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13話 拒む理由
しおりを挟む「嫌がってるだろ‼︎」
「誰だお前っ…関係ないだろっ」
「オレの彼女に手を出すなっ」
「えっ…」
するとユウキはリオンの手を握り、リオンの家に向かった。
どっ…どうして⁈
姿になって現れたユウキにリオンは頭が混乱し、そのまま何も話さず家に入った。
「大丈夫?」
「、、、、」
「ごめん、遅くなって」
「ユ…ユウキ…?」
声を震わせるリオンをユウキは抱きしめた。
「リオンをこうして抱きしめたかった…」
「どっ…どういうことなの?」
「リオンの願い事…触れたいって言ってたろ?」
「そっ…そうだけど、いったいどうやって…もしかして生き返ったの⁈」
「あの世でお願いしてきた。生き返ってはないけど…まぁでも生き返ったのと同じか」
「本当にっ⁈ユウキ‼︎」
「嬉しい?」
「もちろんよっ‼︎夢みたいっ」
そして2人は手を繋いだままソファーに座った。
「まさか、こうしてまたユウキと触れ合うことが出来るなんて思ってもみなかった」
「うん」
「もう、ずっと一緒にいられるんだね?」
「…それは」
「何?いられるんでしょ?」
「リオン」
嬉しそうなリオンを見てると残り21日だなんてとても言えなかった。
「リオン、お腹空いた」
「お腹空いたの?」
「うん。体が機能してるから」
「わかった。何か作るね…って言ってもラーメンしかない」
「ラーメンでいいよ」
「うんっ。嬉しいなー。これから一緒に食事できるなんてっ」
10分後…
「できたよっ」
「美味そー。久々のラーメンだなー」
「食べること自体が久々でしょ」
「そうだね。いただきまーす」
「どうぞっ」
「リオン!」
「どうしたの⁈」
「めちゃくちゃ…美味しい‼︎」
「そう…よかったっ」
ユウキが美味しそうに食べる姿を見てリオンは幸せだった。
「明日から一緒に食べようねっ」
「うん。リオンは仕事だから、オレが作って待ってるよ」
「本当っ?やったー。ユウキ料理作るの上手だもんねっ」
「あの頃よく一緒に作ってたね」
「そうだね」
「リオン…くっついて寝ようねっ」
「…うんっ」
2人は昔の話で盛り上がりベッドに入った。
「こうやってユウキとくっついていると実感する。ユウキの姿がない時は一緒にベッドに入っても1人で寝てる感じだったから」
「うん」
「懐かしい…ユウキの温もり」
「リオン…」
ユウキはリオンを強く抱きしめた。
するとリオンはユウキに顔を近づけてきた。
えっ…
ユウキはとっさに顔を背けた。
「えっ…ユウキ?」
「リオン疲れてるでしょ。寝ようっ」
「う…うん」
ユウキ…どうして背けたの…?
それからしばらく沈黙が続き、リオンは眠った。
リオン…ごめん…オレだって…
でも…ダメなんだ…
リオンと1日でも長く一緒にいたいから…
ユウキはリオンの頭を撫でながら、受け入れなかった自分を責めた。
残り21日、姿となってリオンと一緒にいられるには条件があった。
その条件とは『愛してる』って言わないこと、キスとそれ以上のことをしないこと。
もし破ったら5日減るのだ。
だからユウキは拒むしかなかった。
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