真実【完結】

真凛 桃

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58話 究極の決断

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「ホンユ、急に呼び出してごめん」

「いいけど…こんなとこで待ち合わせなんて。飲みにでも行く?」 

「いや、お酒抜きで話したいんだ」

「何だよ…それ」

「ホンユ、今彼女とかいる?」

「え?いきなり何だよ」

「いいから答えて」

「いないけど」

「よかった…」

「よかったって…え?誰か紹介でもしてくれるの?」

「いや…実は、頼みがあるんだ」

「頼み?」

「…うん」

「何?」

「、、、、」

「何だよ?そんなに言いにくいこと?」


チスンは大きく息を吸って言った。


「クミとジスン、そしてお腹の子をお願いしたい」

「え?は⁈どういうこと?」

「俺じゃ、幸せにしてあげられない」

「チスン、何言ってんだよ」

「…無理なんだ」

「…マジかよ…どうして⁈」

「、、、、」

「あんなに愛し合ってただろ。結婚もするって言ってたし、2人目も出来て幸せなはずだろ!!」

「幸せだよ。今は…だけど、先がないんだ」

「え?先がないってどういうことだよ」

「…俺、ガンなんだ」

「…え」

「1年も生きられないんだ」

「う、嘘だろ…なぁ、冗談だよな?」

「冗談って思いたいよ…」

「そ、そんな…何でお前が…手術は出来ないのかよ‼︎」

「出来ないみたい」

「何のガンだよ?俺が手術してくれるとこ探すよ!」

「ありがとう。だけど俺も探したけど無理だった」

「…そんなに悪いのかよ。久美さんは、そのことは」

「…知らない」

「もちろん言うんだろ?」

「言わない。クミを悲しませたくない…」

「だからって…」

「クミには言わないで欲しい」

「…どこにガンがあるんだよ」

「脳だよ」


マジか…


「ホンユ、お前しか頼める人いないんだ…」

「…お前はこれからどうするんだよ」

「今のドラマの撮影が終わったら、韓国を離れるよ」

「、、、、、」


ホンユは何て言っていいか分からなかった。


「ドラマの撮影が終わり次第クミと別れるから、そしたらホンユ…クミとジスンのこと…頼みたい」

「…チスン。本当にそれでいいのかよ?」

「仕方ないんだ…こうするしか…」


その時、チスンはひどい頭痛に襲われて頭を押さえた。


「おいっ、大丈夫か⁈」

「…う、うん」

「頭が痛いのか⁈もしかして病気の症状なのか⁈」

「あ…ああ」

「…わかった」

「え?」

「俺がチスンの代わりに久美さんとジスン、それと生まれてくる子を幸せにするよ」

「ホンユ…」

「あれだけ愛してた久美さんとジスンを俺に頼むなんて、究極の決断だったと思うし…そうだよな?」

「…うん」

「だからドラマの撮影が終わるまでは精一杯、久美さんとジスンに尽くしてやれ…」

「ホンユ…ありがとう」










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