Pure love 〜純粋な恋愛〜

真凛 桃

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16 和 vs ミク

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翌日、陸の家で和が料理を作り2人は飲みながら食事をしていた。


「大村がこんなに料理上手だったなんてなー。どれも美味しいよ」

「よかったです。それより先輩に何かお礼したいんですが」

「お礼って?」

「ジャケットのことです」

「そんないいよ。お礼なんて」

「でも…」

「大村もオレのこと助けてくれたろ。徹夜までして…お前の方が大変だったはず。それに比べたらオレがやったことなんて大したことないよ」

「先輩…」

「そんな目で見るなよっ」

「先輩っ…大好きです」

「えっ…ハハハ…オレも好きだよー」

「僕、先輩の為なら何でも出来そうな気がします」

「大村…」

「本当ですよ」


ヤバい…気持ちがまたブレそうだ…
何でそんなこと言うんだ…


「先輩っ、これも食べて下さい」


和はエビマヨを陸の皿に運んだ。


そんな…優しくしないでくれっ…


「先輩…僕…」

「え?」


ピンポーン


「だっ…誰だ今頃っ」


陸が玄関を開けに行くとそこにはミクが立っていた。


「ミ…ミク⁈」

「へへへ…来ちゃったっ」

「てか…ここオートロックなんだけど、どうやってここまで?」

「ちょうど下に人がいたから一緒に入っちゃった」

「何しに来たの?」

「会いたくて来たに決まってるじゃない。ラインしても既読にならないし」

「あ…ごめん。今、人が来てるから帰って」

「人って?」

「会社の人。この前エレベーターで会ったろ?」

「あ~、あの人ね。私も仲間に入れてっ。お邪魔しまーす」

「ちょっ…ちょっと」


ミクはさっさとリビングに入った。


「えっ⁈」

「こんばんは」

「あ…こんばんは…」

「うわー!美味しそ~」

「ミク、今日のところは帰ってくれない?」 

「えー、どうしてー?せっかく来たのに」  

「よかったら一緒にどうぞ」

「やったー!お腹ペコペコだったんだ~」

「大村…ごめん」

「大丈夫です」
     

そして3人でテーブルを囲んだ。


「名前…聞いてもいいですか?」

「大村です」

「大村くん?まだ若いですよねー」

「23です」

「本当にっ?私22だから、あまり変わらないねっ」

「22…?わ…若いですね」


和が陸を見ると陸は下を向いていた。


「大村くん彼女は?」

「いません」

「えー、もったいない。誰か紹介しようか?」

「いえ、大丈夫です」  

「何で?好きな人でもいるの?」 

「それは…」

「ミク、いいじゃないか」

「私の友達と合いそうな感じだからさー。ちょっと待って。その子の写メ見せてあげるっ」

「片思いだけど、好きな人いるので‼︎」

「えっ…そっ…そうなの?残念」

「大村…ごめんな」
  
「いえ…」


せっかく楽しいお酒だったのに、ミクが来て陸は一気にお酒が進まなくなった。

そんな中、和は逆にお酒を飲むペースが上がった。


「ミクさんは佐田先輩のどこが好きですか?」

「えっ…」

「好きなとこ?1番は見た目かな。ツンデレなとこも好き。陸は私のモロタイプなの」

「…そうですか」

「でも…もうちょっと優しくして欲しいなー。メールもほとんど返信してくれないし。大村くんからもっと私のこと気にかけるように言ってー」  

「それは…僕が言うことじゃありません」

「大村くんも冷たいのねっ」

「ところで…ミクさんはまだ22なら結婚は全然考えてないんですよね?」


大村っ…余計なことを…‼︎


「考えてるよっ。若いうちに結婚したいし。ねっ、陸」

「オレは結婚なんか全く考えてないし」

「何言ってるの?私は陸と結婚したいし」

「まだ付き合ったばかりだろ?」

「あっ…そうね。でもいずれは陸と…」

「結婚なんかしたくない」

「嘘でしょ?陸はもう30歳よね。私は陸と結婚したい」

「先輩がしたくないって言ってるんですから‼︎」

「えっ、大村?」

「なっ…何で大きな声出すの?」

「あっ…すみません。何だか悪酔いしたみたいで」

「大村、大丈夫か?」

「大丈夫です」

「ミク、もう帰ってくれ」

「じゃ、大村くんは?」

「元々は大村と飲んでたんだ」

「彼女を帰すの?」

「ミクが勝手に来たんだろ?」

「先輩っ、僕が帰ります」

「お前は帰らなくていい」

「何よっ、そっちがカップルみたい。わかったわよ帰る。その代わり明日は会ってよ」

「わかったよ」


そう言うとミクは帰って行った。







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