90日間の恋人【完結】

真凛 桃

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第1章

10話 仕方のない嘘

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「…マリさん」

「え⁈どうしてだよ⁈マリ」

「それは…」

「何で日本に帰らないといけないんだよ。それに、それで別れる必要ある?」

「…母が体調崩して…私しか居ないし…そうなると…私、遠距離恋愛は無理…」

「俺たちの付き合いってそんなもんかよ?お母さんをこっちに呼んだっていいし、どうしたらいいか俺たちで考えればいいだろ?」

「…テグ」

「俺は別れたくない」  


ウクは黙ってテグの家を出て行った。


「マリ、座って」


テグはマリを自分の横に座らせると、マリの手を握った。


「何でウクに相談するんだよ。俺に話せばいいだろ?」

「…ごめん」

「マリのお母さんの事、2人で考えよう」



テグ…嘘ついてごめん…
マリは心の中で謝った。


そして2人はベットに入った。


「マリ、起きてる?」

「うん」

「お母さんの事、心配でしょ?」

「、、、、」

「マリ?」

「うん…」

「マリのお母さんさえ良ければ、こっちに呼んで一緒に住んだらいいよ。2人で住むには充分な広さでしょ?」

「…そうだね」

「俺、マリとのこれからの事ちゃんと考えてるから。だからマリのお母さんのことも大事にしたい」

「テグ…」


このまま時が止まればいいのに…


「私、明日福岡に行って来る」

「明日?お母さんに会いに?」

「…うん」

「わかった。戻って来るよね?」

「うん。1日だけ泊まって来る」

「こっちで一緒に住む事も話してみて」

「…うん」


マリは、お婆さんに何とかならないか尋ねに行こうと思った。



1月25日

翌日、マリは朝一の便で福岡に行った。

久しぶりに実家へ帰り、母親とランチをした後、お婆さんの家へ向かった。


確か、この辺だったと思うけど…


すると庭の手入れをしているお婆さんが居た。








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