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78話 分かち合い
しおりを挟む解散した後、シュンとスミはホテルに戻った。
「この部屋も久々だなー」
すると突然スミは後ろからシュンを抱きしめた。
「スミッ?」
「、、、、」
「スミ…」
「もうちょっとだけ…こうさせてて」
「…うん」
シュンは飾ってある花に目がいった。
あの花…ちゃんとスミの手に渡ったんだ…
しばらくして2人はソファーに座った。
「会社の事だけど…ごめん」
「倒産した事?」
「…うん。俺が責任持って取り返すから待ってて」
「そんな…シュンの責任じゃないし。それにシュンの会社だって…」
「必ず軌道に乗せてみせるよ。だからしばらく忙しくなると思う」
「うん…」
「スミ…誤解しないで聞いて欲しいんだけど」
「何?」
「スミは実家に戻った方がいいと思う」
「え…どうして?嫌よっ」
「もう岡田のこと心配する必要ないし柳本グループだってこんな状態になって…お母さんを1人にさせるのはどうかと思って…」
「…でもシュンと離れたくない」
「スミ、俺が刑務所に入る前に戻るだけだよ」
「え」
「話しただろ。スミの会社を安定させたらスミのお母さんに俺たちのこと話そうって。それまで会いたい時に会おうって言ってたよね?」
「そうだけど」
「今の状態ではお母さんにとても言えないし、わかってもらえるとも思わない。俺頑張るから会社を取り戻すまでスミはお母さんと一緒に居て。心配してると思うし心配かけたくない…」
「シュン…」
「そうしよう」
「…わかったよ。シュンはホテル生活のままなの?」
「うん。だからいつでも来ていいから」
「うん。じゃ明日帰る…今夜は一緒に居たい」
「じゃあ、朝送るよ」
「シュン…それと近いうち一緒に行きたい所があるんだけど」
「斉藤くんの面会だよね」
「あっ…それもなんだけど、妹さんの病院」
「本田弁護士から少し聞いたけど…妹さんそんなに悪いの?」
「うん…白血病」
「白血病って…いくつの子?」
「13歳」
「まだ13歳…?そっか…じゃ近いうち時間作るから一緒にお見舞いに行こう」
「ありがとう」
「スミを殴った男だから正直複雑だよ。でも証言してくれて斉藤くんには感謝しなきゃいけない」
「シュンには本当に申し訳ないけどギリギリまで証人にさせるか悩んだ…」
「妹さんのことがあるからでしょ」
「…うん。ごめんね」
「スミ…だからスミのこと好きになったんだよ」
「シュン…」
「スミ…好きだよ」
「私も…」
「よしっ…シャワー浴びて寝よっか。明日から忙しくなるぞー!」
「シュン…これからは私がシュンを守るから」
「え?」
「シュンを守りたいの」
「十分…守ってもらったよ」
この日、スミは久しぶりにシュンの腕に包まれて眠った。
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