異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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ラゴメラ村、愛しき証と尊き日々編

  ただ触れるだけでも2*

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 わお。クロウさんたら凄い腕力……じゃなくて、部屋に入れ込んだって事は、窓が開くのは最初から知ってたって事?
 それとも、もしかして、いざと言う時の為に窓を開けて置いたのでは……。

 ……い、いや、そこは考えないでおこう。
 色々考えたらダメな気がする。

「ツカサ……」
「あっ」

 戸惑っている間にまた体を掬われて、ベッドへ連れて行かれる。
 毎度の事だとは解っていても、こういうのはやっぱり慣れない。ベッドにゆっくりと優しく寝かされる。背中にぎゅうぎゅうに詰められた干し草の感触がして無意識に緊張してしまうと、クロウは口を笑みに歪めながらベッドに圧し掛かって来た。

 ぎし、とベッドが軋む音がして、クロウが近付いて来る。
 橙色だいだいいろの綺麗な瞳がじっと自分を見つめて来るのが恥ずかしいが、しかし逃げる暇などなく腕の間に囚われて、あっという間にクロウの影に覆われてしまう。
 見上げた相手は、嬉しそうに微笑みながら俺の鼻の先をちろりと舐めた。

「ん……っ」
「ツカサ……可愛いぞ……」

 そう言いながら、クロウは俺の頬に自分の頬を何度も擦り付けて来る。
 まるで猫が頭を擦りつけてくるような行動に思わず心臓がきゅうっとなるが、相手はそれだけで終わらず、少し体を伸ばすと俺の髪に顔を突っ込んできた。

「わっ……」
「ブラックの手前、我慢していたが……ずっと、ずっとこうしたかった……」

 髪の奥の方が、クロウの息遣いで冷えたり温かくなったりする。
 においを嗅がれているんだと思うと顔が熱くなったが、しかしそこで振り払う事も出来なくて、俺はただクロウの成すがまま黙っていた。
 まあ……その……においをがれるのは、いつものことだし。
 でも、ずっとこうしたかったってのは……。

「クロウ……」
「本当は……牢屋でツカサを待っている時、気が気じゃなかった。出来る事ならこの力を解き放ち思う存分暴れて、ツカサの事をすぐ助けに行きたかった……。だが、そんな事をすればお前がオレ達のために捕まった事を無駄にする事になる。それに……ブラックがああまでお前の為に己を抑え込んでいたのに……オレがそれを踏みにじる事は出来ない。そう、思ったから……」

 切なげな声を漏らして、クロウの声が下へと落ちて来る。

「っ……」

 弾力がある唇が、耳に触れた。
 思わず肩を揺らした俺に詰るような声を零しながら、クロウは耳の形をなぞるようにゆっくりと舌を動かす。

「だが、ツカサから……ツカサの体から知らない男の臭いが微かに漂ってくるたび、疲れた顔をするたびに、本当は誰かに犯されていはしまいかと……」
「ぅ……ぁ……っ」

 耳の穴に、舌が入ってくる。
 荒い吐息と低い声が同時に吹き込んできて、その熱さと感触と振動が直接体の中にねじ込まれたようでぞくぞくしてしまう。
 耐え切れず眉間にぎゅっと皺を寄せて、足を閉じて摺り寄せるけど……クロウは耳を舐めながら、俺の体を服の上から優しく撫でまわしてきた。

「んっ……っ、ぅ……んぅう……っ!」
「ツカサがもう二度と来る事が無いのではないかと思うと……怖かった……」

 ちゃんと話を聞いてあげたいのに、それくらい大事な事を話してくれてると俺でも解るのに、クロウの熱くて大きな手が俺の胸を揉むように触って、きまぐれに臍の穴に指を入れて、足を撫でまわす間に軽く大事な場所に触れて来るのに反応してしまって、どうしても真面目に聞いてやることが出来ない。

 そんな状態なのに、耳までくちゅくちゅと音を立てながら犯されて。
 急所に触られる度に、シーツを足で蹴ってしまう。そうでもしなければ、クロウの意地悪な触れ方に耐えられなかった。

「く……ろう……っ、や、だ……話っ、聞けな……っ、くっ、んぅ……!」
「聞かなくていい、だから触れさせてくれ……」

 嫌だ。クロウが言いたい事があるのに、ちゃんと聞けないのなんてヤダよ。
 ちゃんと聞きたい。クロウが俺に話してくれる事は、聞いておきたいのに。
 なのに、クロウは耳を舐めながら俺の服をたくし上げて、両手で俺の胸を包みつつ何度も何度も緩く引っ張るように揉んでくる。

 まるで胸を膨らませようとしているかのような妙な動きなのに、腹の奥がじんじんする。指の間に柔く乳首の所を挟まれると、クロウの指の側面の固い感触が伝わってきて、俺は思わず目を細めて身をよじった。
 だけど、クロウは俺の事を放してくれなくて。

「だがオレは……ツカサが酷い目に遭って、心に傷を負った時も……何もしてやれなかった。お前が苦しんでいる事は解っていたのに、オレは……ただ……ツカサが元気になる事を、待つ事しか出来なくて……」
「っ、ぅ……く、ろう……?」

 手が、唐突に動くのを止める。
 それと同時に耳を苛んでいた舌が離れて、俺は思わず問いかけてしまった。すると、クロウは少し体を起こし、真正面に顔を戻すと俺をじっと見つめて来て。
 目の前にあるその顔は……少しも嬉しそうじゃない。むしろ、悲しそうだった。
 何故そんな顔をするのかと見上げると、クロウは耳を伏せる。

「…………すまない……」
「え……?」
「ツカサのために……いつもみたいに、たくさん睦言を囁いてやるつもりだったのに……いざ話すと……情けない言葉しか、出て、こなくて……」
「クロウ……」

 ああ。そうか。
 クロウも……クロウだって、俺の事をずっと心配してくれてたんだよな。
 心配していても、そんな事を言えば俺が絶対に気にすると思って言えなくて。俺が疲れた顔をしてた時だって、ブラックに任せた方が良いと思って身を引いた。
 心配だったのに何も言わずに、普通に振る舞っていてくれたんだ。
 本当は……こんなに、俺の事を心配してくれてたのに……。

「……クロウが謝る事なんて、ないよ」

 落ちこんだような顔をしている相手の両頬を手で包んで、引き寄せる。
 そうして、頭を撫でて……俺は、クロウの頭を胸に抱え込むようにして、腕の中に閉じ込めた。

「つ、かさ」
「謝る事なんて何もないよ。……俺の方こそ、気付いてやれなくてごめんな。クロウだって俺の事を凄く心配してくれて、凄く辛かったのに……」
「そっ、そんな、違……っ」
「違くないだろ。……でも、ありがとな……心配してくれて……」

 まるで獣のように毛量の多いふさふさとした頭を、抱き締めたまま撫でる。
 クロウは、それが好きだから。
 そうやって撫でるたびに、クロウは俺の背中とベッドの間に腕を入れ込んで来て、俺をぎゅっと抱きしめて来る。解りやすい行動に苦笑しながら、俺は続けた。

「だからさ、クロウが何も出来なかったなんて、そんな事無いよ」
「ウ……」
「クロウとブラックがちゃんと牢屋に居てくれたから、俺はあそこでの生活も耐えていられたし……いつも通りの態度で居てくれたお蔭で、早く立ち直れたんだ。クロウが我慢してくれてたから、俺も今はこうしていられるんだよ。……だから……本当にありがとうな、クロウ……」

 そう言うと……胸に押し付けた顔は一度大きく息を吸って止まり――がむしゃらに俺の胸に強く頭を擦りつけて、痛いくらいにぎゅうっと抱き締めて来た。

「ツカサ……つかさっ、ツカサ……っ!」
「ッ、ん……!?」

 クロウの熱い息が胸にかかったと思うと同時に、クロウは俺のベストを頬で強引にずらして、服の上から俺の胸のあたりに吸い付いて来た。

「っあ゛ぁ!?」

 その唇は、何故かピンポイントで乳首の所に当たっていて。
 布越しで、しかもまだ立ち上がってもいなかったのに、クロウは的確に乳首の所をちゅうちゅうと吸う。布越しでもその勢いは強く思えて、俺は唐突に再開された行為に驚いてただ体を反応させる事しか出来なかった。

 やだ、なんか、もどかしい。クロウの唾液で布が濡れて行く感触が解って、また体がぞわぞわしてくるのと同時に体の熱がまた高まってくる。
 完全に濡れて、ぴったりと肌に張り付いて来る布が、舌に舐め上げられるたびに俺の乳首を変に擦ってしまい、体が反応してしまって。

「や、だっ……やだっ、シャツの上からしたら、へ、変……っ」
「っは……変じゃない……気持ち良いんだ……。ツカサの可愛らしい小さな乳首が、もうこんなに勃って来たぞ……」

 そんな事を言いながら、クロウは布越しに俺の乳首を軽く噛む。さっきまで放置されていたもう片方の乳首も、指の腹で挟んでくりくりとこすって来た。
 濡れてぴったりと張り付いた布の感触と、まだ少し硬くて網目の固い布の感触を同時に味わわされて、俺は思わず腰を浮かせて首を振ってしまう。
 いつもとは違うその感覚は、あまりに耐えがたかった。

「んやぁあっ! やっ、やだっ、同時だめっ、それやだぁ……ッ!」
「布越しの愛撫も気に入ったのか……? 顔が真っ赤で可愛いぞ、ツカサ……。ああ……可愛い……。本当にお前は、どこもかしこも可愛くてたまらない……」
「んぅっ……!」

 クロウの唇が、ちゅっと吸い付きながら乳首から離れる。
 その軽い感触すら俺には強い刺激でしか無くて、声が出てしまう。

 高くて情けない声が恥ずかしくて口を塞いだが、クロウはそんな俺に構わずに体を下にずらし、俺のズボンに手を掛け一気に引き抜いてしまった。
 俺が止める暇すらなく、一気に。

「あっ……ゃ……っ!」
「ああ……ツカサのおちんちんも、緩く勃起しているな……汚れのない可愛い色だ、美味そうで堪らない……っ」
「そ、そんな事言うなってば!」

 何を言ってるんだよ、おま……って、わああいきなり足広げるなぁ!!

 ちょっと待てよと身を引こうとするが、クロウは構わずに大きく開いた俺の足の間に侵入して来てじっと俺の股間を凝視して来る。
 その視線はあまりにも強烈で、恥ずかしい場所をじりじりと熱しているかのような錯覚に陥って来て、顔が痛いくらいに熱くなってしまった。
 やっぱり恥ずかしい。クロウとだって何度もこんな事してるのに、でも、久しぶりでしかもクロウの雰囲気が何だかいつも以上に蕩けた感じで、だから余計に……。

「ツカサ……お前の一番美味い物を食べさせてくれ……」

 そう言いながら、クロウが軽く口を開けて顔を股間へと落としてくる。
 もう次に何をされるかは解っているのに……いや、解っているからこそ見ていられなくて……俺は顔を反らした。と、同時に、クロウの口がぱくりと俺のモノを食べてしまった。そりゃもう、なんの苦労も無く……。

「んっ、や……! あっ、あぁあっ、やっ、あ……!」
「ンン……んあい……!」
「う、うまぃ、っておまっ、ぁっ、ぅあぁあ!」

 クロウの頬は全然膨らんでいないのに、俺のモノを含んだクロウは根元から俺の粗末な物を舐め上げて舌を絡めて来る。
 何度されても生暖かい口の中で舌に舐めまわされる感触には慣れなくて、俺は強い刺激に腰を震わせて口を閉じようとした。

 だ、だって、家にはブラックが居るのに。
 なのに、許されてるからって思いっきり喘ぐってのも……。

「ツカサ、声を出しても良いんだぞ……」
「っぅあぁあ! やっ、ち、近くで喋んないで……っ!!」
「ああ……喋るよりも、この勃起したおちんちんの方が先だったな」
「そんな事言っ、ぅあぁああ! やっあっ、す、吸わなっで、ひっ、ぅぃい゛っ、さ、先吸っちゃやだあぁ!」

 やだって言ってるのに、クロウは先走りで濡れ始めた俺のおちんちんをじゅるじゅると吸って来る。思わず相手の髪の毛を掴むけど、でも、クロウはそんな事なんてお構いなしに俺のおちんちんを吸いながら裏筋を舌で撫でて来る。

「ひぐっ、ぃ、ぃあぁあっあっぅあ、あ゛ぁあっ、あぁあぁあ……ッ!」

 カリの部分をくびれから裏側まで舌先でなぞられ、平らな部分でねっとりと包まれながら扱かれて、もう、そんな事されたら。

「ぃっひゃうっ、もっ、らぇっすぐいっひゃうぅうう……!!」
「んん゛っ……!」

 泣きながら首を振る俺に、クロウは口を休めるどころか「いけ」と言わんばかりに指で輪を作って根元を擦り上げ、先端を強く吸い上げて来て。
 そんなの、耐え切れる訳が――――

「っあ、ぐっ……! ぃ、あっ、ああぁあああ……ッ!!」

 思考を中断されて、その刹那。
 強く吸い上げられた俺は――あっけなく、クロウの口の中に射精してしまった。

「はぁっ、は……はっ、はぁ…………ひっ、ぃ、う゛っ、う、やぁあ……」

 イッたばっかりのおちんちんを、クロウが舐め回してくる。
 でも、ヤバい事になる前に放してくれて、クロウは口の周りのあまり視認したくない液体を舌で拭いながら、嬉しそうに微笑んだ。

「ン……久しぶりはやっぱり美味いな、ツカサ……!」
「……そ、それは……良かった……」

 いや、良くないけど。良くないんだけど。
 でもクロウが喜んでくれると何も言えなくなるわけで……。

「ツカサ、これからは……こうして沢山ツカサに甘えて、ツカサを沢山食べることが出来るんだな……。オレは嬉しいぞ」

 …………やっぱり早まった事を言ったよなあと思ったけど……クロウが嬉しいなら良いかなって言う思いも有って、俺は自分の甘さに溜息を吐いたのだった。

 はあ……しかし……ブラックに聞かれてたらどうしよう……。
 血の雨が降らなければいいんだが……。











 
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