プラグマ 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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第2章

75話 一線を越えてしまった2人

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「そ…そっか」

「…うん」


2人は自分たちの言った事が急に恥ずかしくなり黙り込んだ。


「スミ…」

「えっ?」

「今日から一緒のベッドで寝ようか」

「…うん」


2人は同じベッドに入った。


「2人で寝ると暖かいね」

「そうだね。落ち着く…」

「うん」


お互い今日は色んな事があったせいか疲れていつの間にか眠っていた。



翌日、裕二は業者に頼んで家の掃除をしてもらっていた。
いつスミの母親が来るかわからないからだ。
スミを閉じ込めていた部屋のドアも新しく取り替え全ての部屋にカメラを付けた。


よしっ、これでスミがいつ帰って来ても大丈夫だ。
後は…今から買いに行くか。

裕二は外からの鍵とロープを買いに行った。



朝から仕事を探しに行っていたシュンは話を聞いてもらえる所があり、社長と意気投合し採用が決まった。


シュンは急いで家に帰った。


「ただいま」

「おかえり!」

「スミ‼︎決まったよ!」

「えっ仕事決まったの⁈」

「うん。明日から出勤するよ」

「よかったね‼︎どんな会社⁈」

「色んな施設を作っているんだら、小さい会社だけどこれから伸びて来る会社だと思う」

「そっか。シュンが言うんなら間違いないね」

「あの社長なら考えもしっかりしてるし従業員やお客さん目線だという事も話しててわかったから」


シュンの喜ぶ顔を見てスミも嬉しかった。


そして食事とシャワーを済ませた2人はベッドに入った。
2人とも緊張してドキドキが止まらない。


「スミ…ちょっと飲まない?」

「そ…そうだね」


2人はリビングに行きワインを飲んだ。


「明日はちょっと遅くなるかも」

「飲みに行くの?」

「ううん。家に行って話して来る」

「あ…奥さんと?」

「うん…」

「私はどうしようかな…何か考えないと」

「今度実家に行く時は俺も一緒に行くよ」

「え…」

「わかってもらえるまで何度も顔出すしかない」

「キツいこと言われるよ」

「平気だよ。お母さんの気持ちもわかるから」

「でも私よりあの人の言う事を信じる人だよ。本当に私、お母さんの娘なのかな…」

「そんな事言ったらお母さん悲しむよ。俺の事があるから、あっちの言う事を信じるしかなかったんだろ…」

「それにしてもショックだった…本当にDVにあったのに。写真撮っておけばよかった」

「俺が話したところで信じてもらえないだろうし第3者呼んだとしても口裏合わせたと思われるだけだろうな…」


さすがシュン…よくわかってるな…


「スミのことは一緒にこれから考えて行こう」

「…うん」

「2人とも離婚が成立したらどこか旅行に行こうか」

「行きたい!シュンはどこがいい?」

「カナダ」

「えっ」

「オーロラを見てみたい。スミは?」

「私も全く同じ‼︎びっくりしたぁ‼︎」

「本当⁈」

「うん‼︎まさかシュンもそう思ってたなんて‼︎」

「気が合うね」

「そうだね!」

「スミ…」

「ん?」

「愛してる」

「シュン…私も…」


2人は見つめ合いキスをした。


そしてそのままベッドに行きとうとう一線を越えた。







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