異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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ファンラウンド領、変人豪腕繁盛記編

26.快楽の蓄積1

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※すんません思ったより長くなったので切ります…(;´Д`)
 ツカサがえっちにノッちゃうのは次で






 
 
 思えば、この温泉郷に来た時点で湯の花に気付くべきだったんだよな。
 とはいえ、一回目に来た時はこんな事に手を出すなんて考えてなかったし、そもそもあの時は余裕が無かったからな。
 必要になった時に初めて気付くって奴だが、思い出せないよりはましなんだから結果オーライって奴だろう。

 こういう知識なんて、婆ちゃんに教えて貰ってなきゃ絶対忘れてただろうしなあ。婆ちゃんは結構なんでも手作りしてたし、知りたがりの俺にも根気よく色んな事を教えてくれたっけ、本当今となってはありがたいわ。

 しかし、俺みたいなアホガキにも解り易く教える労力ってのは、いかほどのものだったろうか。その方面に関しての知識が無い人に説明するって事がかなり大変だってのは、俺もこの世界で嫌と言うほど理解したけど……今まで俺が説明した人達って大抵分野外だから知らないってだけで、頭がいいから俺のクソみたいな説明でも解ってくれたし、俺の場合は純粋に物分りが悪かっただけだしなあ……ごめんね婆ちゃんめっちゃありがとう。

 まあ、あれだな、とにかく現代知識に感謝って奴だな!
 考えると落ち込んでくるから考えないようにしよう!!

 とりあえず、新たな名物が作れるぞとは言ったが……実際のところ上手く行くかどうかは解らない。なんせ、この世界は俺の世界と微妙に勝手が違うからな。
 あのハクバンという結晶も、俺の世界のミョウバンと全く同じ物ではないのかもしれないのだ。ちょうど俺のやりたい事だけが出来ない……なんて可能性もある。

 名物を作るよ! とか先に宣言しちゃったのはマズかったかなとも思ったが、言ってしまったモンは仕方がない。まあ、失敗してもどうにかなるだろう。
 だって、この世界には色鮮やかな服が有るわけだしな。

 そう思って、トランクルに帰ったら色々と試そうと思っていたのだが……なんと、ヒルダさんがハクバンに関する資料を貸そうと言ってくれたのだ。
 恐らく俺の企みを見抜いての事だろうが、本当に気が利く人である。
 こう言う所が才女と呼ばれる所以ゆえんの一つなんだろうなあ……ヒルダさんのような上手な立ち回りが出来れば、俺もブラック達を手玉に取れるんだろうけど……。

 いや、手玉に取るってなんだよ。忘れよう。
 とにかくヒルダさんに貸して貰ったハクバンに関する資料を暗記せねば。

 そんな訳で、一旦紫狼の宿に戻った俺達は、ヒルダさんにこの温泉郷の管理者である人との連絡を取って貰い、資料を持って来て貰う事になり、俺はヒルダさん&ラスター達とは別行動をとる事にした。

 まあ、このまま村人達に付いて行っても、俺達には何もできないからな。
 グロッキー状態のクロウとブラックも一緒に宿に残ってしまったが、二人も村人達に無理して付いて行く理由も無いから仕方ないな。
 仕方ないが……ラスター、お前って奴は本当に言動以外はまともな騎士なんだな……色恋沙汰より勉強を優先するその姿勢、物凄く尊敬するよ。
 これでもう少し謙虚で下位の者に思いやりが有って口が穏やかならなあ……。

「はぁ……完璧超人なんてクソくらえだけど、ラスターの場合は“なんで天は二物を与えなかったんだ”レベルだよ……」

 持って来て貰った資料を自室(言い忘れていたが、部屋は一人一部屋になった)でパラパラとめくりながら、溜息を吐き、俺は頭を掻く。
 ラスターの傲慢さは自分を奮い立たせるためだって言うのは解ってるけど、何と言うか……もうちょっとこう、柔らかくならないもんかねあの残念イケメン。
 とは言え、あれでも出会ったころより丸くなったとは思うけど。

「……って、そんなこと考えてる場合じゃないか。今は資料の方が先だな」

 折角持って来て貰ったんだし、ちゃんと読みこまねば。
 俺にはちょっと高い椅子に着き、足をばたつかせながらハクバンに関する情報をゆっくり読みこんでいく。

 資料には研究結果だの他の鉱石との比較がどうのと、わりと難しい言葉が並んでいてチンプンカンプンだったが、用途や取引についての部分だけでも充分ハクバンのポテンシャルを把握する事が出来た。

 どうやらこのハクバン、ミョウバンとかなり似通っているが、少々勝手が違う所もあるらしい。例えば、ハクバンは熱湯でないと液体に溶けないという部分だ。
 俺の世界のミョウバンは溶けにくくはあるが水にはちゃんと溶けるのだが、これはハクバンがそのまま液体として噴出してるのに関係が有るのかも知れない。

 あと、液体に溶かす場合もちょっと違うんだよな。
 ミョウバンは水に溶かした場合、使用するには十倍、時には三十倍くらい薄める必要が有るが、ハクバンの場合は薄めず原液で良いらしい。
 だが、その代わりに自然物を加えなければならないそうだ。

「うーん……? 土とか草とか金属……? 水以外なら何でも良いみたいだけど、これってアレかな、曜気を加えるって事かな?」

 土の場合はひとつまみで汚れを落とす液体に変わるらしいが、植物とかを入れると消臭剤になり、金属だと皮をなめしたりその他の用途の液体に変化するようだ。
 金属の場合は入れる金属で種類が違う液体が出来るみたい。

 炎と水に反応しないのは、既に含まれているからなのかな?
 何にせよ、不思議な物質だなあ……。

「しかし、植物で消臭剤か……。なんか香りの良い植物を使ったら、そのまま消臭デオドラントとかになるんじゃないかな? 貴族の人はもう使ってるんだろうけど、自分で作れそうなのはありがたいなー。メモしとこ」

 消臭剤は色々役立つし……ハクバンが流通してない土地なら売り物に出来そう。あと、クロウがブラックの足に関してわりとショックな事言ってたし、ちょっと作って振り掛けてみたりとかした方がいいかな……。

「しかし、足っていつぐらいから臭いだすんだろうな……俺も足くせえって言われるようになるのかな……ヤだなそう言うの……」

 結婚した後なら足が臭かろうがもう何とでもなるが、女の子とイチャイチャしてる途中で足の臭いに気付かれたら恥ずかしいなんてもんじゃないぞ。
 優しい子はスルーしてくれるだろうけど、俺的には「実は、ずっと足が臭いと思ってました」とか後で言われる方がダメージでかい……やだそんなの……。

 だって! だってさ、女の子とイチャイチャしてる間、ずーっとその女の子は俺の足が臭いなあと思ってたって事だろ!?
 それかなり格好悪いじゃん! どう考えてもムードぶち壊しじゃん!!
 やだー! こういう世界でも出来るだけこまめに足とか体とか拭いてるけど、女子にそう言う事を思われるのだけは絶対にいやだああああああ!!

「ツカサ君また女の子の事考えてるの……」
「うぎゃあああ!?」

 おおおおおお、お、おぉお!?
 ブラック、ブラックか! おっ、おまえ、いきなり話しかけるのやめろよ、驚き過ぎて思わず椅子から跳び上がっちまったじゃねーかばか!

 しかも背後から忍び寄って……って、待てよ。俺、部屋に鍵をかけてた気が。
 ……ってえことは、まさか……。

「お前……また勝手に鍵開けしやがったな!?」
「ふふふ……僕の曜術に勝てる鍵なんて存在しないよ……」
「でぇええい何を軽犯罪を誇っとんじゃおまええええ!」

 しかも気配を消して俺のすぐ背後で声をかけて来るなんて、俺を殺す気か、どんだけ驚いたと思ってんだこのおおお!!

 心臓が停まったらどうしてくれる、と椅子から飛び降りてブラックに相対すと、相手は俺をニヤニヤとした顔のまま見下ろしてきて――ぎゅっと抱き着いてきた。

「ちょっ、ちょっと、こらっ!」
「ツカサ君~……今日は朝から全然触れなくてさびしかったよぉ……」

 甘えたような声で言いながら、ブラックは俺を上から覆うように抱き締め、その手を背中からするすると下へ降ろし始める。
 どこを触ろうとしているのかがすぐ解って、俺はやめさせようとしたのだが……それよりも早く、ブラックは両手で俺の尻を鷲掴みにしてきやがった。

「うぁあっ!? や、ばかっ、揉むなぁ!」
「そんな……ツカサ君のお尻がすぐソコにあるのに、揉まずに我慢するなんて無理だよ! はぁあぁ……柔らかくてもちもちで最高だなぁ~」
「っ、ん……っ! や、だ……だめ……だめだって……っ」

 ブラックの体に無理矢理押し付けられて、両方の尻たぶをぎゅっと掴まれる。
 両の人差し指が丁度足の付け根の、その……内側に食い込んでて、もう少し強く掴まれて尻肉を持ち上げられてしまったら、完全に人差し指が股間に食い込んでしまう。ブラックの手がデカいせいで、俺のケツは最早逃げ場も無かった。

 それを良い事に、ブラックは思う存分持ち上げたり、揉んだり、嫌だって言ってるのに谷間を広げたりしてきて。その度にズボンがぎゅうっと締め付けられるのが辛くて、俺はブラックの服を掴んで必死でやめろと繰り返したのだが……
 その声も、最早情けないくらいか細くなってしまっていて。

「ぁ、う……ゃだ……も……おしり揉むの…っ、勘弁してぇ……っ」

 揉まれる度に、ズボンが上に引き上がって来て布がたわみ、指がどんどん谷間に食い込んで来る。そんな状態なのに、ブラックは更に尻肉を乱暴に揉みながら足の間にまで指を差しいれようとして来て。

 足を閉じても、どうしても足の付け根は締めきれなくて、指が侵入してしまう。
 会陰に触れるか触れないかの場所に指を押し付けられ、尻肉を揉みこまれて、俺は前が熱くなってくる感覚を抑えたくて必死に首を振った。
 だけど、それで悪戯をやめてくれるなら、こんな事にはなってない訳で……。

「はぁっ、はぁ……ツカサ君……おちんちんの所、熱くなって来たね……。ふ、ふふ……いつもなら我慢出来るのに……今日はおちんちんが凄く素直だ……」
「ふぁっ、や、だめっ、だっあっ、あうぅ!」

 尻を揉んでいた手が、後ろから股間に無理矢理手を突っ込んできて、前の膨らみをきゅっと握ってくる。
 思わず体を震わせてしまったが、ブラックは構わずに、指の先で膨らみの頂点を優しく撫でさすって来た。

「は、ぁ……や、それ、やだ……っ」
「嫌……? それにしては、もう蒸れてシミが出来そうだけど……ああ、お漏らししたら大変だね! 僕が抑えてあげるよ!」
「ひゃうっ!? や゛っ、だめっ、下からするのやだぁ……!!」

 ブラックの手に押し上げられて、足が勝手に爪先立ちになる。
 不安定になった俺は更にブラックに縋ってしまうが、相手はそれに笑うと俺の股の間に手を入れたまま、股間全体をきゅっきゅと等間隔に押し上げて来た。

「あっ、あぅっ、や、やだっ! やっ、あ、あぁあ……!」

 声が細切れになって、恥ずかしい高い声が我慢できなくなってしまう。
 爪先立ちでも踏ん張ろうとするけど、でも押し上げられている以上、踏ん張っても股間への攻撃はどうしようもなくて。
 ブラックの腕に跨るような形になった俺は、足を震わせて成すがままになるしかなかった。

「ぶら、っく、もっ、や、これっ、やだ……っ!」
「んー……これでも、弱いイタズラのつもりなんだけどなあ~……。ツカサ君たら、もしかしてコレだけで気持ちよくなっちゃった……?」

 低い声で囁くようにそう言われて、わざとらしく音を立てて頬にキスをされる。
 ねっとりとしたリップ音に耳を塞ぎたかったけど、でも、ブラックの服を掴んだ手を放してしまうと、もう立てなくなりそうで動けなくて。

 ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて、俺の耳の付け根や目元に執拗にキスを繰り返してくるブラックに、俺はただ反応する事しか出来ずに息を呑む。
 体が熱くなって、キスされた所がじんじんして、もどかしいくらいに優しく指で触れられている股間も恥ずかしいくらいに熱が集まっていて。

 なのに……ブラックは、それ以上の事はしてくれない。
 昨日も、一昨日も、夜はあんなに乱暴にベッドに押し倒して来たのに、今日は何故か俺を煽るだけで、それ以上手を進めてくれなくて。

「っ、う……ぅあっ、あ……あぅう……っ」
「ん……? どうしたのかな、ツカサ君……」
「も、や……やだ……こんなっ、ばっか、やだぁ……っ!」

 やめてほしいのかもっと触れて欲しいのか解らないながらも、俺はとにかくここから先に行きたいと思って懇願する。
 けれど、ブラックは俺の情けない顔を嬉しそうに見つめたまま、何も言わなかった。

 ……なんで。なんで、進んでくれないんだよぉ……!

「ブラッ、ク……も……これ、やだ……っ!」
「他の事、してほしいの……?」

 優しい声でそう問いかけられて、俺はただ必死に頷く。
 だけど、帰ってきた答えは非情な物だった。

「でも、セックスするのは夜だからねえ……。そう約束したし、第一ツカサ君だって昼間からセックスするのはヤだって言ってたじゃないか。だから、ちゃんとしたセックスは夜じゃないと……ね?」

 そう言いながら、ブラックはまた俺の頬に優しくキスをする。

「んっ、う……もっ、や……ば、か……ばかぁ……っ!」
「約束だから……ね? でも、それだとツカサ君も寂しいよね。だから、夜になるまでたっぷりイタズラしてあげるから……それで我慢してね、ツカサ君……」

 ツカサ君はやる事が沢山あるんだから、大丈夫だよね。
 そう言いながら嬉しそうに微笑んだブラックに、俺は目を見開いて固まった。

 ……よるに、なるまでって……。

 それまで、ずっとこんな焦らすような悪戯をされ続けるって事……?

 ……そ……そんな…………。
 う、ううう……宿になんて、戻って来るんじゃなかった……。











 
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