ありがとう【完結】

真凛 桃

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1話 女の世界

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2025年9月24日 10:00


「村山部長~。K社に新作のファンデーション持って行かれるんですよね?」

「うん」

「全てダンボールに詰めてます。2箱ありますが1人で大変でしょう?私がっ…」

「私がご一緒しましょうかっ」

「あなた、することあるでしょ?私がお供しますっ」

「私、こう見えて力あるし…私が行きますよっ」


また始まった…


1人、席に着いているリオンはそう思いながらパソコンに向かっていた。


「名井野さんっ!」


えっ…


リオンが顔を上げると女性社員が一斉にリオンの方を向いた。


「付き添って」

「えっ…私が…ですか?」

「うん。ほらっ、行くよっ」

「はっ…はい」


女性社員はリオンを睨みつけコソコソ話が始まった。
村山部長がダンボールを持って行きリオンが急いで後を追いかけようとすると、女性社員が足を引っかけリオンが転んだ。


「何でアンタが村山部長と行くのよっ」

「何か色目でも使ったんでしょっ」

「そんなっ‼︎」


するとリオンがなかなか来ないので村山部長が戻って来ると、女性社員たちの態度がコロッと変わった。


「名井野さんっ、どうしたっ⁈」


女性社員たちはリオンを起こし上げた。


「名井野さん…転んじゃって。大丈夫?慌てちゃダメよっ」


リオンは手を振り払い、村山部長の元に走って行った。


「すみませんっ。ダンボール持ちますっ」

「いいよ。重いから。行こう」

「あっ…はい」


リオンと村山部長が行くと女性社員たちは集まって、リオンの悪口を言い出した。







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