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セレーネ大森林、爛れた恋のから騒ぎ編
受け入れがたいものを検討してこそ2※
しおりを挟む「じゃあ、遠慮なく堪能させて貰う」
「うう……」
宣言されても返す言葉もないんですってば。
樹の幹に背中をくっつけて、ただただ口を噤んでクロウの顔の行く末を見守っていると、相手はまた腰を屈めてズボンの破れた部分に顔を近付けてきた。
「あぁ……本当にこの服は良いな……ツカサの肉付きの良い太腿に、く……食い込んで……美味そうな肉がこんなに浮き上がってるぞ……」
そんな事を言いながら、クロウは露出した肌に顔を寄せて軽く音を立ててキスをし始めた。……何だか、ここに居ない誰かさんを嫌でも思い出してしまう。
人間だれしもスケベな心は持っていると俺は思っているが、しかしその、どもりながら人の肌をちゅっちゅしまくるような人は、流石に少数派だと思う訳で……。
ブラックと張り合うぐらいなんだからこのくらいで上等、みたいなことは言ったが、やっぱり今の状況は何かおかしいんじゃないかと思わざるを得ない。
そもそも、恋人がいるのに他の奴にこんな事をされてるなんて、俺の倫理観がおかしいと思われても仕方がないのに……それに加えて、野外でこれ……えっと、この……何プレイ? これなんて言えばいいの?
や、破きプレイ……? 駄目だ、見た事なさ過ぎてどういえばいいのか解らん。
「はぁ……は……ツカサ……」
「んっ……! ぅ……っ……」
音を立てて、クロウの唇が俺の足を滑って行く。
太腿、内腿、布で触れられない部分があれば鋭い爪が引き裂き、どんどんキスをされる場所が広がって行ってしまう。
「っ、ぅ……あ、ぅ……んくっ……っ」
指が足に当たるたび、布に触れた部分がなくなっていく。
もう破けていない場所なんて、股間と足首から下以外には無い。そんな場所の全てにクロウの唇が触れて、少しざらついた舌が唾液を含ませて舐め上げた。
網のようになって辛うじて繋がっている布の間に触れられると、その度に体が妙にぞわぞわする。
どうして、こんな。
足を舐められて、キスをされてるだけなのに、こんなに……。
「ツカサ……あ……ぁあ……傷一つない柔らかい、美味そうな足が、こんな……こんな、みすぼらしい布に……っ」
「く、クロウ……そういうのは、ちょっと……さ、さすがに……変態っぽい……」
舐め回され過ぎて、足がもう、涎で光ってる。
外でやってるせいか、その足に風があたって所々が冷たくて、だけどクロウの舌や指が触れている所は、火傷しそうな程に熱くなっているように感じて。足が自然と内側へ寄って行く。
クロウはそんな俺に気付いたのか、嬉しそうに目を細めて俺の太腿を掴んで、そのままぐいっと広げて来た。
「うぁっ……! や、やだ、クロウまって……!」
「オレに舐められているだけで、感じたのか……? 嬉しいぞ……ツカサ……」
「あ、あぁ……」
乱暴に足を開かれて、無様な大股開きになった俺は、思わず顔を背ける。
だけどクロウは軽く息だけで笑うと、辛うじて無事だった部分……俺の、股間に手を伸ばしてきて、優しくそこを包み込んできた。
そんな事をされて、じりじりと下腹部に熱が溜まっていた俺が、耐え切れるはずもなく。
「うぁああっ……! だめっ、そこ、だめ……!」
「小さなズボンを突き破らんばかりだな……ふふ……ツカサは本当にいやらしくて可愛い……。オレの変態な行為で、こうなるなんてな……」
「あ、あぅう……っ、やっ……っ、ぃ、あ……やだ……!」
大きな掌で陰嚢まで包み込まれて、先端を掌で擦りながら、指が下の膨らみをやわやわと揉んでくる。いくら大きな掌といえど、その手に収まってしまう自分の愚息が恥ずかしい。だけど、野外でこんな変な格好をして、クロウにイタズラされているんだと思うと、どうしても熱が収まらなくて。
自分の格好のおかしさと、野外である事の危機感と、俺の中の熱を無理矢理に煽ってくるクロウの手に、どうしようもなく追い詰められていく。
「ツカサ……ズボンの上からだと、どう感じる……。気持ちいいか……?」
「っ、ぅ……や、だ……きくなぁ……!」
そんなの、決まってるじゃないか。
下着が無いせいで、荒い布地に当たって酷く敏感になってしまう。そんな状態で外から圧迫されれば、乱暴に愛撫されているも同然だろう。
だけど、そんなの言えるはずがない。
じっとりと汗ばんだ掌が余計に布を湿らせて、俺のモノに布を張り付けて来て、いつもとは違う感覚に、ただただ体は反応してしまう。
先端を広い掌にこしこしと擦られると、もう、それだけで我慢できなかった。
……こんなに解り易く反応してるのに、それを自分で言うなんて……出来るはずがない。声だって、もう抑えられなくて情けない声が漏れちゃってるのに。
だけど、大きな声を出すわけにもいかなくて。俺はクロウの手を両足で挟み、女のように内股になりながら、目の前の相手に懇願した。
「だ、め……だめ……っ、そんな……されたら……っ」
「ああ……もう、完全に勃ち上がってしまったな……。ふっ、クク……ハハハ……く、苦しい、だろう……? 今解放してやるからな……!」
「っぇ……」
にわかに声の抑揚が激しくなってきたと思ったと同時。
クロウの手が俺のズボンの股間の部分を爪でぐっと摘まむと……いとも簡単に、股間の部分の布を破り去ってしまった。
「っあぁ……!?」
散々揉まれた俺のモノは、自分を抑える物がなくなった事で、元気よく反り返った姿をズボンの外へ曝け出してしまう。
だけど、先走りの汁で濡れた先端には布や繊維が引っ掛かってしまい、かなり辛い刺激を受けて俺は思わず腰を痙攣させてしまった。
そんな俺を見て、クロウはまた目を見開き荒い息を漏らしている。
食事の時とは少し違う、ブラックみたいな……雄の、顔……――。
……やっぱり、こういう「もう布きれを纏っているだけ」の無様な格好が、クロウは好きなんだ。こんなの、普通なら戦いに負けた奴の格好でしかないのに。
そんな物に劣情を抱くのは、やっぱり戦士だからなんだろうか。
俺には良く解らない感覚だし、恥ずかしくてたまらないけど……だけど、そんな恰好をさせられてしっかり興奮している自分が、どうこう言えた義理は無い。
恥ずかしいと思っているのに勃起して、足を期待に震わせてるなんて、どう考えても俺の方がおかしいじゃんか……。
ちくしょう、こ、こんなの、俺は望んでなかったのに。
クロウが、ブラックが、変な事するから。スケベな事して来るから、股間を触られるだけでもう簡単に勃っちゃうようになって……う、うううう……。
「あ……あぁあ……いいぞ、ツカサ……もっと……もっと、恥ずかしそうな顔をしてくれ……! たまらない……も、もう……ッ」
「う、うぁ……?!」
そう言うと、クロウは――自分の股間をまさぐると、完全に勃起した物を躊躇いもなく取り出して見せた。
「ぁ……あぁ……」
や、やっぱり……デカい……。
っていうかなんか、改めてみると全然ブラックと違う……なんか、その、獣っぽさのある、人間とちょっと違う形っていうか、いやでも俺、本当に他人の股間なんて殆ど見た事ないし、現実で勃起してる奴なんてそんな……
「ツカサ……頼む……す、素股……素股させてくれ……ッ」
「えっ……!? で、でも、そんなのしたら、ブラックが……」
半殺しって言ってたよね、アレ半殺しって言ってたよね!?
俺がどうこうって言う前に、クロウが殴られんの嫌なんだってば俺は!
でも、なんかこれ、どう見ても普通に静まらなさそうだし……ど、どうしたら。
「半殺しなど別に構わん、それより、ツカサに触れたい……ツカサに触れて、絶頂したい……っ」
「ふあっ!? あっ、だ、駄目っ、駄目だって!!」
慌てて逃げようとするが、しかしクロウはもう目が据わっていて、俺の話を聞いてくれそうにない。クロウは俺を抱き締めると、反射的に閉じていた俺の足の間に硬くて太いモノを押し付けて……そのまま、ずるりと間に分け入った。
「うあぁあっ!?」
「ツっ、ツカサ……ツカサ……!!」
前から抱き締められて、俺のモノがクロウの体に当たる。
それだけでも思いきり反応してしまったのに、クロウは竿で擦るように俺の股間を満遍なく前後に扱いて来る。腹に押し付けられたモノも、クロウの服に擦れて、それが敏感になっている先端には辛くて、俺は必死にクロウの服を掴んで顔をクロウの胸に押し付けた。
「んっ、ぅっ、うぁっ……あ、あぁ……ッ! だ、めっ、そんな、激しく……っ!」
「ウ……ウゥウ゛……ッ! つ、カサ……ツカサ、ぁ、グ……グゥ、ウ……!!」
内腿を火傷しそうなくらいに熱いクロウのモノが押し割り、涎とは違う液体を塗りつけて行く。どうかすれば尻の割れ目にすら押し付けられる巨大なソレに、俺は無意識に後ろに触れられるのではないかと思ってしまい、下半身にぎゅうっと力を入れてしまう。だけど、それがクロウには気持ち良いみたいで……。
「あっ、ゥウ゛……ッ! ツカサ……ッ!!」
急に強く抱き締められて、内股の間にびゅるびゅると何かが打ち付けられる。
一瞬、何が起こったのか解らず息が引っ込んだが、内股にねっとりと滴る感覚を覚えて、何が起こったのかを把握した。
これ、多分……クロウの精液…………って、ま、まって……これ……量、多すぎない……? なんか、あの、かなり足に垂れてるんだけど、ちょっと水ひっかけられたレベルの濡れた感覚を感じるんだけど……。
「く、くろう……」
「ハァッ、はっ…………す、すまん……オレ一人だけで、先に……」
「あっ……いや……それは良いんだけど……その……この、量…………」
「リョウ? ……ああ。そういえば、人族は少ない方だったな……。だいたい毎回このぐらい出るぞ。昔の獣人は“繁殖期”があったらしく、決まった期間しか繁殖が出来なかったとかでな……。その時確実にメスを妊娠させるために、長い交尾にも関わらず多量の精液が出るようになっているんだそうだ。そう教わった」
「えぇ……精液の量まで勉強で教わるの……」
いや違う、驚く所はそこじゃない。
そうじゃなくて、確実に妊娠できるようにって……じゃあ、クロウの種族は半日もベッドの中で色々するくせに、毎回この量が出るって事……?
そりゃ確実に妊娠する……うわ、まって、なんか怖い。萎えて来た。
自分がソレをされかねないのが解ってるから余計にアカン。駄目だって、そんな事されたら俺多分口から出るって。どんだけ量あると思ってんだこれ。ブラックでもこんなに出ねえぞ殺す気か。
「ツカサ、どうした。おちんちんの元気が無くなってきたぞ」
「い、いや放って置いて大丈夫です。そいつ粗忽者なんで……」
「よく解らんが、オレだけ達してツカサだけ放置なんて出来んぞ。それに、折角の食事の機会なのにもったいない……。スッキリして腹が減った所なのに」
性欲の次は食欲かよ!!
やだーもー! せっかく冷静に戻って来たってのに、また喘ぐ羽目になんぞなりたくなーいー!! クロウはスッキリしたから良いじゃんかー!
つーかクロウの性欲と食欲の切り替えスイッチどこ!? なんでそんな風にすぐに切り替えられるんだよ、もうそこが気になって完全に萎えちゃったよ!
「ムゥ……すまんツカサ、オレががっついたばっかりに……。今からちゃんと気持ち良くさせてやるからな」
「えぇええ!! も、もう良い、もう良いってば! クロウもスッキリしたんだし、食べるのはもう汗とかで良いだろ!?」
「そんな訳にはいかん。オレだけスッキリするなんて戦士の名折れだ」
なんの名折れだよ! こんな事で折れるならもう折っちまえよ!
もうマジで俺すっかりえっちな気分から覚めたので、本当もう大丈夫ですから。クロウが気持ち良けりゃ俺は別にいいんですってば。
「ツカサ……機嫌を直して、もう一回……」
「あっ、だ、だめ……もう、それ……っ」
クロウの手が、俺の股間に這い寄ろうと背中から移動してきた。
思わず下を向くと、まだ僅かに頭をもたげているクロウのものが目に入って、下半身が汁だらけで大変な事になっているのが見えて、顔がカッと熱くなる。
今までとは違う、クロウの精液が自分の足を伝っている状況に、妙な焦りと衝動が込み上げて来て、それがどうにも耐え切れず、俺はクロウに縋って再度「もう良い」と言おうとした。――――と、同時。
「――ッ!!」
クロウが、目の前で素早く首を傾げる。
何が起こったのかと思った瞬間、俺達のすぐ近くで、何かが砕ける音がした。
「……ぇ…………」
な、何かが、砕ける音……?
突然の事に混乱して、何が起こっているのかとクロウを見やると、相手は俺達が脱出してきたセイフトの方をじっと睨んでいた。
睨んで……ってことは……もしかして、誰か来たって事……!?
まさかブラックが……でも待てよ、ブラックなら普通に声をかけて来るはずだ。
半殺しにするにしろ、怒鳴りながら走って来るはずである。
なのに、そうじゃないってことは…………。
「…………」
恐る恐る、クロウと同じ方向を見る。
森の木々の隙間から覗いた、遥か遠くより近付いて来る姿がある。
その姿を見て――――俺は、思わず瞠目した。
→
※めっちゃ遅れてすみません……_| ̄|○
誤字脱字は12日中に自分なりに直しておきます…本当もうしわけない…
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