異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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プレイン共和国、絶えた希望の妄執編

23.人は悩み迷ってそれでも歩き続ける

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 明けて翌朝。
 健康的に起床した俺は、今更ながらに昨日の事を思い出し、頭を抱えてベッド上で布団子になっていた。

 なんでそんな事になってるかって言うと、気付いてしまったからだ。
 今まで何であんなにモヤモヤイライラして、欲求不満だったかって事に……。

「うぅううう…………」

 考えるだけで脳細胞がぷちぷち死んでいきそうだったが、現状のままでは俺だけじゃ無くブラックの態度も悪い方向に行くことが解ってしまったので、考える事から逃げる訳にもいかない。

 しかし、まず「自覚する」と言う事が酷く恥ずかしく、俺にとっては耐え切れない事であり、考える度に耳を塞いでベッドに頭を押し付ける事しか出来なかった。

 ……だって。
 だって、お、おれ、俺普通のはずなのに、一般人のはずなのに。
 なのになんで……何で、ブラックのを欲しがって、あ、あんな、あんな風に……!

「んんんんん」

 考えれば考えるほど、己の欲求不満に対しての認識が甘い過去の俺の事をぶん殴りたくなって、俺は団子シェルターのなかで悶えてしまう。
 軽度とは言え、指で尻穴をぐりぐりしてシコッてた時点で自分の何がヤバかったのかを把握すべきだったのに、スッキリしたらまーいっかって俺のバッキャロウ。
 あの時点で自覚していれば、こんな事にはならなかったのに。

 でも、そんなの自覚できる訳無いじゃないか。
 だって、俺自身が無意識に“そうなる事の可能性”を排除してたんだから。

 ……しかし悲しい事に、最早俺はその可能性を無視できない。
 俺は、ブラックに「犯されたいとねだれ」と言われて……男としての最後の砦を、自らぶっ壊せと命じられてしまったのだから。

「う……うぅ……どうしよう……」

 自分から「犯して下さい」なんて。そんな、そんなの、言える訳が無い。
 だっておれ男だよ、犯す方だよ!?
 いくらこの世界でメス扱いされてても、ブラックを恋人だって認めてても、俺は男でしかないし胸が有る訳でも無く股間は出っ張ってんだ。
 十七年間バナナとドーナツのバナナ役だとしか考えずに生きて来たのに、何故俺が「犯して下さい」と懇願する方に回ると思えただろうか。

 そら俺が女体化でもしたなら、メス堕ちやむなしで「犯して下さい」なんて言うかも知れないけどさ、俺はヤシの木一本実が二つの民でしかないんだぞ。

 この世界のメス側男子は素直に「犯して下さい」って言えるのかも知れないけど、俺は違うんだよ、世代間ならぬ世界間ギャップがあるんだ。そんな事命令されたって困るよ。マジで困るんだ。

「でも…………」

 弱々しい声で呟いて、俺は掛布団の団子の中で顔を上げる。

 ……でも、ブラックは恋人として……求めて欲しがってるんだよな。
 自分ばかりじゃなくて、俺からもブラックの事を求めて欲しいって……。

 そりゃ、確かに、求めるばっかりじゃ辛い事も有るだろう。
 これだけこっちが求めてるのに、相手からは一度も誘って貰った事が無いとなると、不満に思っても仕方ない。俺だってそんなの不公平だと思うよ。
 だって、恋人って、互いに好きあって付き合うもんだと思うし……。

 ああもう、ブラックの恋人になるって言って、好きって自分から言った時点でもう俺は戻れない所まで来ちゃってるってのに。
 なのに、どうして素直になれないんだ。何故意地を捨てられない。

 そこまで行ってたら、後は愛の力でどうにでもなるもんじゃないのかよ。
 恋愛漫画の嘘つき、そんな簡単に納得できる訳が無いじゃないか。それとも、俺がオッサンを恋人にしちゃったから通説が通用しないの?
 格言って万人に通用するもんじゃないのかよ。もうやだやだやだ。

 でも、恋人同士でもえっちの相性が合わないとか、夜の営みに関して喧嘩する事もあると言うし、価値観が合わない所が有っても仕方ない……んだよな……?

 恋人だけどイヤな事はイヤでしかないって、今更だけど変な感じだ。
 相手が好きなのに、イヤなんて事あるのかな。俺だけじゃないんだよな?
 そりゃまあ、俺だって嫌な事は拒否しようと思ってたけど……。

 ……いや、ブラックに対して「何でも言えるようになろう」とか「普通という事を教えよう」と思ったのは、恋人としての気持ちとはなんか別のもんっぽいから、今の俺の悩みとはまた別なんだけど……ああもう、なんで一個クリアしたと思ったらまた別の問題が出て来るんだか……。

「…………考えたって……結局、一個しか答えが無いのに……」

 誰にも聞えないくらいの声で口だけ動かして、俺は丸まったまま倒れ込む。
 ……答えは解ってるのに、それを実行すべきなのに、出来なかった。

 結局俺は、まだ自分を捨てきれないんだ。
 十七年生きて来た“自分”を、今の“ブラックに抱かれる自分”に変えられない。
 いや……本当はそんな事で悩んでるんじゃない。
 俺が、本当に怖いのは…………――――

「…………起きよ……」

 答えを、出したくなかった。
 自覚していると理性が理解してしまったら、酷く惨めな気がしたから。

「はぁ……」

 もぞもぞと掛布団で作った布団子から抜け出して、顔でも洗おうと座り込む。
 頭もボサボサだろうなと思いながら髪を掻いて、ふとベッドの端の方をみやると。

「ヒッ」

 黒くて耳ついたおっさんと赤くてだらしないおっさんが、まさに仁王立ち……。

「ツカサ君、ずいぶんお寝坊さんだったね~! どんな夢を見てたのかなぁ~?」

 やめて、その陰かかった怖い笑顔でそゆこといわないでブラック。

「ツカサ……隣で悩ましい声を出されて、朝からオレは空腹で死にそうだ。責任をとって足りない分の朝食を食わせろ」

 なやっ……おおおお前クロウ起きてたの!?
 寝てたじゃん、ちらっと見た時寝てたじゃんか狸寝入りしてたってのか!?

 熊がタヌキになってどうすんだよぉおお!

「ツカサ君若いから、朝立ちとかしたでしょ? 僕が抜いてあげるよ、ふ、ふふふ」
「後始末の心配は無用だぞ。オレが綺麗に舐め回してやるから遠慮なく出せ」
「ヒッ……や、やだ……ち、近付いて来ないで……」

 待って待って仲間なのになんで俺達レイプものの漫画みたいな会話してんの。
 ちょっと、近付いて来ないで、マジ頼むから勃ってないからやめてええ!

「さ~、ツカサ君もスッキリしちゃおうねぇ~」
「いただきます」

 俺の懇願など気にもせず、何がそんなに興奮させたのか二人は降参状態の俺に襲い掛かってくる。そうなるともう、俺には抵抗する事も許されず……。
 結局、朝から悲鳴を上げる羽目になってしまった。



   ◆



 忘れよう。何を忘れようとしてたかは聞かないでほしい。とにかくもう忘れよう。

 朝から疲れるわ部屋から出たらリトさんとマボさんに何故かばったり会って……と言うか多分、部屋の外でびっくりして立ち止まってそのまま聞かれ……いや忘れよう忘れるんだハイ忘れた!!

 とにかく、全部解決したので俺達は旅立つのだ。フォキス村から脱出するのだ!

 しかし、一度村長さんと知り合いになったからには挨拶をせねばなるまい。という訳で昨晩の宴のせいで死屍累々の村の広場を抜けて、ソラさんにお別れを言いに館にやって来たのだが……そこにはすでに、ラトテップさんとブラウンさんが居た。
 どうやら俺達と同じ理由でやってきたらしい。

「おや、君達も出立の挨拶かい」

 玄関ホールで鉢合わせしたのだが、ラトテップさん達は荷物を持って出て行こうとしている所で、挨拶も終わった所らしかった。
 俺達もソラさんに軽い挨拶を……と思ったのだが、彼女はパァッと顔を輝かせると、俺達にちょっと来て欲しいとかなりの熱意で迫って来た。

 巨乳可愛い村長さんにそんな事を言われると、朝から元気が無かった俺の心がムクムク……ゴホン。ま、まあ、断わるのは村長さんに失礼だからな!
 ブラック達は微妙な顔をしていたが、朝からふざけたせいで俺が怒っているのを知っているからか、俺が色気を出しても今のところは我慢しているようだった。

 これ幸いと村長さんに応接室に案内されると、ソラさんはなんだか厳重に部屋に鍵を掛け、そそくさと執務机に近付いてどこかの棚の鍵を開ける。
 何をしているのかと三人で目を瞬かせつつ待っていると、彼女は何やら細長い箱のような物を俺達の前に持って来た。

「実は私達は、ずっと……勇者様と同じ故郷から来られた方の為に、或る物を長い間守り続けて来たのです。もしこの地に同郷の者が来たら、その時に渡してくれと……勇者様に頼まれて……」

 そう言いながら彼女が箱から取り出したのは、真新しい羊皮紙を丸めた筒だ。
 ソラさんが紐を解いて開いて見せてくれた羊皮紙には、地図が書かれていた。
 しかし、この地図は……。

「日本語…………」
「はい、私達には読めない言語……勇者様は、ニホンゴとおっしゃっていたと伝承にあります。私達は、この地図を確実に“良き同郷のもの”に渡すべく、数百年の間、この地図を原本から正確に掻き写し、ツカサさんのような方が訪れるのを御待ちしていたのです……。私達の代で、初めてお渡しする事が出来ました……」

 嬉しそうに言うソラさんに、なんだか胸がぎゅっと痛くなる。
 それだけ伝承の「勇者」を信じ尊敬しているのだと言う事が、何故か切なく思えてしまったのだ。だって、その勇者はもうこの世界にはいないのだから。

 感傷に浸りながらも地図を改めて確認して見ると、そこには……この周辺の地形と、細かな目印のようなものが精確な縮尺で描かれており、その一つ一つに、日本語で詳しい注釈が付け加えられていた。
 だが、特に俺の目を引いたのは――――その中に有る、遺跡の説明だった。

 ――新生フォキス村内部遺跡、仮名【第五・テラフォーミング系遺跡】。
 ――この遺跡は、中枢遺跡からのエネルギー供給により稼働している物ではなく、自立稼働タイプ。アニマの少ないプレインであっても、コアエネルギーの存在によって数千年は持つ模様。その間にプレインの局地的アニマ不足の謎が解明されて、村の周辺が緑になる事を願って村を配置。
 ――もし遺跡のエネルギーが枯れてしまった場合、移動させてやって欲しい。

 誰かの直筆による、その言葉。
 久しぶりに見た日本語はとても懐かしいような思いがしたが、俺はその懐かしさよりも先に、ある言葉に違和感を覚えた。

「……第五、テラフォーミング……?」

 第五って、ことは……もしかして。

 ブラックとクロウが何か問いかけたそうだったが、今はその表情に応えてやれず、俺は地図上の文字から目当ての言葉を探した。

「あった……。第四、第三、第二、第一…………」

 地図を下から上へと探す度に、ナンバリングされた遺跡の説明が見えてくる。
 その先、地図が途切れる所に近い部分の右手に最後の遺跡が存在していた。

 中枢遺跡と呼ばれた、周辺の遺跡を統括するのであろうその場所。
 そこは…………。

「…………うそだろ」

 指を置いたそこは、高い山脈に囲まれた深い谷。
 【ユーハ大峡谷】と記された縦長の谷の奥地に存在していた。

 ――――そう、だ。何故かすっかり忘れてたけど……俺達の本来の目的は、この国に存在する“異世界人の痕跡が残る遺跡”を見つけて、そこに本当に異世界人が居たかどうかを確かめるという事だった。

 だとすれば、もしかしてその中枢遺跡……【エンテレケイア】という遺跡は、このフォキス村を救い、この地図を残した勇者が立ち寄った遺跡なのでは……いや、そこまで話を飛躍させてはいけない。
 ライクネスの資料に記載された異世界人が“フォキス村の勇者様”とは限らないし、そもそもの話本当に同郷人なのか解らない。

 もしかしたら、日本語を日本人に教えて貰ったこの世界の人が、勇者として村の人々を救い、俺のような日本人を救う為にこれを託したのかも知れないし……。
 そもそも、勇者もまた俺達のように、資料の異世界人の後に遺跡を訪れて、そこをただ攻略して行っただけの人間なのかも……ああもう、こんがらがってきた。

 何にせよ、確定させるのは早計だ。
 とにかくこの地図は俺達日本人のために作られた。そして、地図は俺達にとって、かなり有益な物だって事だ。それだけは、確かだろう。

「あの……ツカサさん……?」
「あ、ああ、すみません……ちょっと驚いて……す、凄く正確な地図ですね!」

 そう言うと、ソラさんは嬉しそうに笑ってたゆんたゆんと胸を揺らした。

「ええ、勇者様のお仲間は、とても正確な地図を記す素晴らしい方だったのです! そして、その地図を精確に書き記すことが、代々の村長の役目で……ああ、私の代で同郷の方にお渡し出来るなんて、本当に誉れですわ……!」

 あれ、お、俺ってばそんなに喜ばれる存在? べるたーすなおりじなる?
 えへ、えへへ、そんなに喜ばれると困っちゃうなぁ。デヘデヘ。

「つーかーさーくぅーん……?」
「ウヘヘヘすみません! あ、ありがたく頂戴いたします!」

 ばたばたと地図を畳んでソラさんに礼を言うと、彼女は頬を赤らめて本当に嬉しそうに笑ってくれた。

 ……本当に、この村にとって【勇者】は神様のような存在なのだろう。

 自分を守り、励まし、平穏を約束してくれる神様。
 モンスター達に村の平和が脅かされても、たぶん、この遺跡の機能が停止しても――彼らは、ずっと勇者の事を大切に思い続けるのだろう。
 約束された平穏が失われたとしても、彼等は勇者を恨む事は無いに違いない。だって、そんな事考えないくらいに……この村の人達は純粋で優しいから。

 そんな人達とずっと繋がっていられる勇者が、すこし羨ましかった。

「裏街道は、南に行く度に厳しい環境になって行きます……聞くところによると、皆さまはその厳しい場所へと向かわれるとか……。どうか、無理をなさらず……道中の安全をお祈りしております」

 ソラさんのその言葉が、なんだかくすぐったい。
 だけど、俺もまた勇者みたいに彼女達に良い印象を残す事が出来たんだと思うと、ちょっと誇らしくも有った。……俺も、もうちょっとしっかりしないとな。

 ――そんな訳でソラさんに礼を言い、俺達は部屋を後にした。

「さて……これで旅だ……」
「ああ、やっと来ましたねお三方」
「えっ……あれ? ラトテップさん達どうしたんです?」

 俺達が再び玄関ホールに戻って来ると、そこには商人二人組が待っていた。
 もしかしてソラさんに話しそびれた事が有ったんだろうか、と思っていると、彼は俺に手招きをして来た。えっ、お、俺?

「君に、ウチの用心棒が忠告したいコトが有るらしくってね。まあ大方、調査の時の戦い方に気付いた事でも有ったんだろうが……ちょっと聞いてやってくれないか」

 細められた目を更に細めて笑うラトテップさんにおののきつつ、俺はブラック達を振り返った。いや、勝手に行くと怒るからねこのおっさん達。
 そんなワケでお伺いを立ててみたのだが、意外な事に二人は「いいよ」とばかりに軽く頭を動かしてくれた。まあ、顔は不満げだったけどね。

 どうやら、ブラウンさんが俺に対して全く恋愛感情を抱いてないのを理解しているみたいだが……なぜブラウンさんだけ。
 もしかして、オッサン同士で通じる何かがあるんだろうか……解らん……。
 まあでも素直に許してくれるんだしいいか。

 ってな訳で、ブラウンさんに近付いて、お互いの仲間からかなり離れた場所に移動すると、相手は俺と向き合ってきた。

「…………ツカサ君、ここでお別れだな」
「う、うん」

 あれ、なんか……ブラウンさんの口の動きが変だ。
 なんか違う事喋ってる感じがする。……気のせいかな……?

「申し訳ないが……今から話す間は『うん』とだけ答えて欲しい。……理由は聞くな。どうか……言うとおりに」
「……? う、うん」

 よく解らないけど……ブラウンさんの雰囲気が違う。何かおかしい。
 でも、真剣な相手の様子を見ると断る事なんて出来なくて、俺は素直に頷いた。
 それに安心したのか、ブラウンさんは軽く息を吐いて小さく頭を動かす。そうして、ゆっくりと言葉を吐き出した。

「…………恐らく、君達と再び会う機会はもう無いだろう。だが、最後の最後で……“ブラック・ブックス”を真人間に変えられるほどの存在に出会えて良かったと……そう、思っている」
「…………!?」

 なん、で……名乗っても無いブラックの名前を知って――――

「俺……いや、私は……二つ、罪を犯した。何もかもを破滅させる、愚かで恐ろしいどうしようもない罪を…………。そして、その罪を償う事すら許されず、今もこうして下賤げせんの立場に身を費やしている。……むしろ、また、罪を犯し…………私はきっと天国にも、地獄にすらもいけないだろう」
「…………」
「けれど、一つだけ許されるのなら…………君に、頼みごとをしたい」

 フードに隠された、口から上。見えないはずの相手の眼差しの強さを感じた気がして、俺は何度も強く頷いて「うん」と言った。
 そんな俺に、ブラウンさんは口を緩めて……まるで唇の動きとは合わない言葉を、俺に託した。

「もし……私の息子に出会う時があるのなら……伝えて欲しい。
 『暖炉の前に座った事があるのなら、それがすべての真実だ。私達は間違いなく、お前を愛していた』と…………」

 俺には解らない、暗号のような言葉。
 だけど一言一句逃してはならない言葉なのだと俺は確信して、言葉も無く頷いた。
 ブラウンさんの言葉を、必ず届けると強く思って。

「…………ありがとう……。君達に出会えて……本当によかった……」

 まるで、今生の別れのような声音に、思わず心配になって眉を顰めてしまうが、彼はそんな俺に微笑んで、自分の子供にするように軽く頬を掴んで揺すった。

「……別れの時は、笑ってくれ。君は、笑っている顔の方が素敵だ。……あの二人は、そんな顔をする優しい君に惹かれたのだろうけどな」

 何が優しいと言うのだろうか。頷く事しか出来ないのに。
 でも、ブラウンさんが励ましてくれているのに自虐するなんて失礼な気がして、俺は必死に笑って「うん」とだけブラウンさんに返したのだった。









 

 
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