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世界協定カスタリア、世界の果てと儚き願い編
12.大事なことに気付けなくても※
しおりを挟むちょっ……ちょっと待て、この状況でそれはないだろ。
「お、お前だけが勃起してんだろ!? じゃあ、その、いつもみたいに手で……」
そうだよ、手コキしてやるからスッキリしてくれよ。
こんな場所でえっちしたら、絶対に監視役の二人に気付かれちゃうじゃないか。
気まずい感じになるのだけは絶対に嫌だ!
でも、俺の低レベルな抵抗なんてブラックには効くはずもない。さっきまでメシを食っていたテーブルに俺を完全に乗せると、ブラックはそのまま覆い被さって来た。
「ごめんねツカサ君、本当は君が自分から『抱いて』って言うまで我慢してようと思ったんだけど、もう数日肌に触れないだけでこっちが欲求不満でさ……」
「ん、や……っ、やだ、って……っ」
ブラックがしつこく俺の手を掴んで、自分の股間を揉ませようとして来る。
逃れたいのに、左肩を抑えられて圧し掛かられてはどうしようもない。俺の顔を真上から凝視しながら、ブラックは何度も強引に俺の手を動かした。
ズボン越しに感じる熱が、どんどん固くなっていく。俺の手ではもう収まらないほどに成長してしまったそれはズボンから出たがって、俺の手が柔く揉むように動くとぐいぐいと反応していた。
「っ、や、だ……だから、手でするって……っ。どうせ、し、しないん、だし……」
だって、今は我慢してるんだろ。俺を抱かなくたって別に平気なんだろ。
俺が「ブラックとえっちしたい」って言うまで我慢するってあの時言ったじゃないか。そりゃ……その……ラゴメラ村ではハメを外してシちゃったけど、でもあれから一度もヤッてないし、だからどうせ今日だって。
じゃあ、もう、体を触れ合わせて変に汚すより手コキした方が良いじゃないか。
どうせしないんだから。どうせ……。
「ツカサ君なに拗ねてるの」
「拗ねてないし」
「んもぉ可愛いなぁ……つ、ツカサ君たらそんなに僕を煽ってもう……」
「煽ってない!!」
もう良いから離せよ、とは言えど、相手が離れるはずもなく。
それどころか、何を調子に乗ったのかブラックは荒い息を漏らしながら、俺の足の間に強引に割り込んできて、自分も机の上に片膝を乗せて上がって来た。
お、おい、ちょっとまて。石造りとは言え大丈夫なのかこれ。
「ねぇ……ツカサ君、セックスしよ……? 僕のペニスがどれだけ興奮してるのか、見ただけで解るでしょ?」
「だ、だからって、ここでやるのは……」
問題が有る、と言おうとしたが、ブラックはその言葉が口に出る前に体を屈めると、俺の耳穴に唇をくっつけて、低くて腹の奥に響くような声で囁いた。
「僕、今日は我慢できないから……ツカサ君のお尻にコレ、挿れてあげるよ……」
「っ、ぇ」
思わず声が出なくなった俺の耳に、ブラックは吸い付くようにキスをしながら俺の手を動かし自分の物の形を解らせるように、上下に擦らせ始めた。
熱い物がズボン越しに解って、自分がそれを触らされてるんだと思うと恥ずかしくなり、内股に力が入ってしまう。だけど、そんな事をしたら股間が刺激されてしまって、えっちな事をさせられている事も有ってか、俺までなんだか下半身が変な感覚になって来てしまった。
こんなのダメだって、バレたら恥ずかしいって解ってるのに、それでもブラックのを触らされて耳を弄られていると、体の奥から熱が湧き上がって来てしまう。
ブラックがこんな事をするからだとは解っているけど、でも、自分も興奮してしまったんだと思うと恥ずかしくて仕方ない。本当なら、ここで流されずにブラックを諫めてやるのが正解なのに。
でも、こうなってしまうともう、どうしようもなくて……。
「ツカサ君も、おんなじ気もちだよね……? だって、僕達恋人なんだもん……」
「……っ」
「愛し合ってるから……ツカサ君も僕の事がほしいって思ってくれるよね? 今日はそれだけで良いんだよ。僕も我慢できないからさ……」
手をブラックの股間にぎゅっと押し付けられて、嬉しそうに笑われる。
やってる事は変態なのに。だらしないオッサンがセクハラしてるだけなのに。
でも、嬉しそうにそんな事言われたら、もう何も言えないじゃないか。バカ。ばかばかばか。
「…………ばか」
「ふふ……ツカサ君のバカは可愛いね」
何がカワイイだ。人のこと散々おちょくりやがって。
そう言いたいけど、ブラックに口を塞がれてしまってはもう何も言えない。
口を何度も舌でなぞられて、閉じていたはずの唇に無理矢理舌がねじ込まれる。
抵抗してる訳じゃないんだけど、ぬるりとした舌が感覚が鋭い唇の間に入って来ると、他の場所をこじ開けられるのとはまた違うもどかしさがあって、俺は思わず眉を寄せてしまう。
「んっ、う゛……んぐっ、ん……っ、ぅ……ぅあ……っ」
息継ぎも難しいほどに吸われ、唾液を送り込まれて、舌を弄ばれる。何度行っても慣れない激しさに、俺は息継ぎすら上手く出来ずにブラックの服を掴んだ。
だけど、ブラックは俺の事なんてお構いなしに口の中を縦横無尽に犯してきて。
「っ、ふぁ……ぅ……んむぅ、ぅ……っ」
くちゅくちゅと耳の奥にまで聞こえて来る水音で、頭の中がいっぱいになる。
目を閉じていても、ブラックの高い鼻やちくちくした無精髭だらけの頬、柔らかくてくすぐったい髪の毛が触れて来て、それだけで胸が痛くなるくらいにドキドキして逃げたくなってしまう。
キスなんて何回もやってるはずなのに、どうしてえっちの時になるとこんな風になっちまうんだろうか。
えっちだって、俺からしてみればたくさんしてるのに……。
「はぁ……は……ツカサ君とキスしただけで、僕もう射精しちゃいそうだよ……」
「ん……もっ……んな、こと……言うな……っ」
やっとブラックの顔が離れたと思ったら、こんな事を言い出す。
キスしただけでって、お前どんだけ焦ってるんだよ。いや、そりゃ俺だって多少はその……だ、だけど、ブラックは大人じゃないか。大人が俺みたいな性春まっさかりな感じでいいのかよ。
毎回思うけど、コイツの性欲は異常すぎるってば。
「ツカサ君……下だけ脱がすね……」
「ぅえっ!? えっ、ちょ、ちょっとまって……!」
「下着がドロドロになった状態で探索したいの?」
「…………」
そう言われると嫌だけど。嫌だけども……。
でも、こんな場所で下半身だけすっぽんぽんってのもどうなんだよお!
「大丈夫さ、僕もズボン降ろすから……ね?」
「う、うぅ……」
俺が戸惑っている内に、ブラックは性急にズボンと下着を取り去ってしまった。
そんな状態で股の間に入られているとなると、ブラックの目の前で大股を開いて、恥ずかしい場所を見せつけているようなもので……。
「っ……!」
「あは……ツカサ君、キスだけでもう勃っちゃった? 久しぶりの僕のペニスに期待してくれてるんだね、嬉しいよ……」
「うっ、うるさいなあもう! い……いいから……はやく、やれって……」
チクショウ、もうこうなったらヤケだ。
何度もやってるんだ、今更なんだ。思えば目の前に人がいるのに岩の陰で隠れてヤった事もあったじゃないか。それを考えたら今の状況の方がよっぽどマシだ。
こっちの方がまだ恥ずかしくない……っていうか、このクソオヤジ、何でこう毎回毎回ヤバい状況でサカるんだ。人前で興奮する神経が信じられないんですけど!!
いやもう触られて興奮してる俺も俺だけどさあもう!
「えっ、なに? きこえないなあ~、なんて言ったのかなぁ。判んないからツカサ君もう一回言って! なに、何をヤれって?」
「聞こえてんじゃねーか!! ああもうやめるぞ、もうやめるからな!?」
「あははごめんごめん、機嫌直してよー」
そんな事を言いながら、ブラックは俺の頬にちゅうちゅうとキスをして来る。
んなもんで機嫌が直るかよと思ったけど、髪を優しく撫でられながら触れられると、なんだか色んな刺激に戸惑ってしまって、声が出なくなる。絶対機嫌が直ってるワケじゃないんだけど、でも、ブラックがしてくることは情報量が多すぎて、俺には処理しきれないから、結局何も言えなくなっちまうんだ。何なんだよコレもう。
なのに、ブラックは俺が黙ったのを良いように解釈して、空いているもう片方の手で、膝から内股へと俺の足をゆっくり撫で上げて来る。
「っ、ぅ……」
「ほら……いいこいいこしてあげるからさ……ふ、ふへへ……」
「やっ、ちょっと……変な笑い方するな……!」
余計に恥ずかしくなるだろうがと怒るが、ブラックは全然気にせずに涎でも垂らしそうに口をだらしなく歪めながら、足の付け根から内腿の辺りを何度も撫でて来る。
会陰に触れるか触れないかで留めて内腿まで戻るもんだから、事有るごとにソコを弄られて妙な状態になってしまっている俺は、股間に近い足の内側の窪みを指でくすぐられると、それだけで腰がひくひくと反応してしまって悔しくて仕方ない。
自分の無意識の反応でニヤつかれるのが嫌で我慢しようとするんだけど、ブラックの太い指が急所のギリギリの所を撫でるだけで、俺は体が無意識に動いてしまった。
何度も犯されたせいでそう言う事に体が慣れてしまったのか、ブラックのズボンが足の内側に擦れるだけでも辛い。俺の反応がそのまま情けない分身に伝わって、みっともなく先走りを滲ませて動かしてしまい……う、うう、違うのに、俺そういうんじゃないのにぃい!
「あぁあ……本当可愛いなぁあツカサ君は……僕がちょっと触っただけで、ちっちゃくて可愛いおちんちんをひくひくさせて、触って欲しがってるだなんて……」
「ちっ、ちっちゃい言うな……」
そりゃお前のデカブツからすれば爪楊枝みたいなブツかも知れないけど、でもそれはお前がデカすぎるだけで、俺は普通だ。誰が何と言おうが普通サイズなのだ。
それをコイツは毎回毎回可愛いだのちっちゃいだの言いやがって……。
でも、反論しようにも、あえて急所に触れられずに体を撫で回されると、変な声が出そうで、無理に声を張り上げる事が出来なかった。
「ふ、ふふふ、声に元気がないよ? 我慢出来なくなってきたのかなぁ? まったくもう、ツカサ君たら体だけは素直なんだから……ふふっ、はっ、はははっ、ハァッ、は……み、見てごらんよっ、ツカサ君のおちんちんってば、もうエッチな汁が膨らんで垂れそうになってるよぉ……!」
嫌な事実を言われて、思わず俺がそこを見ようとしたと同時、ブラックは指の腹で先走りを湛えた先端をぐりぐりと弄り始めた。
「ひあぁあっ!? ぃっ、はっあ、ぅあっやらっやっそこだめっ、やだぁあ……!」
「んー? 何が嫌なのかなぁ~? ツカサ君のおちんちんは弄る度に『気持ち良いよぉ』ってドロドロになってくじゃないか。可愛い声も出ちゃってるし、全然嫌そうに見えないなぁ」
「ひぐっ、うぁっあぁああ゛……! やらっもっそこやあ゛ぁっ! そこ、すっ、の、もぅやめっぇ」
「ねえツカサ君、人にお願いする時は、それ相応の頼み方が有ると思うんだよなあ、僕……。だからさあ、ツカサ君も解るよね……?」
「ぃううっう……うぅう…………」
にちゃ、と音がするような液体の線を見せつけながら、ブラックは指を離す。
もう言い逃れできないくらいに滴らせてしまっている。こんな時に人間の体ってのは無様だ。嫌だって言ってるのに、体が本能で勝手に動いてしまう。なんで勃ち上がっちゃうんだよ俺の愚息。どうして交尾タイムだと勘違いして余計なモンを勝手にボタボタ出しちゃうんだよ。
ちげーよ相手はオッサンだよ。俺の自前の潤滑液は有効活用されないんだよ。
ああもう何でこう我慢ってもんが出来ないんだ。
「ほら、ツカサ君……言ってご覧? そしたらすぐ気持ち良くしてあげるからさ」
そんな世迷言を言いながらブラックはズボンの合わせを解いて、お馴染みになってしまった冗談のようなブツをボロンと出してくる。ああこんなモンと顔馴染みになりたくなかった。やだ、こんな黒いの知りたくない。
だけど、ブラックが怒張して血管が浮いたソレを「ホラホラ」とか言いながら俺の愚息を突いて来ると、嫌でも腰が動いてしまって。
「ひ、ぅ……んぅ、う……っ!」
「あは……ツカサ君、コレをどこに挿れたらいいのか、わかるよね?」
……まさか、今この状態でねだれってのか。
理性のブレーキが効いてる、まだシラフのこの状態で?
い、いつもならもうちょっと頭がバカになってからだし、勢い任せじゃないとそんな恥ずかしい事なんてとても言えたもんじゃない……いや、でも、ブラックからしてみれば、俺に取って恥ずかしい言葉も当然の事なんだろうし、それに、その……も、求めて欲しいて言ってたし……。
そりゃ、俺だって、ブラックがしたいって思ってくれるなら……なんか、ちょっと納得しきれない部分もあるけど、やぶさかではない。だって、こ、恋人なら、相手に触れたいって思うのは変じゃ無いし、当然スる事でもあるんだから嫌って訳じゃないんだぞ。ただ、抱かれるってなると凄く恥ずかしくて思わずヤダって言っちゃうだけで、ブラックとするのが嫌な訳じゃないんだ。
俺だって……ブラックのこと…………そう言う意味で、すき、なんだし……。
…………こんなこと考えるの恥ずかしいけど、ブラックに抱き締められてぎゅうってされたり、キスされるのだって……す、好き、だし……。
だけど俺がそれを素直に言えないから、ブラックも変なやせ我慢なんかして、俺が「抱いて下さい」と言うのを待ってる訳で、じゃあ、俺だってそれに歩み寄らなきゃ駄目なわけで。
……そうだよな。
自分の悩みごとに引き摺られて意地を張り続けていたら、ほんとにどこかで愛想を尽かされてしまうかもしれない。だったら、努力しなきゃ駄目なんだ。
俺だって、ブラックの恋人、なんだから。
ちゃんと言うって俺だって決めたんだから。
まだちょっと勇気が出ないけど、でも、こういう場面でなら。
ブラックが俺の事を抱きたいんだってちゃんと解ってる、こういう所でなら……。
「…………て……」
「ん?」
頑張って搾り出した第一声は、音量が酷く小さいかすれ声で、自分でも何と言ったか解らなかった。それを、ブラックはわざとらしく首を傾げて茶化す。
そう言う仕草をするから俺が恥ずかしくなるんだと怒鳴りたかったが、今ここで怒ったってコトが長引くだけだ。ぐっと堪えて、俺はさっきより大きな声を出した。
「し……して……。ブラックの、ぅ……あの……ち、ちんちん……いれて……」
心臓がバクバクいってる。
顔が熱さでじんじんと痛くて、目から涙が出そうで逃げだしたい。
ブラックのモノをどう言ったら良いのか解らなくて、でもシラフで「おちんちん」なんて妙に丁寧な言葉が言えるはずも無かったから、つい、そう言っちゃったけど、それでも恥ずかしい。
でも、だって、チンコじゃ何かブラックが嫌そうだしムードもないし、かといってペニスって言うのも俺が言うとギャグみたいだし……結局どう言えばいいか解らなくて、子供みたいな単語になってしまったけど、でも、これだと妙に小さい子ぶってるみたいで逆に恥ずかしい。
俺もう高校生なのに。なんで相手にねだる言葉でこんな単語しか出せないんだよ。
でも男におねだりなんて、誰がスマートに言えるんだ。俺は女じゃないんだぞ、可愛げも無いし「おちんちん」とか言ってもやっぱふざけた感じにしかならないんだ。
ブラックがそう言ってって言うから、言ったら喜ぶから、おかしいなって自分でも思うけど、この言葉しかもう思い浮かばなくて。だから言ったけど……。
「う……うぅ……」
もうやだ。なんで俺こんな情けないんだろう。
大人なら、もっと格好良くてえっちな言葉で誘うんだよな?
ブラックが満足するような気の利いた事だって言ってやれるんだよな?
なのに、なんで俺はこんな子供っぽい事しか言えないんだろう。
違うのに。こんな、情けないたどたどしい言葉で言いたかったんじゃないのに。
これじゃ、男らしさの欠片すらないじゃないか。
「ああ……ツカサ君泣かないで……」
「な、泣いてない……!」
バカ、誰がこんな事で泣くんだよ。パソコンの画面の見過ぎで目がおかしくなってるんだよお前。
見るなよと顔を背けようとしたのに、ブラックは俺の頬を捕まえると、上から覆い被さるように俺に顔を近付けて来て。
真正面を強引に向かされた俺は、何度も軽いキスを落とされた。
「可愛い……っ、可愛いよツカサ君……。僕の為に、恥ずかしいのに頑張ってエッチな言葉を言ってくれるところ、本当大好きだよ……っ、ふふっ……はぁ……は……ね……自分でおちんちんって言って、興奮した……? 頭がまだ蕩けてないのに、勃起した恥ずかしいおちんちんを見られながら淫語を言わされて、どうだった……?」
「っ……も……バカ、聞くなぁ……ッ!」
「ツカサ君って、ホント恥ずかしがりで淫乱で可愛い……僕のために一生懸命で……こんなに小さなお尻だって、もう僕が欲しいってヒクヒク動いておねだりしてさぁ……っ」
ブラックが俺に口付けて、そう言ったと同時。一気に後ろに指が入って来た。
「っあ゛ぐっ!? ぃっい゛……ぎ……いきっ、なっ……ぅあ゛っ、あぁあ゛……!!」
「あーあーツカサ君のお尻、締りが良過ぎて処女だった時みたいにキツくなっちゃったねえ。まぁコレはコレで気持ち良いから良いけど……ほんと、ツカサ君のお尻は僕専用だよね……」
「な゛っ、にぉ」
どういう、意味だ。
言葉のつながりが解らない。
忘れはじめていた内臓を触られるような感覚に耐えながらブラックを見上げると、相手は悪い顔でにたりと笑って俺の頬を殊更ゆっくりと舐めあげた。
「ふふ、だからね……」
心底楽しそうな声が、頬を通って耳へと登る。
思わず肌を粟立てた俺を嗤いながら、ブラックは低くて頭の中を溶かすような声で囁いた。
「毎日毎日犯してあげなきゃ、僕の形の肉穴にならないって事だよ……ッ」
指がもう二本一気に入って、三本がそれぞれナカを広げながら掻き回す。
無遠慮に奥へと押し進み、前立腺の所を執拗に弄られ俺は悲鳴を上げた。
「あぁああ゛あぁあ゛!! ひやらっ、やっ、ぃ、ひぐっ、ぃあぁあ、あぁああ……! あっ、ひっ、ぃ、いぅう゛う……!!」
急に激しくなった責め苦に耐え切れず、体が大きく跳ねて体の奥で暴れていた熱が一気に外に出て行ってしまう。腹の上や腿に散ったのを感じて、俺は荒い呼吸を繰り返しながら目を細めた。後ろを触られただけでイッちゃうなんて、情けない。
どうして俺の体はこんなに快楽に弱いんだ。考えても、段々と思考がぼやけて来て解らない。せめて情けない顔だけは隠したくて顔を背けようとするけど、間近に有るブラックの顔がそれを許さない。また強引に顔を戻されて、キスをされた。
それだけでも辛いのに、またナカを指がぐちゃぐちゃに弄り回してきて。
「ん゛んぅうっ! んっ、んぶっ、ぅ゛っ、うぅううんっ、んやぁっ、あう゛っ、んう゛ぅう゛……!」
三本の太い指が奥まで一気に突き込まれると、体が跳ねてしまう。
ナカを広げながら抜き差しされると外気を感じてお腹のなかが変な感じになる。
苦しいのに、辛いのに、前立腺の所を触られたり中を擦られたりすると、それだけでまた体が酷く熱くなって、お腹の下がじんじんして足が震えてしまう。
「はぁっ、はっ……き、気持ち良くて出ちゃったね……っ! つ、ツカサ君っ、ぼ、ぼくももう、いっ、い、挿れるっ、挿れるよぉ……っ!」
指を一気に引き抜かれて、変な悲鳴が口から勝手に出る。
だけど、ブラックはそんな事なんて気にもせず、俺の顔にぼたぼたと唾液を垂らしながら体を折り曲げて――――指で開いたソコに、強引に押し込んだ。
「ひっ、ぃ゛……――――ッ!! ぃ、あ、あぁあ゛ぁあ゛……ッ!!」
痛みと衝撃と、体の中を押し広げられていく指とは比べ物にならない程の圧迫感。
荒い息だけしかもう聞こえなくて、自分の声すら何を言ってるんだか解らなくて、それが怖くなった俺は、ブラックに抱き着いて縋った。
体のナカをどんどん押し広げて行くブラックのものが、ゆっくりした動きからすぐに激しい抽挿に変わっていく。荒い息とよく判らない音の間にずちゅずちゅと自分の中を犯している音がするのが体をぞわぞわさせて、たまらなくて。
涙で目が見えなくて鼻もうまくつかえなくて、喉を震わせながらブラックのキスを受け入れる。
熱くて、汗ばんだ手が腰を抑えてる。
奥を突かれる度に指が深く食い込んで、それが俺を引き戻す。
溺れたいのに溺れきれない。一気に押し広げられ声が引きつって、体が動いて。
ブラックとキスしてるのに、声が出て、どうにもならなくて、俺は泣きながら首を振った。
「むっ、ぃ……もっあっ、あぁあ゛あっ、ひぁ、あっあうう゛っ、うぃっ、いっひゃ……もっ、いっひゃう、ぶら、ぅ、も、ひぁっ、あぁあああ……ッ!!」
「ツカサ君、ツカサく……っ、う、あ……あぁ……ッ!」
奥まで入ってくる。
ブラックの声が、荒い息が、ナカで激しく動く熱いのが、逃げようがないくらいに追い詰めて来て。
引き抜かれて、また奥まで一気に押し込まれる。
ブラックの息が詰まったような声がして、ナカを叩くような勢いで何かが出されたのを感じ、俺も……触れられてもいないのに、また射精してしまっていた。
「――――っ、ぁ……あ゛、ぁ、あぁあ…………っ」
「は、ははっ……ツカサ君、久しぶりなのに、おちんちん触らないで二回もイッちゃったね……相変わらずのエッチな体で僕嬉しくなっちゃったよ……」
はぁはぁ、言いながらブラックが入ったままで俺の事を抱き締めて来る。
「つ……ツカサ君……好きだよ……っ、は、あぁ……もうずっと抜きたくない……」
抱き締めて来る大きな体を、受け入れてしまう。
なんだか心細いような気がして、ブラックがぎゅっと俺を全部包んでくれて、俺も浅い呼吸を繰り返しながらブラックの肩に顔を埋めた。
「ツカサ君……」
休もうとしていた頭をふっと取られて、またブラックと顔を突き合わされる。
頬にすり寄って来るブラックの無精ひげだらけの頬は、汗でしっとりとしていた。だけど、それが何故だか妙に嬉しくて、俺もブラックに応えるように頬を傾ける。
お互いどろどろなのに、そんな事なんてまるで気にならなかった。
「あぁ……な、なんか……ほっぺをすりすりするたびに、緩く締まってすごい気持ち良い……つ、ツカサ君、もう一回……」
「ふぇ……!? やっ、お、お前、いっかいって言った……っ」
「もうこうなったら、一度でも二度でも一緒だよねっ! カスタリアに戻ったら、どーせイチャイチャする時間も減るんだから、ヤれる内にヤッとかないと!!」
「ばっ、ばかぁあぁあっ!」
ゆるく動かされて、罵倒の語尾が変な風に高くなってしまう。
だけどもうこうなったらブラックが止まる訳が無くて。
……結局、俺はもう一回ブラックに付き合わされて、抵抗むなしく更にどろどろにされてしまったのだった。
→
※セッススしかしてねえ……
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