プラグマ 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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第1章

6話 朝帰り

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スミは家に入るが、裕二は帰って来ていなかった。
裕二に電話する気にもなれず、着替えてソファーに座り、足元を見た。
シュンに貼ってもらった絆創膏を剥がして消毒しようと思ったが、しばらくそのままにしていた。


地曽田社長って、困ってる人を放っとけないタイプなんだろうな…
それに比べて裕二は…
それにしても、気持ちを強く持って頑張ってって…どういう意味だろ…
私がそんなに気弱そうに見えたのかな…

スミは疲れもあり、いつの間にかソファーで寝てしまった。


朝になり、窓から差し込む日差しでスミは目が覚めた。
寝室を覗くが、裕二は居ない。


え…裕二…
帰って来なかったの?

携帯を見るが着信もラインも入ってなかった。
時刻は7時10分だった。

その時、玄関が開いた。
裕二だった。


「ス、スミ‼︎起きてたのか?」

「…裕二」


裕二は逃げるように部屋へ行こうとした。


「裕二、待って‼︎」

「な、何だよ」

「昨日、急用がで出来たって言ってたけど何だったの⁈何で今頃帰って来たの⁈」

「か、会社の用事だよ。用事が済んで会社の奴と飲んでて、そのまま会社で寝てしまって…起きたら朝だったんだ」

「…だったら連絡くらいしてくれてもいいじゃない」

「はいはい。これから気を付けますよ」

「ゆ…裕二…」

「着替えて会社に行くから」


裕二は着替えに行き、またすぐに出て行った。

スミは呆れて何も言えなかった。


何でこんなに変わってしまったの…
私のことなんか全然気にしてない…
それとも私の心が狭くなったの…?
今まで連絡なしの朝帰りなんてした事なかったのに…


スミは裕二が浮気していると、一切疑っていなかった。








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