異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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プレイン共和国、絶えた希望の妄執編

 約束を違えてはならない2※

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 こんなにクロウが怒る所なんて、見た事ない。
 それと同時に、約束と言うものがクロウにとっては何よりも大事な物だったんだと今更に痛感して、俺は血の気が引くような思いがした。

 けれど、もう逃れられない。
 言葉を失くした俺に、クロウは手を伸ばすと……軽くあごを掴んで来た。

「オレが見ている前で、自慰をして見せろ」
「え……」
「一人でうまく射精出来たら、ツカサの不義理を許してやる」

 あまりにもあんまりな命令に、俺は声も出せずに固まってしまった。
 ……こういう時だと、クロウの口調が怖い物に感じる。
 いつも短い文章を繋げるみたいにして話すから、怒った時にその口調で話されると、俺が思っている以上に怒ってるんじゃないかと考えてしまうのだ。

 実際怒ってるんだけど、でも、普段のクロウを知っている俺には……いや、滅多に怒らなかったクロウを知っている俺にとっては、今のクロウはまるで別人みたいで、嫌われるんじゃないかと怖くてどうしようもなくて。
 今はただ、相手の慈悲にすがって言う事を素直に聞く事しか出来なかった。

 ……クロウは絶対に約束を破らない。
 それは、裏を返せば相手にも裏切らせないという事だ。
 俺は……その事を、ちゃんと解っていなかったんだ。

 今更ながらにこの世界の「約束」がどれほどの物かを痛感して、俺は震えた。

「ツカサ君、僕も見ててあげるからやってごらん?」

 ブラックは相変わらず上機嫌だけど、こんな事になると目の奥の瞳が笑ってないんじゃないかとすら思えてくる。
 興味を持って貰えるだけまだマシなのかもしれないけど、でも、本当はブラックだって怒ってるんじゃないかと考えると……なんだかもう怖くて、涙が出て来て。

「うっ……ひぐっ、う、うぅ……」
「そんなに恥ずかしいの? でも、ツカサ君だってずっとこのままは嫌でしょ?」
「……っ。ぅう……」

 ブラックは俺をなだめようとはしてくれるけど、かばってはくれない。
 恋人だから甘くしろなんて言うつもりはないけど、でも、普段と違う態度の相手を見ていると、自分がやった事への罪悪感と、今の状況の理不尽さへの怒りが込み上げて来て堪らなかった。

 だって、俺、約束してないもん。
 二人が勝手に約束するから流されただけで、自分で頷いてなんかなかったのに。
 なのに、こいつらが勝手に結託して、俺の気持ちなんてないがしろにしてえっちな事をしようとしてたから、だから、俺だって悔しくて、反論したくて、逃れたくて。

 でも、子供みたいに自由に怒りたくても、俺の理性が「あの場で断らなかったのも悪かった」と反省を促して来る。俺自身でも、今日の事は男らしくなかったと思ってブレーキをかけてしまって。だから、怒れなかった。

 ちゃんと言えば良かったんだろうけど、でも俺は言えなかった。だって、延期してなんてお願いしたら、また変な約束を取り付けられると思ったから。

 …………要するに、面倒くさかったんだ。
 クロウを悲しませるのも、怒らせるのも、俺がまた変な事させられるのも嫌だったから、仲間だしこの程度は良いだろうと思って、勝手に約束を自己解釈して捻じ曲げようとしてしまった。
 そんな事したら怒られるって、普通なら解るはずなのに。

 なんでやってる時は気付けないんだろう。どうして「クロウならなあなあで許してくれる」なんて思い込んで、やろうとしちゃったんだろう。
 俺にとっては嫌な約束でも、クロウにとってはここまで怒るくらいの大事な約束だって……少し考えれば、その可能性だって思いつけたはずなのに……。

 ああもう、だからバカなんだ。
 やだ、こんなの格好悪いよ。自分が情けなくて嫌になる。
 怒られて、裸に剥かれてぐすぐす泣いてるなんて、こんなの違う。男じゃない。
 俺が悪かったんだ。だから、ちゃんとしないと。
 泣かないで、きちんと責任を取らないといけないのに……。

「ツカサ。お前は泣いて哀れを誘って、オレに許されたいのか?」

 クロウにそう言われて、俺は涙を飛び散らせながら何度も頭を横に振る。
 そんなの絶対嫌だ。そんなの、謝ってない。クロウだって、納得しない。

「だったら、やる事は一つだ。お前が誠意を見せてくれれば、もう怒りはしない」
「ほ……ほん、と……?」
「ああ。だから勿体ないことをするな」

 そう言って、クロウは少しざらついた舌で俺の頬から目尻までを舐め上げる。
 くすぐったくて恥ずかしかったけど、でも、いつもみたいに触れてくれたのが嬉しくて。嫌われてるって訳じゃないと思ったら、俺は少しだけ楽になった気がした。

 クロウの吐息と舌の感触が、冷たくなっていた体に少しだけ熱を灯す。
 体の中を焼く恥ずかしさより、クロウに許して貰いたいと言う気持ちの方が強くなって、俺は覚悟を決めると縮こまっている自分のモノを恐る恐る掴んだ。

「ん……ぅ……」

 鼻をすすりながら、嗚咽おえつを堪えて根元からこする。
 だけど、自分を隠してくれる物が何もない場所で、二人にじっと股間を見つめられながらオナニーするなんて、恥ずかしくて興奮しきれない。
 誰かにこんな姿を見られたらと思う恐怖も有って、足はガクガクと震えてるのに、ちっとも俺の分身は奮い立ってくれなかった。

 だけど、イかないとクロウは許してくれないし、いつまで経っても終われない。
 わかってるのに、一生懸命しごいてるのに、自分の指が動いてる感覚しかしなくて。

「勃起しないねえ、ツカサ君のおちんちん」
「ムゥ……」

 唸るような声に、俺は肩を震わせて必死に謝った。

「ぅ、あ……ごめ、なさ……す、する、から……すぐするから……っ」

 でも、全然固くならない。ぐにぐにしたまんまで、むしろ擦る度に痛くなるみたいで、自分でもどうにかして興奮しなきゃって思うのに、どうしようもなかった。
 ど……どうしよう……これじゃまた怒られる……。
 そんな俺の様子を見かねてか、ブラックが俺の後ろに回り込んできた。

「あ……っ」

 そうして、そのまま背中から俺を覆うようにして抱き締めると、腹に手を這わせて来て、ゆっくりとへその淵を指でなぞり始めた。

「ツカサ君ほんとウブなんだね……。人に見られるのが怖くておちんちんが萎えちゃってるんだ? ふふっ……可愛いなぁ……。こんなにえっちな体なのに、心はまだ真っ白なままなんて……」
「ぅ、う……。やだぁ……」
「大丈夫だよ……。僕が後ろから抱いててあげるから、気持ち良くなってごらん? ほら、ツカサ君が大好きな僕のおっきな手で、たくさん触ってあげるよ……」

 ブラックが、ぴったりと背中に体をくっつけてくる。
 その温かさと、いやらしい指の動きに、勝手に体がまた熱くなって来た。
 怖いはずなのに、勃たないはずなのに、ブラックのにおいや吐息を感じ取ったら、どうしても体が変になってしまう。

「あ……や、だ……」
「ヤダじゃないでしょ? ほら、ちゃんと気持ちよくならないと……ね?」
「ん……ぅ……うぅう……」

 こんなの、変だ。おかしいよ。
 恥ずかしいのに、こんな場所で気持ちよくなるなんて怖くて出来なかったのに、体が勝手にブラックの手に反応してしまう。
 硬直していた体も、恥ずかしい所を掴んでいる手も温かくなってきて……。

「ふむ、段々体が熱くなってきたようだな」
「あぅ……ち、ちが……」

 クロウの言葉にすら、心臓がドクドク脈打って顔が熱くなってくる。
 固いてのひらで内腿を揉むように撫でられると、怖くて震えていた足が別の意味でぶるぶると震えて来て、思わずブラックの体に背中を押しつけた。

「あはっ……ツカサ君のお尻ってほんと柔らかいね。ズボン越しでも解るよ……? こんなに押し付けて来るなんて、もうえっちな気分になっちゃったのかなぁ」
「まったく……ツカサはオスに触れられるとすぐに発情するな」
「ちがっ……そんなっ、じゃ……ないってばぁ……!」

 足やへそにまとわりついて来る掌に耐えようとしていたせいで、思わず反抗的な言葉が口から漏れてしまう。
 だけど、ブラックもクロウも俺の反応に気が変わったのか、さっきまで触れようともしなかったのに、今度は二人とも我先にと俺の体に手を這わせてきた。

 首筋、胸、わき腹から臍に伝って、俺の手を掻い潜り下腹部や内股を撫でて来る。
 ブラックは俺を抱きながら尻肉を、クロウは俺の右足を掴みながら熱心に親指で内腿うちももを揉みこんできて、その手の質感と動きの違いに、俺は段々とじっとしていられなくなった。気付けば、手の中で収めるだけになっていた俺のモノは……熱くなって、少し勃ちあがってしまっていて……。

「ツカサ君、もっと力を抜いて……。ほら、外でセックスなんてさ、毎回やってたじゃない。でも、今までずっと誰にも見られて無かっただろう? だから……怖がらなくていいんだよ……」
「ふぁ……っ、あ……ぁっ、あ……」
「そう、ほら、ゆっくりと優しく擦ってみて……?」

 ホントに、人なんて来ないんだろうか。
 でも、ブラックが言うように、えっちしてても誰にも見つからなかったし。
 それに、二日経っても誰ともすれ違わないこんな場所なら、きっと誰かに見られるなんて事は無いはずだ。ブラック達だって一緒だし、だったら……

「ぁっ……ぅ……んぅう……」
「そう、良い子だね……手伝ってあげるから、先端を刺激して」

 こんな風に、と、まだ勃ちあがっても居ない乳首の先を軽く触ってくる。
 だけど、それだけでぞわぞわして、俺は言われるがままにその感覚を追って自分の指でゆっくりと乾いた先端をさすった。

「んくっ……ぅ……」
「ふっ……ツカサ、可愛いおちんちんがやっと元気になって来たな」
「や、だ……。言わない、で……」

 二人に見つめられてると思うと、体の奥がまたじりじりと焼けてくる。
 それぞれの手が汗ばんでるのが解ると、俺と同じくらい興奮してるんだって思えて来て、怖さが薄らいだ気がした。……二人が俺と一緒なら……もう、怖くない。
 俺は涙ぐみながらも手を動かし、やっと自分を奮い立たせた。

「ふぁっ、ぁ……や……ぁ……」
「ん……良いね……声もちゃんと出して……」

 ブラックが耳にキスをして来る。それと同時に、お尻の所にブラックの固いモノが当たっているのを感じて、俺は無意識に下半身に力を入れた。

「っ……ぁ……ふぁ、あ……」

 背後の熱が、クロウの手が、視界をぼかして段々と熱で何も考えられなくさせる。

 こんな所で、こんな恥ずかしい格好で自慰をしていると言う事すら頭の中からすっかり抜け落ちて、下半身の気持ち良さだけに意識が集中してきた。
 そうなるともう、俺もえて何も考えないようになって、早く終わろうとより強く手を動かし、自分の猛ったモノを根元から擦り上げた。

「あっ、あぁっ、あぅっう……もっ、ぃ……い、く……!」

 体の熱がぐっとそこに集まったようになって、俺は達することにだけ集中しようと目を閉じた。もう、何も考えられない。気持ち良い感覚を突きつめたくて、溜まった感覚を吐き出そうと、一気に手を動かそうとして――――

 いきなり、根元をぐっと締め付けられた。

「うあぁああ!? ひっ……う゛……ぃ、ぎっ……! らにっ、ぃ、や……やら、やぁあ……!」
「まだ出すな。ツカサには、二度と勝手な事をしないように、きちんと学んで貰わなければならんからな」

 そう言って、俺のモノの根元を縛ったのは……目の前にいた、クロウだった。

「ひっ、ぐ……や、ぁ……やだぁああ……!」
「ヤダじゃない。こうでもせんとお前はすぐ忘れるだろう?」
「そうだよツカサ君……。キミには身を持って教えてあげないと、またやらかすからねえ……。僕だって約束を破られたくないし……だからさ……ねっ!」
「うあ゛ぁああ!?」

 ひっ、ぐ……っ!?
 ゆ、び……指、お、おしりのなかに……っ!

 なん、で、なに、これ、なんでぬるぬるしてるの。
 いやだ、動かさないで、こんな、締め付けられてたらイけない……!

「まだだぞツカサ。ちゃんと反省して貰わないとな」

 そう言いながら、クロウは俺のおちんちんの根元を指で締め付けたまま、ぬるぬるしてきた先端を掌で思いきり擦り始めた。
 弱い所なのに、激しくされたら、もう、どうしようもなくて。

「いやらっっ、やっ、あっ、ぁああ゛ああ! ひっ、ひぐっいっ、もっ、いぎだぃっ、こんなっ、やらっ、やぁあああ~~~~ッ!」

 ぐちゃぐちゃと音を立てながらナカを指で掻き回されて、おちんちんを撫で回され続ける。イきたいのに、熱が体の中で溜まるような感じにしかならなくて、それが凄くもどかしくて、俺は鼻水を垂らして泣きながらクロウに懇願した。

「おねがっ、もっ、いかひぇれっ、やらっも、つら、ぃっ、いぅう゛っ! ぅ、あっ、あぁあ、ごめっなひゃっ、もっ、しなっ、ひ……しらぃ、からぁああ……!」

 だって、もう、三本も挿れられて、乳首もいたずらされてるのに……おちんちんも、いっぱい虐められてるのに、イケないなんて辛くて。こんなの初めてでどうしていいか解らない。だから、俺は必死にクロウに謝るしかなくて。

 こんなに辛いなら、もう、しない。絶対にしないから。
 恥ずかしいお仕置きなんてもうされたくない、気持ちいいのに辛い事なんて、もうやだ。だから、お願い、もうイかせて。もう、しないから……っ!

「二度としないか?」

 クロウの言葉に、どろどろの顔で何度も頷く。

「し、だぃ……しな、ぃい……っ! だ、から……も……っ」

 俺の情けない姿がよっぽどだったのか、クロウはやっと軽く笑ってくれた。
 だけど、問いかけて来る間にも先端をくちゅくちゅと指で弄って来て、俺は必死に頷きながらも腰がビクつくのを止められなかった。

「ブラック、どうする」
「んー……良いんじゃない? このまま続けちゃうと、ツカサ君たらまた半日くらい失神しちゃいそうだし」
「……そうだな。まあ、このくらいで勘弁してやるか」

 やっと、許してくれる。

 思わず開き切った口が緩んだ俺に、ブラックが背後から囁いて来た。

「じゃあツカサ君、今日も僕のペニスなしで絶頂してみようか」
「ふ、ぇ……っ!?」
「大丈夫……ほら、穴にはちゃんとぶっかけてあげるから……っ」

 言っている意味が判らなくて顔を歪めた俺に構わず、ブラックは唐突に熱くて硬くなったモノを尻の谷間にぐっと押し付けてくる。
 だけど、それは指で弄られ続けた所に入る事は無くて、ただ、無理矢理開かれた穴のフチを先端でつんつんと突いて来るだけだった。

「ひ、ぐ……っ。ぃ、や……それっ、や、だ……っ」
「挿れないから大丈夫だってば。セックスしたらツカサ君また疲れちゃうでしょ? でも、ツカサ君のお尻の穴は僕の精液も大好きだから、精液でも満足してくれるよね……?」

 はあはあと荒い息を漏らしながら、ブラックは尻の谷間におちんちんを擦りつけて来て、それが、どうしてか切なくて……俺は、涙ぐんで首を振った。

「や、だ……やだ、そ、なの……っ!」
「刺激が足りない訳ではあるまい。ツカサ、安心して出せ」

 思わず下腹部に力が入った所に、クロウがいきなりおちんちんを口に含んできた。

「やっ、あ……あぁあ゛あ!! ひっ、ぃ、やっ、も、外しれっ、ひぐっぃ、あ、あぁあ゛あ!」

 柔らかい口の中で舌に絡め捕られて、足が痙攣する。
 それと同時に後ろもきゅうっと締まるようで、そこにブラックのおちんちんの先端が軽く差し込まれたのに、俺は大きく喘いでしまった。

 だけど、なにか、足りない。
 考えたくないのに、どうしようもない物足りなさに耐え切れなくて、俺はクロウの頭を掴んで足で挟み込む。その行動に、クロウは俺のおちんちんの根元を縛っていた指を解放して――――一気に舌でしごいて吸い上げた。

「っあぁあ゛あああ……――――ッ!!」

 それだけで、今まで散々焦らされていた俺は……簡単に、達してしまった。















※次はちょっと重要なブラック視点です。
 我慢プレイは今回は弱めにしました。個人的にはだいぶ物足りない。
 一人称はパニくってくると描写が曖昧になるのがネックですねえ(´・ω・)
 
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