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白砂村ベイシェール、白珠の浜と謎の影編
誘惑に惑うは人のさが2※
しおりを挟む後ろを散々弄られて喘ぎまくって、そのうえ寸止めで焦らされて、俺はもう正直限界で。今すぐ、体の中で暴れる熱を解放させてほしかった。
だけど、自分で処理をすればクロウは絶対に怒るだろうし、この場を逃げたって俺に良い事なんて何もない。
結局俺は、クロウの良いように足を開いて懇願するしかないわけで。
「お……おねがい、します……気持ちよく……して……下さい……」
「良い子だ、ツカサ……」
「っ……」
背後から抱え上げられて、そのままベッドへと連れて行かれる。
何をするのかと思ったら、クロウは俺をベッドの端に座らせると、肩を掴んでゆっくりと上半身を押し倒してきた。
「こうすると、服の上からでもお前の乳首が勃っているのが解るな」
嬉しそうに言いながら、クロウは両手で俺の胸を覆ってくる。
掌に乳首を押し潰されて思わず体が跳ねたが、クロウはそんな俺をじっと見つめて、満足そうに目を細めながら胸を掌全体で揉みあげてきた。
「はっ……ぁう……っ」
「まだ定期的に揉んでやらないと、薄くなるようだな……」
「や、ぁ……っ、なん、で……」
「愛する者の体を自分好みにしたい、それはオスなら誰でも思う事だろう?」
そ、そりゃ……そうだけど……っ。
でも、揉むって、薄くなるって、どういうこと。まさか、俺に本気で女みたいな胸を作ろうとしてるのか。そんなバカな。
だけど、大きな手で俺の肉を寄せ集めるように揉むクロウの目は据わっていて、胸を上に引っ張るように熱心に揉んでくる。
ただ肉を集められているだけだというのに、俺の体は手の動きに律儀に反応してしまう。揉まれる痛みがあるのに、時折乳首の周辺を触られるせいか、体内で燻る熱を冷ます事が出来ないでいて。
触れられているのに、声を漏らす快楽すら与えてくれない事が辛い。
未だにシャツの上からしか愛撫されていない事にも、もどかしさが募った。
「ツカサ、そんな切なそうな顔をするな。そんなにオレの手が欲しいのか?」
ふっと笑いながら、クロウはシャツの裾から手を差し込んでくる。
温かくて生々しい手の感覚に思わず反応すると、また笑うような息を頬に吹きかけられた。
……気付けば、目の前には綺麗な橙色の瞳で見つめて来る顔が在る。
怒りを含んだ光の無い事を確認すると、余計に体が熱で疼くような感じがして、間違いが起こるかも知れない恐れと相まって体が余計に過敏になった。
まさか、怒ったからって約束を破ったりはしないと思うけど、でもこんなに近付かれたら嫌でも不安になる訳で。
どうしたらいいのか解らずただクロウの顔を見上げる俺に、相手は目を細めた。
「嬉しそうだな……。そんなに直に触られたかったのか」
「そ、そんな……ちが……っ」
「違う? こんな風に臍を撫でられても?」
クロウの指が、臍の淵をくるくると軽く撫でる。
焦らされたせいでいまだに萎えていない俺には、そのわずかでくすぐったい刺激すら強い快楽に思えて首を振った。
「やっ、ぁ……! だ、め……そこ、違う、って……!」
「なにが違う。ツカサは臍を犯されるのも大好きだろう? 尻と同じように、指を突き立てられて何度も出し入れされるとよく喘ぐ」
「ひ、ぅ……っ、ちがっ、だ、だって、そこ……苦しい、から……っ」
「苦しいのが好きなんだろう? お前は……」
そんなワケないじゃないか。
誰が好き好んでそんな所に指を入れられたがるんだと睨むと、クロウは薄らと笑って顔を臍の方へと移動させた。
「なら、試してみるか?」
「えっ……」
何を、と、言おうとしたと同時……クロウは臍を唇で塞ぐと、穴に軽く吸い付きながら舌でぐりぐりと突いて舐めはじめた。
「んぅうっ!? や゛っ、ぁ、やだっ、だめっそんな゛! っぁ、あ゛ぐっ、ぅっ、ぃっ、ひぎっ、んうぅ゛う゛……!」
奥の方まで舌が届き、軽く絞られたヒダの間をぐりぐりとなぞるように濡らされて、わざとらしく酷い音を聞かされる。
苦しい上に、内臓を押されているような感覚と、濡れた舌の動きがあまりにも生々しく思えて余計に恥ずかしくなり、俺は耳を塞いで嫌だと首を振った。
だけど、クロウは許してくれない。
耳を塞いでも感覚だけはどうしようもなくて、俺は足を摺り寄せて必死にクロウの舌に耐えた……つもりだった。
「ひっう゛、ぅぁあ゛っ! い゛やらっもっ、くるじ……ゆる、して……!」
耐えてるはずなのに、太腿の合わせ目に何かが垂れてくる。
下腹部が熱くて、きゅんきゅんして、放っておかれていた俺のモノは、近い場所からの刺激にびくびくと震えていて。
「っぷは……苦しくて嫌だったら、ツカサのおちんちんも萎えているはずじゃないのか? なのに、こんなに触られたがって、汁を垂れ流しているなんて……とんだ大嘘つきだな……」
「っ、う、ぅうう……」
「臍でこれほど善がるのだから、尻穴を犯されて悦ばない道理はあるまい」
クロウの舌が臍から離れると、つうっと一本の唾液の線が伸びる。
それが何故かすごく恥ずかしくて、俺は顔を背けた。だけど、クロウは俺の顔を手で容易く捉えると、無理に正面を向かせて来て。
「っ……!」
また、間近にクロウの顔が在る。
息を呑んだ俺に、相手は少し嘲ったような声で言葉を投げつけて来た。
「ツカサ……順調にメスになって来てるようで、オレは嬉しいぞ……」
「んっ、ぅ」
顎を囚われて、頬にキスをされる。
クロウのぼさぼさした長い髪が頬に当たってくすぐったい。
だけど、その事よりもクロウの濡れた唇が頬に当たる感触に意識がいって、俺は足の指をぎゅうっと拳を作るように丸めた。
「男の体なのに、柔らかくて気持ちいい。それに加えて感度も良いなら、良い子が産めそうだな……。メスとしては最高の体だ……」
そう言いながら、耳の付け根に何度もキスを繰り返して、クロウはシャツの中でひっそり勃起していた俺の乳首を摘まみ、くりくりと弄り始める。
「やっ……やだ……! っ、お、俺、めす、なんて……違うのに……っ!」
「何が違う? 男に組み敷かれて悦ぶ体なら間違いなくメスだ。男の子種を悦んで受け入れるなんて、オレ達オスには考えられんからな。……ふふ……オスとの交尾が大好きなメス穴になれて良かったな、ツカサ」
……それが、この世界の常識だとは解っている。
男であっても、女のように犯されるのは当たり前の事なのだと。
でも、そんな事を言われたら俺が男である事を否定されたようで、本来の自分とは全く違う、犯されるのが当たり前のいやらしい存在になってしまったかのようで、どうしようもなく涙が溢れて来る。
だけど、胸をマッサージされるように揉まれながら、乳首の先端を爪の先で軽く何度も擽られると、それだけでもう俺は変な声しか出なくなってしまって。
この女みたいな喘ぎ声も、メスになった証拠だとしたら……そう思うと胸が引き絞られるように苦しくて、俺は眉根を痛いくらいに寄せて首を振るしかなかった。
「ぃ、や、いやぁ……! ひぐっ、ぁ、ぅあぁぁ……! ぃっ、や、やらっ、も……っ、うぁあ゛ぁっ、ひっ、ち、ちくび、ぃ、いじらなぃれ……!」
「何故だ」
「やら、も……めすやだぁあ……!」
「嘘を吐け。本当は射精しそうで苦しいからだろう?」
嘲笑うようにそう言われたと思った瞬間。
今まで放置されていた、限界まで張り詰めていたモノを握られて――
「っあぁああ!! やらっや、ひぐっ、ぃ、いっ、ぃうぅうう!!」
自分でも制御しきれないまま、射精してしまった。
「やはり少し勢いがないな。……だが、ツカサが足を閉じていたおかげで零さずに済んだ。えらいぞ」
「ひっ、ぃう、う、うぅ……」
「ツカサ、そのまま動くなよ」
萎えて熱から解放されたお蔭で、体は弛緩してしまいそうになる。
そんな俺の左右の太腿を外側からぐっと抑えてくっつけると、クロウは腿の谷間を舌で辿って、精液が垂れて来た場所に舌を捻じ込んできた。
「んうっ……!」
盛大な音を立てながら啜り、クロウはどんどん足の付け根の方へ移動してくる。
そこに何があるか解ってるくせに、それでも素知らぬ顔をしてクロウは熱い息を徐々に吹きかけて来て。その息がイッたばかりの敏感なモノに掛かり、俺はびくんと体を震わせた。
「っ、く……クロウ……っ」
もう、それ以上は。
あわてて上体を起こして制止しようとするが、それで止まってくれる相手なら、俺もこんなに虐められてないわけで……。
わざとらしく間を持って近付いて来るクロウは、ちらりと俺を見ただけで意にも介さず、そのまま俺の萎えたモノごと股間をべろりと舐め上げた。
「っあぁあ……! や、いやだ、そんなっなめたら、また……っ」
「なんだ? はっきり言わんから解らんな」
そんな事を言いながら、クロウは俺が逃げられないようにさらに強く太腿を掴み、腰が引ける俺の股間に思い切り吸い付いた。
「ひぐっ、ひ、ぃあぁあ゛あ! やっ、やらっすっちゃだぇっ、ひっ、ぅあぁっあぁあああ!」
じゅるじゅると精液を吸い上げながら、クロウは何度も太腿に啄ばむようなキスをして来る。だけどそのキスはまるで「間違えた」とでも言うように、太腿に乗り上げている俺のモノに時折吸い付いては、愛撫する気も無く離れてしまう。
そのキスが先端を軽く吸えば、それだけで俺の体は悲鳴を上げて。いつも以上に情けなくなっている自分を思うと、俺はただ泣く事しか出来なかった。
だけど、クロウはそんな俺の事なんて気にしてはくれない。
痕を付けない程度の気まぐれな軽いキスや、意地悪な触れ方を続けて、俺をまた追い詰めていく。
その意地悪を繰り返されて、どうしようもなくなって、我慢しようと思っているのにどんどん収まりがつかなくなって。これ以上意地悪されたくないのに、こんな事で気持ちいなんておかしいのに、なのに。
クロウに何度も突かれた俺のおちんちんは、また、緩く勃ってしまっていて。
「うっ、うぅ……ひっく……うぁ、あぁあ……も、やだ……やだぁあ……」
「ん? どうしたツカサ」
「やめ、ぇ……おちん、ちん……くるし……っ、もう、い、いぢめらいぇえ……」
ブラックにするように媚びて、恥ずかしさを殺しながら必死に懇願する。
股間の熱をこれ以上煽られたら、頭がおかしくなる。何も考えられなくなる。
だから目の前で跪いているクロウにそうお願いしたのだが……相手は猫のように目を細めて口にだけ笑みを刻むだけで、何も言ってくれない。
お願いの仕方が駄目だったんだろうか。
いや、俺が、メスは嫌だって言ったから?
それとも、俺がブラックとえっちしててサボったから?
……どうしよう。
このままじゃ、このままじゃクロウに何て言ったらいいのか解らない。
何もわからないまま気絶して、クロウが怒って、それでもっと酷い事になるかも知れない。そんなの嫌だ。もう、誰かに嫌われたくない。
ブラックの時みたいになるのはいやだ。怖くて、孤独に怯えて、好きな人に嫌われてしまう事を考えるのなんて――――
「っ、う……ぅあ、あっ……ごめ……なさ…………ごめん、なさっ……ぃ」
「……ツカサ……?」
「ごめん、なさい、ごめんなさい……っ、ごめ、なさ……っ」
クロウの顔が、驚いたように歪む。
だけどそれに反応する事が出来ず、俺は流れる情けない涙を何度も拭いながら、何度も何度も拙い言葉でクロウに謝った。
「ま、まて、ツカサ……どうした、何故泣く……?」
俺の様子が尋常じゃないと思ったのか、クロウがいつもみたいに俺を心配して、肩を掴んでくる。その顔には、もう怒っているような表情は無かった。
さっきみたいなクロウらしくないクロウじゃなくて、いつもみたいに、俺をただじっと見て……いつも、みたいに……。
「クロウ……?」
「あ…………あぁ……! オレは、なんて事を……。どれだ、ツカサ。どれが嫌だったんだ。すまないツカサ、何か、嫌だったんだな……?」
珍しく表情を表に出して焦るクロウに、俺も少し驚きながら首を振る。
そうじゃない。いや、そりゃ嫌だったけど、でもそうじゃなくて。
「クロウ……怒ってたんじゃ、なかったのか…………?」
恐る恐るそう言うと、クロウは目を丸くして絶句した。
……ん……? なんだ。どうしたんだ?
クロウ、もしかして怒ってたの自分では気づかなかったの?
訳が分からなくて潤んだ視界で相手を見上げる俺に、クロウは目を泳がせながら困惑したように頭を掻いた。
「怒って…………そう、だな。怒って……いや、だが、何故オレは怒って……?」
「え……」
どういう事だろう。
いつものクロウらしくないとは思っていたけど、なんか変だ。
クロウは無表情でぼーっとしてるように見えるけど、実際冷静だし俺よりも色々考えてるし……なのに、怒った事を忘れるなんてあるんだろうか。
あんまり興奮しすぎて忘れちゃった……とかないよね、やっぱ。
でも、正直ほっとした。
だって、あのままだったら何かとんでもない事になりそうな感じがしたし……。
なんて思いながら胸を撫でおろしていると、クロウが先程から視線を下方に向けているのが目に入って来た。何を見てるのかと視線を辿ってみると。
「っ!! や、ちょっとまって、み、みちゃだめ……!」
そこには、真面目に話しているにも関わらず、依然として堂々とおっ勃っている俺のしょうもない愚息が……ってもう良いんです、良いんだってば、見ないで!
もう正気に戻ったんだから別にいいよね!?
「おおおお治める、これ自分で治めるからっ、だ、だから」
「そんなの勿体ない。なによりツカサが気持ち良くなれないではないか。安心しろツカサ、オレがちゃんとツカサを絶頂させてやるからな」
あああああ正気に戻ったら戻ったでロクな事がねぇええええ!!
だっ、駄目駄目ダメ!
せっかく萎えかけたのになんでこんなっ、も、もう無理! さすがに今日はもう痛くなっちゃうから無理だってば!!
「クロウだめっ、もっ、もう無理、無理だってばぁ!」
「なにを言ってる、ツカサの美味い精液を目の前で無駄打ちされては死んでも死にきれんぞオレは。さあ、可愛いおちんちんを見せてみろ」
「ふぇえええええ」
完全にいつものクロウだ、いつものクロウだけど、でももう勘弁してぇえ……。
ホッとしたせいで、今まで気付かなかった疲労感がどっと襲って来たが、クロウにはそんな事など関係ない。
真正面の俺の足を力任せに盛大におっぴろげて、いきなり食いついてきた。
「ま、待ってまっ、ぅああ! やらっ、や、そ、そんなしたらだめぇ!!」
さきほどの意地悪な焦らし方なんて嘘のように、クロウは俺のモノを簡単に口に含んでしまうと、音を立てて啜りながら大きな舌で絡み付き擦り上げて来る。
根元も指で作った輪っかで小刻みに扱かれて、その激しさに俺は体を波打たせながらクロウの頭にしがみ付いた。
「ぃあっやっ、いぁあっ! らっ、らぇっいっひゃう、ひぐっ、ぃ、いっひゃ、いっひゃううぅ!」
今までさんざん苛められた体には、もう抗う力も残って無くて。
情けない声を上げながら……俺はクロウの口の中でイッてしまった……。
「んっ……」
クロウの低い声が聞こえて、背中がゾクゾクする。
やっとイかせて貰えた事への快感に酔って体を震わせていると、クロウは最後の最後まで搾り取ろうとしたのか、達したばかりの俺のモノに舌を絡めてかなり強く吸い上げて来た。
「ひっ、ひぐっ、ぃ、ぃあ゛ぁ、ぁ、あぅう゛……っ!!」
「んん……ん、やはりうあいあ」
「喋るなぁあ!」
ばかばかばかお前バカまた変な事になるだろ!?
終わったんならお願いだからもう離してくれよぉ!!
未だに舌を絡めて舐めて来るクロウの頭を涙目で引き剥がそうとすると、相手もやっと解ってくれたのかしぶしぶ口を離した。
だけど、俺に見せつけるかのように口や指をペロペロと舐めるので、もうなんか顔が熱で痛くなるし居た堪れないし散々なんですけど!!
ああもう、なんなんだ一体!!
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