Pure love 〜純粋な恋愛〜【完結】

真凛 桃

文字の大きさ
上 下
16 / 45

16 和 vs ミク

しおりを挟む
翌日、陸の家で和が料理を作り2人は飲みながら食事をしていた。


「大村がこんなに料理上手だったなんてなー。どれも美味しいよ」

「よかったです。それより先輩に何かお礼したいんですが」

「お礼って?」

「ジャケットのことです」

「そんないいよ。お礼なんて」

「でも…」

「大村もオレのこと助けてくれたろ。徹夜までして…お前の方が大変だったはず。それに比べたらオレがやったことなんて大したことないよ」

「先輩…」

「そんな目で見るなよっ」

「先輩っ…大好きです」

「えっ…ハハハ…オレも好きだよー」

「僕、先輩の為なら何でも出来そうな気がします」

「大村…」

「本当ですよ」


ヤバい…気持ちがまたブレそうだ…
何でそんなこと言うんだ…


「先輩っ、これも食べて下さい」


和はエビマヨを陸の皿に運んだ。


そんな…優しくしないでくれっ…


「先輩…僕…」

「え?」


ピンポーン


「だっ…誰だ今頃っ」


陸が玄関を開けに行くとそこにはミクが立っていた。


「ミ…ミク⁈」

「へへへ…来ちゃったっ」

「てか…ここオートロックなんだけど、どうやってここまで?」

「ちょうど下に人がいたから一緒に入っちゃった」

「何しに来たの?」

「会いたくて来たに決まってるじゃない。ラインしても既読にならないし」

「あ…ごめん。今、人が来てるから帰って」

「人って?」

「会社の人。この前エレベーターで会ったろ?」

「あ~、あの人ね。私も仲間に入れてっ。お邪魔しまーす」

「ちょっ…ちょっと」


ミクはさっさとリビングに入った。


「えっ⁈」

「こんばんは」

「あ…こんばんは…」

「うわー!美味しそ~」

「ミク、今日のところは帰ってくれない?」 

「えー、どうしてー?せっかく来たのに」  

「よかったら一緒にどうぞ」

「やったー!お腹ペコペコだったんだ~」

「大村…ごめん」

「大丈夫です」
     

そして3人でテーブルを囲んだ。


「名前…聞いてもいいですか?」

「大村です」

「大村くん?まだ若いですよねー」

「23です」

「本当にっ?私22だから、あまり変わらないねっ」

「22…?わ…若いですね」


和が陸を見ると陸は下を向いていた。


「大村くん彼女は?」

「いません」

「えー、もったいない。誰か紹介しようか?」

「いえ、大丈夫です」  

「何で?好きな人でもいるの?」 

「それは…」

「ミク、いいじゃないか」

「私の友達と合いそうな感じだからさー。ちょっと待って。その子の写メ見せてあげるっ」

「片思いだけど、好きな人いるので‼︎」

「えっ…そっ…そうなの?残念」

「大村…ごめんな」
  
「いえ…」


せっかく楽しいお酒だったのに、ミクが来て陸は一気にお酒が進まなくなった。

そんな中、和は逆にお酒を飲むペースが上がった。


「ミクさんは佐田先輩のどこが好きですか?」

「えっ…」

「好きなとこ?1番は見た目かな。ツンデレなとこも好き。陸は私のモロタイプなの」

「…そうですか」

「でも…もうちょっと優しくして欲しいなー。メールもほとんど返信してくれないし。大村くんからもっと私のこと気にかけるように言ってー」  

「それは…僕が言うことじゃありません」

「大村くんも冷たいのねっ」

「ところで…ミクさんはまだ22なら結婚は全然考えてないんですよね?」


大村っ…余計なことを…‼︎


「考えてるよっ。若いうちに結婚したいし。ねっ、陸」

「オレは結婚なんか全く考えてないし」

「何言ってるの?私は陸と結婚したいし」

「まだ付き合ったばかりだろ?」

「あっ…そうね。でもいずれは陸と…」

「結婚なんかしたくない」

「嘘でしょ?陸はもう30歳よね。私は陸と結婚したい」

「先輩がしたくないって言ってるんですから‼︎」

「えっ、大村?」

「なっ…何で大きな声出すの?」

「あっ…すみません。何だか悪酔いしたみたいで」

「大村、大丈夫か?」

「大丈夫です」

「ミク、もう帰ってくれ」

「じゃ、大村くんは?」

「元々は大村と飲んでたんだ」

「彼女を帰すの?」

「ミクが勝手に来たんだろ?」

「先輩っ、僕が帰ります」

「お前は帰らなくていい」

「何よっ、そっちがカップルみたい。わかったわよ帰る。その代わり明日は会ってよ」

「わかったよ」


そう言うとミクは帰って行った。







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~ その後

菱沼あゆ
恋愛
その後のみんなの日記です。

元カノと復縁する方法

なとみ
恋愛
「別れよっか」 同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。 会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。 自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。 表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!

消えた記憶

詩織
恋愛
交通事故で一部の記憶がなくなった彩芽。大事な旦那さんの記憶が全くない。

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?

キミノ
恋愛
 職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、 帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。  二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。  彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。  無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。 このまま、私は彼と生きていくんだ。 そう思っていた。 彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。 「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」  報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?  代わりでもいい。  それでも一緒にいられるなら。  そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。  Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。 ――――――――――――――― ページを捲ってみてください。 貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。 【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。

あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

けいこ
恋愛
カフェも併設されたオシャレなパン屋で働く私は、大好きなパンに囲まれて幸せな日々を送っていた。 ただ… トラウマを抱え、恋愛が上手く出来ない私。 誰かを好きになりたいのに傷つくのが怖いって言う恋愛こじらせ女子。 いや…もう女子と言える年齢ではない。 キラキラドキドキした恋愛はしたい… 結婚もしなきゃいけないと…思ってはいる25歳。 最近、パン屋に来てくれるようになったスーツ姿のイケメン過ぎる男性。 彼が百貨店などを幅広く経営する榊グループの社長で御曹司とわかり、店のみんなが騒ぎ出して… そんな人が、 『「杏」のパンを、時々会社に配達してもらいたい』 だなんて、私を指名してくれて… そして… スーパーで買ったイチゴを落としてしまったバカな私を、必死に走って追いかけ、届けてくれた20歳の可愛い系イケメン君には、 『今度、一緒にテーマパーク行って下さい。この…メロンパンと塩パンとカフェオレのお礼したいから』 って、誘われた… いったい私に何が起こっているの? パン屋に出入りする同年齢の爽やかイケメン、パン屋の明るい美人店長、バイトの可愛い女の子… たくさんの個性溢れる人々に関わる中で、私の平凡過ぎる毎日が変わっていくのがわかる。 誰かを思いっきり好きになって… 甘えてみても…いいですか? ※after story別作品で公開中(同じタイトル)

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

あまやかしても、いいですか?

藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。 「俺ね、ダメなんだ」 「あーもう、キスしたい」 「それこそだめです」  甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の 契約結婚生活とはこれいかに。

処理中です...