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22 デート
しおりを挟む翌日お昼前、陸と和は電車に乗った。
休日なのに電車の中は人であふれていた。
「車で行けばよかったね」
「え…そうですね」
もちろん座れず2人はドア側に立っていた。
ドアが開く度に人が乗ってきて満員になり陸と和は体が密着していた。
たまに2人は目が合い笑顔を交わしていた。
ようやく到着して電車を降りると2人は店が並ぶ街へ行った。
「電車は疲れるなぁ…帰りはタクシー使おう」
「はい…でも疲れたけど楽しかったです」
「…うん」
「しかし…すごい人ですねー」
「そうだね。はぐれるなよ」
普通なら手を繋ぐんだろうけど…
さすがにそれは出来ないな…
それにしても通りすぎる女性は和ばかり見てる気がする…
やっぱり和は女性うけするんだな…
「陸さん!あそこ見に行きませんっ?」
「えっ…あっ…うん」
2人は色んな店を見まわり、あっという間に夕方になった。
「どうします?帰りますか?」
「せっかくだし、夕食どこかで食べて帰ろうか」
「そうですね」
2人は少し歩いて和食の店に入った。
歩き回った二人は注文したビールを勢いよく飲んだ。
「けっこう歩きましたね~」
「久々こんなに歩いたよ」
「でもデートって感じで楽しかったですっ」
「うん…」
「本当…陸さんといると時間経つのが早いです」
「オレもそう思う」
2人は徴笑みあった。
「それにしてもカップルだらけだったな。まぁ普通に男と女だけど…」
「そうでしたけど…1組いましたよ」
「1組?何が?」
「僕たちみたいな2人です」
「え?本当に?どうしてわかったの?」
「だって…手繋いでましたもん」
「マッ…マジか⁈」
「同じような人がいてちょっと嬉しかったです」
「そうだけど…手繋ぐなんて堂々としてるな」
「周りに見えないように繋いでましたよ。僕は見ちゃいましたけど」
「そっか…」
「僕たちも…」
「…え?」
「いえ…何でもありません」
陸は和の言いたいことが大体わかった。
「また今度どこか行こう。行きたいとこある?」
「あの…行ってみたいとこならあります」
「どこ?」
「、、、、」
「どこだよ~」
「その…男の人が…集まるバーです」
「えっ…どうして?」
「僕も初めてだから…勉強です」
「勉強って…」
「1人でじゃなく2人でだからいいでしょ」
「それはそうだけど…」
たしかに…
同じような人たちを目の前で見ると安心するし…色々聞きたいかも…
「どこにあるか知ってるのか?」
「いえ、調べてみます」
「わかった。オレも調べてみるよ」
食事を終え、2人はタクシーでマンションに帰った。
エレベーターに乗り6階で停まった。
「今日は楽しかったです。じゃあまた」
「明日は内勤か?オレは午前中は出勤だけど」
「あ…僕は朝から外回りで午後には帰社します」
「そっか…じゃ帰ったらメールして」
「はい。じゃ…おやすみなさい」
「おやすみ」
2人はそれぞれ自分の家に帰った。
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