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100話 謎の便り
しおりを挟む翌日、シュンは警察署に行き事件の担当の刑事と会って話していた。
「刑事さん、その後何かわかった事は?」
「正直…苦戦しているところです。防犯カメラの位置も犯人は知っていたのか、ちょうど映ってなくて」
「ちょっと映像見せてもらってもいいですか?」
「はい、こちらです」
シュンは防犯カメラの映像を確認したが犯人らしき人物は映っていなかった。
「ちょっ…ちょっと止めて下さい」
「あっ、はい」
「道の向こうに停まってる車…」
「あの車が何か?」
「停まってる向きからして…ドライブレコーダーに何か映ってるかも…」
「えっ⁈はい確かにそうですね」
刑事は防犯カメラの映像を拡大して車のナンバーを控えた。
「何か証拠になる物が映っていればいいですけど…」
「そうですね。今から調べて車の持ち主に会って来ます」
「それと…岡田裕二はまだ見つからないんですか?」
「はい。空港も各駅も厳重に取り締まっているので遠くへは行けません。きっと近くに滞在しているはずです。大掛かりで捜索してるので捕まるのは時間の問題かと思います」
「わかりました。引き続きよろしくお願いします」
シュンは警察署を出た後、黒川社長に電話をかけた。
「社長、お疲れ様です」
「お疲れ様。スミは?」
「今ですかー?」
妊娠のことをまだ知らないシュンと話していると黒川は顔がニヤけてしまっていた。
「うん」
「ちゃんとお仕事されてますよー」
「そっ…そう」
「はーい」
「あいつ…まだ捕まってないからスミのことよろしく頼むよ」
「はいっ。私に任せて下さい。社長今日はスミさんと会うんですよねぇ?」
「うん」
「よかったですねぇ」
「え?黒川社長…何か変だよ。どうした?」
「いえ…私はお2人が幸せそうで嬉しいんですよー」
「あ…ありがとう。じゃもう切るよ」
「はいっ」
電話を切った後、黒川社長は独り言を呟いた。
子供が出来たこと知った時の社長の喜ぶ顔が目に浮かぶな…
ってことは…2人はもちろん結婚するんだよな…
今度こそ夫婦になるのか…
するとその時、バイク便が一通の封筒を持って来た。
宛名を確認するとスミ宛の手紙だった。
黒川社長は封筒を持ってスミの部屋に届けに行った。
「さっきバイク便がスミさん宛に…これ持って来ました」
「バイク便ですか?あ…ありがとうございます」
スミは封筒を開けて中の手紙を読んだ。
「え…」
「どうされました?」
“斉藤さんを殺した犯人を知っています。証拠を渡しますので16時に1人で屋上に来て下さい”
「スミさん…これって…」
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