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第1章
34話 監禁
しおりを挟む裕二は近づくのを我慢して、離れた場所から写真を撮り始めた。
「この紙袋は?」
「気に入るかわからないけどトレーナー。この前トレーナー借りてたの洗って返そうかと思ったけど新しく買ったから、よかったら…」
「わざわざいいのに…でもありがとう」
スミは酔った勢いでシュンにハグした。
「えっ」
「おやすみなさい」
「うっ、うん。おやすみ」
シュンは帰って行った。
あいつ…何やってんだ‼︎
裕二は頭に血が昇りしばらくその場から動けなかった。
あいつらデキてたんだな‼︎
この前このホテルの入り口で地曽田を見かけた時もスミの部屋で…
許さない!絶対許さない!!
裕二は家に帰ると怒り狂い部屋の中をめちゃくちゃにした。
翌朝、スミが寝ていると裕二から電話が入った。
「…もしもし何?」
「…今夜、母さんが家に来るらしいんだ。スミが居なかったら変に思うだろうから来てくれる?母さんが帰ったらホテルに戻っていいから」
「え?お義母さんが?急にどうしたの?」
「何か大事な話があるんだって」
「そ…そうわかった。何時頃行けばいい?」
「19時頃来て」
「わかった」
裕二は電話を切った後、ロープを買いに行った。
大事な話って何だろ…
お義母さん何かあったのかな…
19時に家に着いたスミは鍵を開け中に入った。
裕二はソファーに座っている。
スミは家の中がめちゃくちゃで驚き立ち止まった。
「な…何これ…お義母さんは?」
「…まだ来てない」
「そ、そう…家の中めちゃくちゃなんだけど…」
明らかに顔つきが違う裕二と、異様な雰囲気にスミは戸惑った。
「何突っ立ってんだよ。こっち来いよ」
「お義母さんに今どの辺りか電話してみるねっ」
すると裕二はスミに近寄り携帯を取り上げた。
スミを押し倒し両手と両足をロープで縛り始めた。
「えっ⁈な、何するの‼︎裕二!」
「お前が悪いんだからな!」
「えっ、どういう事⁈お義母さんは⁈」
「来ねーよ‼︎」
「騙したのね⁈ちょっとやめてよ!痛いっ」
「うるさいっ!黙ってろ‼︎」
「何で縛るのよ‼︎やめてってば‼︎」
すると裕二はスミの顔を引っ叩いた。
えっ…
「うるさいんだよ‼︎」
「ゆ…裕二…?どうしちゃったの…」
「ここから一歩も外に出さないからな」
「え…」
「俺を騙しやがって‼︎」
スミを縛り終えると裕二は家を出て行った。
散らかったリビングに置いて行かれたスミは、両手両足を縛られ身動きが取れずどうすることも出来なかった。
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