に際限なく快楽を感じ取ってしまうようだ。
びくびくと震えながら、鼻水や涎を涙のように零し快楽に支配されている。
それもまた、ブラックがツカサをメスにするためにやった調教の成果だ。
本当にツカサは可愛い。教えれば教えるだけ、ブラックの好みに育ってくれる。
「ツカサくん……っ、はっ……はは……はぁ、は……」
枕に押し付けられて震える顔を強引に掬い上げて、横からキスをする。
涙や鼻水で塩味が感じられたが、それもツカサの物だと思うと愛おしくて、柔らかい唇を舐めまわして味を堪能しながら弛緩した舌をちろちろと弄った。
普通ならもう気を失ってもおかしくないのに、ツカサは応えようと口を動かす。
よほどブラックとのキスが嬉しいのか、もう無意識と言っても良いような行動だ。
(そこまで……そこまで僕の事、好きなんだね……)
嬉しい。
自分の愛に応えてくれる、何をしても些細な事に喜んでくれる。
こんな愛しい恋人を手放せるわけなどない。だから、本当の事を言えば、最初からツカサを近付けさせないほどに怒る気など無かった。
(でも、ツカサ君たらあんなこと言うんだもんな……そりゃ僕だって怒るよ。だって、僕なんかどうでもいいみたいに言ってさ……。まあ、ツカサ君のことだから、遠慮してあんな発言したんだろうなって事は解ってたけど…………)
けれども、ブラックからしてみれば悲しい発言には変わりがない。
だから腹立ちまぎれに部屋を出て、後からツカサが追って来てくれるのをじっと待っていたのだが……こんなにうまくいくとは思わなかった。
(ツカサ君が追って来ない訳がないと思ってたけど……まさか、一気に堕ちてくれるなんて思わなかったよ……)
さすがにもう声を出す力すら残っていないのか、ツカサは不規則な感覚で体をひくひくと震わせている。ナカでペニスを動かしても弛緩しきっていて、精液がまとわりついて来るだけで、ツカサ本来の締りが良く絡みついて来る肉穴の感覚は無い。
ブラックはまだやれるのだが、久しぶりの上に今回は前戯もせず突っ込んでずっと腰を振らせていたのだ。これでは失神するなと言う方が無理だろう。
「まあ……今日はこのくらいで許してあげようかな……。ふっ、ふふふ……だって、これからは何度もこんなセックスが出来るんだもんね……?」
返答すらも出来ずに体を横たえるツカサから、やっとペニスを抜く。
穿たれたままずっと満たされていたそこから退くと、穴は太いペニスの形に開いたままになり、どろどろと精液が流れ出て来た。
「あは……やだなあ、また興奮しちゃうじゃないか……。ほっ……ほんと、ツカサ君は僕のこと煽るの上手いんだから……」
ツカサが部屋にやって来た時だってそうだった。
明日の事を考えてイライラして思わず壁を殴っていた所に、丁度やってきたのにも驚いたが、なによりも驚いたのはブラックがずっと待ち望んでいた「抱いて欲しい」という言葉を伝えて来た事だった。
いや、ブラックに嫌われたと思いこみ、あの女狐にブラックを取られはしまいかと恐怖したがゆえの観念だったのだろう。
今思えば納得だったが、あの時は心底驚き、興奮を押し隠すのに苦労した。
なにせ、ブラックの前に立って必死に言葉を吐きだしていたツカサは……何よりも愛らしく、情欲をそそる姿だったのだから。
「こんなの、ツカサ君が恋人になってくれるって言ってくれた時以来だよ……」
真っ赤になりながらも一生懸命に「抱いて欲しい」と言った、あの表情。
自分が恥ずかしい事を言っていると自覚しているが故に、体を震わせて服の胸元をぎゅっと握りしめていた可愛らしい仕草。
なにより……ブラックに嫌われたくないと必死で顔が歪むのを堪えていた健気な姿が、ブラックの股間を刺激して堪らなかった。
そんなに、こんな自分の事が好きなのか。
恥ずかしい事を何度も言っても良いと思う程に、ブラックの為なら足を開いて局部を見せつけても良いと思うぐらいに、好きだと言うのか。
ツカサが思うほど怒っておらず、それどころか拗ねて消えればツカサが迎えに来るだろうと高をくくって子供染みた拗ね方をしていた、この自分が。
易々と、自分の自尊心すら壊してしまう程に、それほどに…………
「あぁ……ツカサ君……ごめん、ごめんね…………」
「あ゛……ぐ」
開き切った肉穴に、またいきりたったペニスを挿れてしまう。
もはや異物を締める力も弱々しい有様だったが、蕩けて熱を持った柔らかな肉壁は何度触れてもどうしようもなくブラックのペニスを限界まで硬くしてしまう。
もとよりまだ満足していない体だ。
これでは、本当に丸一日ツカサを犯して彼を壊してしまいそうだ。
「でも……ツカサ君は、許してくれるもんね……? ふっ……はは……あははは」
壊しても、ブラックの為に元の姿に戻ってくれる。
ブラックの事が好きだから何度も体を明け渡してくれる。
一番に考えて、受け入れて、愛してくれる。
「ははは、あはははははっ。ははははははは!!」
抱いても抱いても飽きることのない最高の体と、呪われ歪み切ったブラックの心を受け入れて愛してくれる優しさ。
そして……唯一無二の相手だと、自分を見つめてくれる――――無垢な心。
(逃がさない……もう、逃がさないからね、ツカサ君…………)
彼の心も体も手に入れた。
だから、ツカサは――――名実ともに、自分のものだ。
その事にまた体が焼けるように熱くなって、ブラックは気を失ったツカサの体を、狂ったように笑いながら貪り続けたのだった。
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