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第1章
15話 ウクの告白
しおりを挟む「え⁈全部知ってるって?」
「マリさんの願い叶えたの、俺のばあちゃんだから」
「…う、嘘だろ?」
「本当。この前日本に行った時知ったんだ」
「そ、そんな…え、じゃあマリの家でお前とマリが話してたことってその事?」
「うん」
「なんで教えてくれなかったんだよ」
「お前が知ったら、お前に災難が起きるから。それでマリさんも黙ってたと思う」
「だ、だからって…」
「なんでお前に話したら、災難が起きるってわかっててマリさんは全部話したんだろ?」
「全て本当のことを話して受け入れてくれたら、90日関係なくずっとこのままで居られるって言われたって言ってた」
「え?マリさん、ばあちゃんに会いに行ったの?」
「うん、日本にこの前行った」
「ばあちゃん、マリさんに負けたんだな…最終的な方法を教えてるし…え、でも受け入れなかったらどうなるって?」
「22日で終わるし、俺の記憶からマリは消えるって」
「…そっか。別れたって事はお前、受け入れなかったんだな」
「うん、無理だった」
「何が?マリさんがお前のファンだったって事?」
「そうだよ。騙された気分だよ」
「だよな。お前も本気だったしね」
「だから余計悔しい」
「マリさんも本当のこと話すの辛かったと思うよ。言わなければ、22日までお前と恋人で居られたのに」
「でもよかった。もっと早く知りたかったけど」
「でも22日でお前の記憶からマリさんは消えるからね」
「…うん」
「実は俺も前、ばあちゃんに頼んでウンスと30日間過ごしたことがあるんだ」
「え⁈ウンスってお前が付き合ってた?」
「うん。ウンスが亡くなって1年後だけどね」
「マジかよ…お前のお婆さんって一体何者なんだ?」
「…ハハ。まぁ世の中いろんな人がいるってことだよ」
「信じられない…」
「それより、マリさんと別れたならマリさんどうするのかな…このまま22日までこっちに居てもねぇ…」
「一応22日まで家はそのまま使って良いとは言ったけど、出て行くって言ってた」
「…じゃあ日本に帰るのかなぁ」
「そうだね」
「このまま別れていいの?お前マリさんの事本気で好きだったのに、最後に一言だけでもいいからマリさんのために言ってあげたらいいのに。お前はどうせマリさんの事は忘れるけど、マリさんの記憶は残ったままだし」
「…もういいんだ、このままで」
今までの事は忘れよう…
22日にはきれいさっぱり忘れてしまう…
それまで、何も考えたくない…
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