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18 オレが好きなのは…
しおりを挟む結局、陸は一睡も出来ないまま約束していたミクとホテルのカフェで会った。
「どうして待ち合わせがここなんだ?」
「この後、部屋に行こ。部屋取ってあるから」
「え…」
「いいでしょ?だってあれっきりじゃない」
「、、、、」
「イヤ?」
「ごめん、疲れてるんだ」
「昨日遅くまで飲んだのね?」
「そんなんじゃないけど」
「いいでしょ?昨日私を追い返したくせにっ。私、彼女だよっ」
「…わかったよ」
しばらくしてカフェを出た2人はホテルの部屋に入った。
「ねぇ…今度、旅行しようよ」
「…旅行?」
「うん。陸とどっか遠くに行きたいな~」
「…うん」
「大村くんだっけ?彼女いれば4人で行っても楽しそうだけど…彼女いないって言ってたね」
「うん」
「片思いって言ってたけど告白してないのかなぁ。大村くんだったら告白したら上手くいくと思うのに」
あれって…オレのことだったのかよ…
「ねぇ陸っ。そう思わない?」
「えっ…うっ…うん」
「陸って本当、ツンデレだよね」
「、、、、」
「…そういうとこ好きだよ。でもたまには優しくしてよねっ」
陸の頭の中は和のことでいっぱいになり、ミクの言葉が耳に入ってこなかった。
「ねぇ聞いてる?」
「え?何か言った?」
「んもー、いい!私先にシャワー浴びて来るねっ」
ミクは浴室へ行った。
大村はいつからオレのこと…
全く気付かなかった…
アイツ…酔ってあんなこと言ったんじゃないよな…?
いや…でも…アイツの目は本気だった…
オレは…何で今まで気付かなかったんだ…
20分後、ミクがシャワーを浴び終え体にバスタオルを巻いて出て来た。
「陸もシャワー浴びてきていいよ」
「オレは朝シャワー浴びたし」
「そっか」
「…うん」
「ベッド…行こ」
陸はミクに連れられベッドに行った。
ミクはバスタオルを外し陸にキスをした。
その時、陸の頭の中に和の顔が浮かんだ。
ダメだっ…オレ…やっぱり…
陸はミクから離れた。
「えっ…どうしたのっ?」
「ミク、ごめん」
「何がっ?」
「オレ…ミクと付き合えない」
「えっ⁈なっ…何でよっ‼︎」
「ミクのこと…好きじゃ…ないんだ」
「え…じっ…じゃあどうして…付き合ったの⁈」
「あの時は流れで…」
「そんなっ」
「ごめん」
「べ…別にいいのよっ。今は好きじゃなくてもこれから好きになってくれれば」
「…無理だ」
「私っ…好きにさせる自信あるからっ。だから別れないっ!」
「他に好きな人がいるんだ」
「え…」
「だから…本当ごめん…」
そう言うと陸は部屋を出て行った。
陸はそのままジムに行き思いっきり汗を流した後、マンションに帰った。
明日は仕事かぁ…
大村は内勤かなぁ…
どんな顔してアイツに会えばいいんだ…
さすがに一睡もしていない陸はベッドに横になると深い眠りについた。
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