プラグマ 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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第1章

1話 結婚記念日

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2月14日
この日はスミと裕二の3回目の結婚記念日だった。
特に食事に行く約束はしていないが、1年目と2年目の時はスミの手料理とケーキを用意して2人で祝っていたので、今年もスミは手の込んだ料理を作って裕二の帰りを待っていた。
夫の裕二は会社の社長をしている。
普段は20時には帰宅するが、今夜は22時を過ぎても連絡がなかった。

スミは裕二に電話した。


「もしもし、裕二?」

「あっ、もしもしスミ」

「今どこ?」

「えっ、い、今?まだ会社だけど」

「えっ?会社?」

「ちょっと部下がやらかして。今日は遅くなりそう」

「遅くなるって、何時位?」

「んー、日付変わりそうだから先に寝てて」

「えっ、だって今日は…」


裕二は電話を切った。


え…
もしかして今日が結婚記念日ってこと忘れてるの?
昨年までは急いで帰って来てくれたし、花束もくれてたのに…


ガッカリしたスミは並べていたお皿を片付けた。



そんな事も知らずに裕二は、自分の秘書のアキとホテルに居た。


「奥さん?」

「うん」

「何だって?」

「帰りが遅いから、どこに居るのだって」

「それで会社だって言ってたのね。もしかして今日はバレンタインだから何か用意してたんじゃない?」

「俺はアキからのだけで充分だよ」

「本当~?私だけを愛してる?」

「当たり前だろっ」

「じゃあ今日は朝まで一緒に居て」

「それは無理だよ。帰らなきゃ」

「えーっ」

「明日また会社で会えるだろ」

「そうだけど、会社ではイチャイチャ出来ないし」

「じゃ、もう1回イチャイチャしよう」

「キャハハッ」


2人は再びベッドに潜り込んだ。











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