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33 認めざるを得ない
しおりを挟む「認めろよ。付き合ってんだろ?」
クソーッ…広川にだけには知られたくなかった…
だけど…もう…言い訳できない…
「…ああ」
「陸さんっ」
「うわーマジか。お前ら…マジかぁ~」
「広川っ!お前、絶対誰にも言うなよ‼︎」
「何でだよ。うち社内恋愛禁止じゃねーぞ」
「広川っ‼︎」
「まぁでもみんなひくだろうな。まさか男同志のカップル誕生だなんてっ。どんな付き合いしてんの?」
「広川、貴様ーっ」
陸が広川の胸ぐらを掴んだその時、安井が入ってきた。
「やっ、安井さんっ」
「おっ…お前ら何やってんの⁈」
「あっ…」
「なかなか戻ってこないから来てみたらケンカかよ⁈」
「こいつが一方的に…」
「佐田が?広川がまた何か言ったんだろ」
「別に~さぁ戻ろ~っと」
広川は戻っていった。
「佐田?大丈夫か?」
「…ああ」
和は心配そうに陸を見つめる。
席に戻ると広川は陸たちから離れた席に移動していた。
「陸さん、大丈夫ですか?」
「うん…ごめんな。帰って話そう…」
「…はい」
「この後、二次会あるみたいだけど…どうする?」
「オレと大村は帰るよ」
「そっか。わかった」
そして新年会は終わり、陸と和はマンションに帰った。
「和…広川にオレたちのこと認めてごめんな」
「いいえ。認めざるを得なかったですもんね」
「…うん。まさか見られてたなんて…しかもアイツに…最悪だよ」
「広川さん…黙っててくれますかね」
「…わからない」
「もし…バラされたらどうします?」
「…その時はシラを切り通そう。証拠はないんだ」
「そう…ですね」
「飲み直そう。酒不味かったし気分を変えて飲もうっ」
「はいっ」
「あっ…それと来週日曜、オレ実家に行ってくるよ。正月帰らなかったから顔見せろってうるさくて。夜帰ってくるから」
「わかりました」
「再来週の土曜に一泊で温泉でも行くか」
「えっっ…行きたいですっ」
「よし。じゃあ…行こう!どこ行こっか」
「陸さんと一緒ならどこでもいいですよ」
「そっか…じゃオレが決めとくな。因みに和はどんな場所が好き?」
「僕は景色がキレイなとこが好きです」
「例えば?」
「大学生の頃九州に1人旅したんですけど」
「へえー…1人旅かぁ…九州のどこに?」
「熊本と大分と宮崎に行きました」
「3ヶ所も⁈」
「はい…それで宮崎の日南ってとこに行ったんですがそこがすごく印象的で」
「どんな?」
「空と海がすごいキレイなんです。夕日がキレイに見えるスポットがあるんですけど…夕日が海に反射してすっごくキレイなんです」
「へえー」
「人もいい人ばっかりで帰りたくなかったくらいです」
「そこまでよかったんだ?えっと…宮崎の日…」
「日南です」
「あっ…日南っ。今度大型連休の時でも一緒に行こうな」
「はいっ是非」
2人はいつの間にか広川とのことを忘れ楽しく飲んでいた。
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