90日間の恋人【完結】

真凛 桃

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第1章

7話 本気の恋愛

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2025年1月9日 7:30

朝、マリが目を覚ますとすぐ隣にテグが寝ていた。


そっか…昨日あのまま…


するとテグが目を擦りながら目を覚ました。


「…おはよ」

「おっ、おはよう」


テグはマリを抱きしめた。

2人は一線を越えてしまい、軽はずみな付き合いから本気になってしまった。


「今日、何する?」

「テグ、仕事は?」

「今日は無いからマリとずっと一緒に居る!」

「そうなの⁈やったぁ!」

「マリは可愛いね」

「えーっっ」


テグは照れるマリを力いっぱい抱きしめ離さなかった。


「私シャワー浴びたいし、1度帰るねっ」

「離したくない。もうちょっとこのままでいて」

「テグ…」


テグは明らかに変わった。


この日はテグの家で映画を観たりして、ゆっくり過ごした。

この日から2人は一緒に過ごす時間が増え、時間だけがあっという間に過ぎていった。



2025年1月23日

テグとの時間も残り30日間となった。

マリは自分の家にはほとんど帰らず、半同棲状態で毎日が幸せだった。

そんなマリは残りの時間の事も忘れていた。


20時過ぎ、テグが仕事から帰って来た。


「ただいま♡」

「おかえり、テグ♡」

「何か食べた?」

「うん、軽く食べたよ」

「チキン買って来たから食べよ!」

「チキン⁈うん!食べる食べる‼︎」


2人がチキンを食べているとチャイムが鳴り、テグが玄関を開けるとウクが来ていた。


「ウク⁈」

「よっ。さっき日本から帰って来た。はいこれお土産」

「ありがとう。上がって行けよ」

「うん」


「ウクさん」

「こんばんは。マリさん来てたんですね」

「はい」

「ウクは昨日から日本に行ってて、さっき帰って来たんだって」

「そうなんですね」

「車?」

「いや、空港からタクシーでそのまま来た」

「じゃ、ビールでも飲む?」

「うん、頂こうかな」

「日本にはお仕事で行ってたんですか?」

「いや、祖母に会いに行ってたんだ」

「あ、そうなんですね」

「突然来てごめんね。テグには電話したんだけど出なかったから、そのまま来たよ」

「え?俺に電話したの?」


テグは自分の携帯が無い事に気付く。


「テグ、どうしたの?」

「ヤベ。事務所に携帯忘れて来たみたい」

「車の中とかじゃなくて?」

「うん。そういえば充電したままだった。ごめん、ちょっと事務所に取りに行って来る」

「うん、気をつけてね」

「ウク!マリに何もするなよ!」

「はいはい」


そう言ってテグは行ってしまった。


「アイツ、マリさんにゾッコンだね。ここまでハマらせたマリさんはすごいよ」

「え…私は何も…」

「アイツも変わってしまったよ。あ、いい意味でね」

「そうなんですか」

「マリさんさぁ…もし好きな人が亡くなったとして、何年後かに限られた時間だけど会えるとしたら、またその人と過ごしたいと思う?」

「え?限られた時間?」

「うん。例えば30日間だけとか」

「30日間…私なら無理かも…逆に忘れられなくなると思います」

「…だよね」

「どうして、急にそんな事…」

「実は…彼女が亡くなって1年後、30日間だけ彼女と過ごしたんだ」

「…え?」

「マリさんは信じてくれるよね?」


ど…どういう事?










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