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102話 犯人は裕二
しおりを挟む映像を確認していたシュンと刑事はようやく事件当日の映像にたどり着いた。
「あっ…映ってますね」
刑事は映像を止めて拡大した。
「え…」
「こいつは…⁈」
2人は目を疑った。
「嘘だろ…⁈」
「こいつ、岡田裕二ですよ‼︎クソー‼︎あいつ‼︎」
映像に映っていたのは岡田裕二だった。
斉藤を殺したのは裕二だったのだ。
シュンは怒りのあまり壁を思い切り殴った。
まさかっ…
胸騒ぎがしたシュンはスミに電話をかけた。
だが繋がらず黒川社長に電話をかけた。
「社長っ、お疲れ様です」
「スミは⁈」
「えっ…あ…今、屋上に居ます」
「屋上⁈どうして⁈」
「それがですね…斉藤を殺した犯人を知ってるって人と…」
「今すぐ屋上に行ってくれ!!」
「えっ?」
「岡田が犯人だったんだよ‼︎」
「えっ⁈ほっ…本当ですか⁈じゃあ今スミさんが会ってる人って…」
「あいつだ‼︎俺も今からそっちに行くから‼︎」
「わかりましたっ‼︎今から屋上に行きますっ」
電話を切ると黒川社長は急いで屋上に行った。
シュンは刑事を連れ柳本グループに向かった。
黒川社長は屋上の扉を開けた。
おっ…岡田⁈
黒川社長に気づいた裕二はスミにナイフを突き付けた。
「やっ…やめろっ‼︎」
「今すぐここから出て行け!出て行かないとこいつを殺すぞっ」
「わっ…わかった。出て行くからナイフを離せっ‼︎」
裕二はナイフを離した。
「早く行けっ!」
黒川社長はゆっくりと出て行き扉を閉めた。
一体どうすればいいんだ…
黒川社長はシュンに電話をかけた。
「社長っ…すみません」
「どうしたっ⁈」
「出て行かないとスミさんを殺すって…ナイフを突き付けていたので屋上から離れました」
「えっ⁈やっぱり岡田だったんだな?」
「はい」
「もうすぐ着くから‼︎」
「警察も一緒ですか?」
「ああ。でもそんな状況なら俺1人で行く」
シュンたちが柳本グループに着くと警察が一気に車から降りて来た。
「屋上へは僕1人で行きます」
「えっ」
「人質がいるんです。突入すると何するかわかりませんので1時間後に来て下さい。それまでに何とかしてみます」
そう言うとシュンは急いで中へ入って行った。
屋上の扉付近で黒川社長がシュンを待っていた。
「社長っ」
「スミは大丈夫かっ⁈」
「はい…でも…」
「何だ⁈」
「スミさんの体が心配です」
「え?」
「スミさん…妊娠してるんです…」
「妊…娠…?」
「昨日わかって今日社長に報告するって言ってました」
スミ!!
スミのお腹に俺の子が…
スミ…俺がスミと子供を守るから…
必ず守ってみせるっ‼︎
シュンは屋上の扉を開けた。
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