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5話 強引な部長
しおりを挟む仕事が終わり、リオンと村山部長はタクシーで居酒屋に行った。
「飲み物は何にされますか?」
「僕は生ビールで。名井野さんは?」
「私もビールで」
「かしこまりました」
「お酒飲まないんじゃなかったの?」
「そのつもりでしたが今日ちょっとイライラすることがあって…飲みたくなりました」
「何があったの?」
「ちょっと…」
「じゃ、ストレス溜まってるだろうから飲もうっ」
料理も運ばれ2人は飲み始めた。
女性社員にイライラしているリオンは飲むペースが早かった。
「やっぱり飲める人と飲むのっていいな~」
「部長は会社の中で一緒に飲む人いないんですか?」
「なかなか対等に飲める人いないから」
「そうですか」
「ところで名井野さんはずっと彼氏作らないつもり?」
「…そうですね。好きな人も出来そうにないですし」
「出来るよ。忘れる為にも彼氏作った方が…」
「仕事の話するんですよね?」
「えっ…あっ…うん」
「何ですか?」
「、、、、」
「部長?」
「ごめんっ」
「え?」
「ただ…名井野さんと飲みながら話したかったんだ」
「、、、、」
「本当ごめん」
「そんな…嘘つかないで下さい」
「だってそう言わないと断るでしょ?」
「部長…他の社員たちに私、勘違いされてるんですけど」
「え…何を?」
「私と部長のことですよ。接待行ったこともバレましたし、今日だって隣の部屋に呼ばれたから勝手に疑って騒いでましたよ」
「そうなの⁈もしかしてそれでイライラしてるの?」
「はい」
「ごめん。知らなかった。名井野さんに迷惑かけたね」
「今後、誤解されるようなことはしないで下さい」
「…わかったよ。でも今日はせっかくだし楽しく飲もう」
「…わかりました」
2時間ほど飲んで2人は店を出た。
「ごちそうさまでした」
「いいえ」
「じゃ…帰りますね」
「名井野さんっ」
「え?」
「オレの家、この近くなんだけど家で飲み直さない?」
「何言ってるんですか?帰りますっ」
「いいでしょっ」
「無理ですっ」
リオンが帰ろうとすると村山部長はリオンの腕を掴み顔を近づけてきた。
えっ…部長っ…嘘でしょっ…
「何かオレ…久々酔ったみたい…」
村山部長の唇がリオンの唇に近づこうとした瞬間、リオンは力いっぱい村山部長を突き離した。
「えっ…」
「なっ…何するんですかっ‼︎」
すると村山部長は急に不機嫌になった。
「こんなふうに拒否られたの初めてだ…だいたい名井野さん…固すぎないか?」
「え…」
「いつまで死んだ人のこと想ってるんだよ」
「…しっ…失礼しますっ」
リオンは近くにいたタクシーを拾い急いで家に帰って行った。
部長に話すんじゃなかった…
みんな大嫌い!!
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