プラグマ 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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第2章

77話 同意

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「シュンッ!ち…違うの!これは、その…」

「う…嘘だろ…」

「シュンッ、誤解よ!」


シュンは由希を連れ裕二の元へ行った。


「えっ⁈奥さん‼︎」


秘書も裕二の相手が由希だった事に驚きを隠しきれなかった。


「どういう事だ⁈」

「…ご想像通りだよ」

「ちょっと、なっ何言ってるのよ‼︎」

「もう言い訳できませんよ」

「そんなっ、違うのよ!シュン‼︎」

「もう否定してもムダですよ」

「うるさいわね‼︎あなたは黙ってて‼︎シュン!私はこの人に無理矢理…」

「ちょっと、何言ってるんですかっ!由希さんからも誘ってきてたでしょ‼︎」

「えっ、い、いつよ‼︎そんな嘘つかないでよ!」

「ひどいな~俺と体の相性いいって言ってたくせに」

「なっ、何言ってるの⁈シュン、この人の言ってること嘘ばっかりよ‼︎」


2人の会話にシュンは呆れていた。


「社長…どうします?」

「…由希と家で話すよ」


シュンは由希を連れ家に戻った。


由希はシュンの顔を見れず下を向いていた。


「驚いたよ…まさか柳本と由希が繋がってたなんて…」

「…それは…その…」

「よくそれで俺のこと責められたよね?あいつもだけど‼︎」

「私はシュンが一番なのっ‼︎もう柳本とは会わないからっ…」

「どうでもいい。会おうが会うまいが」

「えっ…」

「離婚に応じてくれるよね?」

「シュン…嫌よ…」

「会長には柳本とのこと黙っておくから。バレたら由希も悪者になるだろ」

「、、、、、」

「由希…俺と別れてくれ」

「シュン…‼︎」


由希は泣き崩れた。


「由希…もういいだろ…」

「、、、、、」

「由希っ…」

「…わかったわ。別れてあげる」


シュンは離婚届を由希に渡した。


「書いて。俺が出しに行って来るから」


由希は涙を流しながらゆっくり書き始めた。


「会長には柳本とのこと言わないでよ」

「言わないよ」


由希は印鑑を押しシュンに渡した。


「明日提出して来るよ」

「、、、、、」

「由希…どうして柳本と会っていた?」

「シュンが相手してくれなかったからよ」

「…ごめん」


すると由希は台所から包丁を持って来た。


「やっぱりシュンを殺して私も死ぬわ」


由希はシュンの胸に包丁を突き付けた。

シュンは避けようともしなかった。


「それで気が済むなら刺せよ」

「シュン…」

「幸せにしてあげられなくてごめん」


由希はその場に包丁を落とし座り込んだ。


「出て行く。お義父さんとお義母さんには会わずに行くから…」

「…うん。由希…今までありがとう」

「…こちらこそ…シュン…ありがとう」


由希はスーツケースに荷物をまとめ出て行った。

シュンは会長の部屋に向かった。
ドアをノックし中へ入った。


「シュン⁈こんな時間に何だ⁈切羽詰まって戻って来たのか?」

「違います」

「じゃあ何だ⁈」

「由希と離婚しますので」

「まだ言ってるのか‼︎」

「由希も同意してくれました。明日離婚届出しに行って来ます」

「えっ⁈ゆ…由希さんが同意しただと⁈そんなまさか⁈どうしてだ⁈」

「僕に愛想がついたみたいです。全て僕のせいです。だからその分慰謝料は渡すつもりです」

「今すぐ由希さん呼んで来い‼︎」

「…もう由希は出て行きました」

「なっ…何だと⁈」

「勝手な事してすみません」

「で、お前は戻って来るのか⁈」

「…すみません」

「まっ、まさか女に食わせてもらってるんじゃないだろうな⁈」

「それはあり得ません。仕事も見つけてちゃんと働いてますので」

「えっ⁈お前…仕事って…何ていう会社だ⁈」

「教えたら働けなくなるようにするんでしょ?」

「おっ、お前‼︎」

「今の会社に入るまで何社も断られました。それも父さんが裏で手を回した事ぐらいわかってます」

「なっ…何っ」

「先々、自分の手で事業を始めたいんです」

「金もないのに出来るはずがない‼︎」

「やってみせます」

「女の為にか⁈」

「もちろんです。そして彼女のこと認めてもらえるように精一杯やるつもりです」

「もう聞きたくない‼︎出て行け!!」

「…失礼します」


シュンは会長の部屋を後にした。







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