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7話 夢?
しおりを挟む1週間後、身も心もボロボロになったリオンはベッドに潜り込んでいた。
すると母親から電話がかかってきた。
「もしもしリオン?」
「うん…どうしたの?」
リオンは母親に悟られないうに頑張って普通に話した。
「ちょっとお願いがあるんだけど…」
「…何?」
「それが…」
「どうしたの?」
「お金を…貸して欲しいんだけど…」
「お金?」
「ええ…」
「…いくら?」
「100…ほど…」
「え?100万ってこと⁈」
「…はい…」
「どうして⁈またお父さんが使い込んだの⁈」
「今回は違うの…私が詐欺に遭って」
「詐欺って…」
「投資詐欺よ」
「何でそんなこと‼︎」
「だって…今投資すると倍以上になって返ってくるって言われて…借金を返す為のお金を全部投資したの…」
「何やってるのよ‼︎」
「ごめんなさい、リオン…」
「もうお金、全然ないの⁈」
「ええ。家賃も滞納してるし…このままだと追い出されるわ…」
「そんな…」
リオンは引き出しから通帳を取り出して残高を見たら100万ギリギリだった。
「今回が最後だから…」
「…わかった。電話切ったら振り込む」
「リオン…ありがとう」
電話を切った後、リオンは携帯から母親の口座に100万振り込んだ。
これじゃあ…仕事辞めて実家に帰るなんて…
とても出来ない…私には何も残ってない…
リオンは部屋にあったウイスキーをロックで飲み始めた。
そして…考えれば考えるほどネガティブな気持ちになりどんどん不安定になっていった。
ウイスキーを飲みながら薄暗い寝室へ行き、ベッドに腰を下ろすとしばらく飲んでなかった安定剤を手に取った。
私…何の為に生きてるの…
ユウキ…会いたいよ…
リオンは安定剤を大量に手のひらに出した。
そして口にしようとした瞬間、手のひらから錠剤が全て溢れ落ちた。
えっ…なっ…何でっ⁈
その時、人の気配がして見上げると…そこに立っていたのは亡くなったリオンの彼氏ユウキだった。
ユッ…ユウキ…?
「ユウキ⁈ユウキなのっ⁈」
「そうだよ。リオン」
リオンは嬉しさのあまり立ち上がってユウキに抱きつくと通り抜けた。
「えっ」
ユウキは優しい笑顔でリオンを見つめていた。
「ユウキ…」
「リオン…簡単に死のうとしたらダメだ」
「え…」
「オレがリオンを助けるから」
そう言うとユウキは消えた。
気づくとリオンは眠っていて、翌朝目覚ましで目が覚めた。
えっ…私…いつの間に寝てたの…
ユウキ…夢か…
あまりにも鮮明に覚えていたのでリオンはユウキを思い出し涙を流した。
そういえば昨日、安定剤飲もうとして全部溢したんだ…
拾おうと思い床を見ると1錠も落ちてなかった。
えっ…何で?もしかして…それも夢?
不思議に思ったリオンは引き出しを開け、安定剤の瓶のの中身を見ると空っぽになっていた。
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