90 / 110
90話 関係をはっきりさせたいシュン
しおりを挟む翌日、会議が終わりシュンは岸田と打ち合わせをしていた。
「この件は柳本グループに任せよう」
「えっ、いいんですか?」
「もうちょっと伸ばさないといけないから」
「わかりました」
「あっ…テルを泊めてくれてありがとう」
「社長っ!聞いて下さい。あいつ…いびきがすごくて全然眠れませんでしたっ」
「あー、確かにテルのいびきはすごいなぁ」
「俺の布団も取りやがって」
「帰ってすぐ寝たの?」
「いいえ。また飲みました」
「そっか」
「気付いたら語り合ってました。社長のことを…」
「え、どうして俺のこと…」
「あいつ…心底社長のこと信頼してるし大好きですね。僕には負けるけど」
「そっ…そう…」
「でも…話しててわかりました。あいつ意外といい奴でした」
「だろー、よかった。今度みんなでテルに会いに行こう」
「はいっ。ところであれからスミさん、すぐ帰ったんですか?」
「え…いいや、ちょっと飲んだよ」
「それから?」
「それからって…」
「あいつ心配してましたよ。社長とスミさんのこと…今現在の関係を聞けなかったみたいで…あいつも社長とスミさんには幸せになって欲しいって言ってました」
「テルの奴…」
「僕も社長とスミさんには幸せになって欲しいです」
「ヨリは戻すよ」
「本当ですかっ?」
「うん。今からスミのお母さんに話して来るから」
「そうなんですね。わかりました。きっと歓迎してくれますよ」
「…じゃ行って来る」
シュンはスミの母親に連絡して家まで会いに行った。
「話って?会社の事かしら?」
「…いいえ、スミさんとの事です」
「スミの事?」
「はい…」
「…何?」
「会長っ…いや…お母さんっ」
「え?」
「スミさんとの交際を認めてもらえませんか?」
「えっ」
「継母は出て行ったし、もう会う事はありません」
「、、、、」
「堂々と付き合いたいんです」
「スミとは…プライベートで会ってるの?」
「はい…すみません」
「もしかして…一昨日帰って来なかった時も…?」
「…僕と一緒に居ました」
「あの子ったら‼︎嘘なんかついて」
「すみません。もう嘘をつかせたくないんです」
「、、、、」
「お母さん…」
「少し…考えさせて」
「…え」
「あなたのことが嫌な訳じゃないの。ただ色々あり過ぎたから…ちょっと考えさせてちょうだい」
「…わかりました」
「ごめんなさいね」
「いいえ。お母さんの気持ちもわかります」
「スミのせいであなたも散々巻き込まれたのに…本当にスミのこと好きなのね」
「巻き込まれたなんて思ってませんし、スミさんのことは別れた後もずっと想ってました。好きな気持ちは変わりません」
「地曽田さん…」
スミの母はスミにはシュンはもったいないと思う気持ちと、シュンに対して申し訳ないという気持ちが強かった。
7
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
私をもう愛していないなら。
水垣するめ
恋愛
その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。
空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。
私は実家の伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。
街中を、私の夫であるアイクが歩いていた。
見知った女性と一緒に。
私の友人である、男爵家ジェーン・バーカーと。
「え?」
思わず私は声をあげた。
なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。
二人に接点は無いはずだ。
会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。
それが、何故?
ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。
結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。
私の胸の内に不安が湧いてくる。
(駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)
その瞬間。
二人は手を繋いで。
キスをした。
「──」
言葉にならない声が漏れた。
胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。
──アイクは浮気していた。
2番目の1番【完】
綾崎オトイ
恋愛
結婚して3年目。
騎士である彼は王女様の護衛騎士で、王女様のことを何よりも誰よりも大事にしていて支えていてお護りしている。
それこそが彼の誇りで彼の幸せで、だから、私は彼の1番にはなれない。
王女様には私は勝てない。
結婚3年目の夫に祝われない誕生日に起こった事件で限界がきてしまった彼女と、彼女の存在と献身が当たり前になってしまっていたバカ真面目で忠誠心の厚い騎士の不器用な想いの話。
※ざまぁ要素は皆無です。旦那様最低、と思われる方いるかもですがそのまま結ばれますので苦手な方はお戻りいただけると嬉しいです
自己満全開の作品で個人の趣味を詰め込んで殴り書きしているため、地雷多めです。苦手な方はそっとお戻りください。
批判・中傷等、作者の執筆意欲削られそうなものは遠慮なく削除させていただきます…
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる