Pure love 〜純粋な恋愛〜【完結】

真凛 桃

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3 ランチ

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翌日、11時過ぎに起きた陸はシャワーを浴びて髪を乾かしていたらチャイムが鳴った。


直接玄関のチャイムかよ…誰だ…


半乾きの髪のまま上半身裸で陸は玄関を開けた。


えっ…


そこに居たのは和だった。


「大村くんっ、どっ…どうした⁈」


和は陸の鍛えられた上半身に見惚れていた。


「おっ…おい?」

「あっ…す、すみませんっ。シャワー浴びてたんですか?」

「えっ…あっ…うん」


陸はとっさに上半身を両手で隠した。


「あのっ…昨日…ご迷惑おかけしてすみませんでしたっ」

「あっ…ああ。それ言いにわざわざ?」

「はい…よかったらランチでもどうですか?ご馳走させて下さい」


そういえば腹減ったな…家にも何もないし…


「じゃ、ちょっと待ってて。着替えて来るから」


そう言うと陸は中へ入って行った。


先輩の家…いい匂いがするな…


そして5分後、陸が部屋から出て来た。


「お待たせっ」

「あっ…はいっ」


2人は歩いて近くの洋食店に入った。


「先輩って私服だと全然雰囲気違いますね」

「まぁ、会社ではスーツだからな」

「私服もいいですよ」

「え」

「さぁ、何食べます?僕はオムライスにしよっと」

「オレは…ミートソースのパスタにしよ」

「じゃ…ワイン飲みます?」

「昼間っから?」

「僕は昨日飲み過ぎたから飲みませんけど…先輩は飲んでいいですよ」

「そう?じゃ飲もっかな」


ワインを飲み始めた陸は結局1杯じゃ足りずボトルを頼んだ。


「それにしても本当、驚いたよ。同じマンションだったなんて」

「僕もです。一気に酔い覚めましたもん」

「今まですれ違ったりしてたかもな」

「ですね」

「家賃、結構高い方だけど大丈夫なの?」

「あっ、はい。大学の時バーテンダーのバイトしてて貯金はあるので。後は今の会社で結果出して頑張らないと」

「へー、バーテンダーしてたんだ?モテたでしょ?昨日も女性社員に囲まれてたし」

「そんなことないですよー。先輩こそ会社でモテるでしょ?」

「オレは無口で近寄りがたいと思われてるんじゃないかな。実際無口でクールだし」

「無口でクール?先輩が?そうは思いませんけど」

「大村くんの前では違うかもな」

「それはどうしてですか?」

「んー、わかんない」

「僕に気を許してくれてるってことですか?」

「…そうかもな」


そして食事を終えて店を出た。


「昼間っから飲むと酔うな~」

「そうですねっ。それより僕がご馳走するはずだったのに…すみません」

「部下には出させないよ」

「…先輩っ…ご馳走さまでした」 

「どういたしまして」

「これからどうするんですか?もしアレだったら映画観に行きません?」

「映画?男2人で?」

「はい」

「いいよオレは。帰る」

「そうですか…じゃ僕はこのまま行きます」

「ああ。じゃ明日会社でな」


そうして2人は別れた。









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